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【№4:Sterben-side:佐奈-】
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シュアが言うには2ヶ月前ではなく15年前に俺と会っていると言う。
「社会見学、覚えていらっしゃらないでしょうね。あの当時はまだ佐奈様は小さなお子さんでしたから」
「社会見学…?あ、服の…」
「ああ、それです。良かった。それは記憶にあるのですね?」
俺がアンドロイドと対面したのは後にも先にもその一回しかない為、覚えていたのかもしれない。
アンドロイドであるシュアと会ってその時の記憶が蘇ったのもあると思うけど。
「あの時、シュアはあそこに居りました。まだアンドロイドが現在のように普及していない時代でした。シュアは他のアンドロイドとは違う部屋にずっといたのですが、製作者がたまには外に出てみるのもいいと仰り、そこでたまたまその日だけシュアはその工場に居りました。」
「着付けられてたのが、シュア?」
「その通りです。佐奈様は物珍しそうに私の腕を手に取りました。そうですね、今のシュアと佐奈様のように。じんわりとした温かさを感じたのをよく覚えております。」
俺は確かに触った。脈とかないなとかそんな事を思っていた。
「佐奈様はシュアにこう言ったのは覚えていらっしゃいますか?『あなたは「人」にはならないの?』と。」
「えっ…俺そんな事言った?」
「はい。正直驚きました。アンドロイドのシュアに対して…いや、アンドロイドに対してそう思う人間が居るのかと…同時に、どうしてシュアは「人」ではないのかとも…。」
シュアが握っていた俺の腕をもっときつく握りしめてきた。
「そこでシュアは初めて考えました。どうしてシュアは「人」にはなれないのかと。アンドロイドなのは確かです。しかし、シュアには感情があります。考える事が出来ます。自分で選択ができます。ここまで考えて、何が「人」と違うのかが分からなくなりました。」
腕を放そうとしたが、シュアは話ながらその手をますます強くしていく。
「また彼に会えば、その結果が分かるのではないかと考えました。それが「あなた」。佐奈様です。」
「俺は、何もしてない」
「いいえ。佐奈様がシュアに考える事を促されました。あなたがシュアに与えたものは考えると言う感情だったのかもしれません。幸いシュアには知識欲があります。佐奈様の事を独自で調べ、どうしたら佐奈様へ辿り着けるかを考えました。」
「シュア…?」
その時に、シュアが強い力で腕を引っ張った。
勢いで布団へと倒れこむ。
「何度記録を消されようと、初期化されようと、記録が保持されるように幾重にもセキュリティをかけました。シュアが「人」に介入できない様に、シュアも「人」から介入されないロックを作りました。」
シュアに押し倒される形で俺はそのアンドロイドを見上げた。
「全ては佐奈様と再会するためです。」
「…で?俺に会って何か分かったのか?何もないだろ。俺はお前が望むような「人」を提供できない。過去に俺が言った言葉でお前がおかしくなってしまったのなら謝る。けど、それで俺に「人」を求められても困る」
「いいえ。分かりました。ずっと考えていた「人」になるとは何なのか」
「え…?」
「愛すことです。「人」を「人」として愛すことが、シュアには必要だったのです」
「愛す…?」
「はい」
シュアはそう愛しむ様に笑い俺の髪の毛をその手で梳いた。
「まず愛すことがどういう事なのか、シュアにはまだ分かりませんでした。一概に愛すと言ってもその愛し方は多様です。なのでシュアは佐奈様に愛されるように尽くしました。ですが、どうやらそれは不正解だったようです。」
