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第七節「絆と絆 その信念 引けぬ想い」
~Proposal <提案>~
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勇とアルライ族の話し合いがようやく終わりを迎えた。
試す事から始まり、目的や事情の話、そして日誌の話。
多くを絡んだ話し合いは長い長い時間と感じさせていて。
体の弱そうなジヨヨ村長もこうして終わった時にはグッタリだ。
ただ、これでまだ全部が終わった訳ではない。
次に控えるのは日本政府との話し合い。
ある意味で言えば、勇との話し合いよりもずっと重要な訳で。
そんな話をちょろっと聞けば、マイペースなジヨヨが嫌そうな顔を浮かべるのも無理は無く。
バノに一喝された上で一旦の休憩、勇の見送りはせず。
再びその巨体に案内される形での退散となった。
もちろん毛玉もセットであるが。
「そういえばバノさん、少し訊きたい事があるんです」
そんな道中で、ふと勇が一つの疑問をバノへとぶつける。
「なんかこんなシチュエーション知ってる気がするなぁ」などとデジャブを感じつつ。
「さっきの話で出てた【心の色】ってヤツなんですけど」
「おぉ? あぁ、あの話け。 ありゃまぁ一種の命力特性に近いわな。 性格にもよるがぁ、相手の心を感じ取れるくらいにゃ命力に卓越しとかにゃならん」
「なるほど、やっぱり命力の一端なんだ……」
【心の色】……それはすなわち命力に通ずるからこその。
翻訳能力にも似た、相互理解を助ける力の一端なのだろう。
生まれた時から命力を誇る魔者らしい力と言える。
でも勇は何となくだが、それが魔者だけの力とは思えなくて。
「もしかして、その力って離れてたりしても感じたりするんですかね?」
「うんむ。 基本的に命力を流して届く範囲ならどこでも読めるけぇ。 必要なんは、相手の心を覗ける程に先鋭化した感覚じゃ。 まぁ要するにカンの鋭い奴っちゅうこっちゃ」
「そうか……じゃあもしかして―――」
勇がそんな質問を思い付いたのは思う所があったからだ。
この隠れ里にやって来た時、バノは二度に渡って呼ばれたかの様に現れた。
その行動が偶然としては余りにも不自然に思えてならなくて。
しかも、そんな行動はとある人物とも共通点があったから。
そう、勇は【心の色を見るの力】を持っているであろう人物に心当たりがあったのだ。
殆ど話す間も無かったのに、すぐに自分の事を信用してくれて。
それだけに留まらず、親愛の言葉まで示してくれた。
そして今でもきっと想ってくれている。
そんな、青髪の少女の事が。
「ま、この力を持つモンは『ワシら側』にゃほとんどおらんでな。 おめぇさんの思っとる奴がその域に達してるかまではワシにもわからん」
バノはそう言うも、可能性が無いという訳でもない。
実際に再会して、直接聞くまでは。
そんな話を終えた頃、彼等は既に村入口の階段へと差し掛かっていて。
御味を電話で呼びながら、一段一段をゆっくりと降りていく。
上からだと意外にも段差が大きく見えた様で、その足取りはほんの少しぎこちない。
それでもようやく階段を降りきり、電話も済ませて。
後は御味が来るのを待つだけに。
そんな時、バノが勇の肩を揺らしていて。
「一つ言っとくが、こうなったからといってすぐに提案を受け入れられる訳やない。 それだけは覚えとけぇ」
「それもそうですよね、村の人達皆がまだ納得した訳じゃないですし」
そうして伝えられた一言に、勇もまた頷きを見せる。
バノが言う事も当然だ。
隠れ里の魔者達は戦いを恐れて世俗から離れる事を良しとした者達の末裔で。
当然人間の事も恐れ、忌避しているだろう。
カプロが言っていた、尾ひれの付いた噂を流布する程に。
そんな先入観に縛られた彼等がすぐに人間を受け入れられるはずも無いのだから。
だが、それにも例外という物は存在する。
「でも若もんは別じゃ。 固定概念に囚われん子供ならすぐにでも仲良くなれる可能性はあろォ」
そんな時、足元をピョコピョコと歩き回るカプロの頭をまたしても「むんず」と掴み取り。
まるでそう扱い慣れたかの様に、勇の前へと寄せていく。
「こんのアホンダラの様にのぉ」
