ハート オール デスゲーム／宇宙から来たロボットに拠る地球侵略

第十九 体育館に集合・説明なし その七

「別々に逃げよう」

少女「はい」

少女は西側に逃げたので、俺は東側へ移動する。

映画であったな。

古代遺跡の罠で巨大な岩が転がってくるの。

時計はかなりのスピードで転がっている。

直径は２メートルを確実に超えている。

そうか、遠くにあったから、大きくは感じなかったんだ。

信号機も間近で見ると結構デカいしな。

ボーリング場の屋上のピンも、実際は相当に大きい代物だし。

どうにか、時計とは充分に距離を取れた。

あの子は無事か？

転がる時計は、ホワイトボード、バケツ、荷物、
ぬいぐるみ、俺、少女を避けて進んだ。

まるで自らに意思があって避けているようにも見えた。

時計はそのまま進み、北側の壁に到着。

まさか、戻ってこないよな。

予想に反して、時計は壁を登り始めた。

いやいや、おかしい。

完全に物理法則に反している。

時計はそのまま登り続け、天井に到達。

重力や万有引力はどうなってんの？

ここが地球じゃないから関係ないのか？

そんな訳は無い。

そうなら、俺達も空中に浮かんでいる事になる筈。

時計は天井を転がっている。

振動で天井に挟まっていたボールが三つとも落下した。

振動の衝撃でスプリンクラーが作動している。