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~第一章~
リエラさんの想い
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あれから数週間が経った。
シスターは試作品を数日で作り上げてくれて、お小遣い稼ぎとして手伝いを希望した子供達は青果店の嫁 ライラさんや他の腰痛持ちの患者さんへ試作品等を届けてくれた。
「まさか本当に私みたいな者の体を心配してくれるとはね。」
ライラさんはそう言って快く試作品のテスターになると言ってくれた。そして同じ腰痛持ちの知り合いに確認してくれた。
そして何度も改善を繰り返して、異世界初の『医療用コルセット』を作り上げた。
シスターは夏用と冬用二種類を作ってくれた。
夏用は通気性がよく涼しい素材の物。
冬用は温かくて保温性の高い素材の物をベースに、腰を支える芯を生地へ組み込んだ。
芯は鉄のようにしっかりとしていて、でもアルミのように少しだけ柔らかい不思議な素材だった。留め具のところは3ヶ所を自分で結ぶ、紐タイプにした。固定の度合いの調節や着け外しのしやすさを考えたアイディアだった。
自分でも『医療用コルセット』を付けてみたけど、意外に曲がっていないと思っていても真っ直ぐな芯の部分が私の背中や腰が曲がっている事を知らせた。
姿勢よく歩いてるつもりだったんだけど、最近座り仕事も増えてたから曲がってたのかな?
それにしても『医療用コルセット』を着けていると腰が伸びて結構気持ちいいような気がする。
何度も改良を重ねた『医療用コルセット』はライラさん達からの評判も良く、苦労の末に完成品が出来上がった。
あとは問題だった生産ルートや販売ルートだ。
販売ルートは『医療用コルセット』を見せれば店に置いてくれると思うし、そんなに問題ではない。
だが生産ルートは別だ。
私が信頼できて、手間のかかる手作業をしてくれる人達となると見つからない。しかも2、3人ではなく、受注に間に合う人数が必要だ。
そうなってくると私にはツテがないし、資金を用意できるかも怪しくなってくる。
そんな悩みを抱えながら、家路についた。
「おかえり~!」
家に入るとオリヴァーさんとジェイクがリビングから声をかけてきた。
「今日の飯は魚らしい。アクアが荷物を置いてきたら皆で食べよう。」
「わかりました。」
私は階段を上りながらチラッと背後を振り返り、調理場を覗き込んだ。そこには慌ただしく動き回っているリエラさんの姿があった。
洗い物をしているのか、食器の擦れるカチャカチャという音が聞こえていた。
何故かは未だにわからないが、私が冒険者ギルドへ行ったあの日からリエラさんの態度が変わり始めた。
ぎこちなく挨拶してきたり、私が困っていると嫌な顔もせずに手助けしてくれるようになった。
私が治療院へ仕事に行き始めると家の仕事を一人でこなすようになり、少しずつだけどリエラさんの心に変化がみられ始めた。
それにサマンサの事はまだ気になるみたいだけど、泣き言や恨み言を口にする事はなくなった。
オリヴァーさんもジェイクもそれが嬉しいみたいで、最近では和やかな雰囲気が流れる瞬間もあったりする。
これってきっと良い傾向だよね。
少しずつ距離が縮まってるし……
まぁだからといって家族っぽくなれたかって聞かれると違うと断言できる。
私にとっては家族とは思えてないし、オリヴァーさん達も私を娘や姉として見てる訳ではない。
オリヴァーさん達の態度は何ていうか、他所様の娘さんを預かってるような、異国の留学生の世話をしているみたいな感じがする。ホストファミリー的な?
仲良くはしてくれるけど慣れ親しんだ家族の空気とは違うと思ってしまうし、相手にもそう感じさせていると思う。
ーー家族ではない別の形の関係。
でもそんな距離感が嫌いな訳じゃない。
むしろ17年も経って今更家族になろう! 的な雰囲気にならなくて良かったと思っている。
「お待たせしました。」
荷物を置いて、楽な服に着替えて下へ降りると食卓に3人が席についていた。
「いや、大丈夫だ。さぁ食べよう。」
「俺腹減ったー。いただきまーす!」
私が席に着くと、ジェイクは勢いよく食べ始めた。
テーブルには魚と野菜のアクアパッツァのような、酒蒸しのような物があり、食欲を湧かせるにんにくの香りが仄かに漂ってきた。
「いただきます。」
魚の身がふっくらとしていて、魚や野菜のダシやしっかり詰まっているスープが絶品だった。パンに浸したり、魚や野菜を乗せて食べると色んな味が合わさってとても美味しかった。
食事が終わり、リエラさんと2人で後片付けをしていると「最近『医療用コルセット』の話をよく聞くわ。」と話しかけられた。
リエラさんは皿を洗いながら小さな声で問いかけてきた。
「ぁ、え、えっと……腰痛の方用の固定器具なんです。腰の曲げ伸ばしや重い物を持つ時に腰のサポートとなればいいなと思って。」
「凄いわね、そこまで考えてるの?」
「いえ、凄くなんて……いつも色んな人に助けてもらってばかりで、いざ一人で何とかしようと思うと良いアイディアが浮かばなくなってしまうんです。」
もっと上手くやりたいのに失敗ばかりで嫌になります。と苦笑いして答えると、リエラさんは目をぱちくりさせて「貴方もそんな風に思ったりするのね。」と言ってきた。
「えっ……?」
洗い物の手を止めて私へ向き直ったリエラさんはつらそうな、泣きそうな視線を私へと向けた。
「オリヴァーやジェイクから貴女の話は何度も聞かされてたの。貴女の生い立ちや苦労、頑張ってきた事や覚悟。……凄いなー。って思ったわ。私は全然ダメダメだったのに、自分の娘にすら認めてもらえなかった人間なのに。逃げ出さず立ち向かう貴女が眩しくて、羨ましくて、少しだけ妬ましかったの。」
「…………」
「始めて会った時も貴女は人生の転落にも悲観せず、前向きに輝いていた。だから貴女が素敵過ぎて自分に劣等感を抱いてしまった。こんな自分だから母親失格の烙印を押され、娘にも嫌われ続けたんじゃないかって……。ごめんなさい。……貴女に当たるなんてお門違いなのに怒鳴ったり、無視したり、睨んだり……私、最低な態度だったわ。」
「…………」
「それに私はオリヴァーとは違って知ってたの。あの子が、サマンサが街の人達に良くない事をしてるのを見てみぬ振りをしてきた。一度注意したら酷く罵られた事があって……それで心が折れてしまったの。その結果、貴女の婚約者を寝取って辱めたなんて。貴女の全てを奪って陥れたなんて。本当なら事実を知った日にオリヴァー達に貴女へ謝罪しようと言われたの。でも母親としてあの子を信じてあげたかった。どうしようもない子かもしれないけど……遅い過ぎるかもしれないけど、あの子の真実を知ろうと思ったの。」
「…………。」
「人伝にあの子を恨んでいる人を紹介してもらって話を聞いたの。貢がすだけ貢がされて恋人にもなれず、借金だけが残った人や夫がサマンサに貢いで家のお金を使いきってしまった家庭もあった。……私が母親として見てみぬ振りをしたせい。嫌な事から目を反らして正しい方へと導いてあげられなかったせい。そのせいで不幸になった人達が沢山いた。」
「……リエラさん。」
「娘が貴女にした事は決して許される事ではないわ。謝っても謝っても足りないくらい非道な行いよ。本当に、本当に、ごめんなさい。家族や婚約者、地位、名誉、貴女から全て失わせてしまったわ。本当にごめんなさい。」