このカプロこそが、勇達にとっての真の希望となるかもしれない。
バノはきっと、そう期待しているのだ。
ほんの少し頼りないが。
それでも十分過ぎる可能性だからこそ―――
互いに手を取り合う、嬉しそうな勇とカプロの姿がそこにあった。
◇◇◇
その後、連絡を受けた御味が隠れ里へとやってきた。
勇が交渉している間、ちゃなとちょっとしたドライブを満喫していたらしい。
買ってきたばかりのペットボトル紅茶が勇へのご褒美となった様だ。
それからというものの、話はあっという間に進んでいく。
御味が続いてジヨヨ村長の家へと足を運び。
日本政府代表とアルライ族代表との正式な会合が始まったのである。
しかしそんな話し合いもすぐさま終わる事に。
勇が予め話を通したおかげで、互いの意見に齟齬が生まれなかったからだ。
話し合いで決まったのはほんの数件。
日本とアルライ族、共にある程度の融和が進むまではしばらく現状維持で。
それに並び、現代文化を学ぶ者として、アルライ族から選出した若者を特使とする。
余計な者が近づかぬよう、本来の地主にも説明した上で一旦の国有地化も進めるそうだ。
また、日本政府による村発展の協力も惜しまないとの話も一つ。
この事はこれからの相互理解の度合いによって、アルライ側が可否を判断する事に。
でも食料などに困る様であればすぐさま対応を行うと、協力姿勢は崩さないままで。
基本的に決まったのはこんな所。
ただジヨヨの雰囲気からして、どうやらこれだけでは済まなさそう。
話し合いを終え、勇達がジヨヨの家から姿を現す。
今度はさすがに〝客人〟相手ともあってジヨヨ当人の見送り付きだ。
「今日は話し合いの場を設けて頂き、本当にありがとうございました」
「礼は要らんよ。 言うならフジサキユウ殿にしといてな」
ジヨヨ当人も、勇がこうして切り拓いて生まれた可能性に感謝していて。
そんな勇もを見送りたいからこそ、最後は自分の足で出向こうと思っての事である。
とはいえ、実はそれ以外にも理由がある様子。
「ほいでのぉオミ殿よ。 実はちょっとした提案があるんや」
「提案……? どんな事でしょうか?」
「実はのぉ、折角やから明日か明後日にでも交流会したらどうかとのぉ」
それこそがこの「交流会提案」。
これにはさすがの勇達も戸惑うばかりだ。
何せ、今すぐの融和は出来ない、と言っておきながらのこの話なのだから。
交流に余程の自信があるのか、それともただの閃きなのか。
唐突とも言える話が、あの冷静そうな御味にさえも頭を抱えさせる事に。
確かに今回は福留の代理として訪れ、しっかりと仕事をこなした訳だが―――
実の所、御味にはそれ以外に関する〝入れ知恵〟を貰っていない。
おまけに明日明後日の話ともなれば、彼の持つ権限ではどうしようもない訳で。
しかもそんな御味に更なる追い打ちが。
「ボク、人間の事もっとよく知りたいッス……」
「しりたいですぅ……」
御味の足元にはいつの間にやら例の毛玉達が。
カプロと子供達三人がキラキラと眼を輝かせて覗き込んでいたのだ。
この独特の破壊力を前に、子持ちの御味が耐え切れる訳も無い。
「童なら誤解無く接する事が出来ようなぁ。 じゃからこいつらだけにでも現代の文化っちゅう奴を教えてやりたいんじゃよ。 そうすりゃいずれ実になる時が来るやもしれんでな」
「そ、そうですね……でもどうしようかな」
御味もジヨヨの想いがわからない訳でもない。
もちろん子供達の気持ちも。
ただこれはやはり経験の差と言った所か。
御味には福留ほどに役割を振り回す勇気は無かった様だ。
だが―――御味が動けなくとも、彼等ならば自由に動く事が出来る。
「御味さん、それなら俺に任せてください!! いいアイディアがあります!!」
「えっ!? 本当かい!?」
そう、勇達ならば。
あくまでも依頼引受人として。
でもその行動は限り無く自由に近く、権限などに縛られない。
そして別の意味でも自由奔放で、事情をよく知る彼等なら。
こうして、勇の咄嗟のアイディアが功を奏し。
ジヨヨの思い切った提案は見事受け入れられる事に。
この日、八月初頭。
勇の欲から始まった人間と魔者の対話は、これにより大きな進歩を迎える事となる。
もはやその規模は国という枠を超えたに等しいと言えるだろう。
