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後期だ!(まだ始まってない)
124: 地味令嬢の美味しい時間、ヤンキーは今世界で一番美しいモノを視て、聴いているのは俺だ。と自負する。
しおりを挟む黄みの強い朱から、官能的な紫がかったピンクに空が変わりつつある中、食事が始まる。
「レベルアップおめでとう。フェリシア」
アレックスに祝われて何だかむず痒い。
食前酒にとろりとしたシェリーと、
付け合わせのチコリーの舟に乗ったフィンガーフードがサーブされる。
しょっぱいスモークサーモンの様な切り身に濃厚なソース。
ピリリとしたピンクペッパーの粒がアクセントになって美味しい。
小さなグラスに夕暮れ空を閉じ込めた様なシェリー酒を目で堪能し、一気に呷る。
さっき、船頭が認識変換でおじさんに変装していたのに気付いたこと、
大店の支配人や守衛が認識阻害に気付いている様子だった事等を話せば、
それがプラチナ区域だ、と返ってくる。
王族や高位貴族がお忍びでウロウロ、
そんな彼等を狙った暗殺者もウロウロ。
だから、王族や貴族に気付かれずに敵を排除したり警護出来る人物があちこちに配置されているそう。
怪我なんかで一線を退いたけど、マダマダイケル系ベテランの再就職口としても人気なんだとか。
なるほどなー。
花と果物がたっぷりあしらわれたサラダがサーブされる。
この給仕も、テーブル脇に来るまで私は気付けない。
アレックスの反応を見てると、アレックスは認識してる。
経験値の差?実力の差?何か悔しい。
前世で好きだったイギリス人シェフが、
無花果を使ったサラダを官能的と表現してたけど、このサラダも、お花が沢山♡な可愛い系ではなく、どこか官能的だった。
ナッツと蜂蜜が生ハムやフルーツと絡む。
さっきから、やけに官能的に感じるのは、朝から煽られ続けている熱が胎内で燻っているからなのか、
それとも、この後の事を期待しているからなのか……。
ピンクグレープフルーツの果汁を垂らした様に空気がローズピンクに染まり、肌に優しく絡む。
とっぷりとローズ色の空気に浸かった王城とプラチナ区域にポツリポツリと明かりが灯り、
無意識に、韃靼人の踊りのメロディを口ずさむ。
心地好くそよぐ風に催促された気がして、この曲をポピュラーにした、ストレンジャーインパラダイスを唄う。
英語で唄い、
アレックスが静かに聴いていてくれたから、再度、
この国の言葉で唄う。
出来そうと思ったら、できちゃった♪
私の歌声に耳を澄ませて、蕩けるような瞳でこっちを見詰めるアレックスに、私もこの幸せを噛み締める。
唄い終われば、まだ黄昏てはいるけれど、だいぶ暗くなってきた。
庭園のあちこちに火が灯る。
花の香りがする冷水を注がれ、小さな冷製スープをちゅるりと頂き、
魚?のハーブグリルを味わう。
あ、サーペント…。
サーペントって魚料理に分類されるんだ。
ドラゴンは肉扱いなのに。
この世界、鯨は魚ですか?肉ですか?なんてね。
食べてみれば少し鶏肉みたいだけど、大半鱈で。
これは魚料理だなぁっと納得する。
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