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村での二日目

第64話

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 賑やかな朝食。
 昨夜は初対面だった皆もすでに打ち解け、話が弾んでいます。
 ラミアさんはトーマさんとルキナさんを連れて外での食事に出てしまいましたけど。正体を隠すのは不便が多く気の毒です。
 カヤネと道場の子らは村の女性達と一緒に配膳に来て、またすぐに雑用のためにいなくなりました。

「ふわああ。飯食ったら寝るかぁ」
 バニヤンさんは大あくび。
「キミ、どんだけ寝るの?」
 さすがにフィンさんは呆れ顔。
「いやぁ、あと丸三日くらい寝たらそっからは十日は寝ずに起きてられるさぁ」
「へぇ、器用だねぇ」
「冬眠だってできるしの」
「熊かっ!!」
 突然ツッコミを入れてバニヤンさんの胸をはたくメルティさん。
「そういえば地元にワタリ熊はいなかったって言ってたわね。どこから来たの?」
 トリアさんが質問します。
「東部のヨークスさぁ。大凶作でヤバそうなので旅ん出た。旅先でも熊退治とは宿業かねぇ」
「くははっ! 東部の飢饉ならラミア軍によって救われたというな」
 なぜか自慢げに言うクラッツさん。
「その噂はデマを流して民衆の支持を得ようとする賊の卑怯な戦略に違いないだ」
 ドンマルさんが突っ掛かる。
「おっ、お前なああ! んなわけあるかぁぁっ!!」
 額に青筋立ててクラッツさんは怒鳴ります。
「ミノス軍だってドモラを独立させて理想郷を築いたと喧伝しとるだよ。悪い噂が流れてるのは国によるデマだと。移民歓迎だそうだから行けばいいだ」
「ミノスと一緒にするなああ!!」
「待って! 移民歓迎ってそれホント?」
 トリアさんが割って入る。
「え、ホ、ホントだべ。まだこの辺まで伝わってないかもしれんけんど、おらドモラとは山隔てた近隣の村の出だで。近くのもんは騙されやしねぇだ」
 顔を赤らめるドンマルさん。

 トリアさんはチラリチラリと僕とフィンさんの顔を見ました。
 思っていることは分かります。
 ミノス側はおいしいことを言って重税に苦しむ人達をおびき寄せ、更なる搾取を行うつもりでしょう。
 女は売られ、男は兵か労役に。
 だけど、おかげで僕らのドモラへの潜入が容易になった!
 ガンプさんも黙って目を輝かせています。

「お嬢さん、ちょっといいですかな」
 あぐらをかいて無心に食事をむさぼるズバンティーヌさんに向かって、隣りに座るマンドレッドさんが声を掛けました。
「ん? 何?」
「そんな座り方をしておられるから股間の小さなプレートアーマーが浮いてござる。隙間から、その、女性の具が見えており申すよ」
「んー? 見んな。恥ずかしい」
「……いや……これは失礼いたした」
 ズバンティーヌさんは足を閉じたりはしません。


 雑用を済ませたカヤネと弟子達が戻ってきました。
 テンテが見当たらないと思っていたら、彼らと一緒だったようです。
「お腹減ったー! だいたい何でおいらが手伝わなきゃなんないんだよ」
「自分で手伝うって言ったくせに」
「……くせに」
 イチョウとニトロが応じます。
「社交辞令だよ!」
「でもすごく頑張ってくれてえろう助かったで」
「えっ、そ、そうかい?」
 カヤネに褒められてテンテは嬉しそうです。

 カヤネ達の後ろから男性が三人、道場に入ってきました。
「みんなー、紹介するで。一緒に戦う若衆組、村の若い衆のリーダー格の三人や。挨拶したいそうやで」
 カヤネの横に並ぶ野良服のたくましい若者達。
「右からカンウはん、リュービはん、チョーヒはんや」
 三人が一斉に頭を下げます。
「みみなさま、我が村のためにお集まりいただき本当にありがたくぞぞぞぞんじろう」
 アゴが長くその先に細長い髭を生やした大男のカンウさん。格式張った言葉遣いは言い慣れないようです。
「まぁ、そう固くなりなさんなぁ。おいは寝るけんど、こっち来てみんなと飲み食いして語り合えばええよぉ」
 そう言ってバニヤンさんは壁際を目指します。

「ああ、お前か、昨日はすまんかったな」
 クラッツさんが腕を布で吊ったハンサムでスマートなリュービさんに向かって謝りました。
「いっ、いえっ、こんな骨折。名誉の負傷です!」
 そうか、村の若い衆をケガさせたと言ってましたっけ。
 リュービさんには後でモーラさんの薬を塗ってあげよう。

「んー? あ、オレもごめん」
 あぐらのままズバンティーヌさんが、がっしりした針金ヒゲのチョーヒさんを見上げて言う。
「なんの。骨折まではしとらんから気にせんでくれ。がははは」
 明るく言われてピクリと眉を動かすズバンティーヌさん。
 なぜかちょっと悔しそうにクラッツさんの顔を見やりました。


