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豊穣祝祭期間

257: ☆令息ぶる地味令嬢とヤンキーの嗜好と視察デート。

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「……レックス殿は変わった趣味をお持ちだ。」

そう返せば、後ろでゾクゾクと身震いをしたのが判った。

えー……?意外すぎてどう攻めて良いのやら……。



会話はそこで終わり、
昨日巡った村は通らずに駆け、昨日訪れなかった村を視察していく。

朝、使用人の前でマジックボックスの話をしたせいか、
昨日こっそりだったのに、今日は割と堂々と各村で、
牛乳やバターを買い付けているアレックスさん。ほくほく顔です。

まぁ、村民は現金収入に飢えてるから、良い値を付けて貰ったと、こっちもほくほく顔だけど。

そんな感じに数村廻った後、小高い丘で休憩がてら暮れ泥む領地を眺めながらお茶を飲む。

髪を解かれ、色眼鏡を外されて、
丘に座るアレックスの中にスッポリと収まるようにして座り、
ホーローのマグの中の湯気立つミルクティーを啜る。

今日の宿はどうしよう?なんて考えていたら、そっと、顔を横向けられ、口付けされる。
ふわりと風魔法がマグを近くに設置されたローテーブルに運ぶ。
甘く長い口付けに酔いしれている内に体の向きを変えられ、
とさり、と押し倒される。

いつの間にか、芝の上にマントが敷かれていた。
チュッチュッと私の額や頬、首にキスを落としたアレックスが上体を起こして嘆息する。

「ヤバイな。こうやって領地を見下ろしながら、
 女領主みたいな喋り方するフェローを組敷くと……、
 領地クニでも盗った気分だ……。」

こちらを見下ろして、うっそりと嗤うアレックスに、背筋にゾクゾクしたものが走る。

「な、何をするつもりだ…、レックス殿!」

気持ちがじりじりする。まさか、まさかだよな??
ちょ、待てよ!360度開けてる!
こないだのランドスケープ庭園処じゃない、
本物のランドスケープ、解放感、200%なんですけどぉぉぉ!?
しかも、マイホームグラウンドなんですけどぉぉぉ!?

ついっ、と黒革の手袋を噛んで外しながら、アレックスが肉食獣の様に嗤う。

「ナニって、この領地を眺めながらフェローを頂こうと思って。」

コイツ、すっかり国盗りした気分やーー!

ま、まぁ、アレックスが楽しいなら、
そーゆーごっこに付き合うのもやぶさかじゃないよ。
何だかんだ、惚れた弱みってか、なんてか、
好きな人が喜ぶなら、いっかな……ってなるし。

「フェロー?この服、破いたらダメだよな……?」

あかんに決まってるやろーー!?

「ふざけるなよ!何を考えている?!
 大体、私にこんな喋り方をさせるなら、レックス殿も
 口のきき方を考えたらどうだ?!」

「ハハ……俺のフェリシア様…!」

ワーーオ!するっと下克上モノっぽくなった!

もう、何言ってもムラムラさせるだけみたいだ。
夕陽に照らされたアメジストの瞳が妖しくて、吸い込まれそうとか思ってる内にブーツを脱がされ、スボンを脱がされ、シャツをはだけさせられる。
透けないようにと着た、ベロアのキャミソールを捲り上げられ、白地にシャンパンゴールドと薄紫のピンストライプ柄のブラを外され、共布のショーツはヒモを解かれ、スルリと奪われる。

「あ、アレックス、様……ああっ!?」

アレックスに内腿を撫でられ、思わず体を跳ねさせる。

「フフ…フェリシア様、言葉遣い、元に戻ったのでお仕置き1回確定ですね……。」

「え……?言葉遣い?あっ!ちょっ、待って…アレックス様!」

「お仕置き2回確定ですよ、フェリシア様。」

「や、そん……ふぁぁ…!」

体をまさぐりつつ、アレックスの頭が私のソコにどんどん近付いて行くのが、気が気じゃなくて……。

静かにアレックスがその後も指でカウントするのに気付かず、
私はアレックスがソコをトロトロにするまで何度もお仕置きカウントを重ねるのだった。




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