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最終章 数多の未来への選択編

※※※(奏輔視点)

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がっつり睡眠をとって、意識して食事をし栄養をしっかり摂取して、ようやく頭が冴えて来た。
お姉達の言う通りだ。
俺はまだ全力を出してない。やれる事をやりつくしていない。
調べる事はまだある。
まずは透馬達が操られていたのは何故なのか。
スキルの複製を使って複製した資料を読み漁る。
何処かに見逃した事はないか?違う解釈をすべき所はないか?
小さな事も今は見逃してはいけない。逆にどんな大きい事も今それを扱う必要があるか見極める。
今はもうパソコンで情報を盗まれる事を考える必要はない。何故なら鴇があいつを倒してくれているだろうからだ。姫さんの為に命を賭けた鴇が倒さない筈がない。
だから俺は安心してパソコンにデータを入力して、情報を整理していく。
情報を再構築している間に、お姉達が飯を運んでくれたり、何度かぶっ倒れて怒られもしたが、今の俺はやる気に溢れていたから気にならなかった。
そして情報を集めてどれくらいたっただろうか?
やっと、俺は一つの答えを導きだした。
導き出したモノと言うのは…『力』の事だ。
姫さんが生きていた時、俺は仮説を立てていた。『神様』から力を借りてスキルを使用する事が出来ていると。そう仮説を立てた。そして俺達を襲ったあの男はその力を奪っているとも。
それを更に細分化してみたのだ。
まず『神様』は一人だ。ただし、この神様には複数の眷属がいる。
俺が思うに、それが佳織さんとお姫さん、そして鴇だ。誠さんも同等の強さを有しているが、恐らくそれは神様と力の質が違うのだろう。それはそれで凄い話だが今は掘り下げずに置く。
俺達がスキルを使えるのは、その神様が少しだけ力を分けてくれているに過ぎない。元々の基礎値が違うのだと思う。
簡単に表すとこうか?

神様=誠 能力は違えど力や基本的な素地が同等。
神様>佳織さん、お姫さん、鴇 基本的な素地が同じだが、力は神様より劣る。
神様→透馬、大地、俺 あくまでも一般人だが、神様の恩恵を受け力を使う事が出来る。
神様⇒謎の男 神様の力を奪い取り使っている。

と言う所か。
以上の事を踏まえると、謎の男の力、要するに透馬達を操った何かが姫さん達に効かなかった理由が解る。
そこで一つ疑問を持つ事になるのが、姫さんにかけられた【凍結】のスキルだ。
何故姫さんに効いたのか。
最初は力を奪っているからだと思っていたが、ちょっと違う事に気付いた。
神様の力は細かく研究すると、どうにも【時】に関することらしい事が解った。【記憶】や【創造】とかもそれに関するモノだ。
ある意味では最強の神様と言えるだろう。
それを踏まえた上で、あの男の攻撃を考えると、【凍結】と言う技は【記憶の凍結】という意味にとれる。そして、その記憶を凍結させるという事を噛み砕くと、奴もまた【姫さんと同じ記憶】を持っているという事に繋がる。
ここまで来たら解る。
あの男は前世で姫さんを殺したストーカーだ。姫さんの男性恐怖症を作った張本人だ。前世と言う同じ記憶を持ったものが同じ記憶を持つ者の記憶を凍結させる事はたやすい事だろう。
【記憶の凍結】と言うのは、実質【死】と同義語だ。
聞いた事ないだろうか?
人は二度死ぬと言う言葉を。
あれは、一つは肉体の死、一つは精神の死だと。
精神の死は、亡くなった人間の事を誰も知らないと、誰の【記憶】にも残らなくなった時の事を言うと。
それをあの男はやってのけたのだ。【時の神】の力を【奪い】それを使いこなして。
けれど、それだけの力を持っているのにも関わらず、何故俺は奴の術中にはまらなかったのか。
それは、恐らく俺の精神力が高かったから、ではないだろうか?
言うなれば俺達は力を借りただけの一般人だ。だが、何故か俺はスキル特化、所謂魔術師タイプだった。要は神様から借り受ける力の器が大きかったのだと思う。
何でかは解らないが…何か神様の思う所があったのかも知れない。
(前世…前世、か…。もし、人が転生を繰り返していると言うのなら、姫さんはもうこの世にいないという事になる。…そして、あのストーカー野郎ももしかしたら姫さんを追って行ったかもしれへん。…これでもし俺が復活のスキルをどうにかして覚えたとして、姫さんを取り戻したら奴も戻ってくるんちゃうか?……そもそも奴はどうやって時空を越えている?…ちゃうか。どうやって【神様の力を奪い取っている】んや?)