 カヤネ達とカンウさん達が加わり道場の中はいよいよ大賑わい。もう何かの集会みたいです。
「この三人、同じ年の同じ日に生まれ、義兄弟の契りを交わした仲でしてな」
 カンウさんが言います。
「へぇ、義三つ子だね」
 と答えたのはフィンさん。
「時間差でリュービが長兄、次が俺、末弟はチョーヒの順になります」
「生まれた日も一緒、死ぬ日も一緒と誓ったあの日」
 リュービさんが遠い目をして語り出しますが、そこからの物語に誰も特に関心はないようです。
「結婚する日も一緒だぜ!! がははは」
 チョーヒさんがどら声で笑う。
「ワタリ熊との戦いが終わったら、私達は合同結婚式を挙げる予定なんです」
 ウキウキした様子でリュービさんが言い足しました。
「今年こそは俺もワタリ熊を倒して結婚式に花を添えるぜぇ! がはははは」
 豪快に笑うチョーヒさんとは対照的に、カンウさんはやや感傷的な面持ち。
「一家を構えたら我らいよいよ若衆組を卒業よ。最後に俺という男の足跡を残していきたいものだ」
 

「カヤネたん!」
 まだ食べ終わらないメルティさんが、もぐもぐしながらカヤネに呼びかけます。
「はい?」
 カヤネがメルティさんのもとへ駆けていき、そばにしゃがむ。
「……傭兵でもないのに……何で普通にご飯食べてるの」
 つぶやくニトロの声。

「ねえっ! あちきはこの地方一帯の生態系に異変があるってゆんで調査に来てたの! 趣味で!」
「あ、うん、そうなんや」
 メルティさんの大声に気圧された様子のカヤネ。
 そう、メルティさんは生物学者だと名乗っていた。
 僕は興味を持ち、立ち上がって二人の方へ近づいていきました。
 気づいたカヤネは僕と目が合うとわざとらしく口を尖らせて目を逸らす。
 ルナシーも喧嘩した時にはこんな態度を取ってましたっけ。

「でさ! この辺にフェンリルいる? いるよね! いたはず! 今どんな感じ?」
「えっ、えっ?? どんな感じてどういう意味やねん」
 意図の分からない質問を勢いよくぶつけられてカヤネは戸惑っています。
 フェンリル。巨狼フェンリル。
 象ほどの巨体を持つ狼で、食物連鎖の頂点補食者です。決して数は多くありません。

「カヤネたんは山行く? フェンリル時々ふもとにも下りてくるよね! 見かける?!」
「ん、そういや今年は全然見かけてへんなぁ。人は襲わんからあんま気にしてへんかったけど」
「そっかぁー。そおおおっかぁー」
「それがどないしてん?」
 座ったまま腕組みして頭を左右にコキコキ振っているメルティさん。
「あっ! 今なんか言った?!」
「だから、それがどないしてん?」
「んーとね、フェンリルにとってワタリ熊って補食対象なんだよねー」
「そら知っとるで。ワタリ熊襲って食うとかほんま怪物や」
「むん! フェンリルのマーキングのある場所にはワタリ熊は近づかないよね!」
「よう分からんけど、そうなんやろなぁ」
「でねでね、フェンリルは子供の頃から飼うとすごく人に懐くの! 忠実なの! 犬かっ!!」
「それは知らんかったな。てゆうか、あんなん飼えんわ」
「飼おっ!」
「ええっ?!」
「村で飼えや、おらぁ! 今から育てりゃ来年の今頃にはええ案配に大きゅうなってまっせ? ピチピチの若人や」
「あ、つまり……」
「番犬やね! 来年のワタリ熊襲来はそれで防げるんじゃないかなぁ。マーキングさせまくりっ!」
「はぁ、なるほどや! でもえらい食費かかるやろなぁ」
「んなもんいるかーい! ビシッ! 給餌不用! 自分で獲物狩りますて。むしろ人の分まで捕ってくる!」
「へぇ、ほうかぁ。ええなぁ、それ」
「はいっ! 以上、メルティたんからの提案でしたっ!」

 二人の傍らで耳を傾けていた僕は口を挟みました。
「でも、フェンリルの子の入手は簡単じゃないですよね? 親から奪うなんて無理だしひどい」
「え、言うの? それ言うの? ツッコむの?」
 メルティさんは握った拳を胸の前に揃えて上半身をふりふり。
「まぁさ、まぁさ。マジな話、廃子を拾えればいんだよねー。運が全てってコトだけど~」
「廃子? ですか?」
「うんっ! フェンリルは一回の出産で生む子は基本的に一頭だけ。でもね、稀に二頭生まれる。したらどうすると思う~? どうするどうする?」
「ど、どうするんですか?」
「質問に質問で答えるな、おらぁ! あのね、育てるのはあくまでも一頭だけ。弱い方の子を育児放棄して捨てちゃうんだよん」
「なるほど。それが廃子」
「そ! なんでさ、落ち着いたら廃子を探すだけ探してみれば? ちょうど出産時期に差し掛かるし!」
「分かった、やってみるわ」
 カヤネが答えました。

