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第二十二節「戦列の条件 託されし絆の真実 目覚めの胎動」
~邂逅そして余興それは戦いのオーバーチュア~
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イ・ドゥール族の根城としている街を囲う様に立つ木々。
既にその葉は枯れ枯れで、黄色や茶色といった『こちら側』の木々と何ら変わらない様相を見せていた。
ただ強いて言うなれば高原の短い草や苔に似合わずしっかりとした樹木を装い、森の外周がほぼ真円に描いている事から違和感だけが先行して感じられる様であった。
傾斜を降り、森へと近づくアージとマヴォ。
命力だけを感じ取っていた相手の魔者達の姿が徐々に彼等の目にも留まる様になり、時折彼等との視線が交わり互いの目が合う。
闘争心を感じさせるその目……彼等が今までに何度も見て来た、『外敵への威嚇の目』である。
「……完全に警戒しているなぁ」
「ふん、いつもの事であろう……なら切り口もさほど変わらん」
元々魔剣使い狩りとして名を馳せていた『白の兄弟』ことアージとマヴォという存在。
この様な魔者の集落や拠点を訪れる事も少なくはなく、そういった場所で警戒されようものなら彼等なりの応対の仕方がある。
「貴公らに問うッ!! 生きるに疚しき事無くば拳を納めて目通し願おう!! 貴公らに映るは明日かッ、血かッ!?」
森に響き渡るアージの大声……あまりの迫力に木々すら揺れ、その勢いに乗って枯れ葉が空へと舞い散る程。
……だが、一向に返事は返ってこない。
それどころか、相手の身体に籠る命力が徐々に昂っている事が二人には感じ取れていた。
「……兄者、そりゃ和解しようって言葉には聞こえんぜ」
「ヌゥ……昨日必死に考えた口上なのだが……!!」
どうにもアージの場合、自身のプライドが先行してしまいがちなのか……放たれた言葉は交渉と言うよりも、威圧にしか聞こえない。
さすがにマヴォも苦笑を浮かべつつも彼を宥める様に肩を「ポンポン」と叩く。
そしてそっと兄の代わりにと一歩前へ踏み出すと、彼なりの柔らかな物腰で交渉の一言を上げた。
「イ・ドゥールの皆さぁん!! 俺達は、敵じゃないよぉ~!! ちょっとお話しませんかねぇ~!?」
……だが相変わらず返事は返ってこない。
それどころか一向に相手の昂る命力は収まる様子を見せない。
「おかしいな……フランクな感じで行けばどうにでもなると思ったんだけどなぁ」
「お前はむしろ怪しすぎるだろう……」
思わずアージから伸びた腕がドカリとマヴォの胸元を叩く。
二人のそのやり取りはまるで漫才そのもの。
二人は今まで戦う事を基軸とした話し合いばかりであった為か……どうにも空回りする節から、どうやら和平を基軸とした交渉は苦手のようだ。
「……ククッ……」
すると突然森の中から小さな笑い声が上がり、それに気付いた二人が「おっ?」と声を漏らすと森へ顔を向けた。
「ウケたんじゃねぇか?」
「何ィ……? こういうのが世間では流行っているのか!?」
「ハッハッハ!!」
大真面目であったアージはともかく……マヴォは相手から笑いが起きた事にどうやら満足だったのか、ニンマリと笑顔を浮かべる。
「喜んでもらえて何より―――」
「ハハハ、大変面白き余興であったわ……だが、すまぬが我等は掟により話し合いをする舌は持ち合わせてはおらぬ」
「ヌウ!?」
だが、そんなマヴォの心境など構う事無く……その一言を皮切りに森の中から数人の魔者達が姿を晒し、彼等の前に立ち塞がった。
「我等が師父に会いたくば、道を阻む我等を退ける以外に道は無し!!」
「何ィ!?」
「我等イ・ドゥールの戦士……語るよりも拳を以って相対をなさん……!! 白毛の戦士達よ、ここを通りたくば我々を倒して行けい!!」
総勢で六人程の少人数ではあるものの……各々が格闘術と思われる構えを取り、すり足で体を動かしアージとマヴォを取り囲む。
他に居たと思われる魔者は姿を見せない所を見ると、彼等の事を伝える為に戻ったのであろう……取り囲んだ以外の者達の気配は感じない様であった。