そこだ。
そこが解らない。
力を奪うと言う事は、その力が何処にあるかを理解しているという事になる。
その力がある場所を理解しなければ、奪うも何もない。
神様の力は【時】だ。【時】を操っている。【時】を奪う場所?…何か言葉に違和感があるな。
【時】と言うのは奪えるものか?
物体でも何もない物をどう奪う?
【時】とは何だ?……哲学みたいになってきたで…。そんな難しい事学者でも解らんわ。
少し視点を変えよう。
力を奪う。
奪っても奪っても使えるという事は、量があるという事。
【時】が集まるものと言えばなんだ?
身近な所で言えば【時計】か?
いや、違うな。時計は時を表すものであり、集めるものじゃない。
時が集まった証拠……人間が時を過ごし、積み重ねていくもの……【記憶】か?
そうか、成程。結局そこに辿り着くのか。
【神様の記憶】を奪い取って、それを【自分の記憶】とし、【神様の力】を意のままにしていると、そう言う事か?
それならばどの世界に行っても、俺達を管理している神様が管理している他の世界ならば何処に行っても術を使用する事は可能だろう。
けれど【神様の記憶】ってのは普通に考えても膨大だ。この世界や他の世界で生きる人間の数、生き物の数だけの【生】を記憶しているのだから。
それを少し奪ったとしても、俺達の少しと神様の少しは大きな差がある筈だ。人間一人に支え切れるとは思えない。それに神様の力をどうやって奪った?手段はどうなっている?
その手段が解れば、俺の手段とする事が出来るかもしれない。
ストーカー野郎と同じにはなりたくないが、それでも、そうなってでも俺は姫さんを取り戻したい。
次に調べるべきは、神様の力を奪う手段、だ。
神様の事など調べるのは実質不可能。それは解ってる。
けど、他の…姫さんや佳織さん達の共通点を探る事は可能だ。そこにヒントは絶対に隠れている筈だ。
それに一番詳しいのは誠さんやろうけど。
会いに行ってみるべきやろか?
他に知っているような人や調べやすそうな人物は亡くなってしまっている。
「今は…どんな些細な情報でも欲しい。行くしかないな」
「………ですね」
「持って行く必要のあるものも特にない。身一つで十分や」
「…………でも、行く前にせめて髭剃っとくべきでは?」
「確かに。えっと髭剃り」
「………洗面所にありますよ」
「そうか。助かる。ほんならついでに顔も洗ってしまおう」
「………タオル用意しときます」
「おおきに」
部屋を出て洗面所に駆け込んで、眼鏡を外して、歯を磨いて、髭を剃り、顔を洗って、空良が持って来てくれたタオルで顔を拭いて、髪を整えて、眼鏡をつけ直して、良し、準備オッケーや。
「って、何でここに空良がおるんやっ!?」
「…………手伝いです」
「いつからっ!?」
「…………一週間くらい前?」
「言えやっ!」
「……………言ったけど、気付かなかった」
「……マジでかー……」
どんだけ研究に没頭しとったんや、俺。
って事は何か?いつの間にか口に中に突っ込まれていた飯とか、内容は適当やけどファイリングされてた書類とか、俺がぶっ倒れた時ベッドに運んだのは全部空良がやってたんか?