「心配なのは……カヤネたんがフェンリルを見かけてないってこと。実はフェンリルって全国的に数激減中」
「えっ……そうなんですか」
 稀少な動物が生息数を減らしていくのは胸が痛む話です。

「それはフェンリルが多く生息するアースでもそうでしたな。国軍が狩っているという噂もあり申した。駆除する必要もないのに不可解なことと思ったものでござる」
 聞いていたマンドレッドさんの発言。
 隣りで満足げにお腹をさすっているズバンティーヌさんの股間のプレートアーマーがすっかり外れてしまっているのが気になりつつも、何も言えない様子の困り顔です。
 それにしても……国軍が? 諸侯の領地でまで狩りを……なぜ?
 何とも言えないモヤモヤが胸の中にわだかまります。



 朝食の後は皆それぞれ自由な時間を過ごし始めました。
 ラミアさん達はまだ戻ってきません。

 いろいろとやることをやって落ち着いた時。
 道場の木刀を持ったガンプさんが外へ向かうのが見える。僕はすぐにその後を追いかけました。
「鍛練ですか? 僕も一緒にいいですか?」
 声を掛けるとガンプさんは振り向き、口の端を上げる。
「もちろんええぜよ。木刀ば借りてくればよか」
 と、僕の後ろでドタバタと足音。
 見るとやって来るのは若衆組のカンウさん、リュービさん、チョーヒさん。
「強そうな先生! 俺らに稽古つけてくれんですか? どうか頼んます」
 代表してチョーヒさんが懇願する。
「ん? 剣は使えるとか? 怪我人もおったはずやが」
 ガンプさんの問いに三人はいっせいに答えました。
「自己流ですが多少は!」
「さっきそこの方に薬を塗ってもらったら嘘みたいに痛みが引きまして。骨が折れていたわけではなかったようです」
「俺ぁ軽くおなごにのされちまった。もっと腕を上げて無双してぇ!」
 熱のこもった声に表情を崩すガンプさん。
「分かった分かった。基本くらいなら指導するぜよ」


 村の広場の片隅で僕ら五人は剣の稽古に励む。カヤネ達が朝練していた大きな広場です。
 向こうでは子供達が無邪気に駆け回り遊んでいます。犬と一緒に。
 子供の頃、愛犬トルクやローズと追いかけっこをした野原の光景をふと思い出す。
 そういえばあの犬、何となくトルクに似ているなぁ。

「あんた若いのにやるな!」
 チョーヒさんが僕の動きを見て褒めてくれました。
「ぼやぼやしてると俺も追い越されちまいそうだ! がははは!」
「いえっ、そんな。ありがとうございます!」

 汗を流す僕らの横を洗濯物を抱えたカヤネが通りかかり、チラリと横目で見ていきます。
 複雑な表情をしている。
 彼女は本当に僕のことを心配してくれているのでしょうけど、僕の方も自分だけ下に見られるのはひどく複雑な気分です。

「ちまちまやってんなあ!」
 突然の声。
 割れ鐘のような大音声の主は大鎌を肩に担いで近づいてくるクラッツさんでした。
「今からそんなことやって意味あんのか? 付け焼き刃でどうにかなるもんじゃねぇよ!」
 ガンプさんは表情を変えず黙っています。
 クラッツさんは僕らの前を通りすぎると近くに聳える木の前に立ち、見上げました。
「戦えるもんに任しときゃいい。俺にな」
 言うなり両手に持った大鎌を横に振る。
 筋肉の躍動に伴い、半裸の背中の髑髏が哄笑しているかのように波打ちます。
 ビシッ、と鋭い音が走り、木の梢が揺れました。葉ずれが騒がしく鳴り始める。
 僕の胴体ほどの太さのある幹が、腰くらいの高さのところで上下分かれて斜めにずれていくのが見えました。
 生い茂る枝葉がみるみる傾く。
 すごい……。鎌の一振りで大木を切断したんだ。
 ゆっくりと倒れていく木。
「おお……」
 村の三人衆が生唾を飲みこむ音がはっきりと聞こえる。
 ず、う、ううううん!!
 地面を揺らし、土砂を散らして木はクラッツさんの足元に転がり跳ねました。
「優秀な木こりになれるのう」
 ガンプさんがつぶやきます。

「あーーーーーーーっ!!」
 大声を張り上げ、血相を変えたカヤネが猛烈な勢いで駆けてくる。
「毎年ぎょうさん美味しい実ぃつける大切な木やのに……!!」
「えっ、す、すまん」
 うろたえるクラッツさん。
「あと大鎌持って村ん中うろつかれたらかなわんわ。みんな恐がるやろ。預かっとくで?」
「は、はい」
 負い目があるクラッツさんは抵抗できないようです。

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