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本編
5.家族だと思ってほしいと言う人達
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彼女の手を握っているその手に、彼女を抱き起こしているその手に。二人の男の手に、力がこもった。
「私は君の父親だと言ったら、信じてくれるかな?」
手を握っている方の男が、彼女にそう聞いてくる。勿論彼女は、首を横に振った。信じられるわけがないからだ。
「……そうか」
男は、悲しそうに笑う。
「教えてくれるかい? 君を閉じ込めていたあの男達は、君の本当の家族についてどう話していたのかな?」
どうして、彼はそれを知りたがっているのだろう。疑問には思うものの、彼女は素直に答えた。
実の両親には捨てられた。
それを拾ったのがあの家族だった。
何度も何度も、あの男に言い聞かせられていたことをそのままに。
そうすればまた、彼女の体に触れていた二人の男の手に力がこもる。それこそ、痛みを感じる程に。
「あの……」
「ああ、すまない。なんでもないよ」
手を握る方の男の手は少しばかり緩んだけれど、抱き起こしている方の男の手は力が緩む様子はない。ずっと険しい顔をして俯き、唇を噛んでいる。
「私はデイビッド・ルヴェール。そっちの男はジュード・クラークといってね。王宮で医師として働いていて、今回君の主治医となってくれる」
「デイビッド様、と……ジュード様……?」
中高年の男がデイビッド。彼女より少し年上らしい若い男がジュード。まだ視界はぼんやりとしているけれど、間違えはしないだろう。
「わたし、は……マインとよばれてました」
そうだ。あの家族や使用人達からはそう呼ばれていた。しかしやっぱり、その名前を自分から名乗るのは違和感があって。
「マイン……ね……」
デイビッドの眉が、僅かに寄った。微笑んでいるようで、その目は一切笑っていない。視界の端でジュードも思い切り顔をしかめる気配がした。
「君は、ここでもその名前で呼ばれたいかな?」
「え……? あの……それは……」
そう言われれば、答えはNOだ。〝マイン〟と呼ばれていた日々は、あまりいい思い出がないから。
言い淀んで首を横に振れば、デイビッドは優しく笑う。
「では、私達は〝リリィ〟と呼ばせてほしい」
「リリィ……」
そういえば彼らはずっと、彼女のことを〝リリィ〟と呼んでいた。どうしてその名前なのかは、彼女にはわからない。
「それでも、だいじょうぶです……」
「ありがとう」
デイビッドは、嬉しそうに笑った。その理由はやっぱり彼女……リリィには、わからない。
「わたしは……これから、どうすれば……?」
「まず体を治さないことには、何をどうすることも出来ないからね。今は何も考えず、ゆっくり休んでほしい」
元気になったらその後は、一体何をされるんだろう。警戒してしまうのは、リリィにとっては仕方のないことだった。そんな彼女を見て、デイビッドは困ったように笑うだけで。
「困ったことがあればなんでも言ってくれていいからね。この屋敷にいる人間は、皆家族だと思ってほしい」
「か、ぞく……」
〝家族〟という言葉にあまりいい印象を持てなかったのは、あの男がしょっちゅう言っていた言葉でもあったからだろうか。
少しではあるものの視線を逸らしたリリィの頭を、デイビッドがそっと撫でる。その手は、やっぱり温かい。
「ジュード、彼女を診てあげてはくれないかな? …………ジュード?」
デイビッドの言葉にジュードは何も答えなかった。ただ顔を歪めて俯いて、強く唇を噛んだまま黙っているだけで。何かに怒っているらしいその表情に、リリィは思わず身を固めた。
「ジュード。私も同じ気持ちさ。でもほら、ここでは控えてくれないとリリィが怯えてしまうよ」
彼女の様子にいち早く気付いたデイビッドが窘めれば、彼はハッと我に返り……それでもだいぶん険しい表情ではあるけれど……頷いた。