「……………奏輔様。……とり先輩助ける為に、頑張ってるんですよ、ね?」
「えっ?空良、何で、姫さんの事覚えとるんや…?」
「……………忘れない。忘れる訳、ない。おれの、女神様……」
空良の目が潤み始めた。
「…………死んでなんか、ない。おれの、女神様が、死ぬ訳、ない」
「空良…お前…」
「…………奏輔様だけ。とり先輩を、忘れずに、まだ諦めてないの。だから、手伝う。絶対に、おれ、もう一度とり先輩に会う。どんな形でも良い。絶対に、絶対に会うっ。だから、だから奏輔様…」
ボタボタと空良の瞳から涙が零れた。
こいつのこんな心からの叫びを理解出来るのはきっと俺だけだ。
こんな……俺まで泣きそうになってまう。
失ったと認めたくない心が、叫び出しそうだ。けど…。
「……今は泣いてる時やない。そうやろ、空良」
「…………奏輔様」
「動くで。空良。俺かて仕事も何もかも投げ捨てた。お前も、その覚悟の下でここへ来たんやろ?……なら、行くで。俺等に立ち止まってる時間はないんや」
「………はい。はいっ」
ごしごしと涙を拭った空良は力強く頷いた。
それに頷く事で意志を返し、俺と空良は白鳥家へと向かった。
幸いにも白鳥邸にいたのは、誠さんのみで。誠さんは俺達を笑顔で出迎えてくれた。
そんな誠さんが招いてくれた部屋は、姫さんの部屋、だった。
「………この家は、このままにしておきたくてね」
遠い目をしながら呟く誠さんに俺も頷く。
この家が、楽しかった頃の白鳥家の姿を失くして欲しくない。
「……解ります。俺も、姫さんに貰った物、捨てられない。全て、とってあります」
「…………………おれ、も」
姫さんの部屋に入り、姫さんが良く使っていたテーブルを囲む形で俺達は床に座った。
「君が来るだろう事は想定していた。…嵯峨子奏輔くん。君が知りたい事はなんだい?」
「単刀直入にお尋ねします。誠さん。貴方は前世の記憶をお持ちですね?」
「………何故、そう思う?」
「佳織さんが信頼しきっていた、それがまず第一ですが、それ以上に…貴方の強さはこの世界の強さではあり得ないから」
「……成程?…そうだね。一先ず君の仮説を全て聞こうか。そこから私が答えれる範囲で答えよう」
相手の情報を知りたくば自分の情報の提示は当り前だ。
俺は今話せる範囲の仮説を全て打ち明ける。
全ての話を終える頃には、誠さんは目を丸く唖然としていた。口がぽっかり開きっぱなし。
「…誠さん?」
「あ、あぁ、いや。驚いたな。まさか、全ての点を探し当てて、それを線にして、一つの答えとして導き出すとは思わなかったよ」
「それじゃっ」
俺の仮説は合ってるって事かっ?
思わず身を乗り出すが、誠さんは俺の前に手を置いて静かに首を振った。
「ここまで導き出したのは称賛に価するが、残念なことに多少間違っている事がある。そこをまず教えよう。そこから、君が知りたかった事を教える。それでいいかい?」
「構いません。俺は真実を聞きたくてここに来たのですから」
「ちょっと待っててくれるかい?飲み物を用意しよう」
「………おれ、行きます」
率先して空良が立ち上がる。誠さんは遠慮して自分で行こうとしていたが、それを空良は手で制して。
「………とり先輩、言ってた。白鳥家の人間、キッチンに立たすべからずって」
「美鈴…。それはちょっと酷くないかい?父さん、泣いちゃうぞ」
……誠さんが顔を隠してしくしくと泣いている。
と言うか、姫さん。姫さんが台所占拠してたから皆上達しなかったんちゃうか?「違うもーんっ!お兄ちゃん達だったら他で練習する場面作れるはずだもーんっ!」と姫さんに突っ込み入れられてるような気がするが、その突っ込みですら台所占拠を否定はしてないと言う…。
「さて。それじゃあ、空良くんに任せて、私達は話に戻ろうか。まず君の仮説で根本的に間違っている事がある」
「根本的に?」
「そうだ。美鈴を襲った男は確かに神の力を奪い取っている。だが、それは奪い取る素地を持っているからだ」
「素地…」
どう言う事だ?素地を持っている?と言う事は、元々その力を使える人間だったとそう言う事か?
