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エピローグ
幸福な2人
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黒々とした夜空ではなく青みがかかった空をカイラスは見上げた。
式典後のパーティ、隣国はじめ諸外国の挨拶、その他諸々の仕事により、カイラスの仕事が終えたのは夜、というより朝といったほうがいい時間だった。
明日も朝早くから仕事が待っている。
カイラスは自室へ歩を進めた。
「カイラス」
カイラスが扉を開けると、バグダスが跪いていた。
昼間のような正装ではなく、寝間着を着たバグダスはカイラスのお出待ちを今か今かと待っていたのだろう。
嬉しそうに顔を綻ばせ、左手でカイラスを向かい入れる。
「脱がせろ」
「ええもちろん」
バグダスは嬉々として左手でカイラスの正装を脱がしていく。
よく片腕だけでスムーズに脱がせられるものだと関心するが、カイラスは何も言わない。
嬉々として世話をするバグダスにされるがままのカイラスは最低限の行動しかしない。
1度軍にいた名残で自分で上着を脱いだ際に窘められたからだ。
カイラスの全てを世話をしたいバグダスにとってたとえカイラス自身でも勝手に世話をされるのはバグダスにとって許せないのだろう。
王の衣裳から下着も脱がされる。
裸体になったカイラスをバグダスは愛おしそうに身体中を口付けをした。
「カイラス…、カイラス…」
「…っ、早く、ベッドに連れていけ」
「ええ、私の姫君」
バグダスはカイラスをベッドに寝かせると、同じように身体中を口付けする。
バグダスの唇が次第にカイラスの陰部に行くのはすぐだった。
去勢をされ、起つことがないそこをバグダスは丁寧に舐めとる。
「んっ…あっ…ん…バグ、ダス……」
「ええ、カイラス」
「や……あっ」
「どうしました?」
「しゃべ…あっ…!」
バグダスの口の中で飴玉のようにしゃぶられるのをカイラスはただ 乱れるしかない。
生々しい水音があの地下室の時よりも頭に響いている。
「ん…あっ…あっ…! んあっ…! あーー!」
カイラスが達したのはすぐだった。
透明のそれをバグダスは丁寧に舐めとる。
未だ慣れぬ快楽にカイラスは肩をを上下させる。
「はあ……あぁ…んっ…ふっ…」
バグダスの舌がカイラスの唇を舐める。
息が整っていないカイラスをバグダスは気遣うように髪を撫ぜた。
「カイラス」
自分の名を呼ぶ声は欲を持っていた。
カイラスはその欲に答えるようにバグダスの唇を塞ぐ。
生々しい水音とカイラスの体を撫ぜるバグダスにカイラスは深い口付けを重ねていく。
「ーーバグダス」
「ええ」
バグダスは左手しかない腕で器用にカイラスの口内に指を進めていく。
1本が2本、3本に増えていくのは早かった。
バグダスの長い指がカイラスの体内の快楽の部分を丁寧に解していく。
「…ふっ…あっ…、んっ…あぁ…」
バグダスは時折口付けをはさみながらカイラスの体内を蹂躙する。
緩む視界の中でバグダスの瞳が満足そうに弧を描いているのが見えた。
「あっ…、んぁ…ふっん……っ」
「カイラス」
「なん…だ、…あっ、ん…」
「なぜあの日、私を助けたのですか?」
カイラスの欲に濡れていたはずの瞳が深い意思を持つ瞳に変わったのは一瞬だった。
カイラスは不機嫌に顔を顰める。
そのまま野暮な質問だとばかりにバグダスの唇を舐める。
「…カイラス」
はぐらかす様に唇を舐めるカイラスをバグダスはたしなめた。
しかし、カイラスはそのまま深く口付けをする。バグダスは振りほどくことはせずにそのままカイラス主導の口付けを堪能した。
「……バグダス」
カイラスの声は先程の目が嘘のように濡れて、欲にまみれている。
そのままカイラスは自身の孔に指を入れた。そして見せつけるようにバグダスを誘う。
カイラスが自ら広げた孔は、バグダスを求めてひくひくと動いていた。
あぁ、もうどうでもよい。
「ーーあぁ…!」
カイラスの叫びにも似たそれが美しい声帯から発した。
バグダスの動きに合わせて乱れるカイラスをバグダスは何度もついた。
「うぁ…! あっ…! ふっ、あっ、はっ、バグ、ダ…ス!」
「カイラス…、カイラス…!」
久しぶりのカイラスの中は変わらず濡れていた。
甘く、柔らかいそこはバグダスの陰茎を優しく、しかしながら強く、離さない。
