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完結後の小話

円と犬太のデート(高校生)

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おかしな所は…ないよな?
鏡の前で自分の姿を入念に確認する。
いつもならこんなに気にしたりはしないけど。今日は、ケンと正式に付き合ってから初めてのデートだから。
やっぱり、可愛いとは言われないまでも、ケンが喜ぶ恰好をしたい。
スカンツにスクエアネックのTシャツ。髪は三つ編みをして横に流す形でシュシュでくくる。ショルダーバックを持って…良し。準備オッケ。
「母さん。出掛けてくる」
「デート?」
自分の部屋を出ると、すぐにリビングになるのがマンションの嫌な所。母さんが煎餅をバリバリ食べながらにやりとこっちを見て笑っている。
「そうだよ。デートだよ」
「ふぅん。お土産よろしく」
「はいはい」
デートでお土産って何買って行ったらいいんだよ。毎回悩むんだよね、それ。
インヒールのスニーカーを履いて、行って来ますと家を出る。
待ち合わせ場所は、駅の東口。今の時間は…余裕はありそうだけど…待たせたくないし。少し急ごう。
どうせならケンより早くついて待っててあげたいし。
腕時計で時刻を確認して、少し早足で歩く。
アタシの家は駅までそんなに遠くないから、結構早くに到着した。
ざっと見る限りまだいないみたいだし…駅中のカフェで持ち帰りカフェオレでも買って来ようかな。
カフェに入って、定番のカフェオレを頼んで。お客もそういなかったから直ぐに出て来たので受け取って待ち合わせ場所に戻る。
壁に背を預けてストローでカフェオレを飲みながら、スマホを取りだしてメールの確認。
王子がスマホを持ってから、毎日の様にグループメールのやりとりが続いている。なんてことのない日常の会話なんだけど…これが見ているだけでも楽しい。
前のアタシだったらこんなの馬鹿らしいって思っただろうな。王子って言う存在を知るまでは、自分にこんなに友達が出来るなんて、彼氏が出来るなんて思いもしなかった。
知らず笑みが浮かぶのはきっと今が滅茶苦茶楽しくて幸せだからだろうなぁ。
メールアプリに意識を戻す。
『王子:今日は天気が良いよね~。洗濯物が良く乾くよ~』
『華菜:美鈴ちゃん。こう言う時はデート日和って言おうよ』
『王子:え?だってデートする相手いないし。必要もないし。これから家で勉強するし』
ワクワクしている白猫のスタンプ。
『桃:王子?今日は白鳥主催のパーティでは?』
『王子:………聞こえたくない』
『イチ:王子。日本語がおかしいよ~?』
『王子:ソンナコトナイヨ』
『優:美鈴ちゃん。逃がさないよ』
『王子:ふえっ!?』
『優:各部署の製作・企画発表会も兼ねてるんだから逃げちゃダメ』
『王子:ふみ~…』
しょんぼり白猫スタンプ。
『愛奈:王子っ!『音子猫姉さん』から新刊が出るよっ!サークルチェックしてたら知ったっ!』
『王子:何ですって?愛奈。その話詳しく』
『桃:詳しくお願い致します』
愛奈が会話全てを持って行った。ははっと笑いながら会話を楽しんでいると、画面に影が落ちた。
「ケン?」
いつもスマホを見てると覗き込んでくるから、てっきりケンが来たのかと思ったけど。
顔を上げるとそこにいたのは、違う男だった。
鼻ピアスつけたモヒカン、肩にタトゥーを入れたリーゼントの二人組。分かりやすいチンピラが絡んできたねぇ。
「お姉さん一人?」
…とりあえず無視するか。
スマホの画面に視線を戻す。こんなの相手にしてる時間がもったいないし。
そう言えばケンはどの辺りまで来てるのかな?こんな馬鹿達より早くケンの顔が見たいな。
「何無視してんのー?」
「っつか、何見てる訳ー?」
ちっ。鬱陶しい。メールのやり取りを見られるのも嫌だから、画面を戻して…。
「うわっ。何、可愛い子達ばっか。なになに?友達?」
「ちょ、真ん中に写ってる子、超可愛くね?」
しまった。待ち受けの画面、入学式に皆で集まって撮った写真だった。
急いで閉じて鞄に入れて、ギッと前に立っている二人を睨みつけた。
「鬱陶しんだけど?」
「おおー?やっと喋った」
「ちょっと声低めだけどカッコいいねー」
声が低いとか煩いっての。まさかアタシをナンパする奴がいるとは思わなかったけど。
「で?何の用?何かの勧誘だったら、消えてくれる?」
「うわー、ひでぇ」
「俺達の心超傷ついた。なぁ」
「おう。いやー、こりゃ慰謝料として一緒に来て貰わないとなー」
ちっ、本当に面倒くさいな。選択肢としては二つ。一緒について行って叩きのめすか、無視して場所を移動してケンに待ち合わせ場所を変えた事を教えるか。
はぁ…。馬鹿面眺めてると溜息が出るよ。さて、どうしようかな?
