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地味すぎる転生悪役令嬢爆誕
10: ☆地味令嬢と砂時計とキスとヤンキーの動揺と
しおりを挟むとうとう、砂時計がひっくり返された。
最初に思ったのは、
こんな、脅して、イクまで体を弄ぼうって云うのに
フレンチキスから始まるんだ……ということ。
ヤンキーアレックスは砂時計をひっくり返すと、
少しの逡巡の後、私の頬を撫で、そっと口付けてきた。
ゆっくりと降ってくるアメジストの瞳は蕩ける様に甘く、こっちまで面映ゆくなり、私はそっと瞳を閉じた。
一抹の違和感が甘い空気に飲み込まれていく。
アレックスはそのまま、唇で唇をなぞったり、上や下の唇を啄んだりしながら頬の手を首筋へと滑らす。
指先が首の凹凸をなぞり、上り、耳の形を確かめるように往復し、ふにふにと耳朶で遊ぶ。
耳の後ろを形に沿いながら撫で、うなじを左右に撫でながら下っていく。
襟の内側を指で辿りながら前に返ってきて、シャツのボタンをゆっくりと外し始める。
その間もキスは続き、そぉっと唇を舐められたむず痒さで少し開けた唇からゆっくりと舌が侵入してくる。
嗚呼、これ今生初のキスとディープキスだなぁ……。
この世界、ヨーロッパ的なキス文化があるので家族や友人にするキスは毎日誰かしらにしているが。
初めてのハズのキスは前世の記憶のせいで随分と久しぶりに感じる。
遠い昔、前世の今ぐらいに探り探り学んだ舌技も殆んど忘れてしまい、残っているのは、只、キスは好きだったという感情だけだ。
そんな事を徒然考えながら、久しぶりすぎて初々しくなってしまった動きでアレックスの舌を迎える。
そっと舌でアレックスの舌に触れると、ゆっくりと慎重に愛撫される。
もしかしたら、舌を噛んで拒絶しないか確認していたのかもしれない。
段々、舌の動きに自信が溢れていき、歯の裏、上顎、と、敏感な部分を丹念に責められ、舌を吸われ、気がつけば息が上がる程乱されてしまっていた。
アレックスの唇が離れたのをこれ幸いと息を整える。
砂時計をちらりと確認すれば、下に小さくなだらかな丘が出来ていた。経過したのは5分位だろうか。
すうっと肌に風を感じて、はっとすると、ボタンを全て外したシャツを開き、ファスナーをおろしたスカートを捲りウエスト部分に一文字の様な形に纏められたところだった。
素肌と下着が露になる。
あっ!と思った時には、
アレックスはこちらを一瞥し、両眉を大きく上げ、
目を見開いたまま表情を固定していた。
動揺を隠そうと静かに、ゆっっくりと深呼吸しているのか、逞しい胸板と腹筋が大きく上下した。
食い入るように見詰める視線に耐えきれず、私はカッカする顔を軽く片手で隠した。
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