650 / 1,197
第二十四節「密林包囲網 切望した過去 闇に紛れ蠢きて」
~攻~
しおりを挟む
作戦本部。
福留達が姿勢を変える事無く、多数に並べられたモニターでくまなく戦況を確認する姿があった。
「B班、戦闘開始を確認、大規模な戦力の模様」
「来ましたか……ヘデーノの姿は?」
「映像からは見られません」
モニターに映るのは……心輝と瀬玲に備えられたカメラからの映像。
森林上空からの高速移動の様子と、地上を走る様子がリアルタイムで表示されている。
心輝からの映像は高速移動の影響でブレが激しいが……時折チラリと覗かせた鮮明な画像には、何人もの武器を持ったオッファノ族の走る様子が映し出されていた。
二日目が始まり、おおよそ7時間後の事である。
―――
時は既に日中過ぎ。
B班は予定されていた進攻距離おおよそ半分程度の場所へと到達していた。
それというのも、福留の指示による先制攻撃が行われていたからである。
B班には高速移動による突貫を得意とした心輝が居る。
他の班に比べ、比較的機動力に優れているのがB班の強みだ。
本来ならばここに同等の機動力を持つあずーがいればもっと捗っただろう。
彼女の強い希望が無ければ、もっと作戦は有利に進められたのかもしれない。
心輝がしんがりとして進路へ向けて突貫していく。
空に赤の軌跡を残し、森林の彼方へと飛び去っていった。
そんな彼の目に映るのは、画像と同じ……オッファノ族達の走る姿。
どうやら彼等も心輝達の急進攻に気付き、行動を始めたのだろう。
心輝の行動を皮切りに、地上を行く瀬玲及び後続車両へ向けて行動を開始したのである。
彼等がやってくるのをじっと身を潜めて待ち構えていたのだ。
もちろんオッファノ族の反撃は心輝達も予想済みの事。
空を舞う心輝へ見舞われたのは、無数の矢弾。
前時代的な弓矢と侮る事無かれ……高速で撃ち放たれたには命力が篭められており、直撃すれば魔剣使いと言えど致命傷は避けられない。
だがそれを心輝は命力で強化した動体視力で見切り、躱していく。
炎を自在に操り、空で舞い躍るが如き柔軟な動きを見せていた。
どこかレンネィの動きを彷彿とさせる、しなやかかつ無駄の無い動き。
彼女から学んだであろう体重移動を意識した、心輝なりの進化した戦闘スタイルだ。
「殺すなってのもよォ!! 難しい話だよなぁーーーーーーッ!?」
ドォンッ!!
突如、爆音と共に心輝の両腕から爆風が放たれた。
それに伴い、心輝の体が地上へ向けて急降下していく。
一瞬にして地上へと到達した彼を迎えるのは、二人のオッファノ族。
だが彼等は心輝の動きに対応する事が出来ず……未だ空を見上げたまま。
彼に気付き、視線を向けるも……時は既に遅し。
その一瞬で……心輝がその二人へ蹴撃を見舞っていたのである。
降下の遠心力を利用して威力を高めた蹴りは、彼等の意識すらも刈り取る。
命力を篭めた打撃は魔物である彼等にも防げはしない。
激しい一撃は、その巨体をも大きく弾き飛ばす程に強烈だった。
周囲で矢弾を放っていた他の雑兵達も気付き始め、慌てて心輝へ向けて矢を番える。
だが瞬きをする間すら無く……心輝は森の中へ忽然と姿を消したのだった。
「オオッ!? どこいった!?」
雑兵達がその姿を見失い、彼が消えた場所へ意識を集中させる。
しかし、その判断は間違っていた。
キュンッ!! キュンッ!!