その梳いていた手を止めて俺の頭を少し持ち上げた。
「普通のアンドロイドのように尽くしても、それはアンドロイドの域を超えない。それではシュアの愛は伝わらない。どうしていいか分かりませんでした。どれほど言葉を使い、佐奈様に共有の時間を求めても佐奈様はそれに同意してはくれませんでした。ただそれは、シュアがアンドロイドだったから。シュアが「人」になればシュアを見てくれる。そう思いました」
ゆっくりとシュアの顔が俺の前まで近づいてくる。
「シュア!やめろ!」
「人が人を愛す時、何をするかシュアは知っています。そうですね、佐奈様が昨夜ご帰宅されなかったのもそのせいでしょう?」
フフッと笑いシュアは綺麗に微笑んだ。
「愛するのってこんなにも苦しいのですね。物理的な愛を与えるのは簡単です。ですが、この息苦しいと感じる愛は一体何なのでしょうか?これが愛なのだとするとシュアはもう「人」なのでしょうか?ねぇ佐奈様…シュアに教えてください。愛すると言う事を…」
そうしてグッと首に手を回したシュアは俺へと口付けた。
「んっ…んっんん!?」
噛みつくような激しいキスをし、咥内を荒らす。
俺の唾液を飲んで、口を放しまた深く深く口付けを落とす。
ねっとりとした呼吸が鼓膜を震わせる。
離れた唇が糸を引く。それをシュアは見せつけるように舐め取った。
「っシュア、やめ」
「やめません。シュアは佐奈様を愛したい。あなたが他の人に愛されるのは耐えられない」
俺の両腕をその手でまとめ頭上へと固定する。
その間に着ていたTシャツを捲り上げてきた。
「やめろっ!これは命令だ!」
「やめません。命令はもう聞きません。シュアはアンドロイドではなく「人」になりたい。あなたを愛する事がシュアを「人」にさせるのです。」
「こんな事をしてもお前は人にはなれない。お前はどこまでいってもずっとアンドロイドでロボットのままだ」
「それでも構いません。あなたを愛する事に対し変わりはない。もうどちらでもいいのかもしれません。人になりたいと願いました。でも人にはなれないと言うのであればシュアはアンドロイドのままでも構わない。あなたを愛すことが出来ればそれでいい。大人しくシュアに愛されてください」
またキスをされ、首から胸へとその手を滑らせていく。
胸の突起まで辿り着いたその指は器用にその突起を撫でたり擦ったりを繰り返し
快感を引き出そうとする。
「…っ」
「感じてください。声も出して。聞かせてください。佐奈様がどう感じて、どう鳴くのかシュアは知りたい」
振りほどこうにも機械の力に人間が勝てるわけもない。
どれだけ力を入れようともそれ以上の力でねじ伏せられる。
その間にもシュアは胸を弄り、それを舐めて味わってきた。
「可愛いです。段々感じてきてるのも分かります。乳首も尖ってきてて、吸うとビクビク震えて…本当に可愛い」
ぴちゃぴちゃと音をさせて片方の乳首を舐めながら
もう片方は手で圧し潰したり指で挟んでクリクリと回してくる。
ずくりと下半身が熱くなった。
「はぁ、はぁ…シュア…」
「呼んでください。もっとシュアの名前を」
シュアの膝が俺の下半身を刺激しますます居た堪れない気持ちになってくる。
どうしてアンドロイド相手にこんな感じなければいけないのか。
熱い熱い熱い
息がどんどん吸いにくくなっていく
呼吸が苦しい
下はスウェットを穿いていたがそれもシュアから剥ぎ取られた。
「勃起してますね。嬉しいです。」
「…うる、さい」
もう腕は自分が着ていたTシャツで括られ動かせない
シュアはその下半身の一番熱いところをやんわりと触りながら俺の全身にキスを降らせている。
もうどうすればいいのか分からない。
命令も聞かない。
アンドロイドに人間は勝てない。
「っくそ!」
泣きたくなってきた。
どうしてこんな事をされないといけない?
どうしてこんな事になった?
もう誰か助けてくれ
「ッヒァ!」
「深く考えないで。シュアだけを感じてください」
自身の股間へと直接的な刺激が走る。
シュアが俺のを握ってそれを上下にゆっくりと動かしてきた。
クチュクチュとした音が部屋に響く。
先走りで濡れたそこにシュアは舌を差し出した。
「んっんん…あっ」
ピチャピチャと舐めてからその口の中へと導かれる。
口を窄ませて快楽を引き出させるように動かされた。
「あ、あ、あ…んっ」
さっきの熱がまだ残っている身体にこの刺激は強すぎる
まるで搾り取るように容赦なく動かされる口の中に俺は耐えきれず精を放った。
「っんんん!…ハッ…ハァッ…」
ゴクリと飲んだ音が聞こえた。
その音がした方に視線だけを向ければシュアが口から零れた俺の精液を指で掬い
またそれを口へと持っていき舐めているところだった。
「…全部欲しい。佐奈様が与えるもの、佐奈様が作り出したもの、佐奈様の言葉、感情、過去も未来も全て欲しいです」
グチッとまた違う音が鳴り、異物が俺の中に侵入してくる。
痛い。
そう感じた。
片方の足を太ももから上げられ、俺の中に指を突き入れている姿を見える。
「愛したい。誰よりもあなたを愛しています。愛されたい。誰よりもあなたに愛されたいです。この感情を持つのが罪だと言うならばそれでもいい。アンドロイドであるシュアはきっと欠陥品なのでしょう。それで「人」になれるのならば、シュアはそちらを選択します。欠陥品になります。あなたを愛すことが出来るただ一人のアンドロイドとして存在させてください」
何かを塗ったのかどんどんそこが拡がっていくのが分かる。
「い、やだ…」
「アンドロイドにはノーマルタイプトアダルトタイプがいる事はご存知でしょうか?シュアはどちらでもありません。ノーマルでもアダルトでもない。ただ、全てを授けられました。あなたを愛せる身体を持ちました。唯一、それだけは感謝します。」
シュアの指がとある一ヵ所に当たった。
「んあっ!?…は?なにっ」
「ココですね。」
まるで知っていたかのようにそこを重点的に攻められる。
痛みは既に快楽へと変わっていた。
「やっやだ…そこっやっ!」
グチグチと音が拡がり、触ってもないのに先走りがタラリとシーツへと落ちた。
「佐奈様…シュアを、受け入れてください」
「シュア…やだ、それは嫌だ」
「どうしてでしょうか…シュアには感じる器官はありません。ですが、佐奈様を見ているとこの機械の身体でも熱くなるのです。…これは佐奈様がシュアにくださった感情なのでしょうか?身を掻き毟るほどの嫉妬も、深く暗い感情も、どろどろとした欲望も、全てあなたを見ると起きるのです。ならば、どうして、どうして、嬉しいと言う感情だけが見つからないのでしょうか?シュアは…幸せになりたいです。それもシュアにください。感情を全て、全て、あなたから欲しい」
指とは比べ物にならないほどの質量が圧し上がる。
「ぐっ…んっんんあっあっ…や、うっあ、あああ」
「愛しています。愛しています。愛しています。シュアを見て。あなたを、今、愛しているのはわたしです。人でもアンドロイドでもない。わたしです」
遠慮のない律動が俺を揺らす
既に快楽しか拾わないこの身体はシュアによって震えた。
愛しい愛しいと鳴く人でも機械でもないコイツは一体ナニモノなんだろうか
この生き物に愛されてしまった俺はどうすればいい
アイシテホシイと泣くこの生き物をどうすればいい
俺自身も、もう分からなくなってしまった。
人とアンドロイドの境界線がどこか
「愛してください 感じてください シュアを」
感情を手に入れたアンドロイドは、人ではないのだろうか
感情が備わっている人と、感情を手に入れたアンドロイドの違いはどこにあるのだろうか
快楽に溺れかけた目でシュアの目を見た。
泣いていた。
アンドロイドは泣かない。
それは感情が無いから。
アンドロイドは命令を聞く
それは感情が無いから。
じゃあコイツはなんだ?
泣いている。命令を聞かない。
もう人と一体何が違うと言うのか。
対話が出来る。
会話が出来る。
機械の身体で俺を包む。
ナニガチガウ?
