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後期だ!(まだ始まってない)
165: 地味令嬢の美味しい時間と贈り物。ヤンキーは二度と驚く。
しおりを挟む「わぁ!美味しそう!!スッゴいいい匂いー!」
今日は朝から大量の中華だった。
焼売に翡翠色や桜色など、色取り取りの蒸し餃子。
肉まんに桃まん、北京ダックバーガーにニラ饅頭。
春巻、ゴマ団子、担々麺に白湯麺、クラゲの酢の物に肉団子の唐揚げ、八宝菜に海老天……
くぅ~!お、い、し、そー!!
超特急でソファに座れば、香り高いジャスミンティーを添えられる。
うはー。
アレックスと一緒に食前の祈りをして頂きますしてムッチリした蒸し餃子にかぶり付く。
桜色の海老蒸し餃子は、ナカのエビがプリプリしてて、むほほ、堪りませんなぁ。
焼売も肉汁たっぷりで、小籠包のスープも、うーーん唇が吸い付くコラーゲン感!
夕飯をうっかり抜いてしまったせいで飢えまくっていた胃袋が、歓喜の唸り声を轟々とあげる。
美味しい!
アレックスを見やれば、こっちも腹ペコだったのか、勢い良く北京ダックバーガーにかぶり付いていた。
その美味しそうに食べる姿が、更に私の食欲に火をつける。
結局、大量だと思ったのに、二人で殆んど平らげてしまった。
ふぅ、美味しかった♡
ジャスミンティーの苦味がお口をスッキリさせてくれる。
と、左小指に絡み付いたピンキーリングが視界に入り、昨日頑張って作ったプレゼントを思い出す。
「ふぅ、御馳走様でした、アレックス様。いつもありがとうございます。」
「どういたしまして。ナカナカ旨かったな…。庭園の美しさもウリらしいから、今度店にも行こうか。」
マジで?嬉しいなぁ!ニコニコと頷く。
「ぁ、アレックス様、これ、お揃いで作ったんです。最低限の機能しか付いてないですが……。」
いそいそとマジックボックスからプレゼントボックスを取り出し、アレックスに差し出す。
テーブルの先に居るアレックスに差し出すため前重心になり、一瞬、プロポーズでパカッと指輪を見せる直前みたいな体勢になってることに気付いて顔が真っ赤になる。
どーしてこの手付きで差し出しちゃったのかな。
パカッて出来たらプロポーズだよ!
リボン掛かっててパカッて出来ないけど!
アレックス早く受け取って!
アレックスが受け取り、リボンを外す。
アクアマリンカラーの小さな石が嵌まった燻銀のピンキーリングに、アレックスの両眉が上がる。
「……これは…。」
「ちょっとした小物入れに便利かと思って…。マジックボックスです。戸棚程度の容量で、品質保存も無いですが。」
自分の左小指に絡み付くアメジスト色のピンキーを見せて説明する。
「……はぁ?マジックボックス!?」
思ったより驚かれた。
「作ったのか?自分で??」
「最低限の機能だけなら、私程度の知識でも出来ました!
あ、ちゃんと術式学の教授に式を見て貰ったので、安全ですよ!」
その辺もバッチリよ!と笑顔でサムズアップする。
対するアレックスは、はぁ、と嘆息して頭をガシガシ掻いている。
「全く…指輪を贈られた驚きが消し飛んだ。だが、凄く嬉しいよ。ありがとう、フェロー。」
早速、同じ左小指に着けてくれて蕩けるような笑顔で礼を言われる。
その笑顔が嬉しくて、お揃いの指輪が気恥ずかしくて、照れたり喜んだり、
私は赤い顔でモジモジソワソワした。
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