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第十八節「策士笑えど 光衣身に纏いて 全てが収束せん」
~堕兄唸りし 女王が望みし未来とその隔たり~
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「ハハッ!! 消し炭だッ!!」
ベゾー王が高らかと笑いを上げ、棒型魔剣の柄を大地に突く
その視線を茶奈が居るであろう方へと向け睨み付けた。
だが、その目が次第に疑念を含むかの様に内瞼を上げていく。
「……静かすぎる……どういう事だネェ……」
先程まで鳴り響いていた銃声はすっかり消え去り、まるで戦闘しているとは思えない程に風切り音だけが周囲を支配していた。
「始末した……にしては、連絡も来やしない……しくじッたかネェ」
見つめる目は次第に瞼が降りて細くなっていき、顎が持ち上がっていく。
怒り……その感情が彼女の中に燻っていた。
「あんだけ入念に教えてやッたッてェのにネェ……やッぱりクズ共は頼りに成らないもんだネェ……アタイ一人で動いた方が―――」
ガササッ……
途端、彼女の場所から少し離れた林……光の柱で作られた林間から不自然な物音が立つ。
バサバサ……バッサァ……
「カハッ……グゥゥ……!!」
地面に倒れた草木を掻き分けて現れたのは……アージであった。
全身から灰色の煙を立ち上らせ、黒い煤に塗れた姿……無事とは言い難いが、先程の攻撃を辛くも凌いだのである。
周囲に立ち並んでいた木々がどうやら壁になったようだ。
だがその姿、立ち上がるのもやっとな程に傷付き……不意に倒れそうになるが、掴んだアストルディを支えにしてかろうじて姿勢を維持させていた。
「おやおやァ、アタイの攻撃を受けて立てる奴が居たなんて驚きだネェ!! アンタの事、見縊ッてたよォ!!」
そんな彼に対し、ベゾー王がまるで称賛するかのように大声を張り上げる。
いや、既にそれは称賛していたとも言いきれる程にハッキリと。
パチパチパチ……
よほど彼女は驚嘆したのだろう、珍しいモノを見るかの様に小さく口を開けて目を見開きながらアージを見つめ……素早い拍手を贈る。
ハッキリとした喜怒哀楽をその常々に切り替えて見せる彼女の姿にアージも戸惑っていた。
「ふざけて……いるのかッ!?」
歯を剥き出しにし威嚇する様に唸るが……ベゾー王はそんな彼の顔を見て逆に口角を上げる。
「フフン……そんな訳ないさネェ……むしろ逆さァ、アタイはアンタの事が好きになりそうだよォ」
「なっ、何ィ!?」
拍手を止めた彼女が脇に抱えた魔剣を再び手に取り……アージへと近づいていく。
最早戦う事すらままならない程に疲弊したアージは、敵意では無く好意を以って近づいてくる彼女の動きをただじっと見つめていた。
その足取りは軽く、ステップを踏むかのよう。
仕草から彼女がまだ若い個体である事を彷彿とさせる。
「アタイはねぇ、ずッと強い奴を求めてたんだ。 でも、どいつもこいつも点で役に立たないクソ共さ……昔はアタイの事を散々なぶッてくれた癖にさァ?」
彼女が本音をぶつけ、その言葉から自身の過去がちらりと覗かせる。
アージの前で立ち止まると……彼女は話を続けた。
「『お前はクズだ』『役立たず』そう言われて育ッてきたんだ……だからアタイは強く成ッてやッた……見違えるほどにねェ? そしたらアイツラ……まるで媚び諂う様に取り入ッて来るじャあないか……間抜けな奴等!!」
感情が籠り、突然足を一踏みし……地面に倒れた木が「バキャ」と音を立てる。
「幸い奴等のおかげで同じ様に媚び諂ッてくる人間の扱いにャ手馴れて出来たモンだがね」