「ヌウ……戦わぬ道は無いのだな!?」
「当然の事よ!! 貴公らが大人しくこの場から去るというのであれば話は別だがな!!」
退去か戦いか……与えられた選択は二つのみ。
退く事を選択肢に入れていない彼等にとって避けられそうも無い戦いの予感を前に……アージが隙を見せぬ様ゆっくりと耳に手を充て、取り付けたインカムへ向けて声を上げる。
「セリ、すまない、たたかう!!」
そう片言で声を送ると、間も無く返る「了解!」という声。
それが二人へと届くや否や、共に各々が持つ魔剣を構えて相対する敵へと睨み付けた。
「準備は良いか!?」
彼等イ・ドゥール族は純粋な武闘派なのであろう。
二人が武器を構えるまで一切の行動を控えた正々堂々とした様はそれを彷彿とさせていた。
「待たせた様だな……戦とあらば我等白の兄弟の得意とする所よ、遠慮なく掛かって来るがいいッ!!」
「では行くぞッ!! かァーーー!!」
その瞬間、背中を合わせる様に立ち並んだ二人へ向けて敵達が飛び掛かる。
その勢いたるや……各々が魔剣使い達となんら変わる事の無い程の速さと力強さを見せつけた。
「こっ、コイツラッ!?」
いずれも魔剣など持つはずも無い雑兵と思われる者達……だがその実力は今まで彼等が相対した如何な魔者にも無い力強さだった。
余りの素早さから放たれた拳撃や蹴撃の連続波状攻撃が二人の意表を突き、反撃の隙を与えない。
ガガガガッ!!
辛うじて魔剣で防ぎ、大事には至らなかったが……いずれも命力が多分に篭められており、一撃でも貰おうものならば当たり所が悪ければ致命傷にも成り兼ねない一撃ばかりであった。
「こやつら……いずれも手練れかッ!?」
「フハハッ!! 我等を姿を見た者をここから逃がす訳にはいかぬのでなッ!! 死んでもらうぞッ!!」
「タダでやらせると思うなよ雑兵共がァ!!」
その時……無数の光の筋が青空を斬り裂く様に弧を描き、彼等の頭上からアージとマヴォの周囲へと閃光の槍となって降り注いだ。
シャラララランッ!!
それは瀬玲の援護攻撃……乾いた空気の中に轟かせる鳴音と衝撃が敵を怯ませ攻撃の勢いを殺す。
その隙を縫い、森の前に陣取る一人の魔者を突き飛ばし……アージとマヴォが一気に森の中へと突撃していくのだった。
既にその葉は枯れ枯れで、黄色や茶色といった『こちら側』の木々と何ら変わらない様相を見せていた。
ただ強いて言うなれば高原の短い草や苔に似合わずしっかりとした樹木を装い、森の外周がほぼ真円に描いている事から違和感だけが先行して感じられる様であった。
傾斜を降り、森へと近づくアージとマヴォ。
命力だけを感じ取っていた相手の魔者達の姿が徐々に彼等の目にも留まる様になり、時折彼等との視線が交わり互いの目が合う。
闘争心を感じさせるその目……彼等が今までに何度も見て来た、『外敵への威嚇の目』である。
「……完全に警戒しているなぁ」
「ふん、いつもの事であろう……なら切り口もさほど変わらん」
元々魔剣使い狩りとして名を馳せていた『白の兄弟』ことアージとマヴォという存在。
この様な魔者の集落や拠点を訪れる事も少なくはなく、そういった場所で警戒されようものなら彼等なりの応対の仕方がある。
「貴公らに問うッ!! 生きるに疚しき事無くば拳を納めて目通し願おう!! 貴公らに映るは明日かッ、血かッ!?」
森に響き渡るアージの大声……あまりの迫力に木々すら揺れ、その勢いに乗って枯れ葉が空へと舞い散る程。
……だが、一向に返事は返ってこない。
それどころか、相手の身体に籠る命力が徐々に昂っている事が二人には感じ取れていた。
「……兄者、そりゃ和解しようって言葉には聞こえんぜ」
「ヌゥ……昨日必死に考えた口上なのだが……!!」
どうにもアージの場合、自身のプライドが先行してしまいがちなのか……放たれた言葉は交渉と言うよりも、威圧にしか聞こえない。
さすがにマヴォも苦笑を浮かべつつも彼を宥める様に肩を「ポンポン」と叩く。
そしてそっと兄の代わりにと一歩前へ踏み出すと、彼なりの柔らかな物腰で交渉の一言を上げた。
「イ・ドゥールの皆さぁん!! 俺達は、敵じゃないよぉ~!! ちょっとお話しませんかねぇ~!?」