言葉に詰まりそうになったり、声を震わしながらも必死に私へ言葉を伝えようとするリエラさん。
黙って最後まで聞く私に、リエラさんは何度も謝罪の言葉を口にして頭を下げた。
その間リエラさんの泣きそうな潤んだ瞳からは決して涙が溢れる事はなく、覚悟が決まった強い意志が感じられた。
シスターは試作品を数日で作り上げてくれて、お小遣い稼ぎとして手伝いを希望した子供達は青果店の嫁 ライラさんや他の腰痛持ちの患者さんへ試作品等を届けてくれた。
「まさか本当に私みたいな者の体を心配してくれるとはね。」
ライラさんはそう言って快く試作品のテスターになると言ってくれた。そして同じ腰痛持ちの知り合いに確認してくれた。
そして何度も改善を繰り返して、異世界初の『医療用コルセット』を作り上げた。
シスターは夏用と冬用二種類を作ってくれた。
夏用は通気性がよく涼しい素材の物。
冬用は温かくて保温性の高い素材の物をベースに、腰を支える芯を生地へ組み込んだ。
芯は鉄のようにしっかりとしていて、でもアルミのように少しだけ柔らかい不思議な素材だった。留め具のところは3ヶ所を自分で結ぶ、紐タイプにした。固定の度合いの調節や着け外しのしやすさを考えたアイディアだった。
自分でも『医療用コルセット』を付けてみたけど、意外に曲がっていないと思っていても真っ直ぐな芯の部分が私の背中や腰が曲がっている事を知らせた。
姿勢よく歩いてるつもりだったんだけど、最近座り仕事も増えてたから曲がってたのかな?
それにしても『医療用コルセット』を着けていると腰が伸びて結構気持ちいいような気がする。
何度も改良を重ねた『医療用コルセット』はライラさん達からの評判も良く、苦労の末に完成品が出来上がった。
あとは問題だった生産ルートや販売ルートだ。
販売ルートは『医療用コルセット』を見せれば店に置いてくれると思うし、そんなに問題ではない。
だが生産ルートは別だ。
私が信頼できて、手間のかかる手作業をしてくれる人達となると見つからない。しかも2、3人ではなく、受注に間に合う人数が必要だ。
そうなってくると私にはツテがないし、資金を用意できるかも怪しくなってくる。
そんな悩みを抱えながら、家路についた。
「おかえり~!」
家に入るとオリヴァーさんとジェイクがリビングから声をかけてきた。
「今日の飯は魚らしい。アクアが荷物を置いてきたら皆で食べよう。」
「わかりました。」
私は階段を上りながらチラッと背後を振り返り、調理場を覗き込んだ。そこには慌ただしく動き回っているリエラさんの姿があった。
洗い物をしているのか、食器の擦れるカチャカチャという音が聞こえていた。
何故かは未だにわからないが、私が冒険者ギルドへ行ったあの日からリエラさんの態度が変わり始めた。
ぎこちなく挨拶してきたり、私が困っていると嫌な顔もせずに手助けしてくれるようになった。
私が治療院へ仕事に行き始めると家の仕事を一人でこなすようになり、少しずつだけどリエラさんの心に変化がみられ始めた。
それにサマンサの事はまだ気になるみたいだけど、泣き言や恨み言を口にする事はなくなった。
オリヴァーさんもジェイクもそれが嬉しいみたいで、最近では和やかな雰囲気が流れる瞬間もあったりする。
これってきっと良い傾向だよね。
少しずつ距離が縮まってるし……
まぁだからといって家族っぽくなれたかって聞かれると違うと断言できる。
私にとっては家族とは思えてないし、オリヴァーさん達も私を娘や姉として見てる訳ではない。
オリヴァーさん達の態度は何ていうか、他所様の娘さんを預かってるような、異国の留学生の世話をしているみたいな感じがする。ホストファミリー的な?