そう言い切ると、ベゾー王は「フンッ」と鼻息を飛ばし呆れ顔を浮かべる。
すると不意に彼女の目が見開き、「アッ」と声を漏らした。
「あぁ~忘れてた忘れてた……アタイの名前はミョーレ、覚えておきな……もしかしたらアンタの妻に成るかもしれないからネェ」
「なっ!? 妻だとォ!?」
ミョーレの突然の発言に慌てふためくアージ……その顔が微妙に赤らめる。
そんな彼の慌てっぷりに彼女が「ニシシ」と歯を見せながら笑顔を見せた。
「そうさネェ……『白の兄弟』兄のアージ……アタイの仲間になりな。 アタイはアンタみたいな男の子供なら作っていいとさえ思ってる!!」
「なっ……!?」
ミョーレのアグレッシブなまでのアプローチに唯々たじろぐ事しか出来ないアージを前に、彼女の態度はエスカレートしていく。
「アンタは王に成れるんだよ!! ベゾーはいずれこの国を基軸に世界を支配する……ならば今乗る以外に手は無い、そうだろう我が同族アージ!?」
夢に見た幻想……妻と子と笑顔で過ごす安寧の幸せな未来。
争いが無くなる事……それが支配という形でも、戦う事で目指してきた彼にとってはむしろ望む形……。
王に成る事…‥それは男の出世心をくすぐる事。
それらを前にアージの心は揺れ動いていた。
「お、俺は……」
アストルディを掴む手の力緩まり……だらりとその腕が垂れ下がる。
既に自力で立ち上がれる程の力は戻っており……上半身をふらつかせながらも立った彼は……不意に言葉を放つ。
「それ以外の選択肢は……無いのか?」
その時、ミョーレの瞼がピクリと動く。
「支配では無く……手を取りあい、共に生きて行く選択肢は無いのか……?」
アージは望む。
安寧の世界を。
争いの無い世界を。
だが今の彼にはもう一つの欲が生まれていた。
それは『人と魔者が手を取り合う世界の構築』
ラクアンツェが望んでいた、世界の分断後のあるべき未来のカタチ。
それを望む感情が彼の中にもまた生まれていたのだ。
静寂がその場を包み……ゆっくりとミョーレが小さな笑顔を浮かべながらアージの顔へと向ける。
お互いの目が合い、その瞳の奥を見つめ……そして彼女が答えた。
「無理だネェ」
その言葉が放たれた途端……風切り音が「ピョオッ」と鳴り響きアージの顎が僅かに上がった。
「手を取り合う……そんなのは幻想に過ぎないネェ……結局同じ種族だろうとこうやッて分かり合う事も出来ない、そんなアタイらが共に生きて行くなど出来る訳がないッ!!」
「そんな事はないッ!! 我ら魔特隊は人魔混成……皆が手を取りあい協力する仲間達なのだ……今は出来なくともいずれはッ!!」
そうアージが叫んだ時……ミョーレが一歩踏み下がり彼との距離を取る。
その行動を前に「ハッ」として言葉を止めるが……既に彼女の表情は曇っていた。
「そうさネェ、そうさネェ……それが出来れば何の問題も無いネェけどなッ!! 無理なんだよアージッ!! 心は繋がらない!! 繋げない!! 幾ら想ッても、願ッてもッ!!」
一言一言が刻まれる度に、彼女の感情が昂りを見せてその声をより大きく張り上げさせていく。
「だから塗り潰す!! アタイの心と同じに!! 全てがアタイに成ればッ、全部がアタイなんだ!! これは決定事項だアージィ!!」
途端魔剣を構え、その長い柄をアージへと向ける。
彼女の圧倒的な感情の噴出を前に、彼は魔剣すら構える事も出来ずにいた。
「お前もアタイになるんだ!! さもなければ、死ねッ!!」
「ミョーレェッ!!」
魔剣が構えられ飾りが「シャララン」と音を鳴らし、彼に向けた柄に力が篭められていく。
その瞬間―――
ビュオッ!!
「チィ!?」
ギィーン!!
凄まじい勢いで彼等の後方から何者かが飛び出しミョーレへと飛び掛かる。
それを魔剣で受け止めるも……その何者かと共に体が勢いよく弾き飛ばされていった。
光の軌跡を作りしその者……フルクラスタを纏った茶奈。
「キッサッマァーーーーー!?」
木々をなぎ倒しながら飛んでいく二人を跡目で追いながら状況の掴み切れていないアージが焦りの顔を浮かべる。
すると遅れる様に続きマヴォが姿を現した。
「兄者!! 無事か!?」
「マヴォか……ヌゥ、なんとかな……だがあれは……!?」
「女神ちゃんだよあれは。 あの子尋常じゃねェ!!」
「ヌゥやはりか……アストラルエネマ、あれ程とはな」
一瞬見掛けただけであったが、その本質を見抜いたアージは唸り声を上げる。
「『アレ』やれるか兄者?」
「わからん……一度だけならあるいは……だがやるだけの価値はある!!」
「了解だ、タイミングは任せるぜ!!」
そう打ち合わせすると、二人は茶奈達が吹き飛んで行った場所を見つめ……アージの足に合わせてゆっくりと踏み出していく。
―――ミョーレ……お前の気持ちは変えられないのか……!!―――
僅かな時間であったが彼女の心に振れたアージは、何とか彼女と分かり合う事は出来ないか……そう考え始めていた。
ベゾー王が高らかと笑いを上げ、棒型魔剣の柄を大地に突く
その視線を茶奈が居るであろう方へと向け睨み付けた。
だが、その目が次第に疑念を含むかの様に内瞼を上げていく。
「……静かすぎる……どういう事だネェ……」
先程まで鳴り響いていた銃声はすっかり消え去り、まるで戦闘しているとは思えない程に風切り音だけが周囲を支配していた。
「始末した……にしては、連絡も来やしない……しくじッたかネェ」
見つめる目は次第に瞼が降りて細くなっていき、顎が持ち上がっていく。
怒り……その感情が彼女の中に燻っていた。
「あんだけ入念に教えてやッたッてェのにネェ……やッぱりクズ共は頼りに成らないもんだネェ……アタイ一人で動いた方が―――」
ガササッ……
途端、彼女の場所から少し離れた林……光の柱で作られた林間から不自然な物音が立つ。
バサバサ……バッサァ……
「カハッ……グゥゥ……!!」
地面に倒れた草木を掻き分けて現れたのは……アージであった。
全身から灰色の煙を立ち上らせ、黒い煤に塗れた姿……無事とは言い難いが、先程の攻撃を辛くも凌いだのである。
周囲に立ち並んでいた木々がどうやら壁になったようだ。
だがその姿、立ち上がるのもやっとな程に傷付き……不意に倒れそうになるが、掴んだアストルディを支えにしてかろうじて姿勢を維持させていた。
「おやおやァ、アタイの攻撃を受けて立てる奴が居たなんて驚きだネェ!! アンタの事、見縊ッてたよォ!!」
そんな彼に対し、ベゾー王がまるで称賛するかのように大声を張り上げる。
いや、既にそれは称賛していたとも言いきれる程にハッキリと。
パチパチパチ……
よほど彼女は驚嘆したのだろう、珍しいモノを見るかの様に小さく口を開けて目を見開きながらアージを見つめ……素早い拍手を贈る。
ハッキリとした喜怒哀楽をその常々に切り替えて見せる彼女の姿にアージも戸惑っていた。
「ふざけて……いるのかッ!?」
歯を剥き出しにし威嚇する様に唸るが……ベゾー王はそんな彼の顔を見て逆に口角を上げる。
「フフン……そんな訳ないさネェ……むしろ逆さァ、アタイはアンタの事が好きになりそうだよォ」
「なっ、何ィ!?」
拍手を止めた彼女が脇に抱えた魔剣を再び手に取り……アージへと近づいていく。
最早戦う事すらままならない程に疲弊したアージは、敵意では無く好意を以って近づいてくる彼女の動きをただじっと見つめていた。
その足取りは軽く、ステップを踏むかのよう。
仕草から彼女がまだ若い個体である事を彷彿とさせる。
「アタイはねぇ、ずッと強い奴を求めてたんだ。 でも、どいつもこいつも点で役に立たないクソ共さ……昔はアタイの事を散々なぶッてくれた癖にさァ?」
彼女が本音をぶつけ、その言葉から自身の過去がちらりと覗かせる。
アージの前で立ち止まると……彼女は話を続けた。
「『お前はクズだ』『役立たず』そう言われて育ッてきたんだ……だからアタイは強く成ッてやッた……見違えるほどにねェ? そしたらアイツラ……まるで媚び諂う様に取り入ッて来るじャあないか……間抜けな奴等!!」
感情が籠り、突然足を一踏みし……地面に倒れた木が「バキャ」と音を立てる。
「幸い奴等のおかげで同じ様に媚び諂ッてくる人間の扱いにャ手馴れて出来たモンだがね」
そう言い切ると、ベゾー王は「フンッ」と鼻息を飛ばし呆れ顔を浮かべる。
すると不意に彼女の目が見開き、「アッ」と声を漏らした。
「あぁ~忘れてた忘れてた……アタイの名前はミョーレ、覚えておきな……もしかしたらアンタの妻に成るかもしれないからネェ」