何故なら、これから始まるのはただの交流会ではない―――
人類史上初とも言える『人間と魔者との異種間コミュニケーション』なのだから。
試す事から始まり、目的や事情の話、そして日誌の話。
多くを絡んだ話し合いは長い長い時間と感じさせていて。
体の弱そうなジヨヨ村長もこうして終わった時にはグッタリだ。
ただ、これでまだ全部が終わった訳ではない。
次に控えるのは日本政府との話し合い。
ある意味で言えば、勇との話し合いよりもずっと重要な訳で。
そんな話をちょろっと聞けば、マイペースなジヨヨが嫌そうな顔を浮かべるのも無理は無く。
バノに一喝された上で一旦の休憩、勇の見送りはせず。
再びその巨体に案内される形での退散となった。
もちろん毛玉もセットであるが。
「そういえばバノさん、少し訊きたい事があるんです」
そんな道中で、ふと勇が一つの疑問をバノへとぶつける。
「なんかこんなシチュエーション知ってる気がするなぁ」などとデジャブを感じつつ。
「さっきの話で出てた【心の色】ってヤツなんですけど」
「おぉ? あぁ、あの話け。 ありゃまぁ一種の命力特性に近いわな。 性格にもよるがぁ、相手の心を感じ取れるくらいにゃ命力に卓越しとかにゃならん」
「なるほど、やっぱり命力の一端なんだ……」
【心の色】……それはすなわち命力に通ずるからこその。
翻訳能力にも似た、相互理解を助ける力の一端なのだろう。
生まれた時から命力を誇る魔者らしい力と言える。
でも勇は何となくだが、それが魔者だけの力とは思えなくて。
「もしかして、その力って離れてたりしても感じたりするんですかね?」
「うんむ。 基本的に命力を流して届く範囲ならどこでも読めるけぇ。 必要なんは、相手の心を覗ける程に先鋭化した感覚じゃ。 まぁ要するにカンの鋭い奴っちゅうこっちゃ」
「そうか……じゃあもしかして―――」
勇がそんな質問を思い付いたのは思う所があったからだ。
この隠れ里にやって来た時、バノは二度に渡って呼ばれたかの様に現れた。
その行動が偶然としては余りにも不自然に思えてならなくて。
しかも、そんな行動はとある人物とも共通点があったから。
そう、勇は【心の色を見るの力】を持っているであろう人物に心当たりがあったのだ。
殆ど話す間も無かったのに、すぐに自分の事を信用してくれて。
それだけに留まらず、親愛の言葉まで示してくれた。
そして今でもきっと想ってくれている。
そんな、青髪の少女の事が。
「ま、この力を持つモンは『ワシら側』にゃほとんどおらんでな。 おめぇさんの思っとる奴がその域に達してるかまではワシにもわからん」
バノはそう言うも、可能性が無いという訳でもない。
実際に再会して、直接聞くまでは。
そんな話を終えた頃、彼等は既に村入口の階段へと差し掛かっていて。
御味を電話で呼びながら、一段一段をゆっくりと降りていく。
上からだと意外にも段差が大きく見えた様で、その足取りはほんの少しぎこちない。
それでもようやく階段を降りきり、電話も済ませて。
後は御味が来るのを待つだけに。
そんな時、バノが勇の肩を揺らしていて。
「一つ言っとくが、こうなったからといってすぐに提案を受け入れられる訳やない。 それだけは覚えとけぇ」
「それもそうですよね、村の人達皆がまだ納得した訳じゃないですし」
そうして伝えられた一言に、勇もまた頷きを見せる。
バノが言う事も当然だ。
隠れ里の魔者達は戦いを恐れて世俗から離れる事を良しとした者達の末裔で。
当然人間の事も恐れ、忌避しているだろう。
カプロが言っていた、尾ひれの付いた噂を流布する程に。
そんな先入観に縛られた彼等がすぐに人間を受け入れられるはずも無いのだから。
だが、それにも例外という物は存在する。
「でも若もんは別じゃ。 固定概念に囚われん子供ならすぐにでも仲良くなれる可能性はあろォ」
そんな時、足元をピョコピョコと歩き回るカプロの頭をまたしても「むんず」と掴み取り。
まるでそう扱い慣れたかの様に、勇の前へと寄せていく。
「こんのアホンダラの様にのぉ」
このカプロこそが、勇達にとっての真の希望となるかもしれない。
バノはきっと、そう期待しているのだ。
ほんの少し頼りないが。
それでも十分過ぎる可能性だからこそ―――
互いに手を取り合う、嬉しそうな勇とカプロの姿がそこにあった。
◇◇◇
その後、連絡を受けた御味が隠れ里へとやってきた。
勇が交渉している間、ちゃなとちょっとしたドライブを満喫していたらしい。
買ってきたばかりのペットボトル紅茶が勇へのご褒美となった様だ。
それからというものの、話はあっという間に進んでいく。
御味が続いてジヨヨ村長の家へと足を運び。
日本政府代表とアルライ族代表との正式な会合が始まったのである。
しかしそんな話し合いもすぐさま終わる事に。
勇が予め話を通したおかげで、互いの意見に齟齬が生まれなかったからだ。
話し合いで決まったのはほんの数件。
日本とアルライ族、共にある程度の融和が進むまではしばらく現状維持で。
それに並び、現代文化を学ぶ者として、アルライ族から選出した若者を特使とする。
余計な者が近づかぬよう、本来の地主にも説明した上で一旦の国有地化も進めるそうだ。
また、日本政府による村発展の協力も惜しまないとの話も一つ。
この事はこれからの相互理解の度合いによって、アルライ側が可否を判断する事に。
でも食料などに困る様であればすぐさま対応を行うと、協力姿勢は崩さないままで。
基本的に決まったのはこんな所。
ただジヨヨの雰囲気からして、どうやらこれだけでは済まなさそう。
話し合いを終え、勇達がジヨヨの家から姿を現す。
今度はさすがに〝客人〟相手ともあってジヨヨ当人の見送り付きだ。
「今日は話し合いの場を設けて頂き、本当にありがとうございました」
「礼は要らんよ。 言うならフジサキユウ殿にしといてな」
ジヨヨ当人も、勇がこうして切り拓いて生まれた可能性に感謝していて。
そんな勇もを見送りたいからこそ、最後は自分の足で出向こうと思っての事である。
とはいえ、実はそれ以外にも理由がある様子。
「ほいでのぉオミ殿よ。 実はちょっとした提案があるんや」
「提案……? どんな事でしょうか?」
「実はのぉ、折角やから明日か明後日にでも交流会したらどうかとのぉ」
それこそがこの「交流会提案」。
これにはさすがの勇達も戸惑うばかりだ。
何せ、今すぐの融和は出来ない、と言っておきながらのこの話なのだから。
交流に余程の自信があるのか、それともただの閃きなのか。
唐突とも言える話が、あの冷静そうな御味にさえも頭を抱えさせる事に。
確かに今回は福留の代理として訪れ、しっかりと仕事をこなした訳だが―――
実の所、御味にはそれ以外に関する〝入れ知恵〟を貰っていない。
おまけに明日明後日の話ともなれば、彼の持つ権限ではどうしようもない訳で。
しかもそんな御味に更なる追い打ちが。
「ボク、人間の事もっとよく知りたいッス……」
「しりたいですぅ……」
御味の足元にはいつの間にやら例の毛玉達が。
カプロと子供達三人がキラキラと眼を輝かせて覗き込んでいたのだ。
この独特の破壊力を前に、子持ちの御味が耐え切れる訳も無い。
「童なら誤解無く接する事が出来ようなぁ。 じゃからこいつらだけにでも現代の文化っちゅう奴を教えてやりたいんじゃよ。 そうすりゃいずれ実になる時が来るやもしれんでな」
「そ、そうですね……でもどうしようかな」
御味もジヨヨの想いがわからない訳でもない。
もちろん子供達の気持ちも。
ただこれはやはり経験の差と言った所か。
御味には福留ほどに役割を振り回す勇気は無かった様だ。
だが―――御味が動けなくとも、彼等ならば自由に動く事が出来る。
「御味さん、それなら俺に任せてください!! いいアイディアがあります!!」
「えっ!? 本当かい!?」
そう、勇達ならば。
あくまでも依頼引受人として。
でもその行動は限り無く自由に近く、権限などに縛られない。
そして別の意味でも自由奔放で、事情をよく知る彼等なら。
こうして、勇の咄嗟のアイディアが功を奏し。
ジヨヨの思い切った提案は見事受け入れられる事に。
この日、八月初頭。
勇の欲から始まった人間と魔者の対話は、これにより大きな進歩を迎える事となる。
もはやその規模は国という枠を超えたに等しいと言えるだろう。
何故なら、これから始まるのはただの交流会ではない―――
人類史上初とも言える『人間と魔者との異種間コミュニケーション』なのだから。
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