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後期!

231: 暴発地味令嬢と水髪教師と控目令嬢と唐突な芋。

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はい、そりゃもう、勿論。喜んで乾かしますよ。トホホ……。

所で、

「先生!呪文を唱える前段階、ちらっと考えた瞬間に発動しちゃいます!何でですか?どうしたら良いんですか?」

ヘルプヘルプヘルプー!
何とかしてくれないと人間間欠泉のままだよ!

「無駄にクリンナップやら、魔力の運行に馴れてるからそーなるんです。君は唱えながら魔力を流してみてください。」

「はーい。『美しき雫の蒼よ在れ』?」 ダバーー……

おお!出た!水道の蛇口捻るみたいに出た!
面白いので、シャワー、雫、水量全開、拡散、霧散布、ジェット水流、色々試す。
わー!じゃぁ、水圧を上げて、ウォーターカッター出来るかな?
えい!あ、意外と難しい。この!うおわ!水圧に私の指が負ける……!この!ふん!ふーーーん!!!

「それは、違う呪文じゃないと出来ないです。風の属性も混ぜないとなんです。」

「べっ!?」

背後から耳元にボソッと囁かれて飛び上がる。怖いな、この先生。

「君は、詠唱と無詠唱で交互に十回ずつ、
 さっきの霧吹きみたいなのを発動させなさい。
 それがミスなく、簡単に出来たら、他の呪文の暗記に入りましょう。」

おー!やったぁ。早速取り組む。

『美しき雫の蒼よ在れ』シュワー… シュワー…『美しき雫の蒼よ在れ』シュワー… シュワー…
『美しき雫の蒼よ在れ』シュワー… シュワー…『美しき雫の蒼よ在れ』シュワー… シュワー…
『美しき雫の蒼よ在れ』シュワー… シュワー…『美しき雫の蒼よ在れ』シュワー… シュワー…
『美しき雫の蒼よ在れ』シュワー… シュワー…『美しき雫の蒼よ在れ』シュワー… シュワー…
『美しき雫の蒼よ在れ』シュワー… シュワー…『美しき雫の蒼よ在れ』シュワー… シュワー…

「先生!出来ました!」「はい、見てました。まさか、速攻目の前でこなすとは。」

わーい!先生が教則本を解除してくれた!
解除された最初のページに挟まれたプレート、これを持ち歩いてると、図書館でも制限を受けずに魔法の本を読めるらしい!
やったぞー!!

取り敢えず、制限の掛け方が面白かったので、ノートに術式をメモする。
複合式は考えるのメンドクサイから、成立してる術をコピーして改変するのが一番だよね。

「凄いノートだね。何故文字が書かれてる上に更に文字を書く?
 後、字の汚さが酷い。」

耳元でボソボソボソッと囁かれて、怒りが一気に沸点に達する。
………………けどぉ、が、まん!先生だし!

なんなのこの人!変態か!悪趣味か!後ろから覗くなー!
ゴル◯なら殺されてるぞ!

「メモなんて、書いた本人が思い出すか、読めれば良いんですよ。」

怒りを込めて言えば、おお、怒らせたかな?なんて、おどける。

「成る程、君だけが読めるわけだ。天然のセキュリティだね。」

ムッキャーーーー!
先生じゃなきゃ!先生じゃなきゃ!!お前なんかー!

大体、ちょっと斜めに走り書きして変な余白になってる所に、又別のメモ書いたりして、時々字が重なる程度だから読めるし!
最近走り書きが多くてページ半分位、字が重なってるけど、読めるし!

………次から裏面使おう……。

「いーなー。フェリシアさん、先生といっぱいお話しできて……。」

はぁ!?と思って、変な事を宣うミュゲ令嬢を見たら、目が♡になってた。

「………好きなの?」

こくん、と恥じらいながら頷く令嬢。へー。アオハルだねぇ……。

内緒よ?と囁いてくるので、お互いね、と返しておいた。


何だか、ミュゲ令嬢とまた少し仲良くなってしまった。

授業が終わり、昼食だー、と皆が退席していく。
結局、今日の授業で合格が出たのは私を含めて三人だけだった。

この授業は必須科目で、同じ授業が幾つかの曜日にあり、他の選択授業に被らない様に自分で選べる為、少人数で、
私のクラスはサンストーンやヒロインとは別なのだ。
きっと、魔法が使えるサンストーンなんかは一発合格なんだろーな。

「ねぇ、フェリシアさん、お芋あげる。はい、お裾分け。」

やー、それにしても今日の授業楽しかったなーなんて考えながら荷物纏めてたら、ミュゲ令嬢が笑顔で芋をくれた。

ごろり。と麻袋から大きな男爵芋が1つ零れる。




え?なんで?

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