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冬、到来。
277: 地味令嬢とヤンキーの休日の朝。
しおりを挟むあっという間に、季節は白く、冷たく変化して、
とうとう、冬期の休みが目前になった。
家にはなんて言い訳しようかな、何て考えながら、布団にくるまってぬくぬく過ごす。
「こら、芋虫。一日中布団から出ないつもりか?怠惰過ぎるぞ?」
アレックスの言葉にモソモソと布団にくるまったまま、蠢く。
「うごうご動きやがって。折角の休日だ、早く着替えろよ。」
さーむーーいーー。
布団の上から抱き締めて来て小言を言うアレックスに、モゴモゴウゴウゴ蠢いて抗議の意思を表明する。
「………………うりゃ。」バサーー!
「あああ!?布団が吹っ飛んだぁぁぁ!!??さっむーー!!」
イヤーン!何をしやがる!スースーするがな!
アレックスが風魔法で布団を垂直に吹っ飛ばし、天蓋に貼り付ける。
風魔法ってことは、風である。(真理)
ヒューヒューである。(擬音)
さ、さむいーー!!
冬の朝7時台に、こんな、き、鬼畜ぅぅ!!
「ちょっと前までは平気で水浴びてた癖に何言ってる……。」
ギャーギャー喚く私を、アレックスはペペっと部屋着を脱がせ、軽々肩に担ぐと、風呂に運んでチャッポリ湯船に浸けてくれた。
「あ、あったかい。」
暖かい湯から熱を貰い、私の低調な身体機能が少しずつ覚醒していく。
あ"ーーーーー………。
あ、温泉行きたいな。寒いし。
ほっこり湯で温まりながら、そんな事を思い付く。
確か、温泉と雪が有名な観光地がこの国の端っこにあったんだよね………。
そうだ、旅に出よう。
ドンストッ♪ビリービン♪
と、真夜中に電車で何処かに行く、じゃないけど、
青少年には、広い世界を見て廻るってとても大切な経験だと思うの♡
フェリたん、領地と学園の付近しか知らないし、国の色々な所見るのってすごーく大事。だから、ダディも判ってくれるよね♪
アレックスに髪を洗って貰いながら、うっとりとそんな考えを纏めていく。
「アレックス、決めた。私、この冬休みは諸国、じゃなかった、諸領漫遊の旅に出る♪」
「…はぁ?……いきなり何だ?旅??あ、流すから凭れて。」
「はーぃ。そ。旅。温泉がある領、あったじゃない?あの辺?
で、途中で偶然会ったレックス様が、独り旅は危険って同行してくれたら完璧じゃない?」
「なかなかに放蕩娘な設定だが……まぁ、
ムンストーンの自由奔放な次女ならイケル………か??」
アレックスが訝しがってるが、おら、気にしないだ!
アレックスが全身綺麗に洗ってくれた後、完了♡と額にキスを1つ落とす。
すっかり目が覚めた私はザパッと起き上がって、
んー……と、アレックスにキスをねだり、風呂から出てクリンナップで水気を飛ばす。
冬はね、クリンナップで水気を飛ばすのが一番風呂上がり寒くないです。異世界バンザイ!
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