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後期!
216: 地味令嬢悪巧みと誘惑、悪役令嬢と房飾りと耳飾り。
しおりを挟む「これ、サンストーンに凄く似合うんだけど。
耳飾りか髪飾りにしちゃ、…だめ?」
ほら、と鏡を見せる。そこには、ポカンと口を開けたサンストーンが映っていた。
でも、超絶房飾り似合ってる。
「まぁ、貴方、何を言うの??」
「だって、このまま箱に入って、王子殿下なんか
チラリとも見ずにそのまま仕舞われちゃうんじゃない?
それに、本来房飾りは手作りでしょ?
バレたら、手作りあげたかったって言えばいーじゃん。
男爵令嬢の房飾りなんてシンプルだよ?絶対。
それに倣ったとか言ってサー。
ほら、
この金のタッセルの上にこのおっきな金玉ビーズ乗せて、
この青リボンこう垂らして、
上にこの真珠に金の装飾ついたビーズとカットビーズ交互にして…、
これでいーじゃん。
ね、これ渡してさ、
それ、髪飾りか耳飾りにしよーよ。
めっちゃサンストーンに似合ってるよ。
あんだけされてるんだもん、
この位、許されるんじゃない??」
怒涛の誘惑だった。
途中、表現が悪かったせいで金玉……と顔が真っ赤になっていたが、段々、誘惑にぐらついてきたのが判った。
そして、最後の一言が止めを刺し、サンストーンの瞳はキラキラと輝いていた。
「耳飾り、片方だけなんて……可笑しくないかしら?」
「片方だけ耳を出した髪型にして、大きな耳飾り。
って、素敵だと思うよ?
まずは、この、適当手作り品を練習がてら作ってみない?」
髪を片側に寄せ、露にした耳に房飾りを当てて鏡を見せながら言えば、
サンストーンの瞳は決意に溢れていた。
取り敢えず、テキトー品を作る。
5分も掛からず出来たが、パーツが高級品なので、
シンプルだけど品が良く、そこそこ高級品に見えた。
全部金属パーツで繋いだので、
針と糸を一切使わなくて、とても楽しかったです。
有名商会のビロードの箱にテキトー品を入れ、
素敵な素敵な房飾りを出す。
「耳飾り決定で良いの?」
「ええ、耳飾りなら自分で付けれるから…。」
確かに。
私は自前のパーツセットをマジックボックスから取り出して、耳飾り用の土台を幾つかより分けた。
「ピアスにする?イヤリングにする?」
「ピアスが良いわ……。」
うーん。重さが気になるなぁ。
サンストーンの耳が仏みたいになってもな。
私は、シンプルな金の丸装飾が付いたピアスの土台を取り、小さめの風と土の魔石と魔術ごてを用意した。
取り敢えずは、ピアスを作る。
房飾りの紐を、金具パーツに通して、はみ出たところを切って中を硬化。
その金具パーツとピアスを丸カンで繋いで完成。
一度試着。
「まぁ、素敵ね!」
サンストーンは喜んでるが少し重そう。
ピアスを返してもらって、土台の丸装飾に2つの魔石を使って風属性の術式を組み込み、
房飾りを大気のエレメントで殆んど浮いてる状態に保つ。
イメージは、息で膨らませた風船位のふわふわ感。
「これでどうかな??付けてみて、サンストーン!」
「………! 凄い!軽いわ!
それに、風に靡いて凄くキレイ……。
凄いわ……!
凄いのね、ムンストーン…。」
やだぁ……誉め上手過ぎてキュンと来る……。
黄薔薇が綻んだような、
可憐でいて凛とした趣のある、超絶眩しい笑顔にクラクラした。
「………ねぇ、武芸祭、それ着けて見学したら?
どうせ、見学しなきゃなんでしょ?」
思い付いてしまい、悪ーい顔で微笑む。
「…………やだ、ムンストーンたら…。悪い人ね…。
考えただけでもドキドキするわ、そんなの。
…………でも、やっちゃおうかしら………。」
あーあ、こんなこと思い付くなんて、私ってば、
アレックスの言う通り、性悪なのかも。
武芸祭が楽しみだね、と2人で笑いながら、次の房飾りを作り始める。
護衛の制服に馴染むように、白と赤で作られた房飾りは、
サンストーンの耳飾りにした房飾りとデザインを似せたいというサンストーンの希望で、2人でパーツ選びからやり直した。
高級品と対になるようなデザインなので、当然豪華なデザインになり、
大分手間が掛かったが、サンストーンはその後、何日も一生懸命、切ったり縫ったり繋げたりして作っていた。
捲らないと見えない位置に金と青をリボンとビーズで配置したその房飾りを見て、
サンストーンの耳飾りの房の中に、好きな人の色のビーズやリボンを入れ込む方法を教えてみたら、
嬉しそうに、モカブラウンと黄緑を探していた。
へぇーーぇ。
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