27 / 35
第1章
第27話:銃弾
しおりを挟む
「ハッハァーッ!」
吐影の雄叫びが人で埋まった部屋に響き渡る。
その手に握られているのはベレッタ・M9A1、アメリカの不良軍人から安く譲り受けた吐影の愛銃だ。
「バァーカ、がよぉ!だぁーれがてめえなんぞとまともに勝負するかよ!」
そう叫ぶと地面にうずくまる森田に向かって再び引き金を引いた。
被弾の衝撃で森田の体が小さく弾む。
更にもう一発。
「ハンデだぁ?やれるもんならやってみろよ、おぉ?」
続けて何度も銃弾を撃ち込んだ。
森田の体を中心にゆっくりと血だまりが広がっていく。
「ハ、口ほどにもねえな。神那先の野郎が変な力を使うなんて脅してきやがったけどよぉ、銃に敵うわけねえだろうが!」
吐影はピクリとも動かなくなった森田を前にヒステリックに笑い出した。
周りにいた者たちもそれに合わせて引きつった笑い声を響かせる。
「おう、そこのゴミはお前らで片付けておけよ」
ひとしきり笑って満足したのか吐影は銃を懐にしまうと踵を返した。
「……と、吐影さん……」
「なんだよ、いつも通りジャンクヤードに埋めておけばいいだろうが」
煮え切らないような部下の言葉に吐影が苛立たしげに吐き捨てる。
「い……いえ……そうじゃなくて……その……」
その時点で吐影は異変に気付いた。
いつの間にか部屋の中が静まり返っていることに。
あり得ない予感が吐影を総毛立たせる。
(そんなわけはねえ、あれで生きていける人間がいるわけがねえ!)
そう己に言い聞かせる心を打ち砕くように背後から声がした。
「これが銃という奴か。なかなか大した威力だな」
「て……てめえ……」
ギシギシと軋む音を立てそうな身震いと共に振り返った吐影の視線の先に立っていたのは……ゆうに十発は銃弾を浴びたはずの森田だった。
◆
素直に認めよう、この世界の武器を舐めていたと。
とは言え油断していたわけではない。
凶龍連合のマンションに入る前にあらかじめ防御魔法だって張っていた。
しかし銃声と同時に対物防御魔法が全て撃ち抜かれたのは予想外だった。
即座に追い打ちをかけてきた吐影の判断力も見事だと言わざるを得ない。
犯罪組織の頭を張っているのは伊達ではないようだ。
倒れながら防御魔法を張りなおしていなかったら死んでいた可能性もあった。
ともあれ肉体に届いた銃弾は腹と腰部の2発だけで、そのダメージも自動治癒で既に回復済みだ。
「これが銃という武器か。火薬で鉛の弾を打ち出すというシンプルな構造ながらこれだけの攻撃力を持っているとはな。これが俺のいた世界にあったら支配されていたのは魔族の方だったかもしれないな」
たかだかチンピラ風情が手に入れられる程度の武器でこの威力だ、本格的な兵器となると高等魔法でも防げるかどうか。
これはこの世界に対する認識を改めた方が良さそうだ。
「てめえ……なんで立っていやがる!」
吐影が化け物でも見るかのような目でこちらを見ている。
「そう驚くな。俺が不思議な力を使うというのは知っているのだろう?その力を使ったまでのことだ」
「ふ、ふざけんじゃねえ!そんな力、あってたまるかよ!」
叫ぶなり吐影が再び銃を撃ってきた。
音速を超える速度で銃弾が向かってくる。
「無駄だよ」
先ほどは意表を突かれたがその身をもって体験した以上、もはや通用しない。
銃弾はみるみる速度を落としていき、やがて目の前でポトリと落ちた。
「なっ!?」
吐影が目を剥く。
それでも続けて何度も撃ち込んできたが結果は同じ事だった。
今回は高密度防御魔法を展開している。
魔力消費量は大きいが吐影の持っている銃程度では肉体に触れることすらできないだろう。
「だから言っただろう、その銃はもう通用しないと」
「クソックソックソがあ!」
吐影は持っていた銃をこちらに投げつけて部屋を飛び出したかと思うとすぐに戻ってきた。
「だったらこいつをくれてやらぁ!」
その手に握られているのは……ロシアが作った傑作アサルトライフルAK-47だ。
最近の半グレはこんな武器まで持っているのか。
もはや半グレというよりもギャングに近いんじゃないだろうか。
「馬鹿が!俺たちがただの半グレだと思ったのか!俺たちはなあ、そこらのヤクザなんかよりも修羅場を踏んでんだよ!こっからは戦争だぁ!」
「ちょ、吐影さ……!」
「ヤベェ!逃げろ!」
周りにいた男たちが恐怖に顔を引きつらせながら出口へと殺到する。
吐影は逃げ惑う部下たちなど眼中にないかのように引き金に手をかけた。
「死ねやオラァ!」
耳をつんざくような轟音と共に毎分600発の発射速度で銃弾の雨が襲い掛かってくる。
「どうだ!これならてめえの力でも敵わねえだろ!科学の力なめんじゃねえぞ、ボケ!」
立ち込める白煙で部屋の中は何も見えない。
「どうだ……これならてめえだって……」
「良い銃だな」
「んなぁっ!?」
煙が晴れた先で怪我1つ負っていない俺の姿に吐影が目を丸くしている。
「最初にその銃を持ち出していれば勝負は変わっていたかもしれないな。とはいえもう通用しないが。腐食禍動」
「うぉっ!?」
驚く吐影の目の前でAK-47が腐食魔法でボロボロと崩れ落ちていった。
「これでわかっただろう、お前たちの暴力や武器など俺には通用しないと。大人しく俺の条件を呑んだ方が身のためだぞ」
「て……てめえぇ……」
吐影がギリギリと歯ぎしりをする。
「龍、諦めた方が良い。君じゃあこの人に勝てない」
その時吐影の背後から声がした。
「神那先?」
神那先は吐影の肩に手を置いてこちらを向いた。
「森田くん、ここは君の言い分を全面的に認めることにするよ。僕らは今後君には手を出さない、それで良いかな?」
「神那先ィ!てめえふざけてんじゃねえぞ!」
吐影が激昂する。
「仕方ないだろう。君では森田くんに太刀打ちできない。ここは素直に引き下がった方が良い」
「馬鹿野郎!そんなことできるわけねえだろ!だいたいなんでてめえが仕切ってやがる!てめえ如きが出しゃばってんじゃねえぞ!」
「……てめえ如き?」
神那先の声のトーンが低くなった。
「それは君のことだよ」
「ハガッ!」
その瞬間、吐影が白目をむいて悶絶した。
「な……神那……」
そのまま糸が切れたように床に崩れ落ちる。
「ここは君如き凡人が入っていける領域じゃあないんだよ」
昏倒した吐影を一瞥すると神那先はあらためてこちらに顔を向けてきた。
「さ、邪魔者はいなくなったし改めて話をしようか、森田くん。いや……」
相変わらず穏やかなその顔に笑みが浮かんでいる。
「魔王バルザファルと言った方が良いかな?」
吐影の雄叫びが人で埋まった部屋に響き渡る。
その手に握られているのはベレッタ・M9A1、アメリカの不良軍人から安く譲り受けた吐影の愛銃だ。
「バァーカ、がよぉ!だぁーれがてめえなんぞとまともに勝負するかよ!」
そう叫ぶと地面にうずくまる森田に向かって再び引き金を引いた。
被弾の衝撃で森田の体が小さく弾む。
更にもう一発。
「ハンデだぁ?やれるもんならやってみろよ、おぉ?」
続けて何度も銃弾を撃ち込んだ。
森田の体を中心にゆっくりと血だまりが広がっていく。
「ハ、口ほどにもねえな。神那先の野郎が変な力を使うなんて脅してきやがったけどよぉ、銃に敵うわけねえだろうが!」
吐影はピクリとも動かなくなった森田を前にヒステリックに笑い出した。
周りにいた者たちもそれに合わせて引きつった笑い声を響かせる。
「おう、そこのゴミはお前らで片付けておけよ」
ひとしきり笑って満足したのか吐影は銃を懐にしまうと踵を返した。
「……と、吐影さん……」
「なんだよ、いつも通りジャンクヤードに埋めておけばいいだろうが」
煮え切らないような部下の言葉に吐影が苛立たしげに吐き捨てる。
「い……いえ……そうじゃなくて……その……」
その時点で吐影は異変に気付いた。
いつの間にか部屋の中が静まり返っていることに。
あり得ない予感が吐影を総毛立たせる。
(そんなわけはねえ、あれで生きていける人間がいるわけがねえ!)
そう己に言い聞かせる心を打ち砕くように背後から声がした。
「これが銃という奴か。なかなか大した威力だな」
「て……てめえ……」
ギシギシと軋む音を立てそうな身震いと共に振り返った吐影の視線の先に立っていたのは……ゆうに十発は銃弾を浴びたはずの森田だった。
◆
素直に認めよう、この世界の武器を舐めていたと。
とは言え油断していたわけではない。
凶龍連合のマンションに入る前にあらかじめ防御魔法だって張っていた。
しかし銃声と同時に対物防御魔法が全て撃ち抜かれたのは予想外だった。
即座に追い打ちをかけてきた吐影の判断力も見事だと言わざるを得ない。
犯罪組織の頭を張っているのは伊達ではないようだ。
倒れながら防御魔法を張りなおしていなかったら死んでいた可能性もあった。
ともあれ肉体に届いた銃弾は腹と腰部の2発だけで、そのダメージも自動治癒で既に回復済みだ。
「これが銃という武器か。火薬で鉛の弾を打ち出すというシンプルな構造ながらこれだけの攻撃力を持っているとはな。これが俺のいた世界にあったら支配されていたのは魔族の方だったかもしれないな」
たかだかチンピラ風情が手に入れられる程度の武器でこの威力だ、本格的な兵器となると高等魔法でも防げるかどうか。
これはこの世界に対する認識を改めた方が良さそうだ。
「てめえ……なんで立っていやがる!」
吐影が化け物でも見るかのような目でこちらを見ている。
「そう驚くな。俺が不思議な力を使うというのは知っているのだろう?その力を使ったまでのことだ」
「ふ、ふざけんじゃねえ!そんな力、あってたまるかよ!」
叫ぶなり吐影が再び銃を撃ってきた。
音速を超える速度で銃弾が向かってくる。
「無駄だよ」
先ほどは意表を突かれたがその身をもって体験した以上、もはや通用しない。
銃弾はみるみる速度を落としていき、やがて目の前でポトリと落ちた。
「なっ!?」
吐影が目を剥く。
それでも続けて何度も撃ち込んできたが結果は同じ事だった。
今回は高密度防御魔法を展開している。
魔力消費量は大きいが吐影の持っている銃程度では肉体に触れることすらできないだろう。
「だから言っただろう、その銃はもう通用しないと」
「クソックソックソがあ!」
吐影は持っていた銃をこちらに投げつけて部屋を飛び出したかと思うとすぐに戻ってきた。
「だったらこいつをくれてやらぁ!」
その手に握られているのは……ロシアが作った傑作アサルトライフルAK-47だ。
最近の半グレはこんな武器まで持っているのか。
もはや半グレというよりもギャングに近いんじゃないだろうか。
「馬鹿が!俺たちがただの半グレだと思ったのか!俺たちはなあ、そこらのヤクザなんかよりも修羅場を踏んでんだよ!こっからは戦争だぁ!」
「ちょ、吐影さ……!」
「ヤベェ!逃げろ!」
周りにいた男たちが恐怖に顔を引きつらせながら出口へと殺到する。
吐影は逃げ惑う部下たちなど眼中にないかのように引き金に手をかけた。
「死ねやオラァ!」
耳をつんざくような轟音と共に毎分600発の発射速度で銃弾の雨が襲い掛かってくる。
「どうだ!これならてめえの力でも敵わねえだろ!科学の力なめんじゃねえぞ、ボケ!」
立ち込める白煙で部屋の中は何も見えない。
「どうだ……これならてめえだって……」
「良い銃だな」
「んなぁっ!?」
煙が晴れた先で怪我1つ負っていない俺の姿に吐影が目を丸くしている。
「最初にその銃を持ち出していれば勝負は変わっていたかもしれないな。とはいえもう通用しないが。腐食禍動」
「うぉっ!?」
驚く吐影の目の前でAK-47が腐食魔法でボロボロと崩れ落ちていった。
「これでわかっただろう、お前たちの暴力や武器など俺には通用しないと。大人しく俺の条件を呑んだ方が身のためだぞ」
「て……てめえぇ……」
吐影がギリギリと歯ぎしりをする。
「龍、諦めた方が良い。君じゃあこの人に勝てない」
その時吐影の背後から声がした。
「神那先?」
神那先は吐影の肩に手を置いてこちらを向いた。
「森田くん、ここは君の言い分を全面的に認めることにするよ。僕らは今後君には手を出さない、それで良いかな?」
「神那先ィ!てめえふざけてんじゃねえぞ!」
吐影が激昂する。
「仕方ないだろう。君では森田くんに太刀打ちできない。ここは素直に引き下がった方が良い」
「馬鹿野郎!そんなことできるわけねえだろ!だいたいなんでてめえが仕切ってやがる!てめえ如きが出しゃばってんじゃねえぞ!」
「……てめえ如き?」
神那先の声のトーンが低くなった。
「それは君のことだよ」
「ハガッ!」
その瞬間、吐影が白目をむいて悶絶した。
「な……神那……」
そのまま糸が切れたように床に崩れ落ちる。
「ここは君如き凡人が入っていける領域じゃあないんだよ」
昏倒した吐影を一瞥すると神那先はあらためてこちらに顔を向けてきた。
「さ、邪魔者はいなくなったし改めて話をしようか、森田くん。いや……」
相変わらず穏やかなその顔に笑みが浮かんでいる。
「魔王バルザファルと言った方が良いかな?」
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた
砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。
彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。
そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。
死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。
その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。
しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、
主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。
自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、
寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。
結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、
自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……?
更新は昼頃になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる