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幼少期編

フィン先生の宿題と魔力

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今日はフィン先生の授業の日だ。

シワのある顔をクシャッとさせながら微笑み、

「さぁ、宿題を見ようかの・・・」

と手を差し出してきた・・・私のレポートを受け取ったフィン様はニヤリと笑って・・・

「字の練習をかなりしたようじゃの~。
読めなかったら書き直させようと思っとったのに・・・フォッフォフォ~」

と言ってきた・・・。
うぅ・・・。
フィン先生ってばそれも宿題の内だったのか!

「ふむ・・・今回は迷いの森にだけ行ったようじゃの~。」

そう言いながらフィン先生は私のレポートに目を通していく

・・・・・・。

「よく書けておるの・・・5歳にしては、鋭い視点じゃの。魔獣の生態や行動についてですな!これは!!」

そう!私は迷いの森についても少し書いたが、主に魔獣の弱肉強食を越えての生態についてや魔獣と人間の生活習慣や文化の違いについてレポートにまとめた。
(内容は、魔獣達の生活に支障の出ない範囲で!ちゃんと皆に確認取りましたから・・・ふふふ)

フィン先生はレポート見ながらあごに手をあてて、興味深いの~と独り事を呟き、そして私に沢山の質問をして答えを聞いてきた。

「はあ~。流石!加護持ちの書いたレポートは面白いの・・・これだけで、暫くは退屈しなくてすむの~フォッフォフォ。」

まあ、フィン先生楽しそうだし。それに宿題も合格出来たようなので良かったです。
(フィン先生には加護持ちの事で質問する事もあるので、加護については話してあります!)

「・・・それよりも聞きましたぞ~。
キャロリーナ様は大恋愛の末にシュゼット伯爵家の御子息と婚約したのじゃろ~♪
辺境伯夫人が話してくれたぞ~フォッフォフォ」

とニヤニヤしながら私に尋ねてきた・・・
フィン先生ってば!お母様が大袈裟なだけだってわかってる筈なのに・・・。

実はこの間、婚約発表を致しました。
私達が社交界デビューをしていない、5歳という事もあり、お茶会の場での婚約発表となり、私達も挨拶を頑張りました。

その際にお母様が私達の仲の良い様子や恋の物語を語った為に・・・現在初々しいカップルとして、私達の名前が社交界で先走っています。

最近、この手の暴走ならお母様やサマンサの方が酷いのではないかと考えている!!

「シュゼット家の御子息様は何やら面白い知識を持った子のようじゃの~?
キャロリーナ様と相性抜群ですな!!!」

うぅ・・・それは私達が転生者だから知識だけは人よりも一人分多く持ってるの・・・でも、レクスの場合は専門知識だし!すごいよね~♪

・・・・・・。

私は気になっていた事があり、最近会得した筆談でフィン先生に質問してみた・・・

「魔力の量を測れると聞きました。
私の魔力の量を確認してほしいです。出来ますか?」

「魔力の量ですな・・・。ふむ。フォッフォフォ~。すっかり忘れておりました。」

え?どういう事・・・?

フィン先生の話によると、家庭教師が付く子供は普通最初の授業の日に魔力を測るんだって!
・・・ただ私の場合、まずは意志疎通を頑張っていた為に忘れてしまったとの事。
はい!完全に自業自得ですね。
ご迷惑おかけして、すみませんでした・・・。

「では、今日測ってしまうかの・・・」

と言いながらフィン先生は何やら球体のガラス玉みたいな物を取り出した・・・。

「ここに魔力を注ぐとその者の魔力の量が色で映るのじゃ・・・。」

魔力とは魔法を使用する時のエネルギーである。基本的には皆同じ属性を持っており自分の鍛練しだいで、属性が伸びたり、魔法で出来る事の幅が広がったりする。
才能だけでは強くなれない、努力の力と呼ばれている物。
・・・しかし、魔力の量は生まれ持った物であり、変化させる事は出来ないと言われている。
だから治癒魔法のような特別な属性は魔力がないと扱えないのである。


魔法基本属性(4属性)・・・火・水・風・土
この4属性が一般的に使える魔法の属性。

特殊属性
・氷属性・・・ヴォルフの氷結魔法だね!
・雷属性・・・セールの属性だ!
・光属性・・・治癒や結界等の魔法
・闇属性・・・精神系や隠匿系の魔法
・空間属性・・・まだ、不明な所が多い属性
私が思うには、転移魔法とか、収納魔法が出来るんじゃないかな。
小説とかならそんな感じだもんね!!
・無属性・・・身体強化魔法や鑑定魔法等、その他にも使い勝手は色々とあって便利そう!


「では、やってみるかの・・・。
キャロリーナ様、魔力を注いでみて下され。」

私は言われた通りに魔力を注いでみた。

この世界で生まれたからなのか、元日本人の私でも昔から当たり前のように魔力が体内にある事は感じる事ができる・・・

私の魔力が注がれた球体のガラス玉は徐々に緑色に輝き始めた・・・
それを見てフィン先生は結果を教えてくれた。

「うむ・・・魔力は普通のようじゃの。」


・金色・・・・・この世界でも滅多にいない
・銀
・赤____________↑魔力多い(特殊属性が使える)
・緑____________    魔力は普通
・黄・・・・・・↓魔力が少ない
・青
・白(ほぼ色がない)→ほぼ魔力がない(まれにある)


そっか・・・普通なんだ。
はあ、特殊属性使えたら治癒魔法を頑張って覚えたのにな~。

「落ち込まなくても大丈夫じゃよ。基本属性は使えるのだから鍛練を積めばそれなりに強くなるぞ・・・。」

はぁ・・・フィン先生は私がジーベンダー辺境伯家の娘として戦力を気にしていると思ってるみたい。
違うの!それも大事だけど!!!
魔獣達の為に治癒魔法を会得したいのーーー!



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