鋭い音が鳴り響き、雑兵達に向けて真っ直ぐ閃光が走る。
密林を劈く多数の光軸が雑兵達の腕や肩を漏れなく貫いていった。
それは瀬玲から撃ち放たれた光の矢。
力は最大限に抑えられ、殺傷能力は低い。
だが戦う力を奪う程の威力はある。
矢弾に撃ち抜かれた雑兵達が堪らず膝を突く。
痛みを耐えた者もガクリと腕を落とし、戦える様な状態ではない。
そんな彼等の前を……瀬玲を天板上に乗せた車両が通り過ぎていった。
「死ぬ気あるなら来ればいいさ……けどね、次来るなら命は保証しないッ!!」
瀬玲が地に伏せるオッファノ族へ向けて大声を張り上げる。
一転真剣モードの彼女……しかし内心は少し不満の模様。
「いっそ掛かってくればいいのに……面倒が無くていい」
そんな彼女は「フゥ」と一息付くと……何を思ったのか、魔剣を足場、車両の屋根へと向ける。
そして躊躇う事無く……魔剣から無数の矢弾を打ち放った。
ダララララララッ……
光の矢弾は撃ち放たれた途端、屋根に突き刺さる前にその動きを止めていた。
魔剣【カッデレータ】の矢弾軌道コントロール能力を利用した、寸止め射撃だ。
彼女の目の前に映るのは、空中で動きを止めた矢弾達。
それを空いた右手で乱暴に掴み取ると……自分の正面の宙上へ丁寧に並べ始めた。
これは力を抑える為の彼女の工夫。
魔剣から直接撃ち出して射れば、直撃した瞬間爆砕する可能性もあったからである。
おまけに、魔剣を介する場合……媒体を通す所為か、コントロールも若干難しくなる。
直接手先を使って放つ方が、精密さが断然高くなるのだ。
細かい部分を狙うならなおさらである。
「シン、返事出来るー?」
『あん? 無理に決まってるだろ!?』
と言いつつしっかり返事を返す心輝。
どうやら彼も絶賛戦闘中の模様。
「ちょっとぉ場所教えなさいよ」
既に心輝は森の彼方……密集する様に生い茂る木々が彼女の視界を遮り、自慢の【見通す目】は活用出来そうに無い。
命力レーダーを使うのも億劫なのだろう、瀬玲が面倒臭そうにそう言い放つ。
だが返事は返らず……。
しかし彼女はじっと佇み、進攻方向へと視線を向け続けていた。
ゴゴゴ……
その時……地響きと共に、底から沸き上がる様な鈍い音が空気を通して伝わってきた。
まるで水の中で聴く音の様に……湿気が阻んで音を歪ませる。
大地を揺らす音では無い。
その正体は、車に乗る国連軍兵士達が驚愕する程に……衝撃を呼ぶモノ。
空を覆う密林。
その隙間から見えたのは……遠くで持ち上がり現れた炎の巨人の姿であった。
「アッハハハッ!! 何アレ!!」
途端、炎の巨人の周辺が業炎に包まれ大爆発を起こす。
雨風すら弾き飛ばし、遠く離れた瀬玲達の下へも熱風がやってくる程に激しい爆炎だ。
ヴィジャールーとの戦いで見せた巨人程では無いが……森から姿を晒すには十分過ぎる程に大きい。
間も無く炎が収まり、炎の巨人が姿を消していく。
オッファノ族達の雄叫びで騒がしかった密林は……轟音が消えると共に、雨音が囁くだけの静けさを取り戻していた。
『―――った も 敵 ねぇ―――』
その後インカムに流れてきたのは雑音交じりの途切れ途切れの声。
心輝の声と思われるその通信は、間も無く途切れて無音となる。
すると……瀬玲の視線の先から赤い炎がチラチラと見え始め、心輝が姿を現した。
「終わったぜー!!」
間も無く心輝がバランスを取りながら上手く車両の上に着地を果たす。
途端、ドスンと尻餅を突き……大きく呼吸を始めた。
どうやら命力以上に体力を使い過ぎた様で……腕がプルプルと痙攣している様にも見えた。
「ご苦労様……どう、敵は居そう?」
「んなの俺にわかるわきゃねぇだろ……レーダーはお前に任せた!!」
攻撃一辺倒の彼……未だ命力レーダーなどの技能は覚えてはいない。
疲れているとはいえ、他人本位の彼の態度に瀬玲も思わず溜息を吐く。
「ったく……ていうか、インカム壊れたんじゃないの?」
「おぉ、炎でやられちまったかぁ……これでも影響抑えたんだけどなぁ」
おもむろに指に備えたインカムを取り外すと……外装の金属部分の塗装が焼けて剥がれ、メタリックの表皮が赤茶く変色していた。
「うへぇ……」
「経費マイナスおめでとー。 一基10万くらいだっけ?」
「オオォ……マジかよ……!!」
特注品のインカム……最新技術の塊である為か、その価格はとんでもない。
これでも量産を視野に入れた製品の為、ある程度価格低減された一品なのだが。
堪らず項垂れる心輝。
車両の揺れが彼の無念に沈んだ肩を何度も跳ね上げさせていた。
そんな彼を、瀬玲はニタリとした笑みで見下ろす。
思わず訪れたハプニングを愉しんでいる様子。
「とりあえず、アンタは車の中で休めば? 後は私がやっとく」
「わりぃな……後頼んだ」
憎まれ口を叩きながらも、瀬玲が本来持つ優しさを滲ませる。
そんな彼女に甘え……心輝は車両の上から器用に扉を開き、車内へ飛び込み姿を消した。
意図した労いか、それとも自然にか。
彼を見送った彼女の口は、声も無く「お疲れ様」と呟く様に小さく刻み動いていた。
第二陣を退いたB班。
雨が降りしきるの中、ゆっくりと車両と共に進攻を進める。
その後訪れた待機指令に従うと……彼等はその場所を二日目の拠点として休息を始めたのだった。
福留達が姿勢を変える事無く、多数に並べられたモニターでくまなく戦況を確認する姿があった。
「B班、戦闘開始を確認、大規模な戦力の模様」
「来ましたか……ヘデーノの姿は?」
「映像からは見られません」
モニターに映るのは……心輝と瀬玲に備えられたカメラからの映像。
森林上空からの高速移動の様子と、地上を走る様子がリアルタイムで表示されている。
心輝からの映像は高速移動の影響でブレが激しいが……時折チラリと覗かせた鮮明な画像には、何人もの武器を持ったオッファノ族の走る様子が映し出されていた。
二日目が始まり、おおよそ7時間後の事である。
―――
時は既に日中過ぎ。
B班は予定されていた進攻距離おおよそ半分程度の場所へと到達していた。
それというのも、福留の指示による先制攻撃が行われていたからである。
B班には高速移動による突貫を得意とした心輝が居る。
他の班に比べ、比較的機動力に優れているのがB班の強みだ。
本来ならばここに同等の機動力を持つあずーがいればもっと捗っただろう。
彼女の強い希望が無ければ、もっと作戦は有利に進められたのかもしれない。
心輝がしんがりとして進路へ向けて突貫していく。
空に赤の軌跡を残し、森林の彼方へと飛び去っていった。
そんな彼の目に映るのは、画像と同じ……オッファノ族達の走る姿。
どうやら彼等も心輝達の急進攻に気付き、行動を始めたのだろう。
心輝の行動を皮切りに、地上を行く瀬玲及び後続車両へ向けて行動を開始したのである。
彼等がやってくるのをじっと身を潜めて待ち構えていたのだ。
もちろんオッファノ族の反撃は心輝達も予想済みの事。
空を舞う心輝へ見舞われたのは、無数の矢弾。
前時代的な弓矢と侮る事無かれ……高速で撃ち放たれたには命力が篭められており、直撃すれば魔剣使いと言えど致命傷は避けられない。
だがそれを心輝は命力で強化した動体視力で見切り、躱していく。
炎を自在に操り、空で舞い躍るが如き柔軟な動きを見せていた。
どこかレンネィの動きを彷彿とさせる、しなやかかつ無駄の無い動き。
彼女から学んだであろう体重移動を意識した、心輝なりの進化した戦闘スタイルだ。
「殺すなってのもよォ!! 難しい話だよなぁーーーーーーッ!?」
ドォンッ!!
突如、爆音と共に心輝の両腕から爆風が放たれた。
それに伴い、心輝の体が地上へ向けて急降下していく。
一瞬にして地上へと到達した彼を迎えるのは、二人のオッファノ族。
だが彼等は心輝の動きに対応する事が出来ず……未だ空を見上げたまま。
彼に気付き、視線を向けるも……時は既に遅し。
その一瞬で……心輝がその二人へ蹴撃を見舞っていたのである。
降下の遠心力を利用して威力を高めた蹴りは、彼等の意識すらも刈り取る。
命力を篭めた打撃は魔物である彼等にも防げはしない。
激しい一撃は、その巨体をも大きく弾き飛ばす程に強烈だった。
周囲で矢弾を放っていた他の雑兵達も気付き始め、慌てて心輝へ向けて矢を番える。
だが瞬きをする間すら無く……心輝は森の中へ忽然と姿を消したのだった。
「オオッ!? どこいった!?」
雑兵達がその姿を見失い、彼が消えた場所へ意識を集中させる。
しかし、その判断は間違っていた。
キュンッ!! キュンッ!!