「奏輔くんが言う所の、神様と素地が同じ者。その共通点は【アースラウンド】に暮らしていた者達の事を言う」
「……もしかして、神々の国、の様なものですか?」
「解釈としては間違っていないな。正しくは【神を育てる世界】と言った所か。その世界では、この世界の神になる前の人物とそいつに仕える三人の巫女がいた。その三人の巫女は【時の巫女(クロノ・メディウム)】と呼ばれそれぞれ【忘却】【蘇生】【維持】を司っていた」
「……【みこ】とはどう書くのです?」
「巫の女と書く方だね」
「その巫女ですか。と言う事は三人共女性なんですね?」
「そうだ。三人の巫女は【華巫女】【水巫女】【星巫女】と呼ばれる巫女だった。その女性達の名は、【カオリ】【ミオ】【ショウコ】と言う」
「―――ッ!?」
誠さんがこの話をした理由が読めた気がした。
鴇の母親の名前を前に聞いたことがある。【澪】と言うのだと。そして姫さんの母親は【佳織】だ。
「私達の様に【神を育てる世界】にいた人間は皆、何度転生しても同じ名を与えられる。(……理由は色々後付けされてるだろうが、要はアイツがカオリを探しやすくする為だろうな…)」
後半はぼそぼそと呟いていたので聞こえなかったが、兎に角何度転生しても同じ名を与えられると誠さんは言っていた。
なら、俺の考えは間違っていないはずだ。鴇と姫さん。この二人は【時の巫女】の子なのだ。
そして、誠さんが今この話をした理由。最初に素地が違うと言っていた。と言う事は…?
……そうだっ。ストーカー男を調べた時にそいつの家族構成を調べた時に母親が【召子】と言う名前だったっ。
「…あの男は【ショウコ】の子だと、そう言う事ですかっ?」
「当たりだ。そして、【ショウコ】は【星巫女】だ。【維持】を司る巫女だ」
「だから、記憶を止める事が出来る。そうか…。奪い取るのに適していた体だったんや…」
「その通りだ。ここで君が聞きたかったであろう質問の答えを言おう。君があの男と同じように神の力を奪う事は不可能だ」
「―――ッ」
ハッキリと言ってくれたのは誠さんの優しさだろう。
余計な希望を持たせるよりはと思ってくれたに違いない。
「正直星巫女の力をアイツが受け継いだのは厄介だ。だからこそ、【記憶を消す】薬が奴らには効いたんだが…。いや、それは今はいいか」
「……誠さん。あの男みたいに神の力を奪うのは不可能だと言う事は理解しました。なら、どうにかして水巫女の【蘇生】の力を手に入れる事は出来ませんか?」
「……美鈴を生き返らせる為に、かい?」
「はい」
「……残念ながらそれも不可能だ」
「何故?水巫女の【澪】さんから産まれた双子、葵か棗なら出来るのでは?」
「……いや。あの二人は私の力を強く引き過ぎた。私の力と澪の力、どちらも受け継いだのは【鴇】のみだ」
だから、鴇はあの男を殺す事が、出来たのか…。
こう聞いていると、誠さんを始め、前世の繋がりが強い人間ばかりで…俺は完全な部外者やんな…。
「……………奪い取るのが無理なら、その力をそいつに使わせる訳にはいかないんですかね?」
「「ッ!?」」
い、いつの間に戻って来とったんやっ!?って言うか、
「お前、戻って来たなら来たと音にださんかいっ!」
「…………あ、お茶です」
コトンと目の前に湯呑が置かれほかほかとお茶の湯気がのぼっている。
「……………ついでに、とり先輩が作りおいてたクッキー(仮)です」
「なんや、その(仮)って」
「…………………解りません。そう書いてました。そんな事より、どうなんですか?」
空良の視線がジッと誠さんを捕らえる。誠さんはクッキー(仮)を手に取り一つ口に含み微妙な顔をしながら頷いた。
「出来なくはないだろう。だが、あっちは私達を敵とみなしているし、かなり難しいだろう」
難しいがやれなくはない。
ただし、あのストーカーが生きていれば、の話だが。
…………いや、待て?あのストーカーの生まれ変わりはかなりの数がいる。姫さんが高校生の時、それでこっちは痛い思いをした。
大半を排除したとは思うが、…もしかしたらまだ生き残りがいる可能性がある。
…だったら、まだ、可能性はあるんやないか…?
記憶を巡って、一つのデータの内容を思い出す。
「あれ、や。あれを使えばっ」
ガタッと音を立てて立ち上がる。
「奏輔くん?」
「おおきにっ、誠さんっ。光が見えたっ」
深く頭を下げて、誠さんに礼を言って俺は部屋を飛び出した。それに空良が追い付いてくる。
俺達は急いで俺の部屋へと戻った。

「………こんな方法はズルいか?けどな、お前が悪いんだぞ。リョウイチ。もう少しまともに管理しろよ。馬鹿が」

誠さんの呟きもやっぱり俺の耳には届かなかった。
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