カイラスの背中から流れる汗をバグダスは吸った。
甘い。カイラスの全てが。
甘い牢獄にバグダスはもう囚われてしまった。
「あーーーー!」
バグダスの深い突きに合わせてカイラスが達したと同時に、強い締めつけがバグダスの陰茎を襲った。
ほぼ同時に達した2人は、ベッドに倒れ込む。
「はあ…、はあ…カイラス、様……」
激しい行為で息が絶え絶えになっているカイラスの唇をバグダスは何度も吸った。
その行為をカイラスは受け入れながら、カイラスの手は今はもうないバグダスの右腕を触る。
カイラスによって丁寧に切り取られた断面は綺麗に切断されたおかげで治りも比較的早かった。
なりより、情事の際、カイラスがバグダスの右腕の断面を優しく撫ぜるのがバグダスは好きだった。
半年間、バグダスはカイラスを監禁し、何度も屈服させた。
それなのにバグダスは変わらない地位にいる。
さらにこうやって定期的にカイラスの閨に招かれ、こうやってカイラスを抱いている。
なぜ、自分をこの地位にいるのかを聞いてもカイラスははぐらかすだけだった。
「…カイラス様」
「カイラス、だ。お前に様は似合わん」
「…カイラス」
あの半年間、カイラスを支配していたのは紛れもない自分であった。
それなのに今はこうやってカイラスに支配されている自分がいる。
それが心地よいと感じている自分もだ。
「カイラス」
左腕でカイラスの褐色の頬を撫ぜる。
母譲りの褐色と、父親譲りの赤髪がカイラスに唯一無二の美しさを与えている。
この美しさがカイラス限りで終わってしまうことがなにより残念に思えた。
もちろん、それを行ったのはバグダスであったが。
「バグダス」
カイラスは肩を押すようにバグダスを押し倒す。
そのまま上にのり、騎乗位の体制になった。
そのまま、誘うようにバグダスの陰茎を内ももで擦るカイラスをバグダスは見つめた。
「バグダス」
2度も達したのに未だ収まらないカイラスの欲にバグダスも当てられていた。
深い口付けをしながらカイラスの孔を広げていく。
深い幸福感に沈みながらバグダスは呟いた。
「カイラス…、愛しています」
深くいれたバグダスの陰茎も、カイラスの欲も未だおさまる気配はない。
深い深い戻れぬ幸福を感じながらカイラスとバグダスは深く繋がっていた。
式典後のパーティ、隣国はじめ諸外国の挨拶、その他諸々の仕事により、カイラスの仕事が終えたのは夜、というより朝といったほうがいい時間だった。
明日も朝早くから仕事が待っている。
カイラスは自室へ歩を進めた。
「カイラス」
カイラスが扉を開けると、バグダスが跪いていた。
昼間のような正装ではなく、寝間着を着たバグダスはカイラスのお出待ちを今か今かと待っていたのだろう。
嬉しそうに顔を綻ばせ、左手でカイラスを向かい入れる。
「脱がせろ」
「ええもちろん」
バグダスは嬉々として左手でカイラスの正装を脱がしていく。
よく片腕だけでスムーズに脱がせられるものだと関心するが、カイラスは何も言わない。
嬉々として世話をするバグダスにされるがままのカイラスは最低限の行動しかしない。
1度軍にいた名残で自分で上着を脱いだ際に窘められたからだ。
カイラスの全てを世話をしたいバグダスにとってたとえカイラス自身でも勝手に世話をされるのはバグダスにとって許せないのだろう。
王の衣裳から下着も脱がされる。
裸体になったカイラスをバグダスは愛おしそうに身体中を口付けをした。
「カイラス…、カイラス…」
「…っ、早く、ベッドに連れていけ」
「ええ、私の姫君」
バグダスはカイラスをベッドに寝かせると、同じように身体中を口付けする。
バグダスの唇が次第にカイラスの陰部に行くのはすぐだった。
去勢をされ、起つことがないそこをバグダスは丁寧に舐めとる。
「んっ…あっ…ん…バグ、ダス……」
「ええ、カイラス」
「や……あっ」
「どうしました?」
「しゃべ…あっ…!」
バグダスの口の中で飴玉のようにしゃぶられるのをカイラスはただ 乱れるしかない。
生々しい水音があの地下室の時よりも頭に響いている。
「ん…あっ…あっ…! んあっ…! あーー!」
カイラスが達したのはすぐだった。
透明のそれをバグダスは丁寧に舐めとる。
未だ慣れぬ快楽にカイラスは肩をを上下させる。
「はあ……あぁ…んっ…ふっ…」
バグダスの舌がカイラスの唇を舐める。