鋭い音が鳴り響き、雑兵達に向けて真っ直ぐ閃光が走る。
密林を劈く多数の光軸が雑兵達の腕や肩を漏れなく貫いていった。
それは瀬玲から撃ち放たれた光の矢。
力は最大限に抑えられ、殺傷能力は低い。
だが戦う力を奪う程の威力はある。
矢弾に撃ち抜かれた雑兵達が堪らず膝を突く。
痛みを耐えた者もガクリと腕を落とし、戦える様な状態ではない。
そんな彼等の前を……瀬玲を天板上に乗せた車両が通り過ぎていった。
「死ぬ気あるなら来ればいいさ……けどね、次来るなら命は保証しないッ!!」
瀬玲が地に伏せるオッファノ族へ向けて大声を張り上げる。
一転真剣モードの彼女……しかし内心は少し不満の模様。
「いっそ掛かってくればいいのに……面倒が無くていい」
そんな彼女は「フゥ」と一息付くと……何を思ったのか、魔剣を足場、車両の屋根へと向ける。
そして躊躇う事無く……魔剣から無数の矢弾を打ち放った。
ダララララララッ……
光の矢弾は撃ち放たれた途端、屋根に突き刺さる前にその動きを止めていた。
魔剣【カッデレータ】の矢弾軌道コントロール能力を利用した、寸止め射撃だ。
彼女の目の前に映るのは、空中で動きを止めた矢弾達。
それを空いた右手で乱暴に掴み取ると……自分の正面の宙上へ丁寧に並べ始めた。
これは力を抑える為の彼女の工夫。
魔剣から直接撃ち出して射れば、直撃した瞬間爆砕する可能性もあったからである。
おまけに、魔剣を介する場合……媒体を通す所為か、コントロールも若干難しくなる。
直接手先を使って放つ方が、精密さが断然高くなるのだ。
細かい部分を狙うならなおさらである。
「シン、返事出来るー?」
『あん? 無理に決まってるだろ!?』
と言いつつしっかり返事を返す心輝。
どうやら彼も絶賛戦闘中の模様。
「ちょっとぉ場所教えなさいよ」
既に心輝は森の彼方……密集する様に生い茂る木々が彼女の視界を遮り、自慢の【見通す目】は活用出来そうに無い。
命力レーダーを使うのも億劫なのだろう、瀬玲が面倒臭そうにそう言い放つ。
だが返事は返らず……。
しかし彼女はじっと佇み、進攻方向へと視線を向け続けていた。
ゴゴゴ……
その時……地響きと共に、底から沸き上がる様な鈍い音が空気を通して伝わってきた。
まるで水の中で聴く音の様に……湿気が阻んで音を歪ませる。
大地を揺らす音では無い。
その正体は、車に乗る国連軍兵士達が驚愕する程に……衝撃を呼ぶモノ。
空を覆う密林。
その隙間から見えたのは……遠くで持ち上がり現れた炎の巨人の姿であった。
「アッハハハッ!! 何アレ!!」
途端、炎の巨人の周辺が業炎に包まれ大爆発を起こす。
雨風すら弾き飛ばし、遠く離れた瀬玲達の下へも熱風がやってくる程に激しい爆炎だ。
ヴィジャールーとの戦いで見せた巨人程では無いが……森から姿を晒すには十分過ぎる程に大きい。
間も無く炎が収まり、炎の巨人が姿を消していく。
オッファノ族達の雄叫びで騒がしかった密林は……轟音が消えると共に、雨音が囁くだけの静けさを取り戻していた。
『―――った も 敵 ねぇ―――』
その後インカムに流れてきたのは雑音交じりの途切れ途切れの声。
心輝の声と思われるその通信は、間も無く途切れて無音となる。
すると……瀬玲の視線の先から赤い炎がチラチラと見え始め、心輝が姿を現した。
「終わったぜー!!」
間も無く心輝がバランスを取りながら上手く車両の上に着地を果たす。
途端、ドスンと尻餅を突き……大きく呼吸を始めた。
どうやら命力以上に体力を使い過ぎた様で……腕がプルプルと痙攣している様にも見えた。
「ご苦労様……どう、敵は居そう?」
「んなの俺にわかるわきゃねぇだろ……レーダーはお前に任せた!!」
攻撃一辺倒の彼……未だ命力レーダーなどの技能は覚えてはいない。
疲れているとはいえ、他人本位の彼の態度に瀬玲も思わず溜息を吐く。
「ったく……ていうか、インカム壊れたんじゃないの?」
「おぉ、炎でやられちまったかぁ……これでも影響抑えたんだけどなぁ」
おもむろに指に備えたインカムを取り外すと……外装の金属部分の塗装が焼けて剥がれ、メタリックの表皮が赤茶く変色していた。
「うへぇ……」
「経費マイナスおめでとー。 一基10万くらいだっけ?」
「オオォ……マジかよ……!!」
特注品のインカム……最新技術の塊である為か、その価格はとんでもない。
これでも量産を視野に入れた製品の為、ある程度価格低減された一品なのだが。
堪らず項垂れる心輝。
車両の揺れが彼の無念に沈んだ肩を何度も跳ね上げさせていた。
そんな彼を、瀬玲はニタリとした笑みで見下ろす。
思わず訪れたハプニングを愉しんでいる様子。
「とりあえず、アンタは車の中で休めば? 後は私がやっとく」
「わりぃな……後頼んだ」
憎まれ口を叩きながらも、瀬玲が本来持つ優しさを滲ませる。
そんな彼女に甘え……心輝は車両の上から器用に扉を開き、車内へ飛び込み姿を消した。
意図した労いか、それとも自然にか。
彼を見送った彼女の口は、声も無く「お疲れ様」と呟く様に小さく刻み動いていた。
第二陣を退いたB班。
雨が降りしきるの中、ゆっくりと車両と共に進攻を進める。
その後訪れた待機指令に従うと……彼等はその場所を二日目の拠点として休息を始めたのだった。
0
お気に入りに追加
85
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる