128 / 1,197
第五節「交錯する想い 友よ知れ 命はそこにある」
~体力 命力 その関係性は~
しおりを挟む
「コーディネイトお願いします!」
店に着いた途端の開口一番がこれである。
これにはさすがに店員も戸惑うばかりだ。
どうやら一度付いた火はそう簡単には消えない様で。
機嫌は直っても、頑なな態度は変わらないまま。
勇を半ば引きずる様な形で、二人はショッピングモール内の男性アパレルショップへと足を踏み入れていた。
とはいうものの―――
ちゃなとしてはその出来栄えよりも、勇が自分と同じ様に着飾る事を望んでいた様で。
店員がチョイスし、それを試着するだけでも十分満足だった様子。
大人らしさを売りにした店舗だったという事もあり、その様はちゃな程派手ではない。
青色肌シャツをキリッとした白の半袖カジュアルシャツで覆い、グレーのチノパンが脚部のラインをスッキリと現しているという着こなし。
大した物ではないのだが、やはりここは店員さんがチョイスしたという事もあってなかなか出来栄えだ。
まるで勇の心情を読み取ったかの様に値段も相応である。
勇としてもこの程度の出費でもう悩む事は無いし、悪い気もしない。
という訳で、せっかく試着したのだからと購入する事に。
もちろん一着セットだけなので、手荷物は元々着ていた服だけだ。
その後、戦闘服などの購入に戻る事もちゃんと忘れない。
当然今度はちゃなにしっかり説明済み。
理解してもらった上での安物チョイスで事無きを得る事に。
こうして些細な事から始まったハプニングはこうして無事に収束を迎えるのだった。
後は頼まれていた食料品と日用品の買い出しを残すのみ。
これは母親のメモもあるので忘れる心配は無いだろう。
勇としてもこれには割と乗り気だ。
今朝に卵とハムも使ってしまったので、その補填を考えていたから。
折角だからと普段より高い食材を買ってみようなどとも思いながら。
こんなお使いも一度や二度では無いので手馴れた物で。
そんな事もあって買い出しもすぐに済み。
当初予定していた目的はこれでほぼほぼ達成。
後は予想以上に買い込み過ぎて膨れた荷物を頑張って持ち帰るだけだ。
勇としてはこれもトレーニングの一環にもなるので苦は無いだろう。
でもちゃなはそうもいかない。
自分の荷物だけでも手一杯の様なので。
という訳で帰宅する前の最後の一休憩と洒落こむ事に。
近くにあったフレッシュジュース専門店で購入したアップルジュースを二人で啜る。
二人とも歩き続けていた所為か喉がカラカラだった様で、あっという間に容器は空へ。
とても美味しかったのだろう、その後も二人揃って椅子に座りながら余韻に浸る姿が。
この様に出先で飲み食いをする事など、二人とも滅多に出来なかった事。
懐も時間も余裕がある今だからこそ許される贅沢だと言える。
そしてちゃなは一杯だけでは飽き足らず、遂には二杯目に突入へ。
どうやら休憩は延長の様だ。
ちなみにまだ時刻は十五時過ぎと余裕なので何の問題も無いだろう。
こうしてゆったりとした時間が二人に訪れ。
久しぶりとも言える憩いの時間を心のゆくままに堪能する。
その雰囲気はまるで今までの激動の出来事が嘘だったかの様に穏やかそのもの。
こんな時がずっと続けばいいのに、と願ってやまない程に。
そんな中、ちゃながジュースを啜る姿を眺めながら勇はふと想いを巡らせる。
それは朝に実感したとある事実の延長。
今の雰囲気とはそぐわない真面目な思考である。
そう、それは命力と体力の関係性についてだ。
この場合では体力では無く持久力と言った方が正しいだろうか。
この様に持久力の無いちゃなを目前とすると、勇の立てた説もハッキリと見えるもので。
未だ仮定の言える命力の特性も、こうしてみれば真実味を帯びる。
強く走る事は出来るが長くは走れない。
重い物を持つ事は出来るが長い距離を歩けない。
