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7.悲しき愛の誤解
レスター王子の従者
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舞踏会が終わって、二日目のことだった。
近頃ではいつもそうしているように、クリスティーナはレスターの選んでくれたドレスに身を通していた。そんな中、クリスティーナはその日の午後、思いがけない贈り物の山を受け取ることとなった。
(まあ……。確か、この方は……)
その日、クリスティーナの寝室を訪れたのは、たくさんの侍女たちを連れた、レスターの若き従者だった。
名前まではわからないが、クリスティーナも彼の顔を見知っている。初めてレスターと謁見した際にもそばにつき従っていたし、先日の舞踏会への先導も確かこの従者が務めていたはずだ。
声もなく彼らを見つめているクリスティーナの目の前で、従者に率いられた侍女たちが、愛らしく輝く色とりどりの本繻子のリボンがかけられたたくさんの贈り物の箱を運び込んできた。
あっという間にクリスティーナの寝室は、贈り物の山で埋め尽くされてしまった。
その奥に、まるで宝物のようにして光り輝く真っ白なドレスが飾られる――。レスターがクリスティーナの肌に合わせて選んでくれた、あのダイアモンドのネックレスに、揃いのイヤリングとティアラも天鵞絨の箱から取り出され、クリスティーナの視線いっぱいに光を放つようにしてまるで夢のようにきらきらと輝いていた。
優しい魔女が灰被りにかけた魔法のような光景が目の前で繰り広げられ、クリスティーナはただただ声を失っていた。
ようやく贈り物の箱がすべて開き、眩いばかりの宝石やドレスや花束に目が慣れてくると――。
クリスティーナは、声を出すことを何年か振りに思い出したかのようにして、小さな声で口の中で呟いた。
「こ、これはいったい……?」
すると、クリスティーナの小さな呟き声を聞きつけたのか、あのレスターの若き従者がクリスティーナの方へ向き直った。
彼は、充分にクリスティーナと距離を取ったまま深く頭を下げた。
「長らくお待たせしてしまいましたが、ようやくあなたに合わせて作らせたウェディングドレスや宝石が出来上がりましたので、一刻も早くあなたにお見せしたいとの殿下の命令のもと、お届けに参りました。じきに殿下もこちらへいらっしゃるとは思いますが、今日は少々大事な会議が入っておりまして、僭越ながらこのわたしが殿下の代役を務めさせていただきます」
清らかな純白に輝く眩いウェディングドレスに目を奪われたまま、従者の青年の方を見ることもできずにクリスティーナは呆然としていた。
「で、ですが、他にもドレスや宝石がたくさん……。それに、お花も……。わ、わたし、お花は今でもたくさんバルコニーに飾っていただいておりますのに」
思わず、クリスティーナは呟いていた。
いくらレスターに『もう充分だからやめてくれ』と頼んでも、彼はバルコニーを美しい花で飾るのをやめなかった。
それどころか、クリスティーナと会話をしたりその目の先を追ったりして、好みの花を推測しては探り当て、日々バルコニーはクリスティーナの好む色に染まっていく。
「殿下は、あなたを喜ばせることに関しては余念がないのです。どうか、お受け取りください。あなたがこの贈り物たちを受け取ってくださるだけで、我が殿下は幸せなのです」
若き従者は、クリスティーナの姿をその目で見ようとはせず、顔を伏せたままで言った。
レスターをよく知っているようなその口調に、クリスティーナはようやく贈り物の数々から目を離し、視線を床に伏せたままの従者の男を見た。
「あ、あなたは、レスター様とはお親しいのですか?」
そう訊くと、従者は軽く顎を引いて頷いた。
「あの方がまだ少年だった頃からお仕えさせていただいております。もっとも、このパルセノス王宮にはそういった者が何人も入っておりますが。誰もみな殿下を慕い、エルザス王国からこの国にともに付き従ってきた者ばかりです」
「そうなのですね……」
レスターが、自国の者たちにも慕われていると知り、クリスティーナの胸は嬉しさで温かくなった。
彼が褒められているのを聞くと、なぜだか自分のことを褒められているかのように嬉しかった。もっとも、クリスティーナには褒められた経験などほとんどないのだけれど。
「レスター様は、お優しい方ですもの。たくさんの方に信頼され、慕われるのも当然なのでしょうね」
思わずそう呟くと、若き従者はどこか苦笑しているかのような声で答えた。
「ええ……。ですが、あなたのこととなると――。すでに結婚して子もあり、幼友達のように育ったこのわたしでさえも、全幅のご信頼はいただけません。今日も、あなたのそばには決して近づくなと強く命じられております。その上、こうしてたくさんの監視役まで引き連れさせられて……。困ったものです」
「え……?」
どういうことだろうと、クリスティーナは頭を下げたままの若き従者を見た。
