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第二十一節「器に乗せた想い 甦る巨島 その空に命を貫きて」
~魔者企みて、島の真実~
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某所……狭く薄暗い部屋に二人の人影……いや、鳥影というべき姿。
その二人の影が呟き言葉を交わす。
「どうやら順調に、事は運んでいる様だ、な」
「全く……まどろっこしいにも程があるのう……わらわには理解出来ぬ」
「されどそれが、智将たる所以、よ……メズリ、貴様、暴れたいだけ、であろう?」
メズリと呼ばれた影は静かにほくそ笑む。
「戦こそが華よ……血が欲しゅうて全身がウズウズしておるわ……」
「賢人とは、思えぬ発言、よ」
もう一人は何かを触りながら視線を映す事無く言葉を返す。
「魁将とは代々技を魅せし一族の末裔……わらわもそれに準じているに過ぎぬわ」
「左様か、なれど時は来たわ……彼奴が言うた世界、作る為にも成さねば、ならぬ」
すると弄っていた腕を止め……ゆっくり振り返る。
部屋の光に当てられ映りこむ姿は……ジョゾウと同じカラクラ族の姿。
彼よりもずっと歳を取っているであろうその姿は至る所に「羽根荒れ」を見せる。
「【ウカンデス】を、起動、する……其方は其方で好きに、せよ」
「ホホ……楽しくなってきたわ……」
そしてもう一人の姿もが光に当てられ輪郭を表す。
カラクラ族の姿を有しながらも、全身が深紅に近い羽根色を有する長身の姿。
凛々しい立ち振る舞いはまさに他者を魅了するが如き様。
二人の姿が部屋の外に消え、別の道へと足を運んでいく……。
智将グルウと魁将メズリ……かの者達の目的は存在同様、未だ誰にも測れずにいた。
―――
穴の中へと飛び込んだあずーの体が浮遊感に煽られながら見えぬ底へと落ちていく……気圧差から生まれる風が底から吹き上がり、彼女の短い髪をバサバサと絶えず仰いだ。
一点集中による超攻撃力によって開けられたであろうその大穴は、縦長に長く続く。
そして急速に近づき見える床……彼女の着地の音が軽快に広々とした空間へと響き渡った。
タターンッ!!
着地の拍子に屈めた体をそっと立ち上がらせ、周囲を見渡すと……薄暗い空間が周囲を包んでいた。
「なんだろここ……剣聖さんどこいったの~?」
声を上げ周囲を見回し声を上げるが、返事は返らない。
「んーもう居ないのかな」
大きな箱の並ぶ円形の広場を見渡し、誰も居ない事を確認すると……周囲を散策する様に歩き始めた。
すると間も無く姿を現したのは、床に大きく開いた穴。
「なんかもう道とか関係無いねー……」
剣聖の豪快さをありのままに示した様な道筋に、あずーも呆れ果てる様子を見せていた。
その先に続く穴は一つだけでは無かった。
一つ、二つ……その先に続く閉鎖空間を越え、彼女は内部へと進入していく。
4つ目の穴を見つけ、再び飛び込むあずー。
そして間もなく見える床へと軽快に着地……
ビュボォウッ!!
途端、彼女の顔に向けて凄まじい轟音と共に強烈な風が吹き荒れ……彼女の顔を覆う程に大きな拳が鼻先へと突然姿を現した。
「なんだぁ~クソガキじゃねぇか~……危うくぶっ殺しちまう所だったぜぇ」
「ギャワーーーーーー!!」
大きな拳が引き込まれ、その先から姿を現す剣聖の姿。
一歩間違えれば彼女は肉塊に成り果てていただろう……彼女自身がそう予感させるほどに強烈な寸止めであった。
「あぁ~うるせえうるせえ!! 突然来るから雑魚かと思ったんだぁよぉ!!」
「グスッ……」
そんな言い訳をする剣聖……その周囲には、何人もの「魔者であった」肉の塊が転がり血の海を作っていた。
「うげぇ……剣聖さんもう少し丁寧にやってよぉ……これ放送禁止だよォ」
「なんだぁそりゃあ……仕方ねぇだろうが、突いたくらいで簡単におっちんじまうんだからよぉ」
「よりにもよって一番煩え奴が来やがった」……剣聖はそう思いながら面倒くさそうな顔を浮かべ溜息を吐く。
そしておもむろに振り返り、何かへと触り始めた。
それは何かの端末の様にも見えるオブジェクトの様な何か。
その上にはキラキラと光る粒の様な物が無数に浮かび、端末の上を蠢く様に回っている。
その部屋……大きめの広間とも呼べる部屋のど真ん中に二人がおり、そのオブジェクトはまさしく中央に備わる形で存在していた。
「剣聖さん、何それ?」
「なんだっていいだろうがよぉ……煩えからちったぁ黙ってろ!!」
「ギャワーーーーーー!!」
「わぁーたわぁーった!! いちいち喚くんじゃねぇ!!」
剣聖もさすがに煩いからと殴る訳にもいかず……渋々説明を始めた。
「こいつぁ空島の制御端末の一つだ。 恐らくこの技術は天士の技術だろうよぉ……だが知識の薄い人間が所かしこ触りまくった形跡がある。 おかげでシステムはボロボロだぁよ」
「剣聖さん操作出来るの?」
「あん? んなの当たり前だろうがよぉ……こんな装置が残った遺跡は所々にあるんでな、操作くらいは触る内に慣れちまったもんよぉ」
まるでただの金属の塊にしか見えないそのオブジェクトは、剣聖が触る度に光を放ち、彼の操作を受けてその上に浮かんだ光の粒を変形させていく。
次第にその粒が形を成し、何かを映し出していた。
「まぁどの装置も大抵ポンコツで動く事なんざ無いんだが……コイツは殆ど無傷と言っても過言じゃねぇ。 システムがおかしい所は除いてな」
「よくわかんないや」
「てめぇ……聞いておいてそれはねぇだろうよぉ……」
そんな話を続けながらもオブジェクトを操作し続け、光が形作る映像が鮮明になっていく。
そしてそこに映し出されたのは、空島内部の立体地図の様であった。
多重構造となった空島内部の通路や部屋……中には勇達の姿と思われる影が映りこんでいた。
「ふぅむ……どうやらここはハズレだな」
「なんでわかるの?」
「わかるんだよォ!! 説明面倒くせぇな!!」
「ギャ―――」
「お前、それわざとだろ……いい加減にしねぇと本当に小突くぞ……」
何度も同じ手は食わないと言わんばかりに剣聖が睨み付けると、途端あずーがバツの悪そうな顔を浮かべムスッとする。
「ここは恐らく副管制室といった所だな……主部屋は……そうだな、コイツのすぐ近くと言った所か」
そう言い映像に指を指す……そこに映るのは勇の姿。
「ここからじゃあ大した情報は引き出せそうにねぇな……仕方ねぇ、拾える情報だけでも……ん、なんだこりゃあ……」
すると突然、驚く様な顔を浮かべ剣聖の顔が固まる。
彼が固まった原因が気に成り、あずーも横から顔を覗くが……映った画像からは何があるのかさっぱり読み取れない文字ばかりが羅列されているばかりであった。
だがそれを読み取ったであろう剣聖の表情が曇り、真剣な眼差しを向ける。
映し出されていく文字の羅列……それをしきりに目で追い、送っていく。
静かにあずーが見届ける中……剣聖は一つ、オブジェクトを軽く指で一突きすると……途端、映像が崩れ、元の光の粒へと姿を戻した。
「こいつぁたまげたな……どうやら俺が想像していた以上にこの島はとんでもねぇ物だったらしい」
「どゆこと?」
「詳細はまだわからねぇが……この島は、人間が作った物だ。 しかもただの島じゃあねぇ……この島が、この島そのものが魔剣なんだ」
「うそぉ……」
それは驚くべき事実であった。
アルクトゥーンの空島と呼ばれるそのものが魔剣であるという事……それは彼等の世界の文明であれば大いにあり得た事であろう。
