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後期だ!(まだ始まってない)

153: お目覚め地味令嬢とヤンキーの美味しいチキンタイム。

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「……ん……はーーーー。お腹減った!!喉乾いたぁ。だっる!しんど!腰おっも!!
 ぅ~~~んむ……何か頭も痛い…。脱水気味かな。」

あーーててて…と小さく呟いて上体を起こし、水とトイレに行こうとしたら、横に炭酸水を差し出すアレックスがいた。

「………………………………
 ……………………………………………………………………………
 ……あ、そっか。エッチしてたんでしたっけ?」

低血圧気味でだるーーんとした目覚めだったせいで、居たのに気付かず、おもっきり悪態吐きながら起き上がってしまった。

有り難く炭酸水を受け取る。

恥ずかしいところを見られてしまった……。

気まずさを流し込むように一気に呷る。

ぐっふーーー。生き返るうぅ!

ゲップにならないよう、くふくふ少しずつ炭酸を吐いていると、気遣わしげにアレックスが耳に触れてきた。

「ぎゅふっ!」

っっ痛ぁー……!
驚いた拍子に炭酸が鼻に抜けてしまった……。

可笑しそうに笑うアレックスをキッ!とにらむ。

「フフフ……ごめん。良かった……少しは元気そうだ。」

「元気ですよ…。すみません、独りだと思ってたので…。
低調な朝はちょっと大袈裟にぼやいて調子上げるんですよ。」

「成る程、独りだと思って素が出たんだな。
 まぁ、大体の不調は判った。取り敢えず食事を摂ろうか。」

うっ…折角人が誤魔化したのに……。

まぁ、ちょっと気恥ずかしいけど、アレックスもそんなに気にしてなさそうだし、良しとする。

アレックスがベッドからするりと出て、服を着ながら食事の準備を始める。さらりと羽織るリネンのシャツと黒いズボンがもう、朝から目の保養だわ…。

今気付いたけど、私はいつものベロアのキャミソールとショートパンツを着用していた。

私が寝てる間にアレックスが部屋に行ったのかな?

アレックスがベッドの上に出してくれたモコモコカーディガンを羽織ってベッドから出……羽根付きミュールまで持ってきてくれてるわ♡

ミュールを履けばいつものお部屋スタイルの完成である。

アレックスが食事を準備しているコーヒーテーブルを眺めつつソファに座る。

寝椅子だけだったこの場所に増えた1人掛けソファは、寝椅子と同じクラシカルで優雅な猫脚ラインを持つものの、何処かコロンとしたフォルムを持ち、すっぽりと私を包み込む感じがとても良い。

とても私好み。

絶対私の好みを考慮してくれた。

そう思うと何だかニマニマしてしまい、ミュールを脱いでソファの上で体育座りでモジモジする。

何だか、同棲みたい。きゃゎーーーー!!

「こぉら、行儀悪いぞ、性悪猫。ちゃんと座るんだ。」

ホントに猫に叱るかの様に、甘々な叱られ方で、気恥ずかしくて慌てて直る。

そんな私を満足そうに眺めてアレックスはお茶を準備する。

今日のご飯は……ケン◯ッキー??と思ってしまうような、フライドチキンとポテト、チキンバーガー、サラダにスコーン、スイートコーンの盛り合わせだった。

王都の平民の若者に人気の店らしい。

お、乙女ゲーだもんね……。

驚いたが、久々のジャンクフード!嬉しくない訳がない!いっただっきまーーす♡


「んんんんんむ!おっいしーー!!」

ばりっとザクザク衣のチキンにかぶり付き、歓喜の声をあげれば、
目の前で同じくチキンを頬張っているアレックスのアメジストの瞳が、
じゅわ~っと音がしそうな位甘く蕩ける。

美味しくって、それを好きな人と一緒に味わって、
美味しいねって言い合う。

それだけで超超、超幸せで。

ファーストフードな事も相まって、何だかすっっごくアオハル気分になった。

夏休み、学校の空き教室で、先輩が買ってきたケン◯を食べる、とか、絶対部活の先輩後輩モノやん?!

幽霊部員な見た目ヤンキーな先輩と人知れずいちゃつくやつやん!?

わーー……高校の時、
そんな二人を目撃して足音忍ばせて引き返した思い出あるわ~。

モテなかったなー、あの頃。



何て甘塩っぱい思い出を懐かしみつつ、楽しく食事した。




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