つまり、命力で持久力を直接引き上げる事は基本的には出来ないのだと。
何故なら、そう強化したいというイメージが出来ないからだ。
手足を動かすというイメージは誰でも出来るくらいに容易な事だ。
日常的に使っている人ならば、無意識にだって出来るだろう。
だから運動に慣れていないであろうちゃなでさえも命力を奮う事が出来る。
精々その加減が難しいと思うくらいだ。
でも持久力と呼ばれるものは単に言って無形。
〝持久力蓄積器官〟がある訳でも無いし、スタミナゲージがある訳でもない。
体内に蓄えられた栄養素の量が持久力だと言われているが、実際にそれがどこにあるのかなど普通の人にはわかるはずも無く。
それほど普段人の目で見る事も感じる事も出来ないという領域なのである。
イメージする事が命力を扱う為のコツ。
ならばと物理的に持久力を引き上げるイメージが出来ればそれも叶うのだろうが。
でもそれを成すには前述の事を心から理解する必要がある訳で。
そんな答えが導き出されれば、持久力の強化に如何に困難であるかは明白と言えるだろう。
だからといって可能性が無い訳ではない。
以前、剣聖は命力の事を「命の力だ」と言っていた。
では、その〝命〟とは何なのだろうか。
それは恐らく、人の心だ。
いわゆる精神力と呼ばれる類で、強い意思を向ける事が命力の源となるのだろう。
なのでそれを消耗すると、立とうとする意志が削がれたり相手の虚言に惑わされ易くなる。
かといって命力自体の量は精神力や意思の強さに起因する訳では無く、個々の素質によるもの。
つまり命力と精神力は別物という事。
精神力を触媒として強化や攻撃力に転換出来るのが命力だという訳である。
栄養素を触媒として体を動かす持久力と同じ様なものだ。
体力と命力の消耗による状態は非常によく似ていて。
どちらも尽きれば身体機能を著しく衰えさせ、動く事さえままならなくなる。
けれど逆に言えば、命力の消耗と体力の消耗がイコールであるとは考えにくい。
要は「命力が減るから体力も減る」という訳では無いのだ。
しかも命力は湯水の様に消えるのではなく、ある程度は自身の体を流れる血液と同様に循環して。
例え量が少なくとも、意識すれば長く持たせる事が出来る。
それ故にこの時思う。
体力と命力の消耗バランスを考えれば、結果的に持久力を引き上げる事になるのではないかと。
普段は体力を行使して体を動かし。
いざという時に命力に切り替えて。
そして爆発的に攻撃へと転換させる。
そうすればもっと効率良く戦えるのではないだろうかと。
そんな考えが浮かぶと実践してみたくもなるというもの。
いっそ買い物が終わったらまたランニングでもしてみようかと思う程だ。
とはいえ今は日中。
下手をすればそれ以前に熱中症で倒れかねない訳で。
「そんな事にも命力で防げたらいいなぁ」などと思って止まない。
……などという思考を脳裏で繰り広げていて。
ふと意識を現実に戻せば、現実ならざる光景にただただ目を疑う。
何故なら、目の前に大量の食べ物が積まれていたのだから。
ずっと考え込んで気付かなかったのだ。
ちゃなが調子に乗って色々と買い込んでいた事に。
たこ焼き、お好み焼き、サンドイッチから団子にドーナッツ―――
多種多様の食べ物が机に所狭しと置かれ、異様な彩りを生んでいたのである。
全て休憩所の近くに軒を構える店舗の品物だ。
もちろんそれを現在進行形で頬張っている事は言わずもがな。
その光景はまさに異様。
普通よりも細いはずの体に秘められた可能性は更なる広がりを見せるばかりで。
お昼ご飯を食べ終えてからまだ二時間程しか経っていないのに。
これには勇も「どんだけ飢えてるんだよ」と唸りを上げる。
だが勇は知らない。
これが決して今まで食べてこれなかった反動ではないという事を。
飢えているという訳でも、食い溜めでも決してなく。
たった今ちゃなの望んだ食事量なのだという事を……まだ知らない。