だが根本的な問題はそこではない。
人間が魔剣を作ったという事実……これは彼等『あちら側』において、有り得るはずがないとされる事。
人間が魔剣を作る事は出来ない……それは遥か昔から謡われ続けてきた事実のはずであった。
だがこうして今、彼等が立つ島が人間が造った魔剣である事に剣聖も驚きを隠せない。
「確かに技術は天士の物だ……だが、このシステムを構築したのは人間……こいつぁ興味深い話だぜぇ……!!」
堪らず笑みを零し、小さな笑い声が口から漏れ出す。
「さぁて、それならよぉ……あのガキにゃあ少し気張ってもらうとするかぁ」
剣聖はそう呟くと……再びオブジェクトへと手を伸ばし、何やら操作を始める。
あずーはその姿を静かに佇みながら見届けていた。
その二人の影が呟き言葉を交わす。
「どうやら順調に、事は運んでいる様だ、な」
「全く……まどろっこしいにも程があるのう……わらわには理解出来ぬ」
「されどそれが、智将たる所以、よ……メズリ、貴様、暴れたいだけ、であろう?」
メズリと呼ばれた影は静かにほくそ笑む。
「戦こそが華よ……血が欲しゅうて全身がウズウズしておるわ……」
「賢人とは、思えぬ発言、よ」
もう一人は何かを触りながら視線を映す事無く言葉を返す。
「魁将とは代々技を魅せし一族の末裔……わらわもそれに準じているに過ぎぬわ」
「左様か、なれど時は来たわ……彼奴が言うた世界、作る為にも成さねば、ならぬ」
すると弄っていた腕を止め……ゆっくり振り返る。
部屋の光に当てられ映りこむ姿は……ジョゾウと同じカラクラ族の姿。
彼よりもずっと歳を取っているであろうその姿は至る所に「羽根荒れ」を見せる。
「【ウカンデス】を、起動、する……其方は其方で好きに、せよ」
「ホホ……楽しくなってきたわ……」
そしてもう一人の姿もが光に当てられ輪郭を表す。
カラクラ族の姿を有しながらも、全身が深紅に近い羽根色を有する長身の姿。
凛々しい立ち振る舞いはまさに他者を魅了するが如き様。
二人の姿が部屋の外に消え、別の道へと足を運んでいく……。
智将グルウと魁将メズリ……かの者達の目的は存在同様、未だ誰にも測れずにいた。
―――
穴の中へと飛び込んだあずーの体が浮遊感に煽られながら見えぬ底へと落ちていく……気圧差から生まれる風が底から吹き上がり、彼女の短い髪をバサバサと絶えず仰いだ。
一点集中による超攻撃力によって開けられたであろうその大穴は、縦長に長く続く。
そして急速に近づき見える床……彼女の着地の音が軽快に広々とした空間へと響き渡った。
タターンッ!!
着地の拍子に屈めた体をそっと立ち上がらせ、周囲を見渡すと……薄暗い空間が周囲を包んでいた。
「なんだろここ……剣聖さんどこいったの~?」
声を上げ周囲を見回し声を上げるが、返事は返らない。
「んーもう居ないのかな」
大きな箱の並ぶ円形の広場を見渡し、誰も居ない事を確認すると……周囲を散策する様に歩き始めた。
すると間も無く姿を現したのは、床に大きく開いた穴。
「なんかもう道とか関係無いねー……」
剣聖の豪快さをありのままに示した様な道筋に、あずーも呆れ果てる様子を見せていた。
その先に続く穴は一つだけでは無かった。
一つ、二つ……その先に続く閉鎖空間を越え、彼女は内部へと進入していく。
4つ目の穴を見つけ、再び飛び込むあずー。
そして間もなく見える床へと軽快に着地……
ビュボォウッ!!
途端、彼女の顔に向けて凄まじい轟音と共に強烈な風が吹き荒れ……彼女の顔を覆う程に大きな拳が鼻先へと突然姿を現した。
「なんだぁ~クソガキじゃねぇか~……危うくぶっ殺しちまう所だったぜぇ」
「ギャワーーーーーー!!」
大きな拳が引き込まれ、その先から姿を現す剣聖の姿。
一歩間違えれば彼女は肉塊に成り果てていただろう……彼女自身がそう予感させるほどに強烈な寸止めであった。
「あぁ~うるせえうるせえ!! 突然来るから雑魚かと思ったんだぁよぉ!!」
「グスッ……」
そんな言い訳をする剣聖……その周囲には、何人もの「魔者であった」肉の塊が転がり血の海を作っていた。
「うげぇ……剣聖さんもう少し丁寧にやってよぉ……これ放送禁止だよォ」
「なんだぁそりゃあ……仕方ねぇだろうが、突いたくらいで簡単におっちんじまうんだからよぉ」
「よりにもよって一番煩え奴が来やがった」……剣聖はそう思いながら面倒くさそうな顔を浮かべ溜息を吐く。
