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12回 The most recommended character came!(最推しキャラ来たー!)

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「言いたいことはそれだけか? 花形」

「え?」

リョウクは視線を向けながら撫子に問いかける。
当然撫子も、戸惑っている。

「さっきまでの威勢はどうした? それともさっきのお前の証言は偽証なのか?」

「それ…は…」

これは予想外…まさかリョウクがここまで怒りをあらわにしてるなんて…。

「う、嘘じゃないです! 本当にあの平民に嫌がらせを受けています・・・・・・・・・・・・・・・!私はむしろ被害者です!その女は平民の分際で殿下に色目を…」

「黙れ。
お前は今雨宮に向かってなんと言ったかな?」
「へ…平民…です 」
「それと?」
「え…?  嫌がらせ…です」

リョウクは「ほう」と少し不気味に笑う。

「こいつの発言をどう思う?雨宮」

私に降るんかい、それは副会長としての意見か?それは皇女としての意見を聞きたいのか?

「私はしがないただの平民・・・・・ 平民が男爵家の令嬢に嫌がらせしたとなれば刑罰が重いわよね~、そんな勇気私にはないわ~」

わざとらしく言うと周りの撫子信者が「嘘を着くな」「わざとらしい」「罪を認めろ」「立場をわきまえろ平民」などと言ってくる。

わあ、ここまで来ると清々しいくらい馬鹿らしい

「口を慎め、お前ら誰の前でそんなことを言っている」
「殿下…!騙されないでください! その女はきっと王妃の座を狙って殿下に近づい…」
「「王妃の座」? 何を言ってるこいつは元々そういう星の元で生まれた方だぞ? 何を言っている。」

いや、お前こそ何を言ってるバカ王子、ここで暴露する気か!?
したらしたでその後の展開どうすりゃいい訳!?

「殿下こそ何を言ってるんですか? その女は平民です! 」
「…そうだなこの学園での雨宮の身元は「平民」だ、ただし、この方は隣国の…クリサンセサム帝国第8皇女 秋明菊珠華皇女だ。」


リョウクが私の身元を暴露したせいで周りは騒然唖然。
もちろん撫子もだ。

「え、は? 嘘? 」 
「俺の言葉が信じられんのか?」

リョウクの圧力が撫子に突き刺さる。
それにしても、リョウクが撫子を追い詰めてるシーンはなんか予想外だったがこれで大人しく学園生活を送ってくれるだろ。

撫子を見るとなんか悔しそうに俯いて私を睨みつけてるんだが…こいつ反省する気ゼロだな。
まあ、別にいいけど、「困るのはお前」と言ったしあとから後悔して絶望してもいいだろ、人生は甘くないんだよ。

「そう言えばお前はさっき「いつも副会長にいじめられてる」と言ったな?それと「昨日も」と」
「は…はい! それは本当です!」

「ほう…おかしなことを言うな」
「おかしなこと…? 何故そんなこと言うんですか…?」

リョウクは不敵に笑う。

「昨日副会長は一日中生徒会室に居て職務をこなしていたぞ? 一日俺と一緒に居たのにいつどこでお前をいじめる時間がある?」

そりゃそうだもん、だって昨日は休日にもかかわらずリョウクの溜まりに溜まった生徒会の仕事やらほかの部の予算案書や他にも諸々溜まってる仕事をほぼ私がやってたから撫子をいじめに行く時間なんてあるわけない。

そんな時間あるんなら寝るわ。

「そ、そんなの殿下たちの目を盗めばいくらでも…」

コイツどんだけ私を悪女に仕立てあげたいんだ…。
なーんでこっちにターゲッティングしちゃったかな? 1回目と2回目だと那莉愛に突っかかって上手いことリョウク騙してたのに、3回目以降なんで私に行っちゃうかな?アホだなコイツ。

「いい加減にしてくれるか? 俺はお前の戯言に付き合っているほど暇ではない、分かったらさっさと教室に戻れ、2度目はないと思え。」

これは…この顔は…! 婚約破棄を言渡す時の亮玖殿下そのもの!

「わ、分かりました…」

撫子もこれ以上は何も言えなくなりとぼとぼと廊下を歩いて去っていく。

「雨宮大丈夫だったか?」
「…アンタねぇ……なんてことしてくれたのよ」
「え?」

リョウクはキョトンとする。
え、まじかコイツ…。

「私が隣国の皇女だって今学園中に知れ渡ったしなんなら…」

私はスマホを取りだしてある記事を見せる。

「【クリサンセサム帝国の皇女秋明菊珠華様がフラワー王国のフラワー学園で身分や偽名で偽り在籍中!一体なんの為!?】…って、な…なんだこれは!一体誰がこんなことを!」

やられた…あの中に情報屋がいたなんて…。
しかし、こんな記事を書かれた以上リョウクの命より私の命が狙われやすくなる…。

もしそうなればまたリセットを使うまで。

そう思った瞬間ナイフが飛んできて私の顔をスレスレで横切り壁に突き刺さる。

「え?」

このナイフ…まさか!

「何事だ!? 誰だ!ナイフを投げた奴は!?」

間違いない…このナイフ……私の最推しのキャラの物だ!

うおおおおおお!最推しが私の命を狙ってる!
無駄にテンション上がる分ちょっと恐怖を感じた。

「(それにしてもどこからナイフを…)」

などと思っていると辺り一面真っ白い霧に包まれた。

「煙幕…!?」

これはリョウクを暗殺する時に使われていた煙幕…間違いないやっぱりあの人だ!

ということは近くに居る。

少し辺りを見回した後背後に何者かの気配を感じ振り返ると。

最推しのキャラが無表情で私を見下ろしたっていた。
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