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第十一節「心拠りし所 平の願い その光の道標」
~何故、この人は、ここまで走れる……!?~
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「フッ! フッ! フウッ!!」
「はあっ、はあっ……!!」
二人の吐息が汽車噴煙の如き筋を描く。
それだけ互いに身体が温まっているからだろう。
どれだけ走っただろうか。
距離的に言えばおおよそ三キロくらいか。
隣町、更にその隣にも至るくらいの距離だ。
その中でも勇はなおマイペースを貫いている。
いきなり走り込んでは一〇〇メートル、そこからゆるりと走って一〇〇メートル。
そう切り替えては走り続け、一切止まる事が無い。
そう、二人は全く止まっていない。
ここまで常人でいう所の全力疾走を何度も続けているのだ。
その所為でもうエウリィに一切の余裕が無い。
付いていくのにただただ必死で。
もはや意地だけで付いて行っている様なものである。
「勇、様ッ……あと、どれだけ走る、つもりですか?」
「あともう少ししたら半分かな」
「半……ッ!?」
しかし辛い事に、もうエウリィに命力は残されていない。
ここまでのダッシュで大半を使い尽くした事によって。
そう、命力と体力――どちらも尽きそうなのだ。
だからこそエウリィは信じられなかった。
勇が何故ここまで走れるのか、と。
勇は当然、エウリィよりもずっと命力が少ない。
それこそ駆け出しの魔剣使い程度にしか。
今までの成長を経ても変わらない、勇の欠点と言えよう。
だけど今、勇は全く平然と走れている。
命力機動を使ったエウリィさえも凌駕する程のスタミナを見せつけて。
それが不思議でしょうがなかったのだ。
その疑念が更にエウリィを追い込み、命力回復量の減衰をも促している。
この人は一体どんな体の造りをしているのか、と。
確かに、エウリィでもこの距離を走るだけなら別に何の問題も無い。
マイペースならばこの十倍の距離でも走りきる事が出来るだろう。
これは恐らく、普通の魔剣使いでも言える事で。
けれど、命力を迸らせずにノンストップで走りきれる者はいない。
誰しも長距離を駆ける時は必ず命力を使うものだ。
消耗しない程度に走り、命力機動とスタミナ消耗を切り替えて。
いつだか勇も実践した長期戦運用と同じである。
だが、今の勇はそれさえやっていない。
ほぼほぼ肉体のみで走っている。
それもマラソン選手でさえ叶わないくらいの全力疾走を。
ならスタミナ消耗だけでは済まされない。
乳酸による節々の痛み、関節の消耗、骨格への負担。
酷使し過ぎる事で肉体的なダメージが蓄積するはずなのに。
これは『あちら側』でも共通して言える物理的特性なのに。
でも今の勇はそれさえ見せていない。
全く負担を感じていないのだ。
まるで無敵の肉体を誇っているかの如く。
こんな例をエウリィは知らない。
聞いた事も無いし、考えた事も無い。
これではまるで、あの大男と同じなのだと。
「何故、この人は、ここまで走れる……!?」
そんな想いが、思うだけのつもりだった心の声を口にさせる。
それだけエウリィは疑問だらけなのだ。
少し前までは自分が優位だったのに、今では全く天井の見えない存在になっていて。
その底知れぬポテンシャルに恐怖さえ憶えている。
出会った当初の勇と同じ気持ちが彼女を支配していたのである。
「なんでって……そうだなぁ、俺は命力の使い方を少し変えてるから」
「使い、方……?」
「うん。体力を回復する手段に切り替えてるんだよ。消費命力少ないし」
「へっ……? 体力の、回復……?」
すると、そんな声が聴こえたからか勇が再び進みを止める。
もちろんまた膝を蹴り上げての、だが。
エウリィの疑問に応えたくて、それでいて彼女を休める為に。
きっと勇は気付いていたのだろう。
エウリィがもう限界に近いのだという事に。
だから敢えて足を止め、休む事を促していて。
エウリィもそれに甘え、街道へと尻餅を突く。
「命力機動もさ、結局は只の消耗なんだよ。気力で回復しても、俺みたいなのじゃ全然命力が足りないんだ。だからその場凌ぎにしかならない。命力、全く増えないしさ……」
「はぁ……」
「ならもっと効率のいい命力の使い方無いかなって考えてね。じゃあ命力を体力育成手段に使ったらどうかなって」
「えっ……育成に、使う!? 強化ではなく……?」
そうして始まった話は、エウリィにとっては絵空事にしか聴こえなかった。
本来、命力とは肉体を手っ取り早く強化する手段だ。
魔法の様な力で強化させ、魔者の様な強力な相手と対等に戦う為の。
だから命力の高い者は誰よりも強くなれ、誰からも敬われて。
あの剣聖も相応に力があるから誰からも尊敬されているのだと。
端的に言えば、命力資本説だ。
命力が高ければ強くなる、『あちら側』の根本的概念である。
でも今言われた手段は全くの別。
肉体を行使し、命力をその補助に充てる。
つまり、肉体資本説だという。
命力が無い現代においては当然の話かもしれない。
しかしそれを踏まえても、命力を得れば概念は一瞬にして覆すだろう。
それだけ命力という力が現代社会においても驚異的な潜在能力を秘めているからこそ。
けれど勇はそれさえも覆し、肉体成長の為に命力を使っている。
すなわち、今の肉体は命力を栄養にして鍛え上げられたというのだ。
簡単に言えばこう。
魔剣使いとはファンタジーで言う所の、炎を放つ様な魔法使い。
でも勇は魔法使いではなく、魔法鍛錬士なのだと。
魔力で筋肉を鍛え、その肉体で戦う武闘派魔法使いなのだ。
しかもその肉体は見た目が変わらない。
恐らく、肉体の質そのものが変化しているのだろう。
より強靭に、より柔軟に、それも人類が知り得ない様な進化を果たして。
それもまた命力による鍛錬補助の賜物なのかもしれない。
「具体的に、どうやっているのですか?」
「まず足の痛覚を憶えて、その痛みの原因を探って、その痛みを失くす手段を調べて、その手段を命力で再現して――」
「待ってください、調べて再現って……」
「うん。基本的に肉体って自分の身体で補完出来るからさ、なら命力でも補えるかなって。自然再生能力を基本に、乳酸とかも発生抑えて痛みを緩和してる。関節も命力で補ってさ、ずっと少ない消耗で激しい運動が出来る様になったよ。スタミナもアミノ酸の消耗抑えられるかなって、今特訓中」
だけどもう、エウリィは開いた口が塞がらなかった。
言う事が何もかも理解に及ばなくて。
専門知識が無いのもあるのだろう。
それでも言う事自体は何となく理解出来る。
だがその手段が全く理解出来ない。
再現とは。
補完とは。
命力をどう操作したらそう出来るのかが全然わからない。
こうなるともはや科学分野の世界だ。
人間という生物的な科学理論を理解しなければ到底及ばない領域の。
強いて挙げるならば【命力学】。
『あちら側』でさえ追求されきっていない新たなる科学分野である。
けどきっと勇はそこまで理解してない。
恐らく全部手探りでここまで来たのだろう。
命力が少ないという理由だけで。
自分なりの最高効率を求めた末に。
その結果、勇は超高速航行の着地にも耐えうる肉体を手に入れた。
こうして超人ロードワークでさえ軽く流せるくらいに鍛え上げ続けて。
しかも僅か数か月の間に。
これはきっと、割と早い段階から行われていたに違いない。
敢えて挙げるならば、【大地の楔】を得る前から。
独自の鍛錬方法で体を鍛えたから覚醒に至れた。
そうとも思えば全ての辻褄が合う。
そう気付いてしまったエウリィはもはや項垂れるばかりだ。
勇はもうあの時から自分を越えていたのだと。
そして今や全く追い付けない程に先へ行かれた事にも気付かされて。
「勇様、わたくし改めて感服いたしました。貴方は本当に素敵な方ですね……」
「いやいや、これでもまだまだだって。剣聖さんに勝てる気がしないし」
「はぁ~……目指す所が違いますね。あの方、我々にとっての究極なんですよ?」
「え、そうなの?」
更にはこうして驚異の事実を突き付けられればもう。
なまじ初めに観たのが剣聖だったから、目指す所も自然とこうなったのだろう。
でもそれが『あちら側』の人間にとってどれだけおこがましい事か。
剣聖がそれだけ別格扱いされた存在なだけに。
とはいえ、そのデカい目標のお陰で勇はここまで強くなれた。
自分で辿り着く為の答えを導き出して。
剣聖が答えを教えなかった事が功を奏して。
もちろんこれが正解とは限らない。
それでも、誰より正解に近いかもしれない。
そんな現実をこうして今目の前で見せつけられて、エウリィはふと思う。
〝もしかしたらこの方は、あの最強たる【三剣魔】に続く者になるかもしれない〟と。
「はあっ、はあっ……!!」
二人の吐息が汽車噴煙の如き筋を描く。
それだけ互いに身体が温まっているからだろう。
どれだけ走っただろうか。
距離的に言えばおおよそ三キロくらいか。
隣町、更にその隣にも至るくらいの距離だ。
その中でも勇はなおマイペースを貫いている。
いきなり走り込んでは一〇〇メートル、そこからゆるりと走って一〇〇メートル。
そう切り替えては走り続け、一切止まる事が無い。
そう、二人は全く止まっていない。
ここまで常人でいう所の全力疾走を何度も続けているのだ。
その所為でもうエウリィに一切の余裕が無い。
付いていくのにただただ必死で。
もはや意地だけで付いて行っている様なものである。
「勇、様ッ……あと、どれだけ走る、つもりですか?」
「あともう少ししたら半分かな」
「半……ッ!?」
しかし辛い事に、もうエウリィに命力は残されていない。
ここまでのダッシュで大半を使い尽くした事によって。
そう、命力と体力――どちらも尽きそうなのだ。
だからこそエウリィは信じられなかった。
勇が何故ここまで走れるのか、と。
勇は当然、エウリィよりもずっと命力が少ない。
それこそ駆け出しの魔剣使い程度にしか。
今までの成長を経ても変わらない、勇の欠点と言えよう。
だけど今、勇は全く平然と走れている。
命力機動を使ったエウリィさえも凌駕する程のスタミナを見せつけて。
それが不思議でしょうがなかったのだ。
その疑念が更にエウリィを追い込み、命力回復量の減衰をも促している。
この人は一体どんな体の造りをしているのか、と。
確かに、エウリィでもこの距離を走るだけなら別に何の問題も無い。
マイペースならばこの十倍の距離でも走りきる事が出来るだろう。
これは恐らく、普通の魔剣使いでも言える事で。
けれど、命力を迸らせずにノンストップで走りきれる者はいない。
誰しも長距離を駆ける時は必ず命力を使うものだ。
消耗しない程度に走り、命力機動とスタミナ消耗を切り替えて。
いつだか勇も実践した長期戦運用と同じである。
だが、今の勇はそれさえやっていない。
ほぼほぼ肉体のみで走っている。
それもマラソン選手でさえ叶わないくらいの全力疾走を。
ならスタミナ消耗だけでは済まされない。
乳酸による節々の痛み、関節の消耗、骨格への負担。
酷使し過ぎる事で肉体的なダメージが蓄積するはずなのに。
これは『あちら側』でも共通して言える物理的特性なのに。
でも今の勇はそれさえ見せていない。
全く負担を感じていないのだ。
まるで無敵の肉体を誇っているかの如く。
こんな例をエウリィは知らない。
聞いた事も無いし、考えた事も無い。
これではまるで、あの大男と同じなのだと。
「何故、この人は、ここまで走れる……!?」
そんな想いが、思うだけのつもりだった心の声を口にさせる。
それだけエウリィは疑問だらけなのだ。
少し前までは自分が優位だったのに、今では全く天井の見えない存在になっていて。
その底知れぬポテンシャルに恐怖さえ憶えている。
出会った当初の勇と同じ気持ちが彼女を支配していたのである。
「なんでって……そうだなぁ、俺は命力の使い方を少し変えてるから」
「使い、方……?」
「うん。体力を回復する手段に切り替えてるんだよ。消費命力少ないし」
「へっ……? 体力の、回復……?」
すると、そんな声が聴こえたからか勇が再び進みを止める。
もちろんまた膝を蹴り上げての、だが。
エウリィの疑問に応えたくて、それでいて彼女を休める為に。
きっと勇は気付いていたのだろう。
エウリィがもう限界に近いのだという事に。
だから敢えて足を止め、休む事を促していて。
エウリィもそれに甘え、街道へと尻餅を突く。
「命力機動もさ、結局は只の消耗なんだよ。気力で回復しても、俺みたいなのじゃ全然命力が足りないんだ。だからその場凌ぎにしかならない。命力、全く増えないしさ……」
「はぁ……」
「ならもっと効率のいい命力の使い方無いかなって考えてね。じゃあ命力を体力育成手段に使ったらどうかなって」
「えっ……育成に、使う!? 強化ではなく……?」
そうして始まった話は、エウリィにとっては絵空事にしか聴こえなかった。
