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時は来た!断罪の卒業記念パーティー!
303: 断罪回避成功!地味令嬢、ヤンキーと喜びのお色直し。
しおりを挟む嗚呼、とうとう、断罪のシーンがやってきた。
「………というわけで、私、パライヴァ・アメトリン第2王子は此処に、カメリア・サンストーン伯爵令嬢との婚約を解消し、ヒロイン・ローズクォーツ男爵令嬢との婚約を宣言する!」
ざわざわする会場の中、何割かは粛々とその宣言を聞いていた。
私とアレックスもその中の2人だ。
取り敢えず、肩の荷が降りる。
サンストーンも、変な断罪劇にならず、粛々と宣言を受け入れ、令嬢らしい見事なお辞儀をしてデクスターに伴われて会場の壁際へと下がった。
ふう、と一息ついて、スパークリングを流し込み喉を潤す。
やっと、自由である。
私は、白の厚手の、ドレスの上部を覆っている窮屈な詰襟に手を掛けた。
「アレックス、ちょっとお行儀悪いですが、此処でお化粧直ししちゃっても?」
「ああ、俺も少し身なりを整えよう。そろそろ、父兄が入ってくるからな。」
アレックスの言葉に甘えて、詰め襟のボタンを外し、腕の部分を脱いでマジックボックスに収納する。
シニョンを外して、髪をふわふわになるようにそっとゆすってほぐして…、シニョンにしていた網付きの髪飾りを額に当てて、両こめかみでピン留めして…。
色眼鏡をマジックボックスに収納して、ほんのり化粧の上からアイシャドウをガッツリ塗る。
あああ、コレコレ。前世派手メイク好きだった私は、この美少女顔にずーーっと派手メイクを施したかったのだ!
洋楽のMVみたいなメイクをずっとしたかったのだ!!
濃く熟れた色の口紅を塗り、キラキラグリッター付バッチリ付け睫毛、スモーキーアイな目許に頬骨の辺りにはグリッターを少し乗せて。
この日の為に、魔物素材からグリッターとスパンコールとラインストーンを開発した甲斐がある!
白のぽったりした詰襟の下から出てきたドレスは胸元を大きく開けた紫のサテンの上に黒レースを重ね、ラインストーンを沢山付けてキラキラさせたビスチェタイプで、デコルテをキラキラ煌めくジルコニアが埋め尽くす派手なネックレスが覆っている。
うん。流石にダイヤで作る予算がなくて……。でも、ダイヤよりキッランキッランするから!寧ろ私はこっちの方が!好きっていうか…!エヘンエヘン、脱線しちゃった。
マジックボックスから、このドレス用の黒レースの長手袋を出し、着用する。爪はこの日の為に菫色のマニュキュアを塗って……。
マニュキュアも無ければ作るつもりだったけど、これはあった。流石乙女ゲー。
ドレスのスカート部分にさっとグリッターを撒いて煌めかせ、尾てい骨の辺りのレース部分に隠していた紫のチュールレースをふわり、と金魚の尾びれの様にスカートの後ろに垂らす。
最後に、お気に入りのお色気むふーんなムスクやローズが甘ったるい香水を一振りして、ふう、とアレックスに向き直ると、丁度、アレックスも身なりを整え終えたようで…………
「「………誰?」」
「「え、いや、…そっちこそ誰??」」
其処には、制服ではないキラキラがいっぱい付いた礼服に身を固め、金髪も綺麗に整えられた、何処の絵本から出てきたの?って位の真面目そうな眩しいイケメン王子様が立っていた。
え、ホントに誰ー!?嘘でしょー!??ヤンキーはいずこー!
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