悩んでいると。
「円ーっ!」
遠くからアタシの名を呼ぶ声が聞こえた。
この可愛い声はっ!?
声がした方を反射的に振り返ると、そこには全力でこちらへ駆けてくるケンの姿があった。
パーカーにショートパンツっ!可愛いっ!
「円ーっ、大丈夫かっ!オレが来たからにはもう大丈夫だぞっ!」
言いながらアタシを守る様に立ってくれる。
けど身長が低い所為で、全然庇われてる気がしない。でも良い。アタシをこうやって庇ってくれる男がいる時点で珍しいしその心が嬉しいから。
「なんだ?このガキ」
「俺達、そっちのお姉さんと話があるんだよね。どっか行ってくれる~?」
「ダメだっ!円はオレの彼女で、これからオレとデートだからダメだっ!」
「ケン…」
圧倒的にケンの方が打たれ弱そうなのに、アタシを守ってくれようとしている。その姿に素直に感動した。
「ケン。ありがとね。アタシを守ろうとしてくれて」
「と、当然だろっ!オレは彼氏なんだからっ!」
えっへんっ!
と胸を張る姿も可愛くて堪らない。
「じゃあ、そろそろ行こうか。こいつらはほっといても良いよ」
「おうっ!」
ケンと手を繋いで歩きだす。
「おいおい。姉さん。それは酷いんじゃねぇのー?」
ちょっと、肩に手を置かないでくれる?
「って言うか、素肌に触れて気持ち悪いんだけど?」
置かれた手を払っても良いんだけど、どうせなら追ってこないようにしたい。と言う事で。手首を掴みグイッと一捻り。若干ポキッと音がしたけど気にしない。この程度で骨は折れない。
「いででででっ!」
「もう声かけないでくれる?ついでに消えろ」
ペイッとそのまま放り投げてアタシはケンと並んで駅の改札へ向かった。
「円っ。オレ切符買っといたぞっ!」
「え?あ、ありがとう。ケン」
受け取った切符で改札を抜けてタイミング良く到着していた電車に乗りこむ。結構年寄りが多いな。なら座らないでおくかな。
乗降口で立っていると、何も言わずにアタシの側に立っていてくれるケン。…ケンのこう言う所ホント好きだなぁ…。
「所で、今日は何処に行くんだい?」
気になってた事を聞いてみる。すると、ケンは胸を張って。
「今日はラウンド2に行くぞっ!」
「えっ?」
アタシは驚きのあまり目を見開く。すると、そんなアタシの反応に驚いたのかケンは不安そうに覗き込んできた。
「円、もしかして嫌か?オレ、間違ってた?」
「あ、あぁ、違うんだよっ。スポーツアミューズメントは好きだよ。ただ」
「ただ?」
「そこに行くんだとしたら、電車、反対だよ?」
「えっ!?あーっ!!」
電車は動きだしてしまった。
「ご、ごめ、円っ」
「いや。アタシは別に気にならないよ。確かこっちにはショッピングモールがあるだろ?そこに行こうよ」
「で、でも、円は体動かすの好きなんじゃ…?」
「うん?アタシはケンと居られればそれだけで幸せだよ?」
「円…。お、オレもオレもっ!」
「じゃあ、お揃いだな」
「おうっ!」
ケン、尻尾が見え…いや、何でもない。やっぱりケンは可愛い。でも、こんなケンだって、男なんだなって思う瞬間がある。さっきだってそうだ。自分より明らかに強そうなのにアタシを守る為って庇ってくれたり。
「?、どうかしたのか?円」
「うん?いや、なんでもないよ。ただ、ケンはカッコいいなぁって思って」
「え?そ、そうか?へへっ」
それでもって滅茶苦茶可愛いなってっ!言いたいけど言葉をごくりと飲みこむ。
「あ、そう言えばさ。ショッピングモールって今イベントやってなかったっけ?」
「イベント?」
「そうそう。ちょっと待っててな。えっと、どこだっけ…」
ケンが鞄から携帯を取りだして何やら弄り始める。そして発見したのか、モールの情報を見せてくれた。
えっと…ご当地フェア?何々…ご好評につき再度開催決定!全国津々浦々様々なご当地の限定品が一堂に会します。是非、お立ちより下さませ…?
