一人っ子の人生

長谷川 ゆう

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ひとりっ子、お弁当文化

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   小学生高学年まで、少食も少食で、母親からは赤ちゃんの時、苦手な夏はアイスだけ食べて生きていたと言う武勇伝(?)を持つ子供だった。

  ちなみに、いまだに夏になると「冷やし中華始めました」並みに少食になる。

   幼稚園の時、内向的なくせに、すでにサンタクロースを信じていないという皮肉屋な子供だった。

   そんな私が、一番嫌いな幼稚園の時間、それは、お弁当の時間。

  お昼になると、歌やお絵かきの義務から解放されたかのように、子供達が騒ぎ出す(ちなみに私も同じ子供)

   私は、一気に気分が重くなり、「世の中に、なぜ、食という文化があるのだろうか」とまで、クラスで一番小さなお弁当箱を前に思ったものだ。

  ちなみに、当時、そんなボキャブラリーはないため、ただ不機嫌な子供だった。

  子供達が、ただ動物園のエサの時間のように、はしゃぐ中(毒舌)、私は、ちびちびと、小さなハンバーグを食べる。

  あっという間に、友人達は食事を終えて、外に出て遊び出す。

  食が細い事を知る、当時、新人で真面目だった女性の担当の先生と、教室に取り残されるシュールな場面が毎日、繰り広げられた。

  新人の先生は、真面目なため、成長期の子供が食べないで生きていけるなんて、信じてない。

  ちなみに、私は今日も何とか生きている。

  新人の先生は、私のお弁当箱を毎回チェックするので、すでにサンタクロースなんて信じていない私は、ちびちび食べながら、作戦を練った。

  おかずとご飯を出来るだけ、お弁当箱のすみに寄せる。幼稚園の子供の作戦なんて、こんなものだった。

 「先生、食べました」
   新人の先生の机に行き、お弁当箱を見せる。
作戦は、あっさりとばれ、おかず一口ずつと、ご飯を一口食べなさいと言うノルマを課せられる。

  最終的には、遊びから帰ってきた友人達に、新人の先生が、私を励ませとまでお達しがでる。

   私は、涙目で何とか遊び時間までも潰し、ノルマを終える。

   いまだに、私はお弁当箱が嫌いだ。
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