店に着いた途端の開口一番がこれである。
これにはさすがに店員も戸惑うばかりだ。
どうやら一度付いた火はそう簡単には消えない様で。
機嫌は直っても、頑なな態度は変わらないまま。
勇を半ば引きずる様な形で、二人はショッピングモール内の男性アパレルショップへと足を踏み入れていた。
とはいうものの―――
ちゃなとしてはその出来栄えよりも、勇が自分と同じ様に着飾る事を望んでいた様で。
店員がチョイスし、それを試着するだけでも十分満足だった様子。
大人らしさを売りにした店舗だったという事もあり、その様はちゃな程派手ではない。
青色肌シャツをキリッとした白の半袖カジュアルシャツで覆い、グレーのチノパンが脚部のラインをスッキリと現しているという着こなし。
大した物ではないのだが、やはりここは店員さんがチョイスしたという事もあってなかなか出来栄えだ。
まるで勇の心情を読み取ったかの様に値段も相応である。
勇としてもこの程度の出費でもう悩む事は無いし、悪い気もしない。
という訳で、せっかく試着したのだからと購入する事に。
もちろん一着セットだけなので、手荷物は元々着ていた服だけだ。
その後、戦闘服などの購入に戻る事もちゃんと忘れない。
当然今度はちゃなにしっかり説明済み。
理解してもらった上での安物チョイスで事無きを得る事に。
こうして些細な事から始まったハプニングはこうして無事に収束を迎えるのだった。
後は頼まれていた食料品と日用品の買い出しを残すのみ。
これは母親のメモもあるので忘れる心配は無いだろう。
勇としてもこれには割と乗り気だ。
今朝に卵とハムも使ってしまったので、その補填を考えていたから。
折角だからと普段より高い食材を買ってみようなどとも思いながら。
こんなお使いも一度や二度では無いので手馴れた物で。
そんな事もあって買い出しもすぐに済み。
当初予定していた目的はこれでほぼほぼ達成。
後は予想以上に買い込み過ぎて膨れた荷物を頑張って持ち帰るだけだ。
勇としてはこれもトレーニングの一環にもなるので苦は無いだろう。
でもちゃなはそうもいかない。
自分の荷物だけでも手一杯の様なので。
という訳で帰宅する前の最後の一休憩と洒落こむ事に。
近くにあったフレッシュジュース専門店で購入したアップルジュースを二人で啜る。
二人とも歩き続けていた所為か喉がカラカラだった様で、あっという間に容器は空へ。
とても美味しかったのだろう、その後も二人揃って椅子に座りながら余韻に浸る姿が。
この様に出先で飲み食いをする事など、二人とも滅多に出来なかった事。
懐も時間も余裕がある今だからこそ許される贅沢だと言える。
そしてちゃなは一杯だけでは飽き足らず、遂には二杯目に突入へ。
どうやら休憩は延長の様だ。
ちなみにまだ時刻は十五時過ぎと余裕なので何の問題も無いだろう。
こうしてゆったりとした時間が二人に訪れ。
久しぶりとも言える憩いの時間を心のゆくままに堪能する。
その雰囲気はまるで今までの激動の出来事が嘘だったかの様に穏やかそのもの。
こんな時がずっと続けばいいのに、と願ってやまない程に。
そんな中、ちゃながジュースを啜る姿を眺めながら勇はふと想いを巡らせる。
それは朝に実感したとある事実の延長。
今の雰囲気とはそぐわない真面目な思考である。
そう、それは命力と体力の関係性についてだ。
この場合では体力では無く持久力と言った方が正しいだろうか。
この様に持久力の無いちゃなを目前とすると、勇の立てた説もハッキリと見えるもので。
未だ仮定の言える命力の特性も、こうしてみれば真実味を帯びる。
強く走る事は出来るが長くは走れない。
重い物を持つ事は出来るが長い距離を歩けない。
つまり、命力で持久力を直接引き上げる事は基本的には出来ないのだと。
何故なら、そう強化したいというイメージが出来ないからだ。