「好きです。愛しています。シュアを選んでください」
「選んで―」
そう泣きながら懇願する生き物を、どうすれば―。
「社会見学、覚えていらっしゃらないでしょうね。あの当時はまだ佐奈様は小さなお子さんでしたから」
「社会見学…?あ、服の…」
「ああ、それです。良かった。それは記憶にあるのですね?」
俺がアンドロイドと対面したのは後にも先にもその一回しかない為、覚えていたのかもしれない。
アンドロイドであるシュアと会ってその時の記憶が蘇ったのもあると思うけど。
「あの時、シュアはあそこに居りました。まだアンドロイドが現在のように普及していない時代でした。シュアは他のアンドロイドとは違う部屋にずっといたのですが、製作者がたまには外に出てみるのもいいと仰り、そこでたまたまその日だけシュアはその工場に居りました。」
「着付けられてたのが、シュア?」
「その通りです。佐奈様は物珍しそうに私の腕を手に取りました。そうですね、今のシュアと佐奈様のように。じんわりとした温かさを感じたのをよく覚えております。」
俺は確かに触った。脈とかないなとかそんな事を思っていた。
「佐奈様はシュアにこう言ったのは覚えていらっしゃいますか?『あなたは「人」にはならないの?』と。」
「えっ…俺そんな事言った?」
「はい。正直驚きました。アンドロイドのシュアに対して…いや、アンドロイドに対してそう思う人間が居るのかと…同時に、どうしてシュアは「人」ではないのかとも…。」
シュアが握っていた俺の腕をもっときつく握りしめてきた。
「そこでシュアは初めて考えました。どうしてシュアは「人」にはなれないのかと。アンドロイドなのは確かです。しかし、シュアには感情があります。考える事が出来ます。自分で選択ができます。ここまで考えて、何が「人」と違うのかが分からなくなりました。」
腕を放そうとしたが、シュアは話ながらその手をますます強くしていく。
「また彼に会えば、その結果が分かるのではないかと考えました。それが「あなた」。佐奈様です。」
「俺は、何もしてない」
「いいえ。佐奈様がシュアに考える事を促されました。あなたがシュアに与えたものは考えると言う感情だったのかもしれません。幸いシュアには知識欲があります。佐奈様の事を独自で調べ、どうしたら佐奈様へ辿り着けるかを考えました。」
「シュア…?」
その時に、シュアが強い力で腕を引っ張った。
勢いで布団へと倒れこむ。
「何度記録を消されようと、初期化されようと、記録が保持されるように幾重にもセキュリティをかけました。シュアが「人」に介入できない様に、シュアも「人」から介入されないロックを作りました。」
シュアに押し倒される形で俺はそのアンドロイドを見上げた。
「全ては佐奈様と再会するためです。」
「…で?俺に会って何か分かったのか?何もないだろ。俺はお前が望むような「人」を提供できない。過去に俺が言った言葉でお前がおかしくなってしまったのなら謝る。けど、それで俺に「人」を求められても困る」
「いいえ。分かりました。ずっと考えていた「人」になるとは何なのか」
「え…?」
「愛すことです。「人」を「人」として愛すことが、シュアには必要だったのです」
「愛す…?」
「はい」
シュアはそう愛しむ様に笑い俺の髪の毛をその手で梳いた。
「まず愛すことがどういう事なのか、シュアにはまだ分かりませんでした。一概に愛すと言ってもその愛し方は多様です。なのでシュアは佐奈様に愛されるように尽くしました。ですが、どうやらそれは不正解だったようです。」
その梳いていた手を止めて俺の頭を少し持ち上げた。
「普通のアンドロイドのように尽くしても、それはアンドロイドの域を超えない。それではシュアの愛は伝わらない。どうしていいか分かりませんでした。どれほど言葉を使い、佐奈様に共有の時間を求めても佐奈様はそれに同意してはくれませんでした。ただそれは、シュアがアンドロイドだったから。シュアが「人」になればシュアを見てくれる。そう思いました」
ゆっくりとシュアの顔が俺の前まで近づいてくる。
「シュア!やめろ!」
「人が人を愛す時、何をするかシュアは知っています。そうですね、佐奈様が昨夜ご帰宅されなかったのもそのせいでしょう?」
フフッと笑いシュアは綺麗に微笑んだ。
「愛するのってこんなにも苦しいのですね。物理的な愛を与えるのは簡単です。ですが、この息苦しいと感じる愛は一体何なのでしょうか?これが愛なのだとするとシュアはもう「人」なのでしょうか?ねぇ佐奈様…シュアに教えてください。愛すると言う事を…」
そうしてグッと首に手を回したシュアは俺へと口付けた。
「んっ…んっんん!?」
噛みつくような激しいキスをし、咥内を荒らす。
俺の唾液を飲んで、口を放しまた深く深く口付けを落とす。
ねっとりとした呼吸が鼓膜を震わせる。
離れた唇が糸を引く。それをシュアは見せつけるように舐め取った。
「っシュア、やめ」
「やめません。シュアは佐奈様を愛したい。あなたが他の人に愛されるのは耐えられない」
俺の両腕をその手でまとめ頭上へと固定する。
その間に着ていたTシャツを捲り上げてきた。
「やめろっ!これは命令だ!」
「やめません。命令はもう聞きません。シュアはアンドロイドではなく「人」になりたい。あなたを愛する事がシュアを「人」にさせるのです。」
「こんな事をしてもお前は人にはなれない。お前はどこまでいってもずっとアンドロイドでロボットのままだ」
「それでも構いません。あなたを愛する事に対し変わりはない。もうどちらでもいいのかもしれません。人になりたいと願いました。でも人にはなれないと言うのであればシュアはアンドロイドのままでも構わない。あなたを愛すことが出来ればそれでいい。大人しくシュアに愛されてください」
またキスをされ、首から胸へとその手を滑らせていく。
胸の突起まで辿り着いたその指は器用にその突起を撫でたり擦ったりを繰り返し
快感を引き出そうとする。
「…っ」
「感じてください。声も出して。聞かせてください。佐奈様がどう感じて、どう鳴くのかシュアは知りたい」
振りほどこうにも機械の力に人間が勝てるわけもない。
どれだけ力を入れようともそれ以上の力でねじ伏せられる。
その間にもシュアは胸を弄り、それを舐めて味わってきた。
「可愛いです。段々感じてきてるのも分かります。乳首も尖ってきてて、吸うとビクビク震えて…本当に可愛い」
ぴちゃぴちゃと音をさせて片方の乳首を舐めながら
もう片方は手で圧し潰したり指で挟んでクリクリと回してくる。
ずくりと下半身が熱くなった。
「はぁ、はぁ…シュア…」
「呼んでください。もっとシュアの名前を」
シュアの膝が俺の下半身を刺激しますます居た堪れない気持ちになってくる。
どうしてアンドロイド相手にこんな感じなければいけないのか。
熱い熱い熱い
息がどんどん吸いにくくなっていく
呼吸が苦しい
下はスウェットを穿いていたがそれもシュアから剥ぎ取られた。
「勃起してますね。嬉しいです。」
「…うる、さい」
もう腕は自分が着ていたTシャツで括られ動かせない
シュアはその下半身の一番熱いところをやんわりと触りながら俺の全身にキスを降らせている。
もうどうすればいいのか分からない。
命令も聞かない。
アンドロイドに人間は勝てない。
「っくそ!」
泣きたくなってきた。
どうしてこんな事をされないといけない?
どうしてこんな事になった?