息が整っていないカイラスをバグダスは気遣うように髪を撫ぜた。
「カイラス」
自分の名を呼ぶ声は欲を持っていた。
カイラスはその欲に答えるようにバグダスの唇を塞ぐ。
生々しい水音とカイラスの体を撫ぜるバグダスにカイラスは深い口付けを重ねていく。
「ーーバグダス」
「ええ」
バグダスは左手しかない腕で器用にカイラスの口内に指を進めていく。
1本が2本、3本に増えていくのは早かった。
バグダスの長い指がカイラスの体内の快楽の部分を丁寧に解していく。
「…ふっ…あっ…、んっ…あぁ…」
バグダスは時折口付けをはさみながらカイラスの体内を蹂躙する。
緩む視界の中でバグダスの瞳が満足そうに弧を描いているのが見えた。
「あっ…、んぁ…ふっん……っ」
「カイラス」
「なん…だ、…あっ、ん…」
「なぜあの日、私を助けたのですか?」
カイラスの欲に濡れていたはずの瞳が深い意思を持つ瞳に変わったのは一瞬だった。
カイラスは不機嫌に顔を顰める。
そのまま野暮な質問だとばかりにバグダスの唇を舐める。
「…カイラス」
はぐらかす様に唇を舐めるカイラスをバグダスはたしなめた。
しかし、カイラスはそのまま深く口付けをする。バグダスは振りほどくことはせずにそのままカイラス主導の口付けを堪能した。
「……バグダス」
カイラスの声は先程の目が嘘のように濡れて、欲にまみれている。
そのままカイラスは自身の孔に指を入れた。そして見せつけるようにバグダスを誘う。
カイラスが自ら広げた孔は、バグダスを求めてひくひくと動いていた。
あぁ、もうどうでもよい。
「ーーあぁ…!」
カイラスの叫びにも似たそれが美しい声帯から発した。
バグダスの動きに合わせて乱れるカイラスをバグダスは何度もついた。
「うぁ…! あっ…! ふっ、あっ、はっ、バグ、ダ…ス!」
「カイラス…、カイラス…!」
久しぶりのカイラスの中は変わらず濡れていた。
甘く、柔らかいそこはバグダスの陰茎を優しく、しかしながら強く、離さない。
カイラスの背中から流れる汗をバグダスは吸った。
甘い。カイラスの全てが。
甘い牢獄にバグダスはもう囚われてしまった。
「あーーーー!」
バグダスの深い突きに合わせてカイラスが達したと同時に、強い締めつけがバグダスの陰茎を襲った。
ほぼ同時に達した2人は、ベッドに倒れ込む。
「はあ…、はあ…カイラス、様……」
激しい行為で息が絶え絶えになっているカイラスの唇をバグダスは何度も吸った。
その行為をカイラスは受け入れながら、カイラスの手は今はもうないバグダスの右腕を触る。
カイラスによって丁寧に切り取られた断面は綺麗に切断されたおかげで治りも比較的早かった。
なりより、情事の際、カイラスがバグダスの右腕の断面を優しく撫ぜるのがバグダスは好きだった。
半年間、バグダスはカイラスを監禁し、何度も屈服させた。
それなのにバグダスは変わらない地位にいる。
さらにこうやって定期的にカイラスの閨に招かれ、こうやってカイラスを抱いている。
なぜ、自分をこの地位にいるのかを聞いてもカイラスははぐらかすだけだった。
「…カイラス様」
「カイラス、だ。お前に様は似合わん」
「…カイラス」
あの半年間、カイラスを支配していたのは紛れもない自分であった。
それなのに今はこうやってカイラスに支配されている自分がいる。
それが心地よいと感じている自分もだ。
「カイラス」
左腕でカイラスの褐色の頬を撫ぜる。
母譲りの褐色と、父親譲りの赤髪がカイラスに唯一無二の美しさを与えている。
この美しさがカイラス限りで終わってしまうことがなにより残念に思えた。
もちろん、それを行ったのはバグダスであったが。
「バグダス」
カイラスは肩を押すようにバグダスを押し倒す。
そのまま上にのり、騎乗位の体制になった。
そのまま、誘うようにバグダスの陰茎を内ももで擦るカイラスをバグダスは見つめた。
「バグダス」
2度も達したのに未だ収まらないカイラスの欲にバグダスも当てられていた。
深い口付けをしながらカイラスの孔を広げていく。
深い幸福感に沈みながらバグダスは呟いた。
「カイラス…、愛しています」
深くいれたバグダスの陰茎も、カイラスの欲も未だおさまる気配はない。
深い深い戻れぬ幸福を感じながらカイラスとバグダスは深く繋がっていた。
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