そういえば、彼の連れてきた侍女たちは、まるで取り巻くようにしてそこかしこに立ち、会話をしているクリスティーナたちに視線を送っているようだ。
その不自然な視線に首を傾げつつも、クリスティーナは従者に訊いた。
「もしかしてそれは、わたしのせいなのでしょうか……? それなら、本当に申し訳ないのですが……」
「いいえ、違います。どうか、間違っても殿下にそのようなことはおっしゃらないでください。クリスティーナ様。少しでも行き違いが生じれば、この場にいるわたしたち全員の首が飛びかねません」
「!」
まだ苦笑するような口調で告げられた従者の言葉に、クリスティーナは目をまん丸くした。
首が飛ぶというのは、職を失うということだろうか。まさか、文字通りの意味ではないとは思うが――。
何がいけないのかわからないままに、クリスティーナは急いで頷いた。
「わ、わかりました。気をつけます」
「お優しいお心遣い、感謝いたします」
その声は、今までとは違い、苦笑ではなく温かな笑いを含むようなものだった。
少し雰囲気の柔らかくなった彼に安心し、クリスティーナは意を決して彼に質問してみることにした。
「あの……。ちょっとお聞きしたいことがあるのですが……。どうしてレスター様がわたしにこんなことをしてくださるのか、あなたにはわかりますか?」
すると、その問いに一拍置いて、頭を垂れた若者は虚を衝かれたような声を発した。
「……と、申しますと……?」
訝しげな声にびくびくとしながらも、クリスティーナは一生懸命に続けた。
レスターをよく知るこの優しそうな従者なら、きっと答えを教えてくれるに違いない。
「ごめんなさい。わたしには、なぜあの方がこんなにもわたしによくしてくださるのか、よく理解ができなくて。何度お止めしても、レスター様はたくさんわたしに優しくしてくださいます。だから、どうしたらいいのかわからなくなってしまって……。困っているんです」
「……」
クリスティーナの言葉に、その従者はしばらく沈黙していた。
侍女たちは、先刻から気配どころか呼吸までもを押し殺しているかのように、音も立てずにじっとしている。
沈黙に耐えきれずに、クリスティーナは自分から答えを出してしまおうとした。
「や、やっぱり同情してくださっているのですよね。すみません。レスター様があまりにお優しくて、同情から来るお心遣いがわたしの手には余るほどに深く大きくて、どうしたらいいのかわからなくなってしまって。でも、これ以上の同情をいただくことはできないとどうお伝えすればわかっていただけるか、できれば教えてほしく思っているのですが……」
「……いいえ、クリスティーナ様。それは違います」
---
ここまでお読みくださって、本当にありがとうございます!
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また、エールを新たにくださった方、ありがとうございます…!
本当に嬉しいです。
5/26~次作もアップ開始予定ですので、ぜひ読んでみてください!
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名前まではわからないが、クリスティーナも彼の顔を見知っている。初めてレスターと謁見した際にもそばにつき従っていたし、先日の舞踏会への先導も確かこの従者が務めていたはずだ。
声もなく彼らを見つめているクリスティーナの目の前で、従者に率いられた侍女たちが、愛らしく輝く色とりどりの本繻子のリボンがかけられたたくさんの贈り物の箱を運び込んできた。
あっという間にクリスティーナの寝室は、贈り物の山で埋め尽くされてしまった。
その奥に、まるで宝物のようにして光り輝く真っ白なドレスが飾られる――。レスターがクリスティーナの肌に合わせて選んでくれた、あのダイアモンドのネックレスに、揃いのイヤリングとティアラも天鵞絨の箱から取り出され、クリスティーナの視線いっぱいに光を放つようにしてまるで夢のようにきらきらと輝いていた。
優しい魔女が灰被りにかけた魔法のような光景が目の前で繰り広げられ、クリスティーナはただただ声を失っていた。
ようやく贈り物の箱がすべて開き、眩いばかりの宝石やドレスや花束に目が慣れてくると――。
クリスティーナは、声を出すことを何年か振りに思い出したかのようにして、小さな声で口の中で呟いた。
「こ、これはいったい……?」
すると、クリスティーナの小さな呟き声を聞きつけたのか、あのレスターの若き従者がクリスティーナの方へ向き直った。
彼は、充分にクリスティーナと距離を取ったまま深く頭を下げた。
「長らくお待たせしてしまいましたが、ようやくあなたに合わせて作らせたウェディングドレスや宝石が出来上がりましたので、一刻も早くあなたにお見せしたいとの殿下の命令のもと、お届けに参りました。じきに殿下もこちらへいらっしゃるとは思いますが、今日は少々大事な会議が入っておりまして、僭越ながらこのわたしが殿下の代役を務めさせていただきます」
