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時は来た!断罪の卒業記念パーティー!
304: 地味令嬢の打ち明け話と羊の窮地。
しおりを挟む「「………誰?」」
「「え、いや、…そっちこそ誰??」」
いやまぁ、2回も台詞とタイミングが合致しちゃうよーな以心伝心さんなんて、1人しか居ないのだけれど。
「「この変身は……予想外だった……。」」
わぁ、また被った。まぁ、取り敢えず……
「凄く格好いいです……、アレックス」
「凄く綺麗だ……フェロー……。少々驚く派手さだが。……もう、地味にしてなくて良いのか?」
やっと台詞がバラけました。
「アレックスこそ、もう不良ぶらなくて良いんですか?
……言う割にそんなに驚いてなくて、残念です。」
「フェローの前ではそんなに不良ぶってなかったろう?大体、俺の不良武勇伝の半分はフェローがやった事だ。
まぁ質問に答えるなら、もう、こういう時にまで不良ぶらなくては良くなったな。
後、ビフォーアフターの差が激しかったから驚いたが、下着の好みを知ってる身としては、こちらの方がフェローらしくてしっくりくる。」
もっとびっくりするかと思ったのに拍子抜けな気持ちと、イケメン王子様にこの派手装束を受け入れられた喜びが心の中でぐるぐるする。嬉しい。
「その派手で強気な化粧も良いな。いつも化粧はしてなかったから、凄く新鮮だ。その鎧みたいな化粧がボロボロで殆んど消える位、組み敷いて啼かせてやりたくなる。」
アメジストの瞳にゾクゾクするような妖しい光を宿らせていうアレックスは、さっきまでの真面目王子とは打って変わって、何時もの肉食獣のような雰囲気で。
「それにしても、人生って面白いよな。……もしかしたら、さっきの婚約解消、あそこで受けてたのはフェローだったかも知れないんだぞ…。」
ゾクゾクとアレックスの妖しい色香に身震いした私を余所に、アレックスが手摺に手をついて階下を眺めながら言う。
私は、スパークリングで軽く唇と喉を湿らせてから、同じように手摺に手をついて言った。
「そうですよ。……本来は、あそこで婚約破棄と断罪を受けるのは私でした。婚約者なのに蔑ろにされ、ヒロインを妬んで嫌がらせしまくったせいで。
そして、その後、ムンストーン家は解体され、私は国外追放、家族は平民堕ち。そんな不思議な夢を昔見たんです。それがどうしてもお告げとしか思えなくて……。
だから、家庭教師を参考に色眼鏡とひっつめ髪にして、王子に絶対に気に入られないように、他の令嬢に紛れたり、早口で捲し立てたりして、何とか婚約者にならずに済んだんです。
でも、そのせいで、サンストーンが婚約者になった……。
最初は、気にしてませんでしたが、サンストーンの名前で取り巻きがヒロインをイビったり、パライヴァから蔑ろにされているのを見ると申し訳なく思って……。
それで、ヒロインイビりを何とか辞めさせようとしたんです。只の婚約解消で、本当に良かった……。」
信じるかどうかは判らなかったが、前世とか乙女ゲームとかは抜いて、お告げな夢という事でアレックスに打ち明けてみた。
が、存外、すんなりと受け入れてくれたみたいだ。
アレックス自身は転生者じゃない筈だが、もしかして、アレックスの身近にも誰か転生者が居たのだろうか?
まぁ、そのうち教えてくれるかな……。
「そうなのか……。その夢に感謝だな……。その夢がなかったら、俺はフェローとこうしては居なかっただろうから……。」
そういって、アレックスがそっと私の頬に触れる。
顔が近付いてきて、キスをする気満々だったのに、何かに気付いたアレックスが階下を覗き込み、私は盛大に肩透かしを喰らった。
「ヤバい!アーレクがピンチだ。助けに行ってやろう。」
何でアーレク先輩?!と思ったけど、良く考えたら、私、ダディにアーレク・オニキスにエスコートされるって報告してたよね??
こりゃ大変!
何をどうすれば良いのか全く判らないが、取り敢えず助けなければ!
「では、フェリシア伯爵令嬢…、お手をどうぞ…?」
アレックスが差し出した手を取れば、私とアレックスはふわりと風魔法で浮かんで、そのまま階下へとメリー◯ピンズよろしく浮き降りた。
ーーーーーーーーーーー
すみません!!
いつも、続きを書くときに前回の話を確認する為に、最新話の所に貼り付けててるんですが、昨夜、準備だけして寝落ちしてしまい、朝続きを書こうとして、あ、この話まだあげてなかったのかー。と寝惚け眼で投稿してしまいました。
全く申し訳無いです!!
いつも、読んでくださってる皆さん、本当にありがとうございます!!
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