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第1部

その23 ヒロインの眼力怖うぇ

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「僕は婚約者以外の女性とはあまり長く一緒には居たくないんだ君と一緒に居てしまうと可愛い僕の婚約者が嫉妬してしまうからね」

「ご…ごめんなさい…で…でも…ルッソ様と一緒にいたくて…」

「うん、その気持ちはうれしいよ、それと婚約者以外に名前で呼ばれたくはないんだよね君になんの権利があって僕の名前を呼んでいる訳?
とても不愉快だよ 」

「そん…な……」


おや? 何やらなんか変な空気になってる? たまたま図書室に来てみればヒロインがルッソを攻略最中で見守ってたらなんかルッソ苛立ってるな~。

まあ、普通はそうだよな婚約者以外の女性が下心丸出しで近づいてきたら「なんだコイツ」って思うもん。

それにしても今日はヒロいもはお休みか…あ、ヒロいもっていうのはヒロイン×妹略してヒロいも、けしてカップリングとかそういうのじゃないから。

まあ、敬遠の仲同士のカップルってそれはそれで萌えるけど相手が極悪ヒロインと性悪妹だからな~。

「すまないが用がないのであれば別の席に座って読書してくれ。」

「わかり、ました」

ヒロインは渋々とルッソとは少し離れた場所に座ってルッソをただひたすら見つめていた。
なんかこうなるとちょっとだけヒロイン可哀想だな……と数週間前の私ならそう思えたが今となっては「いい気味」となる。

(ここにいても戦いは始まらないみたいだしいても意味ないから教室に戻ろうかな)

私は2人に気づかれないようにこっそりと図書室から出ていこうとしたがそうは問屋が卸させはしてくれなかった。

「リリー!」

ほら、見つかった…見つからないようにひっそりと目立たず出ていこうとしたのにー、しかも大声で私を呼んだから図書室にいる全員もう私の方に視線が行ってんやん、どうしてくれるわけ?
あとヒロインすごい形相で私を睨みつけてくるんだけど怖ぇわ。

「リリー待ってくれ! 僕も今から教室に戻るよ」

「あらルッソ様ごゆっくり読書をしていればよろしかったのに、まだ時間はございましてよ?」

「いや、大丈夫だこの本は借りていくから後でゆっくり読むことにするよ」

ニコリとそう言うとルッソはカウンターテーブルまで行き図書委員に貸出許可を貰いこちらに戻ってきた。

「さあ、行こうここは空気が悪い」

チラリとヒロインのいる方に言いながら私の腰に手を当てて図書室を後にした。


これ私後でヒロインに刺されるんじゃないかな…?
それくらいヒロインの殺気がさっきからしてる……ってあれ? ダジャレ?





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次回何かが起こる………………かもしれない(気が向けば)
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