本編完結【R18】地味すぎる転生悪役令嬢、攻略対象と関わらずに…俺様ヤンキー公爵に絡まれる。Why？

豊穣祝祭期間

271: 祭が終わってほっこり地味令嬢、ヤンキーとぬくぬく過ごす。

何だかトラブルもあったが、学園祭も終わり、
バレリーやミュゲ嬢三人組は少し金持ちになった。
私とアレックスは小遣いが増えた。やったね！

そして、幾つかの男爵寮が、
少しでもじゃが芋の現金化が出来たと胸を撫で下ろしてくれたみたいだ。

ムンストーン領の余ったじゃが芋？領民に良く売れてるみたいです。

元々農村等は作った物を税分納めて、後は自分達で物々交換、現金？ナニソレ。状態だったのが、
今回のことで、芋食いたい！買い物楽しい！屋台サイコー！
みたいな人が増えたらしく、
副業に力入れたり、各所の私の事業にアルバイトしに来たり、
前よりちょっと貪欲に働く様になり、結果領の税収が上がり……。
ダディがニコニコ顔になったとロッドの報告に書かれていた。

神殿からは、いつもこの時期は結婚する人が増えるが、今年は凄い。来年ベビーブームが来るかも知れない。との事だった。

じゃが芋パワーヤバイな。
まぁ、たまにはこんな年があっても良いよね。


季節はすっかり秋の終わりから冬の始まりに移行していて、
私は肩に掛けられた暖かなブランケットをしっかりと羽織直し、
程よい温度になってきたココアを啜った。

実は、ちょっと猫舌なんだよね。

「今度は何の報告だったんだ……？」

アレックスがコトリ、とサイドテーブルに自分のココアを置いて、
ソファの上で寛ぐ私を後ろから抱き締める。
耳許で囁かれる低く甘い声に、背筋の奥がぶるり、と震えた。

「こないだの豊穣祝祭期間の報告書ですよ。」

「ああ、……何だか懐かしいな。
　まだそんなに日にちは経ってないのに。」

「そうですよ。まだムンストーンの甘い香りのバターとやら、
　毎日召し上がってるんでしょ？」

私の言葉にアレックスがクスクス笑う。

「ああ、毎日使ってる。まだまだある。
　なんならこのココアの牛乳もムンストーン産だ。
　だが、家に渡した分はもう僅からしくて、親父が嘆いてた。」

今度、絞った時点から品質保持が懸かるシステム作ってみようかな。そんな事を考えながら、アレックスの降りてきた唇に唇で応えた。

最近の私達は最早、夫婦である。

一緒に住んで、一緒に食べて、一緒に寝るのが当然で、
アレックスのお家のお手伝いや授業なんかでそれが崩れると、
何だかションボリしてしまう。

正に新婚夫婦の様相を呈していた。
学園入学一年目でこんなんなってるの、どーなんだ？と、
思いつつも、幸せなのでいっかなー、なんて思ってる。


最近、年末年始の休暇をどうするか、なんて会話が他の生徒達から聞こえてくるようになった。

どうしようかな、どうしたらアレックスと一緒に過ごせるかな、
なんて、暇さえあれば考えてる。



「どうした？1人でニマニマして。」

向かいの寝椅子で読書しながらココアを飲んでいたアレックスが、
手を止めて聞いてくる。


「いやぁ、私ってワルい子だなぁって思って。」

笑ってそう応えたら、

「何だ、そんな事…。今に始まった事じゃないだろ……。
　俺は出会う前から知っていたぞ……。」

なんて、溜め息混じりに言われてしまった。

あはは、ひっどーーい♪



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洗濯機が壊れました。
ちょっと、近い内に１、２回休むかもしれません
( ；∀；)