本来、命力とは肉体を手っ取り早く強化する手段だ。
魔法の様な力で強化させ、魔者の様な強力な相手と対等に戦う為の。
だから命力の高い者は誰よりも強くなれ、誰からも敬われて。
あの剣聖も相応に力があるから誰からも尊敬されているのだと。
端的に言えば、命力資本説だ。
命力が高ければ強くなる、『あちら側』の根本的概念である。
でも今言われた手段は全くの別。
肉体を行使し、命力をその補助に充てる。
つまり、肉体資本説だという。
命力が無い現代においては当然の話かもしれない。
しかしそれを踏まえても、命力を得れば概念は一瞬にして覆すだろう。
それだけ命力という力が現代社会においても驚異的な潜在能力を秘めているからこそ。
けれど勇はそれさえも覆し、肉体成長の為に命力を使っている。
すなわち、今の肉体は命力を栄養にして鍛え上げられたというのだ。
簡単に言えばこう。
魔剣使いとはファンタジーで言う所の、炎を放つ様な魔法使い。
でも勇は魔法使いではなく、魔法鍛錬士なのだと。
魔力で筋肉を鍛え、その肉体で戦う武闘派魔法使いなのだ。
しかもその肉体は見た目が変わらない。
恐らく、肉体の質そのものが変化しているのだろう。
より強靭に、より柔軟に、それも人類が知り得ない様な進化を果たして。
それもまた命力による鍛錬補助の賜物なのかもしれない。
「具体的に、どうやっているのですか?」
「まず足の痛覚を憶えて、その痛みの原因を探って、その痛みを失くす手段を調べて、その手段を命力で再現して――」
「待ってください、調べて再現って……」
「うん。基本的に肉体って自分の身体で補完出来るからさ、なら命力でも補えるかなって。自然再生能力を基本に、乳酸とかも発生抑えて痛みを緩和してる。関節も命力で補ってさ、ずっと少ない消耗で激しい運動が出来る様になったよ。スタミナもアミノ酸の消耗抑えられるかなって、今特訓中」
だけどもう、エウリィは開いた口が塞がらなかった。
言う事が何もかも理解に及ばなくて。
専門知識が無いのもあるのだろう。
それでも言う事自体は何となく理解出来る。
だがその手段が全く理解出来ない。
再現とは。
補完とは。
命力をどう操作したらそう出来るのかが全然わからない。
こうなるともはや科学分野の世界だ。
人間という生物的な科学理論を理解しなければ到底及ばない領域の。
強いて挙げるならば【命力学】。
『あちら側』でさえ追求されきっていない新たなる科学分野である。
けどきっと勇はそこまで理解してない。
恐らく全部手探りでここまで来たのだろう。
命力が少ないという理由だけで。
自分なりの最高効率を求めた末に。
その結果、勇は超高速航行の着地にも耐えうる肉体を手に入れた。
こうして超人ロードワークでさえ軽く流せるくらいに鍛え上げ続けて。
しかも僅か数か月の間に。
これはきっと、割と早い段階から行われていたに違いない。
敢えて挙げるならば、【大地の楔】を得る前から。
独自の鍛錬方法で体を鍛えたから覚醒に至れた。
そうとも思えば全ての辻褄が合う。
そう気付いてしまったエウリィはもはや項垂れるばかりだ。
勇はもうあの時から自分を越えていたのだと。
そして今や全く追い付けない程に先へ行かれた事にも気付かされて。
「勇様、わたくし改めて感服いたしました。貴方は本当に素敵な方ですね……」
「いやいや、これでもまだまだだって。剣聖さんに勝てる気がしないし」
「はぁ~……目指す所が違いますね。あの方、我々にとっての究極なんですよ?」
「え、そうなの?」
更にはこうして驚異の事実を突き付けられればもう。
なまじ初めに観たのが剣聖だったから、目指す所も自然とこうなったのだろう。
でもそれが『あちら側』の人間にとってどれだけおこがましい事か。
剣聖がそれだけ別格扱いされた存在なだけに。
とはいえ、そのデカい目標のお陰で勇はここまで強くなれた。
自分で辿り着く為の答えを導き出して。
剣聖が答えを教えなかった事が功を奏して。
もちろんこれが正解とは限らない。
それでも、誰より正解に近いかもしれない。
そんな現実をこうして今目の前で見せつけられて、エウリィはふと思う。
〝もしかしたらこの方は、あの最強たる【三剣魔】に続く者になるかもしれない〟と。
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