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転生先の世界 中学生編

31話 身体測定考えたやつを恨む

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「今日という日を呪う…」
「いきなりどうした!?」
「風霧よ、今日がなんの日か知ってるかい」
「微妙な具合に五七五になってるし…って、今日は身体…」
「それ以上言うなぁぁぁ!! ボケナスがぁぁ!!」
「えええ!? (超理不尽!!) いえって言ったのお前だろ!?」
「言ってねぇよ!! なんの日か知ってるかって聞いたんだよ!! 何答えてくれちゃってんだ! 
このKY支配!」
「KY支配ってなんだよ!? オレの能力は風支配だよ! 」

そう、今日は学園内身体測定の日である、あと能力測定。

「能力測定は別にいいんじゃが身体測定がのぅ…」
「(おじいちゃん口調…) い、いいじゃねーかよ! この時期は成長しやすいし、少しくらい体重が増え…」

風霧が最後まで言い終わる前に私は怪力で衝撃波を出した。

「な、なんだよ今のは!?」
「衝撃波だ 怪力能力の奴なら誰でも出来る」
「そんなに不安なのかよ!? たかが数キロ増えるかもしれないだけだろ…」
「増えるかっ!」

そのツッコミと同時に先生もやって来た。

「はーい、 席ついてくださーい、今日は身体測定と能力測定の日なのですぐに着替えて女子は武道場、男子は体育館に移動してくださいねー。
男子の着替えは2組、女子はここで着替えてくださいね。」

中等部の男子は広い体育館で検査すんのか、女子は何故に武道場か。

などと思いながらもテレポートで体操服に着替える私、早着替え早着替え。
テレポートを使えこなせれば意外と楽しいし楽だよ……って、私誰に言ってんだ…。


「ねえねえ、花美咲さんって風霧君のこと…」
「好きじゃないよ」
「即答!」

いじる方としては好きかな~

「ていうかあんた誰?」
「酷い! 同じクラスの未鳥! 未鳥みどり桜綺さあや! 桜に綺麗の綺で桜綺!」

あらかわいい名前、そして下漢字凄い名前~

「なるほど、みどりちゃんは風霧のことが好きと。」
「なっ!? だ…誰もそんなこと言ってない!」

その反応は言ったようなもんですよお嬢さん。

「私だって知ってるんだからね! 花美咲さんはカンラ君の事が」
「ライクとして好き」
「え、ラブじゃないの?」
「ライク」
「……。」

やっと黙ったか、そして私はお前さんに構っているほど暇ではない、ちゃっちゃと身体測定終わらせたいんだよ。
あ、テレポートで武道場に行けばいいのかー
私天才☆

みどりちゃんを無視して私は武道場へとテレポートをかました。

ふう、全く、どうして女って恋バナが好きなのかね~?

「誤魔化すって事はやっぱり、好きなんだ?」
「いや、誤魔化してなんて────」


!?



何でいる…?
一瞬私の頭の中でス〇ークのあのびっくり音が流れたぞ!?

「え、なんで?」
「何驚いてんの…」
「だって、居ないはずの人が真横にいたらそりゃ驚くわ!」
「あ、ごめんごめん! 私も花美咲さんと同じ能力なんだ!」

同じ能力…ということは、瞬間移動能力者か。
まあ、でもこの世界は色んな能力者がいるから、ダブっても不思議じゃない。
この世界の能力ダブりって、言うなれば誕生日とか血液型とかがタブった、という感じの感覚らしい。

うん、意味わからん。

「そっか、だから目の前に降臨なされたのかー」
「降臨って…。」
「まあ、そりゃあ移動系統の能力者なんて世界中に5万といるもんね。」
「…否定出来ないような……それで、さっきの話に戻るけど、花美咲さんはホントーにカンラ君の事好きじゃないんだよね?」
「だから好きじゃないって、 友達だから、それ以上でもそれ以下でもないから。」
「ふぅ~ん…だったら~」

あ、この手の展開だいたい読める、「私にカンラ君をちょうだい」的なことを言いそう。
恋愛イベントのお約束だね。

「カンラ君に告白しちゃおうかな~?」

告白と来たか、でもまあ私の思いと合ってるっちゃ合ってたな。
まあ、その返事に当然私は「いいよ」と答える。

「え、いいの?」

おいおい、自分で言っときながらその反応はなんだよ?
怖気付いたのか? それとも私が告白ダメって言う反応を期待していたのか?

だがしかしざんねーん! 私はそんなことしなーい! 好きになった男なら堂々と告るわー
まあ、告る相手いねぇけど。

「まあ、カンラに告るならそれなりの体力と労力とプライドがいるけど頑張って」
「ただ告白するだけなのにハードルが高いと気がするのは私だけ!?」
「言葉のあやだよ、それなりに覚悟を決めて告白しろってことさね。」
「花美咲さんとカンラ君との間に一体何があったの…?」

何もねぇよ、あってたまるかよ!


などとみどりちゃんと世間話していたら先生達とかがやってきて身体測定が始まった。

さあて、地獄だな…
うちのクラスは初っ端から体重測定、ざけんな! なんの公開処刑だよ!? 絶対見られたくない! 絶対重い────あ、そういえば怪力能力の奴らって体重を自在に変えれるという新技があることを思い出した。

そうだ、そうすればいいんだ!
なんで気づかなかったんだろ~いやーこれで解決だな!

ルンルンのまま体重計に乗ろうとした時


「花美咲さん、能力使っちゃダメですよ、オーラでバレバレです。」

バレた…

「ちゃんと記録しますからねー」
「…あい。」


後ろでクスクスと笑う編入組女子3人、凄くイラッとしたので、後であいつらの背中にナメクジ流し込んでやる。


絶対やるからね? 



そして、体重測定の結果は1キロ増えてた。

「何故だ…(朝食抜いたのに…逆に増えとる…)」

しまったなぁ…こんなことならカロ〇ーメイト的な何かを食べればよかったよ…
まぁ、凹んでもしゃーない、次行こ次。

次は身長測定か…まあ、別に身長とかはどうでもいいんだがな。

「はい、 花美咲さん 151.6cmですね」

うわぁぁ! 5cm伸びてた!!
気づかんかったわ…

うーん、身長が伸びてたってことは体重はそこまで重くなかったって事だったのか?
あ、そう考えると前向きに思えてきた!

だがなぁ、私を笑ったお前ら女子3人の背中にナメクジはちゃんと入れるから覚悟せぇや?
自分でもすごくわかる、ゲスい顔してると。


「ふふふ。」
「花美咲さん、顔怖い…」
「あれ? みどりちゃんいたの?」
「居たよ!? 酷い!」
「ごめんごめん、それでみどりちゃんはどうだった?」
「聞かないで…」

悪かったのか。


それから、身体測定は難なくクリアした。
あとは能力測定だけだ。

この世界の能力測定とはその名の通り自分の持ってる能力を最大限に活かしてその能力数を測るということなのだ。

わかりやすく例えるなら握力測るアレ的な?

ちなみに私は二つも能力を持っているため2回行わなければならない、クソだるい。

「次は能力測定ですので、それぞれの指定された教室に移動してくださーい。」

はい、めんどいです。

「おや? そこにおわすは小羽たんではござらんか」
「え? あ花美咲さん」
「小羽たんも今から行くの?」
「は、はい一応…」
「頑張ってね!」
「ありがとうございます…」

小羽たんは苦笑いをして武道場を去って行った

「さてと、私も行きますかね。」
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