そしておもむろに振り返り、何かへと触り始めた。
それは何かの端末の様にも見えるオブジェクトの様な何か。
その上にはキラキラと光る粒の様な物が無数に浮かび、端末の上を蠢く様に回っている。
その部屋……大きめの広間とも呼べる部屋のど真ん中に二人がおり、そのオブジェクトはまさしく中央に備わる形で存在していた。
「剣聖さん、何それ?」
「なんだっていいだろうがよぉ……煩えからちったぁ黙ってろ!!」
「ギャワーーーーーー!!」
「わぁーたわぁーった!! いちいち喚くんじゃねぇ!!」
剣聖もさすがに煩いからと殴る訳にもいかず……渋々説明を始めた。
「こいつぁ空島の制御端末の一つだ。 恐らくこの技術は天士の技術だろうよぉ……だが知識の薄い人間が所かしこ触りまくった形跡がある。 おかげでシステムはボロボロだぁよ」
「剣聖さん操作出来るの?」
「あん? んなの当たり前だろうがよぉ……こんな装置が残った遺跡は所々にあるんでな、操作くらいは触る内に慣れちまったもんよぉ」
まるでただの金属の塊にしか見えないそのオブジェクトは、剣聖が触る度に光を放ち、彼の操作を受けてその上に浮かんだ光の粒を変形させていく。
次第にその粒が形を成し、何かを映し出していた。
「まぁどの装置も大抵ポンコツで動く事なんざ無いんだが……コイツは殆ど無傷と言っても過言じゃねぇ。 システムがおかしい所は除いてな」
「よくわかんないや」
「てめぇ……聞いておいてそれはねぇだろうよぉ……」
そんな話を続けながらもオブジェクトを操作し続け、光が形作る映像が鮮明になっていく。
そしてそこに映し出されたのは、空島内部の立体地図の様であった。
多重構造となった空島内部の通路や部屋……中には勇達の姿と思われる影が映りこんでいた。
「ふぅむ……どうやらここはハズレだな」
「なんでわかるの?」
「わかるんだよォ!! 説明面倒くせぇな!!」
「ギャ―――」
「お前、それわざとだろ……いい加減にしねぇと本当に小突くぞ……」
何度も同じ手は食わないと言わんばかりに剣聖が睨み付けると、途端あずーがバツの悪そうな顔を浮かべムスッとする。
「ここは恐らく副管制室といった所だな……主部屋は……そうだな、コイツのすぐ近くと言った所か」
そう言い映像に指を指す……そこに映るのは勇の姿。
「ここからじゃあ大した情報は引き出せそうにねぇな……仕方ねぇ、拾える情報だけでも……ん、なんだこりゃあ……」
すると突然、驚く様な顔を浮かべ剣聖の顔が固まる。
彼が固まった原因が気に成り、あずーも横から顔を覗くが……映った画像からは何があるのかさっぱり読み取れない文字ばかりが羅列されているばかりであった。
だがそれを読み取ったであろう剣聖の表情が曇り、真剣な眼差しを向ける。
映し出されていく文字の羅列……それをしきりに目で追い、送っていく。
静かにあずーが見届ける中……剣聖は一つ、オブジェクトを軽く指で一突きすると……途端、映像が崩れ、元の光の粒へと姿を戻した。
「こいつぁたまげたな……どうやら俺が想像していた以上にこの島はとんでもねぇ物だったらしい」
「どゆこと?」
「詳細はまだわからねぇが……この島は、人間が作った物だ。 しかもただの島じゃあねぇ……この島が、この島そのものが魔剣なんだ」
「うそぉ……」
それは驚くべき事実であった。
アルクトゥーンの空島と呼ばれるそのものが魔剣であるという事……それは彼等の世界の文明であれば大いにあり得た事であろう。
だが根本的な問題はそこではない。
人間が魔剣を作ったという事実……これは彼等『あちら側』において、有り得るはずがないとされる事。
人間が魔剣を作る事は出来ない……それは遥か昔から謡われ続けてきた事実のはずであった。
だがこうして今、彼等が立つ島が人間が造った魔剣である事に剣聖も驚きを隠せない。
「確かに技術は天士の物だ……だが、このシステムを構築したのは人間……こいつぁ興味深い話だぜぇ……!!」
堪らず笑みを零し、小さな笑い声が口から漏れ出す。
「さぁて、それならよぉ……あのガキにゃあ少し気張ってもらうとするかぁ」
剣聖はそう呟くと……再びオブジェクトへと手を伸ばし、何やら操作を始める。
あずーはその姿を静かに佇みながら見届けていた。
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