本編完結【R18】地味すぎる転生悪役令嬢、攻略対象と関わらずに…俺様ヤンキー公爵に絡まれる。Why？

地味すぎる転生悪役令嬢爆誕

4: 転生悪役令嬢は一味違う。

サリマン先生を手本にしよう！

そう決めてから早８年、とうとう、R18乙女ゲーの舞台、王立アカデミー入学となった。

学校は３年制だが、ゲームはこの1年を舞台にしている為、この1年を乗り切れば平穏が待っている！

本来なら、10歳で第２王子と婚約しているはずであるが、

何と！

私！

未だに婚約者おりません！！フリーです！

フリーダーム！

フリーダーーム！

フリーダァァァム！！


思わず心の中で熱唱してしまう。


ムンストーン伯爵家は、伯爵位の中では一、二を争う上位に位置する。
近い年代に公爵や侯爵のご令嬢もいるが、派閥やらなんやらの関係で、原作通り第２王子の婚約者候補にあげられていた。

私が悪役令嬢であると気づいた翌年から、婚約者候補と王子の為であろう茶会が何度か開催された。

が、
その度に、サリマン先生に心酔してた(フリの)私は、かっちりした露出もフリルも最低限のドレスに身を包み、自慢したいとお手製魔道具の大きな色眼鏡を掛けて出席した。

王子から端までの距離の真ん中よりちょっと後ろの席に陣取り、
近くの令嬢とへらへら笑いあい、
王子が微笑めば頬を染めてもじもじと見つめた。

皆が王子を取り囲めば、少しでも近くに行こうと前列の令嬢にニジニジと寄るものの、気弱で前には行けず。
かといって、王子の方から話しかけてくれれば照れてうつむき、いきなり早口で自分の事ばかり話す。

第２王子には
一回目は引き攣った笑みを、

二回目は一瞬うんざりした顔を、

三回目以降はなるべく気付かないフリをされた。



うん、完璧過ぎて涙出てくる。

優しい両親は困った顔をしながらもフォローしてくれていたが、
服装はサリマン先生への憧れ、行動は緊張と恥ずかしさを理由に押し通し、
その甲斐あって、婚約者候補の中でも筆頭有力候補だったらしいが何とか回避できた。

現在第２王子の婚約者は、私と同じ伯爵令嬢で、
原作では第２王子の事が諦めきれず、水面下で暴漢を差し向けたりと嫌がらせの応酬を私と繰り広げていたカメリア・サンストーン伯爵令嬢である。

原作では入学して半年ほどで暴漢に傷物にされて退場となる。


どろどろと陰湿な女同士の戦いを目の前で勝手に繰り広げられる毎日にうんざりした第２王子の目に、
純真無垢な男爵令嬢が新鮮で魅力的に映ると云うやつである。

今生は、私と云うライバルもなく、破棄されるまで平穏に婚約者として過ごされれば良いのだけど。

関わる気は一切ないので、遠くからお祈りだけしておく。

おっと、
そろそろ出る時間だ。

ここはアカデミーの女子寮室。

色々えちえちイベント出来るように、この学校は全寮制で一人一人に簡易な風呂トイレキッチンの付いた個室が与えられている。

ヒロインの部屋は、バルコニーへの階段かな？と思うような登りやすい木が前にあり、攻略対象達がひっきりなしに訪れるのだが、
ここは五階だし、私は地味。

万が一の時に引きこもるのにピッタリ&引きこもっても景色が良いから精神衛生に良いよ♪
といった感じである。

さてと、と呟いて、
部屋を出る前に鏡の前で最終確認する。

白いブラウスに、胸の直ぐ下からタイトに身体に沿うグレーのスカート。
太腿辺りから始まるボックスプリーツは内側が瞳と同じアクアマリン色で動く度にチラチラと鮮やかな色を覗かせる。
流石貴族、制服といっても皆オーダーメイドなので、こういう所で個性やら遊び心を出すらしい。
他の人の制服を見るのが今から楽しみである。

かっちりした白のボレロを羽織り、
胸元のアクアマリン色のリボンを整えると、
鏡のなかの自分を勇気づけるように微笑む。

ふわふわの金髪をハーフアップなんかにしてれば凄く可愛いだろうに、
残念ながらこの一年はひっつめ色眼鏡である。

婚約破棄イベント終わるまで我慢！



いざ、R18えちえち全寮制学園生活へ！出陣じゃぁ！！