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転生先の世界 子供編

24話 楽しい楽しい?修学旅行(その3)

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楽しかった修学旅行もいよいよ最後となった。

「今日で修学旅行終わりかー…早かったな。」
「そうだね~」
「中高でもありますからあまり気を落とさず…」
「そうだねー」

などと会話をしながら私達は部屋を出る準備をしていた。

そして朝の6時くらい、くそねみ。


「最後の目的地って京都だっけ?」
「そうですね! 清水寺と清水の滝に行くそうです。」
「余った時間で各自自由行動でお土産選び…だっけ? お土産かー なんか頼まれてた気がするな…あ、荷物家に置いてくると同時に何頼まれたか聞きに戻るわ」
「え? う、うん」
「いってらっしゃいです…」

二人の天使に見送られながら私は敬礼をしながらテレポートで自宅に戻る。


「よっと…」
「わっ! びっくりした!」
「あ、ママ一旦ただまー(普通に起きてたか…)」
「あ、うん おかりー……じゃなくて! 修学旅行はどうしたの!? まさかサボり!?」
「違う違う、まだホテルで身支度準備中!
頼まれてたお土産八つ橋となんだっけ?」
「八つ橋だけよ」
「そうだっけ?」
「そうよ」
「…うん、了解 京都に戻るわ」
「はーい、あ、そうだひーちゃん 今日の夜ママね、お仕事で遅くなるから、お夕飯はお兄ちゃんのところで食べてね お兄ちゃんには伝えてあるから!」
「あ、あい。」
「パパは瞳羽が買ってきたものならなんでもいいぞ!」

よし、変なモン買ってきてやるよ(笑)


そして私はニヤニヤしながらテレポートでホテルの1室に戻る。


「戻ったぜ☆」
「おかえりー 瞳羽ちゃん」
「どうでした?」
「八つ橋だけだった、いやー八つ橋だけだったらお財布安心あ、でもパピーはなんでもいいって言ってたから変なモン買ってくる予定。」
「え」
「花美咲さん…それは…」

なぜか微妙な顔をする二人、私変な事言ったかな? まあでも変なモンは買ってこないよ、ただのフリ。


「おーい ご飯食べに行こー」

と、隣の部屋の女子達に不法侵入でお誘いが来た。

まあ、当然お腹がすいてるわけで「あいよ」と返事をして女子達とともに食堂まで行くわけですよ、はい。

それからなんの面白みもなくみんなで普通に朝食を済ませ、荷物を持ってバスに乗り込み清水寺へと向かった。

ぶっちゃけ清水寺向こうの世界と何ら代わり映えしなさそう。









「わぁ~! すっごーい!たかーい!」
「3月なのにまだ紅葉がある!」
「そりゃ京都だしな」

京都だからってなんか意味あんのか? 
ていうか冬でも普通に紅葉あるわ、馬鹿じゃねぇの風霧。

「にしても…ここから落ちたら一溜りもないよな…」
「風霧クン一ついいこと教えてあげるよ、ここは自殺の名所としても有名だから自殺したい時はぜひ立ち寄るといいよ。」
「何、物騒な事言ってんだよ!? 立ち寄らねぇよ!?」
「冗談冗談」
「シャルルが言うとシャレになんねぇ…」

若干本気の気もするがな。


「よし、お前ら! 次は清水の滝に移動するから迷子になるなよー!」

やぶちゃんよ、もうちょっと眺めさせてくれよこの綺麗な絶景を…

それからすぐ近くの清水の滝に移動したはいいが観光客が多くあまりゆっくり見ることも出来なかった。


「…うぅ…」
「小羽たん? どうしたの?」
「…すみません…どうやら人酔いしてしまったようですぅ… うっ!」
「梅咲大丈夫か!?」
「は、はい…なんとか…」
「気持ち悪いんだったらすぐそこのベンチで休んでた方がいい! 行こう!」

おや?何だか風霧の態度が…?
もしかして風霧、小羽たんの事…??

それから風霧は小羽たんを介抱する為すぐ近くのベンチへと向かった。

そして、人が多い為すぐ人混みの中へと消えた。

「それにしても意外だったね、梅咲が人混みで酔う体質だったなんて。
よく、大阪の時酔わなかったね?」
「大阪に行ってた時はさほど人が多くない所に言ってたから酔わなかったんじゃねぇの?」
「まあ、人酔いって数によっては酔う人もいるし酔わない人もいるらしーしね。」
「梅咲さん大丈夫かな?」

大丈夫じゃない?
不安だけど風霧付いてるし。


「あいつ、どさくさに紛れて小羽たんに手出したりしないだろうな?」
「小学生でそんな不埒な考え持つ奴いるか?」
「まあ、いないわな…でもまあ…」
「?」
「いきってこけておいどぶつけへんかなー」
「え? 瞳羽ちゃん!? 今なんて言ったの!?」
「花美咲、ついに頭のネジ飛んだの?」
「え?────ってシャルル今なんて言った? いや、蒼ちゃん、大阪弁で「調子のってころんで尻ぶつけねぇかなー」って言った。」
「意味を知るとなかなか怖い事を!!」
「(大阪弁懐かしい)とりあえずあの二人戻ってきたぞ」

振り返ると落ち着いた表情で小羽たんが戻ってきた、あと風霧も

「皆さん、ご迷惑をおかけしました…」
「ううん、気にしないでよ小羽たん」
「ホントいい迷惑だよ。」
「す…すみません!」
「おいシャルル! 言っていいことと悪いことあるだろ!?」

おや?風霧がシャルルに楯突いてるぞ

「風霧クン何熱くなってんの? 暑苦しい」
「熱くねぇし! 梅咲を悪く言うな!」
「…わかったよ その熱意に免じて何も言わないよ(正直ウザイ)」
「シャルル君折れちゃった…」

折れた、と言うより諦めたに近いね。

それから清水の滝を見終わったあとは下町で1時間くらい自由時間を貰いそこから各自お土産を買うことにした。

『(八つ橋買った、オトンのお土産40キロのダンベル買った、兄貴のお土産…土産…
あいつ何が気に入るんだ!? なんか「瞳羽が買ってきたものならなんでも嬉しいよ」的な感想述べそうだけど、でも何なら喜ぶかな…?)』

うーんと悩んでいると背後に誰かの気配を感じた。

「俺の後ろに立つな」
「ゴ〇ゴか」
「そのツッコミをするということは凪仁か」
「他に誰がいんだよ、その前にこのネタ知ってる人間はこの世界にいねぇだろ」
「ですよね~」
「饅頭屋の前でなにやってんだよ?」
「兄貴の土産選び」
「ふーん」
「凪仁はお土産買った?」
「まぁな」

といって三袋の紙袋を見せる凪仁、はい見えてます分かってます。

「兄貴の好物さえ思い出せりゃあなー…」
「芋けんぴじゃなかったか? 」
「え! なんで知ってんの?」
「いや、ずっと前お前自身が言ってたろ。」
「えー? 言ったかな? でもまぁ、サンキュッ凪仁!」
「…おう。」

そして私は颯爽と芋けんぴが売ってるお土産屋さんに走って向かって1箱買ったあとバカコンビの従兄弟には適当に饅頭買った。

「よし、これでいいだろう」
「お前の荷物すげぇ事なってんな」
「すごい荷物の量…」
「さすがコアラ」
「風霧よぉ…最後の褒めてんの?バカにしてんの?」
「え、いや別に!? そ…それよりあとは菜月と梅咲だけだな!」
「そうだなー、風霧の大好きな小羽たんがまだ来てないもんねー」
「へー風霧クン菜月好きなんだー?」
「ほう?」
「な…なんだよ!? お前ら! 3人して!」

3人して、ってどういう日本語じゃ…

「慌ててるってことは好きなんだ?」
「ち…ちげーし! 好きじゃねーし!? うさぎ見たく可愛いとか、三つ編みが超似合うとか、君が好きだと叫びたいとかそんなこと1ミリも思ってねーつーの!!」
「なんで最後、かよチ〇ーのもり〇みたいに言ったんだよ」
「カンラ、そのネタわかるの、私かお前くらいだろ、言ってもわかるわけない。
そして風霧よ、最後の発言により貴様が小羽たん好きという事が証明されたぞ。」
「だからちげーって言ってんだろ!? 花美咲!そんな風に睨むな!!!」
「うちの天使2号が欲しければ私を倒してでも奪うがいい。」
「お前を倒すのは至難の業だよ!! 」
「風霧クン攻略法なら僕も探してあげるよ」
「瞳羽の弱点は耳と背中だ。」

「「「なんでしってんの?」」」

あまりの驚きに私もツッコむ。
そして私は即座に一歩下がる。

「あ、図星か」
「図星みたいだね。」
「寄るな! それ以上よれば私の右手が火を吹きお前らの体の一部が折れるからな!」
「じわるな…」
「どこが?」
「柚木のツボがわかんねぇな…。」

まぁ、なんにせよ下らない話をしているあいだに天使2人が戻ってき他と同時に出発だ。

なかなか楽しかった修学旅行も今日で終わりか。
あっという間だったな2日間…

それから疲れが出たのか私は隣に座ってたシャルルの肩に身を委ね寝た、その時の私は何も考えてなく目さめた時物凄い罪悪感に襲われた、何故か。

それから学校につくなり私はさっさとテレポートして家に帰ったと同時に自室に飛びベッドにダイブ。

「つーかーれーたーーー…もう兄貴の家に行くのもめんどくさい…このまま寝てやる…」

そのままうとうと仕掛けてた時ゆっくりと私の部屋のドアが開いた気がしたがそんなことも気にする気力すらなかった、疲れすぎて。

「瞳羽」

ん?この声兄貴…?
あ、やばい眠い…起きたいけど眠い…

「寝てるのか。」

眠りに向かってるんですよお兄さん。

すると兄貴は私の髪を撫でてそのまま部屋から出ていった。

「…(え? 何がしたかったの? 意味わからん… あ…もう無理…限界…死ぬ…いや……眠…)」

そしてそのまま意識は途切れノンレム睡眠へと突入した。

今日はよく眠れる気がする。

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