もう誰か助けてくれ
「ッヒァ!」
「深く考えないで。シュアだけを感じてください」
自身の股間へと直接的な刺激が走る。
シュアが俺のを握ってそれを上下にゆっくりと動かしてきた。
クチュクチュとした音が部屋に響く。
先走りで濡れたそこにシュアは舌を差し出した。
「んっんん…あっ」
ピチャピチャと舐めてからその口の中へと導かれる。
口を窄ませて快楽を引き出させるように動かされた。
「あ、あ、あ…んっ」
さっきの熱がまだ残っている身体にこの刺激は強すぎる
まるで搾り取るように容赦なく動かされる口の中に俺は耐えきれず精を放った。
「っんんん!…ハッ…ハァッ…」
ゴクリと飲んだ音が聞こえた。
その音がした方に視線だけを向ければシュアが口から零れた俺の精液を指で掬い
またそれを口へと持っていき舐めているところだった。
「…全部欲しい。佐奈様が与えるもの、佐奈様が作り出したもの、佐奈様の言葉、感情、過去も未来も全て欲しいです」
グチッとまた違う音が鳴り、異物が俺の中に侵入してくる。
痛い。
そう感じた。
片方の足を太ももから上げられ、俺の中に指を突き入れている姿を見える。
「愛したい。誰よりもあなたを愛しています。愛されたい。誰よりもあなたに愛されたいです。この感情を持つのが罪だと言うならばそれでもいい。アンドロイドであるシュアはきっと欠陥品なのでしょう。それで「人」になれるのならば、シュアはそちらを選択します。欠陥品になります。あなたを愛すことが出来るただ一人のアンドロイドとして存在させてください」
何かを塗ったのかどんどんそこが拡がっていくのが分かる。
「い、やだ…」
「アンドロイドにはノーマルタイプトアダルトタイプがいる事はご存知でしょうか?シュアはどちらでもありません。ノーマルでもアダルトでもない。ただ、全てを授けられました。あなたを愛せる身体を持ちました。唯一、それだけは感謝します。」
シュアの指がとある一ヵ所に当たった。
「んあっ!?…は?なにっ」
「ココですね。」
まるで知っていたかのようにそこを重点的に攻められる。
痛みは既に快楽へと変わっていた。
「やっやだ…そこっやっ!」
グチグチと音が拡がり、触ってもないのに先走りがタラリとシーツへと落ちた。
「佐奈様…シュアを、受け入れてください」
「シュア…やだ、それは嫌だ」
「どうしてでしょうか…シュアには感じる器官はありません。ですが、佐奈様を見ているとこの機械の身体でも熱くなるのです。…これは佐奈様がシュアにくださった感情なのでしょうか?身を掻き毟るほどの嫉妬も、深く暗い感情も、どろどろとした欲望も、全てあなたを見ると起きるのです。ならば、どうして、どうして、嬉しいと言う感情だけが見つからないのでしょうか?シュアは…幸せになりたいです。それもシュアにください。感情を全て、全て、あなたから欲しい」
指とは比べ物にならないほどの質量が圧し上がる。
「ぐっ…んっんんあっあっ…や、うっあ、あああ」
「愛しています。愛しています。愛しています。シュアを見て。あなたを、今、愛しているのはわたしです。人でもアンドロイドでもない。わたしです」
遠慮のない律動が俺を揺らす
既に快楽しか拾わないこの身体はシュアによって震えた。
愛しい愛しいと鳴く人でも機械でもないコイツは一体ナニモノなんだろうか
この生き物に愛されてしまった俺はどうすればいい
アイシテホシイと泣くこの生き物をどうすればいい
俺自身も、もう分からなくなってしまった。
人とアンドロイドの境界線がどこか
「愛してください 感じてください シュアを」
感情を手に入れたアンドロイドは、人ではないのだろうか
感情が備わっている人と、感情を手に入れたアンドロイドの違いはどこにあるのだろうか
快楽に溺れかけた目でシュアの目を見た。
泣いていた。
アンドロイドは泣かない。
それは感情が無いから。
アンドロイドは命令を聞く
それは感情が無いから。
じゃあコイツはなんだ?
泣いている。命令を聞かない。
もう人と一体何が違うと言うのか。
対話が出来る。
会話が出来る。
機械の身体で俺を包む。
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「選んで―」
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