仲良くはしてくれるけど慣れ親しんだ家族の空気とは違うと思ってしまうし、相手にもそう感じさせていると思う。
ーー家族ではない別の形の関係。
でもそんな距離感が嫌いな訳じゃない。
むしろ17年も経って今更家族になろう! 的な雰囲気にならなくて良かったと思っている。
「お待たせしました。」
荷物を置いて、楽な服に着替えて下へ降りると食卓に3人が席についていた。
「いや、大丈夫だ。さぁ食べよう。」
「俺腹減ったー。いただきまーす!」
私が席に着くと、ジェイクは勢いよく食べ始めた。
テーブルには魚と野菜のアクアパッツァのような、酒蒸しのような物があり、食欲を湧かせるにんにくの香りが仄かに漂ってきた。
「いただきます。」
魚の身がふっくらとしていて、魚や野菜のダシやしっかり詰まっているスープが絶品だった。パンに浸したり、魚や野菜を乗せて食べると色んな味が合わさってとても美味しかった。
食事が終わり、リエラさんと2人で後片付けをしていると「最近『医療用コルセット』の話をよく聞くわ。」と話しかけられた。
リエラさんは皿を洗いながら小さな声で問いかけてきた。
「ぁ、え、えっと……腰痛の方用の固定器具なんです。腰の曲げ伸ばしや重い物を持つ時に腰のサポートとなればいいなと思って。」
「凄いわね、そこまで考えてるの?」
「いえ、凄くなんて……いつも色んな人に助けてもらってばかりで、いざ一人で何とかしようと思うと良いアイディアが浮かばなくなってしまうんです。」
もっと上手くやりたいのに失敗ばかりで嫌になります。と苦笑いして答えると、リエラさんは目をぱちくりさせて「貴方もそんな風に思ったりするのね。」と言ってきた。
「えっ……?」
洗い物の手を止めて私へ向き直ったリエラさんはつらそうな、泣きそうな視線を私へと向けた。
「オリヴァーやジェイクから貴女の話は何度も聞かされてたの。貴女の生い立ちや苦労、頑張ってきた事や覚悟。……凄いなー。って思ったわ。私は全然ダメダメだったのに、自分の娘にすら認めてもらえなかった人間なのに。逃げ出さず立ち向かう貴女が眩しくて、羨ましくて、少しだけ妬ましかったの。」
「…………」
「始めて会った時も貴女は人生の転落にも悲観せず、前向きに輝いていた。だから貴女が素敵過ぎて自分に劣等感を抱いてしまった。こんな自分だから母親失格の烙印を押され、娘にも嫌われ続けたんじゃないかって……。ごめんなさい。……貴女に当たるなんてお門違いなのに怒鳴ったり、無視したり、睨んだり……私、最低な態度だったわ。」
「…………」
「それに私はオリヴァーとは違って知ってたの。あの子が、サマンサが街の人達に良くない事をしてるのを見てみぬ振りをしてきた。一度注意したら酷く罵られた事があって……それで心が折れてしまったの。その結果、貴女の婚約者を寝取って辱めたなんて。貴女の全てを奪って陥れたなんて。本当なら事実を知った日にオリヴァー達に貴女へ謝罪しようと言われたの。でも母親としてあの子を信じてあげたかった。どうしようもない子かもしれないけど……遅い過ぎるかもしれないけど、あの子の真実を知ろうと思ったの。」
「…………。」
「人伝にあの子を恨んでいる人を紹介してもらって話を聞いたの。貢がすだけ貢がされて恋人にもなれず、借金だけが残った人や夫がサマンサに貢いで家のお金を使いきってしまった家庭もあった。……私が母親として見てみぬ振りをしたせい。嫌な事から目を反らして正しい方へと導いてあげられなかったせい。そのせいで不幸になった人達が沢山いた。」
「……リエラさん。」
「娘が貴女にした事は決して許される事ではないわ。謝っても謝っても足りないくらい非道な行いよ。本当に、本当に、ごめんなさい。家族や婚約者、地位、名誉、貴女から全て失わせてしまったわ。本当にごめんなさい。」
言葉に詰まりそうになったり、声を震わしながらも必死に私へ言葉を伝えようとするリエラさん。
黙って最後まで聞く私に、リエラさんは何度も謝罪の言葉を口にして頭を下げた。
その間リエラさんの泣きそうな潤んだ瞳からは決して涙が溢れる事はなく、覚悟が決まった強い意志が感じられた。
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