「へぇ。これまた王子が刺さりそうな楽しそうなイベントだね」
「あー、確かに白鳥も好きそうだよなー。円、行く?」
「うん。行きたいな。王子に土産買ってってやりたりし」
「そんじゃ決定なっ!」
互いに微笑み合い、電車が止まるまで話を続け、モールのある駅で降りて、次はバスに乗ってと移動し、やっと到着。…高校卒業したら車かバイクの免許取ろうかな。移動が面倒だし。
「?、どうしたんだ?円」
「うん?いや、ちょっとね。高校卒業したら免許取りたいな~ってね」
「免許?何の?」
「車か、バイク」
「おおーっ!いいなっ!オレも円と一緒に免許取るっ!そんで円と一緒に出掛けるんだっ!」
ケンってさらっと嬉しい事言ってくれるよね、ホント。
嬉しくて微笑むとケンも笑ってくれた。
手を繋いで到着したモールの中を歩く。イベント会場まで他の店を冷やかしながら歩く。
あ、会場に着いた。
うん?こういう会場が賑やかなのは普通なんだけど、何か異様にざわついてない?
気になって、こっそりとそちらへ近づいてみると。
「はい。鈴。これで良かったんだよね?」
「紅イモソフトーっ♪ありがとうっ。棗お兄ちゃんっ」
……王子?
まさかな?とは思いつつ。こんな人混みでも目立って周りをざわつかせることが出来る人間って早々いないし…。
そっと近寄ってみると、アタシの勘は間違ってなかったと分かった。
「あれ?円?」
「やっぱり王子じゃないか。こんなと人混みで会うなんて珍しいこともあるもんだね」
「えへへ。棗お兄ちゃんが今日またイベントがあるって教えてくれて。…決して優兎くんから逃げてきた訳ではありませんっ」
「成程。優から逃げてきたのか。王子、後でちゃんと謝るんだよ」
「……は~い…」
しょんぼりしている王子もハッキリ言って可愛い。女として憧れる可愛さも強さも全て兼ね備えている王子ってホント凄い。
そんな王子を見て苦笑している王子の兄さんもまた優と同じように王子に甘いから仕方ないですませるんだろうな。
「うん?そこにいるのは風間?」
「やっほーです。棗先輩」
「……。風間、どうした?頭でも打ったか?」
「?、何で?」
「いや。口調が…」
棗さんが言い淀んだ。でも何となく言いたい事は理解した。
「ここで話しするのもなんだし。円、お昼一緒に食べない?」
「いいね。ケンもいいかい?」
「おう、いいぞっ」
「棗お兄ちゃんも良い?」
「僕は構わないけど、鈴。そのソフトクリーム食べて、ご飯も食べれるの?」
「ふみ?……食べるっ!」
ぐっと手を握ってるとこ悪いけど、そんなに食べれないだろうなぁとアタシと棗さんは苦笑した。
適当なファミレスに入って、適当に注文する。
「円っ、ドリンクバー何が良い?」
「あ、うん。えーっと、紅茶が良いな」
「分かったっ。棗先輩は?白鳥は?」
「僕はコーヒーなら何でもいいよ」
「私は…見て決めたいな。一緒に行っても良い?風間くん」
「?、いいぞっ」
え?王子一人で大丈夫っ?
と思って周りを見たら、うん、大丈夫そうだ。このファミレスにいる客、店員、何故か女しかいない。真珠さんか金山さんが手を回したんだろう…。あの二人は本当に抜かりない。敵に回したら絶対に怖いタイプだよね。
そうアタシが遠い目をしていると、棗さんが苦笑した。
「相変わらず鈴は空気を読むのが上手いなぁ」
「?、棗さん。それは一体どう言う…?」
「うん?僕が君と話をしたいってのをそれとなく感じ取ってくれてたんだと思うよ。じゃなきゃこんな風にデート中の君達を誘ってご飯食べたりしないよ。君も知っての通り鈴はあまり食べないから。本当ならさっきのソフトでお腹一杯になってる可能性も高いしね」
それは確かに。
それじゃあ、男性恐怖症の王子がわざわざ作ってくれた機会を無駄にしないでおこうか。
「それで?王子の兄さん?アタシに聞きたかったのは?」
問うと、棗さんは肩を竦め苦笑を深めた。
「実はそんな大した事じゃないんだよ。ただ、ほら。風間の口調が変わってたのに気付いて。何か悪いものでも食べたのかと思ってね」
「あー…」
成程ね。納得。
「ケンは、イチの理想になる為に頑張ってたんですよ。イチが頼ってくれる男になれるようにってね。一杯本読んで、モテる男って何だろう?強い男って何だろう?一杯一杯調べて…自分なりのカッコいい男を作り上げたのがあの話し方だったんです」
「…調べてあれだったのか…」
「まぁ、ケンですから。でもアタシとしては、作られたケンの姿よりありのままのケンの姿が好きだった。だから、口調戻して貰ったんだ」
「ふふっ……物は言いようって奴かな。そうか。風間はありのままの自分を受け入れて貰えたのか。それは嬉しかっただろうね」
うっ…。本当、この白鳥兄妹って奴は…。美形な上に甘い声をしてるから笑った時の破壊力が半端ない。それは兄に限らず妹にも言える事だけれど。
「僕も、小さい時に鈴に認めて貰えた事が、頼って貰えた事が凄く嬉しかったから」
「へぇ…。解る気がします。アタシも王子に受け入れて貰えたのは嬉しかったから」
王子に受け入れて貰えたから、ケンが無理してるのも分かったし、こうしてケンに受け入れて貰えた。皆は気付いてないかもしれないけど、アタシは四従士の中で一番懐が深いのはケンだと思ってる。
だって、イチや周りに何を言われても、それを素直に受け入れられる人間なんてそうはいないよ。ちょっとおバカかもしれないけど、それだって知らないだけで。
「すげぇな、白鳥っ!炭酸ジュースにソフトクリーム入れるなんてオレ考えもしなかったっ!」
「そう?結構皆やってるでしょ?」
「オレも今度からやろうっ!」
二人が両手にカップを持って戻って来た。
メロンソーダにソフトが乗っかってる。しかも如何にも巻くのを失敗しましたって感じのと、完璧に綺麗なソフトの形を作っているのと二つケンが持っていて。
王子はトレイに紅茶とコーヒーを持って戻って来た。それを私達の前に置いて二人はそれぞれ席に着く。
「鈴。さっきもソフトクリーム食べてたよね?」
「ふみ…作れると思ったら、つい…」
「もう、仕方ないな。鈴は」
あ、甘い…。ハッキリ言って巳華院と桃の所より甘いよ。
「円、円っ」
「あ、うん?どうしたの?ケン」
「白鳥って、なんつーか…こう…、変わってるのな」
「え?」
ケンはどうして説明していいか解らないのか、腕を組んで小首を傾げた。
「男が怖いってのは円から聞いてたし、あの遊園地の時の姿を見てるから知ってたけど。だったらオレの事も怖いはずだろ?なのに、アイツ普通に話しかけてくる」
「いや、それはアタシの彼氏だからでは?」
「んー…そうも思ったんだけど、それだけじゃなくて…んー…誰かとこう被ると言うか……誰だ?んー……」
王子と似てる人間?そうそういないと思うけどね。一体誰の事を言ってるんだろう?
「あっ、解ったっ。オレの母ちゃんと被るんだっ。なんつーんだろ、こー…見守ってくれてるっていうのかな?」
…王子にとってケンは息子なのか。まぁ、それもそうかもしれない。王子はアタシですら子供扱いする時があるしね。
「…って事は、優しいって事だな。円が前に言ってた事、今分かったぞっ!」
「ケン…。アタシの言葉、覚えててくれたのかい?」
「おうっ!あったり前だろっ!円に関する事はオレ絶対忘れないんだっ!」
どやっと胸を張るケンが、アタシは愛おしくて堪らなくて。
つい思い切り抱きしめてしまった。
「うぐっ!?」
「ほんっと、ほんっとアタシ、ケンの事大好きだっ」
ぎゅーっ、と力の限り抱きしめる。
すると、向いにいた王子に名を呼ばれた。
「円。高校生男児にそれは拷問だから」
「うん。止めてあげた方がいいかな」
棗さんと王子、揃って苦笑してる。
ふと手元を見ると、真っ赤な顔でケンがぐったりしていた。
慌てて、体を離すと、棗さんがケンの襟首を掴んでズルズルとどこかへ連れて行った。
「円。自分が巨乳だって忘れないように。色んな意味で風間くん窒息するからね」
「あ、う…ごめん」
素直に謝ると、王子は微笑んだ。そして…。
「円が幸せならそれでいいんだよ」
と嬉しい言葉を呟いてくれた。
暫くして棗さんと一緒に戻って来たケンと一緒に四人でご飯を食べて、王子達と別れてデートを楽しんだ。
またこんな日があるといいなと思いながら、楽しかったデートは終わった。
後日。
学校で、私は王子にお土産を渡した。
結局イベント会場で合ってるから、そこの物を渡す訳にも行かず、スポーツショップで売ってる筋力アップリストバンドを購入した。
それを渡したら、
「…まさかの、運動パラメータアップの友情アイテムがキタ…」
とか何とか呟いていたけれど、意味は良く解らなかった…。

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