手足を動かすというイメージは誰でも出来るくらいに容易な事だ。
日常的に使っている人ならば、無意識にだって出来るだろう。
だから運動に慣れていないであろうちゃなでさえも命力を奮う事が出来る。
精々その加減が難しいと思うくらいだ。
でも持久力と呼ばれるものは単に言って無形。
〝持久力蓄積器官〟がある訳でも無いし、スタミナゲージがある訳でもない。
体内に蓄えられた栄養素の量が持久力だと言われているが、実際にそれがどこにあるのかなど普通の人にはわかるはずも無く。
それほど普段人の目で見る事も感じる事も出来ないという領域なのである。
イメージする事が命力を扱う為のコツ。
ならばと物理的に持久力を引き上げるイメージが出来ればそれも叶うのだろうが。
でもそれを成すには前述の事を心から理解する必要がある訳で。
そんな答えが導き出されれば、持久力の強化に如何に困難であるかは明白と言えるだろう。
だからといって可能性が無い訳ではない。
以前、剣聖は命力の事を「命の力だ」と言っていた。
では、その〝命〟とは何なのだろうか。
それは恐らく、人の心だ。
いわゆる精神力と呼ばれる類で、強い意思を向ける事が命力の源となるのだろう。
なのでそれを消耗すると、立とうとする意志が削がれたり相手の虚言に惑わされ易くなる。
かといって命力自体の量は精神力や意思の強さに起因する訳では無く、個々の素質によるもの。
つまり命力と精神力は別物という事。
精神力を触媒として強化や攻撃力に転換出来るのが命力だという訳である。
栄養素を触媒として体を動かす持久力と同じ様なものだ。
体力と命力の消耗による状態は非常によく似ていて。
どちらも尽きれば身体機能を著しく衰えさせ、動く事さえままならなくなる。
けれど逆に言えば、命力の消耗と体力の消耗がイコールであるとは考えにくい。
要は「命力が減るから体力も減る」という訳では無いのだ。
しかも命力は湯水の様に消えるのではなく、ある程度は自身の体を流れる血液と同様に循環して。
例え量が少なくとも、意識すれば長く持たせる事が出来る。
それ故にこの時思う。
体力と命力の消耗バランスを考えれば、結果的に持久力を引き上げる事になるのではないかと。
普段は体力を行使して体を動かし。
いざという時に命力に切り替えて。
そして爆発的に攻撃へと転換させる。
そうすればもっと効率良く戦えるのではないだろうかと。
そんな考えが浮かぶと実践してみたくもなるというもの。
いっそ買い物が終わったらまたランニングでもしてみようかと思う程だ。
とはいえ今は日中。
下手をすればそれ以前に熱中症で倒れかねない訳で。
「そんな事にも命力で防げたらいいなぁ」などと思って止まない。
……などという思考を脳裏で繰り広げていて。
ふと意識を現実に戻せば、現実ならざる光景にただただ目を疑う。
何故なら、目の前に大量の食べ物が積まれていたのだから。
ずっと考え込んで気付かなかったのだ。
ちゃなが調子に乗って色々と買い込んでいた事に。
たこ焼き、お好み焼き、サンドイッチから団子にドーナッツ―――
多種多様の食べ物が机に所狭しと置かれ、異様な彩りを生んでいたのである。
全て休憩所の近くに軒を構える店舗の品物だ。
もちろんそれを現在進行形で頬張っている事は言わずもがな。
その光景はまさに異様。
普通よりも細いはずの体に秘められた可能性は更なる広がりを見せるばかりで。
お昼ご飯を食べ終えてからまだ二時間程しか経っていないのに。
これには勇も「どんだけ飢えてるんだよ」と唸りを上げる。
だが勇は知らない。
これが決して今まで食べてこれなかった反動ではないという事を。
飢えているという訳でも、食い溜めでも決してなく。
たった今ちゃなの望んだ食事量なのだという事を……まだ知らない。
0
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる