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転生先の世界 合宿編

44話 ヤバいイベント略してヤバイべ

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花千歳の能力を知って何分間か頭がフリーズした。

「え? マジ? まじで?」
「うん」

特に何も臆することなく「うん」と答える花千歳君。
冷静すぎだろ、私は驚きを隠せれないんだけど。

大きい声じゃ言えないがさっき教えてもらったこいつの能力は【男性支配】つまり男性にしか発動しない誘惑フェロモンを出して誘惑する能力である。
学〇ア〇スで似たようなキャラいた気がする。

それで私は思ってしまった。

「腐女子受けしそう(わあ~すげ! それって役に立つんじゃね!?)」
「本音と建前逆になってるけど。」
「やべ。」
「ていうか腐女子ってなんだ?」

やべ、つい思ってることと言おうとしてた言葉が逆になってしまった。

そこから? 知らんの? まじで? 純真無垢じゃね? こいつ


「ちょっとぉ~ いつまで花美咲なんかとくっついてるのぉ~? あんりともくっつい…んぎゃ!」

あ、避けた。

「猫かぶってる女子は苦手だ」
「分かるわ~(性格によるけどね)」

よし、今度はちゃんと本音と建前逆にならなかったな。
というかこれが普通。

「ところでさっきの腐女子ってなんだ?」
「ほじくり返してくるか、知ったら身を滅ぼすことになるから言わんぞ」
「?? そうか? わかった」

理解力いいな、どっかの誰かさん達とは大違い
おっと…それは察してくれ。


「はーいそれではチームが完成したことですし ルート説明やルール確認をしますね!」

そう元気に張り切って仕切る峰皇中の美人教師マミさん。

「脅かす側と見回る側には2つルールを設けます。
その1、脅かす側は何をしても脅かしてもいいですけど怪我や性行為だけはしないこと。」

最後のセリフを聞いた1部男子が舌打ちした。

「(変態かよ)」
「その2、見回る側は脅かす側に驚かされても、反撃や攻撃などしないこと」
「くそっ!」
「花美咲悔しがるな、当たり前だから」

「その2点さえ守って楽しい思い出を作りましょうね」

意味わからん、何が悲しくて驚かされて楽しい思い出を作らにゃならんのか…

「ああ、あともう1つ 1番怖い驚かせをしたチームには金一封…とまでは行きませんがご褒美を用意してますから頑張ってくださいね!」

それを聞いた脅かすチームのやる気が上がったみたいだ。
あがんな! ていうかむしろご褒美目当てでテンション上がってんじゃねーよ!

え、何? 見回る側にはご褒美ないんすか?
不公平だわ。


そして、順番にみんな進んでいく。

だけど最初のチームが出発してから10番目のチームが中々戻ってこなかった。

「あら? どうしたのかしら… もう戻ってきてもいい頃なんだけど…」

先生の言葉を聞いて周りの生徒はざわめき出す。
え? これ確実になんかイベント発生したぽくないか? 

「私は様子を見てくるので皆さんはここで静かに待機をしていてください。
そして何かあれば宿泊所に戻って身の安全を守ってください!」

そう言って我らB組担任クルエラ先生は走って行ってしまった。


「大丈夫かなクルエラ先生が行って。」
「大丈夫だろ 大人だし教師だし」
「間宮さん 私はそういうことを言ってるんじゃなくて、クルエラ先生……記憶支配じゃん…
行って何かやばい事件に巻き込まれてた場合対処できると思う?」

それを聞いた残りの生徒もシーンとなった。
はい、静かになった。
簡単だったな。

「ちょっと! 花美咲 あんた見に行きなさいよ!」
「なんでだよ!」
「瞬間移動が使えるのはあんたとあと他の3人だけなんだから見に行ってきなさいよ!」

山月の言葉に続くように周りの奴らも「そうだそうだ」「四天王だろ! 行ってこい」という始末。

あーあ、最悪…めんどくさい。




「全く誰だよ四天王を作ってオマケにテレポーターズってクソダセェ名前付けたバカは!」
「「「お前だよ!!」」」
「私だよ!!」

なんか一昔こんなネタあった気がするけど今はそんな時じゃないな。

「とりあえず、バラバラに索敵してやばくなかったらうさぎのスタンプやばかったら悪魔のスタンプ」
「どっちにしろスタンプじゃねーか!」
「念の為だよ堀部」
「堀山だよ! 書いてあんだろ!」
「あ、ほんとだすまんな 堀口」
「ほ・り・や・ま!」
「ほら、花美咲さん堀山くん ふざけてる場合じゃないから、先生には許可を取ったから早く行こ」
「うぐ! 悪い未鳥……。」

おや? 堀山の様子が……てか、顔真っ赤っか
もしやみどりんのこと好きなのかね?

私は堀山にこっそりと聞いてみた。

「堀山ってみどりんのこと好きなの?」
「なっ!? ば…ばばばばば……ば、馬鹿なこと言うなし! あんなやつ好きでもなんでも…」
「堀山くん どうしたの? また花美咲さんにちょっかい出された?」
「私基準かい」

とまあ、雑談はここまでにしてここから真面目に索敵を開始することとなった。
ほかの3人は散り散りにテレポートで散って行った。

そして私はそのまま森の中に入っていった。
みんなは忘れてるかと思うけど、わたしの能力瞬間移動テレポートはあるデメリットが生じる。

デメリットは1度行った場所以外はその場所に飛べないこと、徒歩や乗り物などでその道筋を覚えなくては行けない。

Go〇gleマップとか地図を見たとしても移動はできない。
ちゃんと自分の目やその場所の環境などを体で記憶しないと瞬間移動は使えないのである。

中々役立ちそうで役立たないのである。
まあ、場所さえ覚えてしまえば無敵だけどな。

勘違いしてる人への説明ができてスッキリした。

さて、そろそろ10番目のグループと合流してもいいんだが中々出会わないな…

「(それにこれだけ進んでも脅かしチームとも遭遇しない… 一体どうなってんだ?)」


そう思いながらどんどん奥へ進んでいくと女子の悲鳴らしき声が森の奥から聞こえた



「えっ」

これ確実にやばい感じのやつやん ヤバイべキタコレ…全然嬉しくもない、むしろ恐怖だわ。

「いやいや、もしかしたら脅かしチームが脅かして10番目のグループがそれにびびった よし、私の推理は完璧だ! さあ行こう!」


私はヤケクソで森の奥へと進んで行ったが、私の予想ははるかに外れそこで私が見たものは────────
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