……だが相変わらず返事は返ってこない。
それどころか一向に相手の昂る命力は収まる様子を見せない。
「おかしいな……フランクな感じで行けばどうにでもなると思ったんだけどなぁ」
「お前はむしろ怪しすぎるだろう……」
思わずアージから伸びた腕がドカリとマヴォの胸元を叩く。
二人のそのやり取りはまるで漫才そのもの。
二人は今まで戦う事を基軸とした話し合いばかりであった為か……どうにも空回りする節から、どうやら和平を基軸とした交渉は苦手のようだ。
「……ククッ……」
すると突然森の中から小さな笑い声が上がり、それに気付いた二人が「おっ?」と声を漏らすと森へ顔を向けた。
「ウケたんじゃねぇか?」
「何ィ……? こういうのが世間では流行っているのか!?」
「ハッハッハ!!」
大真面目であったアージはともかく……マヴォは相手から笑いが起きた事にどうやら満足だったのか、ニンマリと笑顔を浮かべる。
「喜んでもらえて何より―――」
「ハハハ、大変面白き余興であったわ……だが、すまぬが我等は掟により話し合いをする舌は持ち合わせてはおらぬ」
「ヌウ!?」
だが、そんなマヴォの心境など構う事無く……その一言を皮切りに森の中から数人の魔者達が姿を晒し、彼等の前に立ち塞がった。
「我等が師父に会いたくば、道を阻む我等を退ける以外に道は無し!!」
「何ィ!?」
「我等イ・ドゥールの戦士……語るよりも拳を以って相対をなさん……!! 白毛の戦士達よ、ここを通りたくば我々を倒して行けい!!」
総勢で六人程の少人数ではあるものの……各々が格闘術と思われる構えを取り、すり足で体を動かしアージとマヴォを取り囲む。
他に居たと思われる魔者は姿を見せない所を見ると、彼等の事を伝える為に戻ったのであろう……取り囲んだ以外の者達の気配は感じない様であった。
「ヌウ……戦わぬ道は無いのだな!?」
「当然の事よ!! 貴公らが大人しくこの場から去るというのであれば話は別だがな!!」
退去か戦いか……与えられた選択は二つのみ。
退く事を選択肢に入れていない彼等にとって避けられそうも無い戦いの予感を前に……アージが隙を見せぬ様ゆっくりと耳に手を充て、取り付けたインカムへ向けて声を上げる。
「セリ、すまない、たたかう!!」
そう片言で声を送ると、間も無く返る「了解!」という声。
それが二人へと届くや否や、共に各々が持つ魔剣を構えて相対する敵へと睨み付けた。
「準備は良いか!?」
彼等イ・ドゥール族は純粋な武闘派なのであろう。
二人が武器を構えるまで一切の行動を控えた正々堂々とした様はそれを彷彿とさせていた。
「待たせた様だな……戦とあらば我等白の兄弟の得意とする所よ、遠慮なく掛かって来るがいいッ!!」
「では行くぞッ!! かァーーー!!」
その瞬間、背中を合わせる様に立ち並んだ二人へ向けて敵達が飛び掛かる。
その勢いたるや……各々が魔剣使い達となんら変わる事の無い程の速さと力強さを見せつけた。
「こっ、コイツラッ!?」
いずれも魔剣など持つはずも無い雑兵と思われる者達……だがその実力は今まで彼等が相対した如何な魔者にも無い力強さだった。
余りの素早さから放たれた拳撃や蹴撃の連続波状攻撃が二人の意表を突き、反撃の隙を与えない。
ガガガガッ!!
辛うじて魔剣で防ぎ、大事には至らなかったが……いずれも命力が多分に篭められており、一撃でも貰おうものならば当たり所が悪ければ致命傷にも成り兼ねない一撃ばかりであった。
「こやつら……いずれも手練れかッ!?」
「フハハッ!! 我等を姿を見た者をここから逃がす訳にはいかぬのでなッ!! 死んでもらうぞッ!!」
「タダでやらせると思うなよ雑兵共がァ!!」
その時……無数の光の筋が青空を斬り裂く様に弧を描き、彼等の頭上からアージとマヴォの周囲へと閃光の槍となって降り注いだ。
シャラララランッ!!
それは瀬玲の援護攻撃……乾いた空気の中に轟かせる鳴音と衝撃が敵を怯ませ攻撃の勢いを殺す。
その隙を縫い、森の前に陣取る一人の魔者を突き飛ばし……アージとマヴォが一気に森の中へと突撃していくのだった。
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