「……はい。申し訳ありません」
「わかってくれればいいんだよ。それに言ったろう? 私も同じ気持ちだと」
そういうデイビッドの目は、やはり笑ってはいなかった。
~*~*~*~
目が覚めたとはいえまだ体力も戻っていないからか、ジュードの診察が終わった後でリリィはすぐにまた眠ってしまった。
栄養失調からくる諸症状に、虐待を受けたことによる怪我や打撲。それらはこれから規則正しい生活を送らせてやれば治ってくるだろうけれど、しかし問題はそれ以外の見えない傷である。
「なんとまあとんでもないことをしてくれたな、あの男爵は」
起きていた彼女の前では見せなかった怒りを、デイビッドは初めて顕にさせた。
「聞いたかい、ジュード。鉱山だなんて、随分と大層な名前を私の娘につけてくれたじゃないか」
どうしてそんな名前で呼ばれていたか、すぐに理解出来た。そして、あの男爵が彼女をどう扱っていたのかも。自分達に向けられた、あの怯えや恐怖や警戒が入り交じった瞳が忘れられなかった。
「……一人の仕業ではないでしょう。鞭の跡も、打撲痕も、それぞれの癖や利き手が違いました」
「そうか。では使用人達も関わっているのだろうね。人身売買や横領には関わっていないだろうと、王国警察隊は見逃してしまったらしいけれど失敗だったね」
事が全て発覚してしまった今、捕らえる以外の選択肢はないだろう。
「診断書は書けるかな? 隊長殿に提出しなければ」
「はい、早急に」
一人残らず逃すことは許されないだろう。もしかしたら、大陸の端から端まで、草の根掻き分けてでも捜させるかもしれない。なんせ彼は、王国でも有名なルヴェール公爵家の当主なのだから。
そんなデイビッドは一度怒り顔をおさめると、少しだけ寂しそうな顔をジュードへと向ける。
「リリィの傍に付きっきりでいてくれるのは有難いけれどね、君も休んでいいんだよ? 疲れているし、精神的なダメージがないわけではないだろう。リリィは私達のことだけでなく、君のこともすっかりと忘れてしまっていた」
ショックでないわけがないのだ、彼だって。
ジュードの視線はデイビッドに向かずにずっとリリィの方へと向きっぱなしだったし、その手はずっとリリィの手を握っていた。
「いえ、俺は……」
どうやら彼はまだ、彼女の傍を離れる気はないらしい。
(ああ、これは……彼にとっても随分と、トラウマになってしまっていたようだ)
仕方ない、とは思う。リリィの行方がわからなくなってしまった時、ジュードは彼女の一番近くにいたはずなのだから。それでようやく帰ってきたと思ったら、こんな凄惨な姿で。
「では頼んだよ。しかし無理は禁物だ。君が倒れてしまっては、リリィの記憶が戻った時に彼女が悲しむ。もう彼女に、悲しみの涙は流させないでくれ」
「……はい。それは、わかっています」
本当かなぁと、デイビッドは内心笑った。
しかしまあ、ジュードだって王国一の腕を持っている医者だ。自分の限界はわかっているだろうし、それを超える愚かな真似はしないだろう。
「私は妻の様子を見てくるよ」
デイビッドの妻は、リリィが戻ってきた日以降床に伏せっているのだ。まあそれも、無理のない話だ。
「長い間捜し続けていた愛娘がこんな姿にされて帰ってきたんだ、仕方がないさ」
「具合は……?」
ジュードはここでようやくリリィから視線を外し、デイビッドの方を見た。
「食事も睡眠もとれているけれど、やはり元気はないよ。大丈夫だと言ってはいるけれどね、彼女はそうして我慢をしてしまう人だから」
デイビッドはその経歴からルヴェール公爵家の当主としても有名ではあるけれど、またそれと同時に王国一の愛妻家としても有名だった。
「……気休めにしかならないとは思いますが、鎮静作用のある薬草やハーブを調合したものを届けさせましょうか?」
「いいのかい? お願いするよ」
しかしそれも本当に、気休めにしかならないのだろう。リリィが回復しないことには、彼女も良くはなってくれない。
「では、また何かあったら呼んでくれ」
そう言ったデイビッドがリリィの部屋を去る寸前。閉まりかけた扉の隙間で、悲しげな彼の目が自身の愛娘を見つめていた。
ショックを受けているのは、彼も同じだったろうに。
「私は君の父親だと言ったら、信じてくれるかな?」
手を握っている方の男が、彼女にそう聞いてくる。勿論彼女は、首を横に振った。信じられるわけがないからだ。
「……そうか」
男は、悲しそうに笑う。
「教えてくれるかい? 君を閉じ込めていたあの男達は、君の本当の家族についてどう話していたのかな?」
どうして、彼はそれを知りたがっているのだろう。疑問には思うものの、彼女は素直に答えた。
実の両親には捨てられた。
それを拾ったのがあの家族だった。
何度も何度も、あの男に言い聞かせられていたことをそのままに。
そうすればまた、彼女の体に触れていた二人の男の手に力がこもる。それこそ、痛みを感じる程に。
「あの……」
「ああ、すまない。なんでもないよ」
手を握る方の男の手は少しばかり緩んだけれど、抱き起こしている方の男の手は力が緩む様子はない。ずっと険しい顔をして俯き、唇を噛んでいる。
「私はデイビッド・ルヴェール。そっちの男はジュード・クラークといってね。王宮で医師として働いていて、今回君の主治医となってくれる」
「デイビッド様、と……ジュード様……?」
中高年の男がデイビッド。彼女より少し年上らしい若い男がジュード。まだ視界はぼんやりとしているけれど、間違えはしないだろう。
「わたし、は……マインとよばれてました」
そうだ。あの家族や使用人達からはそう呼ばれていた。しかしやっぱり、その名前を自分から名乗るのは違和感があって。
「マイン……ね……」
デイビッドの眉が、僅かに寄った。微笑んでいるようで、その目は一切笑っていない。視界の端でジュードも思い切り顔をしかめる気配がした。
「君は、ここでもその名前で呼ばれたいかな?」
「え……? あの……それは……」
そう言われれば、答えはNOだ。〝マイン〟と呼ばれていた日々は、あまりいい思い出がないから。
言い淀んで首を横に振れば、デイビッドは優しく笑う。
「では、私達は〝リリィ〟と呼ばせてほしい」
「リリィ……」
そういえば彼らはずっと、彼女のことを〝リリィ〟と呼んでいた。どうしてその名前なのかは、彼女にはわからない。
「それでも、だいじょうぶです……」
「ありがとう」
デイビッドは、嬉しそうに笑った。その理由はやっぱり彼女……リリィには、わからない。
「わたしは……これから、どうすれば……?」
「まず体を治さないことには、何をどうすることも出来ないからね。今は何も考えず、ゆっくり休んでほしい」
元気になったらその後は、一体何をされるんだろう。警戒してしまうのは、リリィにとっては仕方のないことだった。そんな彼女を見て、デイビッドは困ったように笑うだけで。
「困ったことがあればなんでも言ってくれていいからね。この屋敷にいる人間は、皆家族だと思ってほしい」
「か、ぞく……」
〝家族〟という言葉にあまりいい印象を持てなかったのは、あの男がしょっちゅう言っていた言葉でもあったからだろうか。
少しではあるものの視線を逸らしたリリィの頭を、デイビッドがそっと撫でる。その手は、やっぱり温かい。
「ジュード、彼女を診てあげてはくれないかな? …………ジュード?」
デイビッドの言葉にジュードは何も答えなかった。ただ顔を歪めて俯いて、強く唇を噛んだまま黙っているだけで。何かに怒っているらしいその表情に、リリィは思わず身を固めた。
「ジュード。私も同じ気持ちさ。でもほら、ここでは控えてくれないとリリィが怯えてしまうよ」
彼女の様子にいち早く気付いたデイビッドが窘めれば、彼はハッと我に返り……それでもだいぶん険しい表情ではあるけれど……頷いた。
「……はい。申し訳ありません」
「わかってくれればいいんだよ。それに言ったろう? 私も同じ気持ちだと」
そういうデイビッドの目は、やはり笑ってはいなかった。
~*~*~*~
