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豊穣祝祭期間

266: 地味令嬢、悪役令嬢の窮地に参戦!あれ?窮地?

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「おいおい、なんだあ?」


お頭がニタニタ笑いながら言う。

「何かと思ったら……、へへ。何かぼやけてっけど、
 認識阻害系かかってんのか?てことは、そこそこの家だな。
 おい、頂ける貴族のお嬢さんが1人増えたぞ、テメーら。」

うーーわ、小悪党の方、何か少し賢そう。
後、魔法に詳しいんだな……。取り敢えず……。

ヘラヘラ笑って間合いを詰めそうな気配を醸す2人に、
弾かれる様に私は魔力の蔦を生成し、鞭のように2人を殴り付けた。

「ぐわあぁぁぁ!!」「あででで……!!」

バチバチと太めの魔力の蔦が2人を痛め付ける。

しかし、お頭は結構痛そうだけど、
小悪党はそんなにダメージ負ってない。何か装備してるのかも。

「あ、あなた……もしかして……」

私の正体に気付いたらしいサンストーンに、
そっと人差し指を唇に当てて、ウィンクする。

「ふぅーーー。イテェ、イテェ。
 中々賢いな。魔法が使えないなら魔力で殴るってか。
 正しいよ。マダマダだがな。」

ザク、ザク、と落ち葉を踏みしめ、此方に近付いてくる小悪党に、
咄嗟に魔力の蔦を向ける。

「へへ……可愛いねぇ。 だがな、剥き出しの魔力ってのは、
 こんな事も出来るんだぜ…?」

私の攻撃をヒラリとかわした小悪党が、細い魔力の蔦を数本出し、
私の魔力の蔦にヒュッと絡ませた。

「うあ"あ"あ"ああ"あ"あ"!!!」

「ムン……しっかり!!大丈夫??!」

バリバリと、漫画でよくある、電撃攻撃とか受けてるシーンみたいに全身に痛みが走った!めっちゃ痛い!!
あの漫画でよくあるやつ、ほんまに痛い!!

思わず膝をつき、自分の体をぎゅっと抱き締めて痛みに耐える。
サンストーンが慌ててやってきて背中を擦ろうとするのを、止め、
踏ん張って、
サンストーンを隠すように立ち上がる。

「おー。おー。今のは大分痛くしたんだがな。
 かーわいいねぇ……。それで?次はどうすんだ??」

愉しそうに嗤う小悪党をギッ!と睨み付け、数十本もの魔力の蔦を噴出し、一気に畳み掛ける。

「ヒャハハ!痛い思いするって判ってても突っ込んで来るのか!
 益々可愛い!イイねぇ!俺好みだ!」

後ろの雑魚共やお頭には蔦は当たるが、小悪党は避けながらケラケラと嗤う。

アイツ、あれだ。こっちの魔力切れ待ちってヤツだ。
でも、フェリたん、魔力だけはむっちゃあるんだよね……!

正直精神力が心許ないので、蔦最大出力で、
フェリシア、行っきまーす!!

「ぐわあぁぁぁ!!」「「うぎゃぁ!」」「ギャァァァ!!」

「おお、流石、貴族のお嬢さんは魔力量が違うねぇ。
 だが、力でごり押しなんざ、
 頭空っぽの盗賊レベルの戦法だぜ…?お嬢さん。」

うっせ!うっせ!!テメーらと一緒にすんじゃねーよ!!

ムカッと来たので、蔦から更に魔力線が噴出するように、
魔力を大量に噴出する。

ギャァァァ!!と男達が痛みに悶絶し、お頭が膝を着く。

「おわっ、魔力量だけならピカ一だな!だが、そろそろ……」

クる!!

小悪党が魔力線を掴もうとするので、痛みに身構える。

「へへへ、痛いのは耐えれると思ったか?
 ……こーゆー事も出来るんだぜ?」

「づぁっ!?あああ!!アァーーー!!ッッ!?アーー!!!」

小悪党が魔力線に触れた途端、剥き出しの魔力線から全身から脳味噌まで、ゾワゾワとした気色の悪い快楽が駆け回った。

思わず膝をつき、魔力線が維持できなくなり掻き消える。

だが、小悪党が掴んだ魔力線だけは、向こうが維持して離してくれない。

くそ!くそ!!なんだ、これ……!!




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