「なっ!? 妻だとォ!?」
ミョーレの突然の発言に慌てふためくアージ……その顔が微妙に赤らめる。
そんな彼の慌てっぷりに彼女が「ニシシ」と歯を見せながら笑顔を見せた。
「そうさネェ……『白の兄弟』兄のアージ……アタイの仲間になりな。 アタイはアンタみたいな男の子供なら作っていいとさえ思ってる!!」
「なっ……!?」
ミョーレのアグレッシブなまでのアプローチに唯々たじろぐ事しか出来ないアージを前に、彼女の態度はエスカレートしていく。
「アンタは王に成れるんだよ!! ベゾーはいずれこの国を基軸に世界を支配する……ならば今乗る以外に手は無い、そうだろう我が同族アージ!?」
夢に見た幻想……妻と子と笑顔で過ごす安寧の幸せな未来。
争いが無くなる事……それが支配という形でも、戦う事で目指してきた彼にとってはむしろ望む形……。
王に成る事…‥それは男の出世心をくすぐる事。
それらを前にアージの心は揺れ動いていた。
「お、俺は……」
アストルディを掴む手の力緩まり……だらりとその腕が垂れ下がる。
既に自力で立ち上がれる程の力は戻っており……上半身をふらつかせながらも立った彼は……不意に言葉を放つ。
「それ以外の選択肢は……無いのか?」
その時、ミョーレの瞼がピクリと動く。
「支配では無く……手を取りあい、共に生きて行く選択肢は無いのか……?」
アージは望む。
安寧の世界を。
争いの無い世界を。
だが今の彼にはもう一つの欲が生まれていた。
それは『人と魔者が手を取り合う世界の構築』
ラクアンツェが望んでいた、世界の分断後のあるべき未来のカタチ。
それを望む感情が彼の中にもまた生まれていたのだ。
静寂がその場を包み……ゆっくりとミョーレが小さな笑顔を浮かべながらアージの顔へと向ける。
お互いの目が合い、その瞳の奥を見つめ……そして彼女が答えた。
「無理だネェ」
その言葉が放たれた途端……風切り音が「ピョオッ」と鳴り響きアージの顎が僅かに上がった。
「手を取り合う……そんなのは幻想に過ぎないネェ……結局同じ種族だろうとこうやッて分かり合う事も出来ない、そんなアタイらが共に生きて行くなど出来る訳がないッ!!」
「そんな事はないッ!! 我ら魔特隊は人魔混成……皆が手を取りあい協力する仲間達なのだ……今は出来なくともいずれはッ!!」
そうアージが叫んだ時……ミョーレが一歩踏み下がり彼との距離を取る。
その行動を前に「ハッ」として言葉を止めるが……既に彼女の表情は曇っていた。
「そうさネェ、そうさネェ……それが出来れば何の問題も無いネェけどなッ!! 無理なんだよアージッ!! 心は繋がらない!! 繋げない!! 幾ら想ッても、願ッてもッ!!」
一言一言が刻まれる度に、彼女の感情が昂りを見せてその声をより大きく張り上げさせていく。
「だから塗り潰す!! アタイの心と同じに!! 全てがアタイに成ればッ、全部がアタイなんだ!! これは決定事項だアージィ!!」
途端魔剣を構え、その長い柄をアージへと向ける。
彼女の圧倒的な感情の噴出を前に、彼は魔剣すら構える事も出来ずにいた。
「お前もアタイになるんだ!! さもなければ、死ねッ!!」
「ミョーレェッ!!」
魔剣が構えられ飾りが「シャララン」と音を鳴らし、彼に向けた柄に力が篭められていく。
その瞬間―――
ビュオッ!!
「チィ!?」
ギィーン!!
凄まじい勢いで彼等の後方から何者かが飛び出しミョーレへと飛び掛かる。
それを魔剣で受け止めるも……その何者かと共に体が勢いよく弾き飛ばされていった。
光の軌跡を作りしその者……フルクラスタを纏った茶奈。
「キッサッマァーーーーー!?」
木々をなぎ倒しながら飛んでいく二人を跡目で追いながら状況の掴み切れていないアージが焦りの顔を浮かべる。
すると遅れる様に続きマヴォが姿を現した。
「兄者!! 無事か!?」
「マヴォか……ヌゥ、なんとかな……だがあれは……!?」
「女神ちゃんだよあれは。 あの子尋常じゃねェ!!」
「ヌゥやはりか……アストラルエネマ、あれ程とはな」
一瞬見掛けただけであったが、その本質を見抜いたアージは唸り声を上げる。
「『アレ』やれるか兄者?」
「わからん……一度だけならあるいは……だがやるだけの価値はある!!」
「了解だ、タイミングは任せるぜ!!」
そう打ち合わせすると、二人は茶奈達が吹き飛んで行った場所を見つめ……アージの足に合わせてゆっくりと踏み出していく。
―――ミョーレ……お前の気持ちは変えられないのか……!!―――
僅かな時間であったが彼女の心に振れたアージは、何とか彼女と分かり合う事は出来ないか……そう考え始めていた。
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