目が覚めたとはいえまだ体力も戻っていないからか、ジュードの診察が終わった後でリリィはすぐにまた眠ってしまった。
栄養失調からくる諸症状に、虐待を受けたことによる怪我や打撲。それらはこれから規則正しい生活を送らせてやれば治ってくるだろうけれど、しかし問題はそれ以外の見えない傷である。
「なんとまあとんでもないことをしてくれたな、あの男爵は」
起きていた彼女の前では見せなかった怒りを、デイビッドは初めて顕にさせた。
「聞いたかい、ジュード。鉱山だなんて、随分と大層な名前を私の娘につけてくれたじゃないか」
どうしてそんな名前で呼ばれていたか、すぐに理解出来た。そして、あの男爵が彼女をどう扱っていたのかも。自分達に向けられた、あの怯えや恐怖や警戒が入り交じった瞳が忘れられなかった。
「……一人の仕業ではないでしょう。鞭の跡も、打撲痕も、それぞれの癖や利き手が違いました」
「そうか。では使用人達も関わっているのだろうね。人身売買や横領には関わっていないだろうと、王国警察隊は見逃してしまったらしいけれど失敗だったね」
事が全て発覚してしまった今、捕らえる以外の選択肢はないだろう。
「診断書は書けるかな? 隊長殿に提出しなければ」
「はい、早急に」
一人残らず逃すことは許されないだろう。もしかしたら、大陸の端から端まで、草の根掻き分けてでも捜させるかもしれない。なんせ彼は、王国でも有名なルヴェール公爵家の当主なのだから。
そんなデイビッドは一度怒り顔をおさめると、少しだけ寂しそうな顔をジュードへと向ける。
「リリィの傍に付きっきりでいてくれるのは有難いけれどね、君も休んでいいんだよ? 疲れているし、精神的なダメージがないわけではないだろう。リリィは私達のことだけでなく、君のこともすっかりと忘れてしまっていた」
ショックでないわけがないのだ、彼だって。
ジュードの視線はデイビッドに向かずにずっとリリィの方へと向きっぱなしだったし、その手はずっとリリィの手を握っていた。
「いえ、俺は……」
どうやら彼はまだ、彼女の傍を離れる気はないらしい。
(ああ、これは……彼にとっても随分と、トラウマになってしまっていたようだ)
仕方ない、とは思う。リリィの行方がわからなくなってしまった時、ジュードは彼女の一番近くにいたはずなのだから。それでようやく帰ってきたと思ったら、こんな凄惨な姿で。
「では頼んだよ。しかし無理は禁物だ。君が倒れてしまっては、リリィの記憶が戻った時に彼女が悲しむ。もう彼女に、悲しみの涙は流させないでくれ」
「……はい。それは、わかっています」
本当かなぁと、デイビッドは内心笑った。
しかしまあ、ジュードだって王国一の腕を持っている医者だ。自分の限界はわかっているだろうし、それを超える愚かな真似はしないだろう。
「私は妻の様子を見てくるよ」
デイビッドの妻は、リリィが戻ってきた日以降床に伏せっているのだ。まあそれも、無理のない話だ。
「長い間捜し続けていた愛娘がこんな姿にされて帰ってきたんだ、仕方がないさ」
「具合は……?」
ジュードはここでようやくリリィから視線を外し、デイビッドの方を見た。
「食事も睡眠もとれているけれど、やはり元気はないよ。大丈夫だと言ってはいるけれどね、彼女はそうして我慢をしてしまう人だから」
デイビッドはその経歴からルヴェール公爵家の当主としても有名ではあるけれど、またそれと同時に王国一の愛妻家としても有名だった。
「……気休めにしかならないとは思いますが、鎮静作用のある薬草やハーブを調合したものを届けさせましょうか?」
「いいのかい? お願いするよ」
しかしそれも本当に、気休めにしかならないのだろう。リリィが回復しないことには、彼女も良くはなってくれない。
「では、また何かあったら呼んでくれ」
そう言ったデイビッドがリリィの部屋を去る寸前。閉まりかけた扉の隙間で、悲しげな彼の目が自身の愛娘を見つめていた。
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