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19: 魔王、最終決戦。勇者は聖剣を手に入れた!
しおりを挟むヒィィィィン……!
か細い金属音の用な音を響き渡らせ、勇者の手の中に収まる聖剣と、その刀身に凛々しい顔を映す我が番の組み合わせは、一枚の絵画の様に美しかった。
今度絵画にして廊下の突き当たりにでも飾らせよう。うむ。
我が番リンデールがそっと聖剣に語りかける。
「聖剣……。歴代魔王を討った?……魔王様♡を討ち滅ぼしたいのか?」
ヒィィィィィィン
うっそり微笑んで聞くリンデールに、嬉しそうに応える聖剣。
リンデールはにこりと笑ってその柄を握り締めた。
「死すべし!!」ガヨォオオン!!
「死すべし!死すべし!死すべし!死すべし!死すべし!魔王様♡に害を為す奴ァ皆殺しだぁ!!!」
ガヨォン!ギョォン!!ガンギャイン!ギャリガリガラギィン!!
「出会った頃を思い出すようだ……。」
怒りに任せ、西方の過激派吟遊詩人達が興奮して楽器をぶっ壊すが如く聖剣を大理石の床に叩き付ける番の姿に、我は手土産に忠誠心の低い幹部の首を持ってきた頃を思い出した。
あの頃は驚いたが、今では素敵な思い出である。
ヒィンヒィィンキィンキュィンキュイーンきゅーんきゅーーぅ!
「あー……リンデールや、もう、その位にしてやりなさい……。」
リンデールが大理石の床の隙間に聖剣をずっぷりと差し込み、ギギギィ……と右に左にと直角に聖剣を折り曲げる。
聖剣の響かせる音が泣き声の様に木霊し、どんどん媚びたような音になり、最終的に鼻を鳴らした子犬みたいな音になった。
ギィィ……ボキン! キャィンキャインキャイ~~ン!
何だか情けなくて思わず止めたが時既に遅し。
我の声にリンデールが振り返った瞬間に聖剣は根本からボッキリ折れてしまった。スマンな。
残った柄を捨てようとするリンデールを手招きし、聖剣だったものを受け取る。
「勇者と聖剣は対のようなモノだ……。折角だからこの柄で可愛い我が雌奴隷にぴったりのオモチャを作ってやろう。……ディルドなんてどうだ?我が面前で浅ましく腰を揺らし、聖剣で自らを慰める墜ちた勇者…など、さぞかし良い閨のスパイスになるだろう。……この辺りでコックリングを作っても良さそうだ……。」
等と聖剣を手の中で弄びながら言えば、我が番は嬉しそうに頷き、聖剣だったものは凄く嫌そうにバイブレーションした。
この振動……これは楽しめそうだ。
さて。
「聖剣も折れた事だし、後はお前達だな……。」
我の言葉に、勝手に苦しむ賢者とその仲間達がギクリと身構えた。
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