清らかな純白に輝く眩いウェディングドレスに目を奪われたまま、従者の青年の方を見ることもできずにクリスティーナは呆然としていた。
「で、ですが、他にもドレスや宝石がたくさん……。それに、お花も……。わ、わたし、お花は今でもたくさんバルコニーに飾っていただいておりますのに」
思わず、クリスティーナは呟いていた。
いくらレスターに『もう充分だからやめてくれ』と頼んでも、彼はバルコニーを美しい花で飾るのをやめなかった。
それどころか、クリスティーナと会話をしたりその目の先を追ったりして、好みの花を推測しては探り当て、日々バルコニーはクリスティーナの好む色に染まっていく。
「殿下は、あなたを喜ばせることに関しては余念がないのです。どうか、お受け取りください。あなたがこの贈り物たちを受け取ってくださるだけで、我が殿下は幸せなのです」
若き従者は、クリスティーナの姿をその目で見ようとはせず、顔を伏せたままで言った。
レスターをよく知っているようなその口調に、クリスティーナはようやく贈り物の数々から目を離し、視線を床に伏せたままの従者の男を見た。
「あ、あなたは、レスター様とはお親しいのですか?」
そう訊くと、従者は軽く顎を引いて頷いた。
「あの方がまだ少年だった頃からお仕えさせていただいております。もっとも、このパルセノス王宮にはそういった者が何人も入っておりますが。誰もみな殿下を慕い、エルザス王国からこの国にともに付き従ってきた者ばかりです」
「そうなのですね……」
レスターが、自国の者たちにも慕われていると知り、クリスティーナの胸は嬉しさで温かくなった。
彼が褒められているのを聞くと、なぜだか自分のことを褒められているかのように嬉しかった。もっとも、クリスティーナには褒められた経験などほとんどないのだけれど。
「レスター様は、お優しい方ですもの。たくさんの方に信頼され、慕われるのも当然なのでしょうね」
思わずそう呟くと、若き従者はどこか苦笑しているかのような声で答えた。
「ええ……。ですが、あなたのこととなると――。すでに結婚して子もあり、幼友達のように育ったこのわたしでさえも、全幅のご信頼はいただけません。今日も、あなたのそばには決して近づくなと強く命じられております。その上、こうしてたくさんの監視役まで引き連れさせられて……。困ったものです」
「え……?」
どういうことだろうと、クリスティーナは頭を下げたままの若き従者を見た。
そういえば、彼の連れてきた侍女たちは、まるで取り巻くようにしてそこかしこに立ち、会話をしているクリスティーナたちに視線を送っているようだ。
その不自然な視線に首を傾げつつも、クリスティーナは従者に訊いた。
「もしかしてそれは、わたしのせいなのでしょうか……? それなら、本当に申し訳ないのですが……」
「いいえ、違います。どうか、間違っても殿下にそのようなことはおっしゃらないでください。クリスティーナ様。少しでも行き違いが生じれば、この場にいるわたしたち全員の首が飛びかねません」
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「お優しいお心遣い、感謝いたします」
その声は、今までとは違い、苦笑ではなく温かな笑いを含むようなものだった。
少し雰囲気の柔らかくなった彼に安心し、クリスティーナは意を決して彼に質問してみることにした。
「あの……。ちょっとお聞きしたいことがあるのですが……。どうしてレスター様がわたしにこんなことをしてくださるのか、あなたにはわかりますか?」
すると、その問いに一拍置いて、頭を垂れた若者は虚を衝かれたような声を発した。
「……と、申しますと……?」
訝しげな声にびくびくとしながらも、クリスティーナは一生懸命に続けた。
レスターをよく知るこの優しそうな従者なら、きっと答えを教えてくれるに違いない。
「ごめんなさい。わたしには、なぜあの方がこんなにもわたしによくしてくださるのか、よく理解ができなくて。何度お止めしても、レスター様はたくさんわたしに優しくしてくださいます。だから、どうしたらいいのかわからなくなってしまって……。困っているんです」
「……」
クリスティーナの言葉に、その従者はしばらく沈黙していた。
侍女たちは、先刻から気配どころか呼吸までもを押し殺しているかのように、音も立てずにじっとしている。
沈黙に耐えきれずに、クリスティーナは自分から答えを出してしまおうとした。
「や、やっぱり同情してくださっているのですよね。すみません。レスター様があまりにお優しくて、同情から来るお心遣いがわたしの手には余るほどに深く大きくて、どうしたらいいのかわからなくなってしまって。でも、これ以上の同情をいただくことはできないとどうお伝えすればわかっていただけるか、できれば教えてほしく思っているのですが……」
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