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side 壱也
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「失礼します。」
そう言って入ってきた男は、相変わらず仮面を被った従兄弟の宗人だ。
ドアを一旦閉め、その場に佇んだまま近付いてこない。
顔を上げるとそれを待っていたかのように彼が話し出す。
「専務、例の件で調査会社の者が参りました。」
以前に調べるよう頼んでおいたの事か・・・。
机の上にあるいくつもの書類をファイルに戻し、部外者に見られない様隠す。
「通せ。」
そう宗人に告げ、パソコンの画面を切る。
宗人に連れられやってきた人物はいかにも胡散臭そうな風体で一礼をする。
軽く挨拶を交わした後、早速、本題に入った。
「蛯澤 琴未の件ですが、一応まとめてお持ちしました。」
そう言って目の前の人物、日向 哲夫は前回よりもやや薄めの書類をテーブルに置いた。
それを手に取ると、日向が話し始めた。
「要点を申し上げます。彼女の過去には、不審な点がいくつかありました。高校2年の10月、彼女はそれまで通っていた高校から数駅離れた高校へ転校しています。その転校は突然の事で、当時仲の良かった友人さえも知らなかったそうです。さらに彼女は転校する数週間前から学校へ来ていませんでした。」
そこで日向は一旦、話を止め、俺の様子を窺っている。
「・・・続けてくれ。」
彼には目も向けず、書類の内容に目を通しながら促す。
「はい。当時の知人にその時の様子などを聞いてみたんですが、不登校になる前の日までは普通に過ごしていて、いじめ等の問題もなく、家庭も円満だったというのです。学校に来なくなった蛯澤を心配して友人が何度か実家に訪れたそうなんですが、いずれも本人には会えなかったというのです。」
「家には居たのか?」
「それもわかりません。玄関先で彼女の叔父が門前払いをしたらしいのです。」
沖田か・・・。
アイツが何か知っている。
だが、アイツは口を割らないだろうな。
「ただ転校して数ヵ月後、友人の何人かに元気にやっているから、とメールで送ってきたそうです。しかし、それ以降、メールを送ってもアドレスを変えたらしく、届かないまま戻ってきた。」
目の前で倒れる瞬間の琴未の顔が浮かんだ。
あの時の彼女の表情は、ひどく恐怖に怯えていた。
全身で何かを拒否するような雰囲気を纏い、そのまま気を失った。
あれは過去が原因だろう。
「転校した先の高校では、至って普通に見えたということです。ただ、誰とも交わらず一人静かに過ごすことが多かったようで、特定の友人はいませんでした。ですから普通に見えたというのはあくまで遠巻きに見た様子なんですが。」
確かに彼女は賑やかというイメージはない。
かと言って、静かというわけでもない。
社会人になって変わったという事か?
そんな俺の考えを読んだのか、日向は続けた。
「念の為に元の高校でも彼女の様子を聞いてみました。当時の友人が言うには、明るく誰とでも打ち解けるタイプで、男女問わず、友人が多かったと。」
彼女が変わったのは転校した時期。
今の彼女は、少しずつ元に戻っているというところか。
おそらく不登校になった時に何かあったことは間違いない。
ふと書類のある部分に目が止まった。
「この、豊田 清史に関する調査とは?」
「それは、蛯澤 琴未が当時つきあっていた恋人です。藤堂専務のご指示でありました、別れた原因を知る上で彼についても調べて見たんです。すると面白い事がわかりました。元々、豊田と蛯澤は同じ高校に通っていました。しかし彼は蛯澤が不登校になって、すぐに学校を辞めてます。その後、彼は遠く離れた高校へと編入していました。」
彼女は不登校でその彼氏は学校を辞めた。
どうなってるんだ?
二人の間に何があったんだ?
「その豊田本人とは連絡が取れたのか?」
「はい。直接会って本人に聞いてみたんですが、本人が話さないんです。頑なに拒み口を割りませんでした。」
「話したくない過去、という事か。」
「そうですね。それと・・・。」
日向は言うのを躊躇っていた。
「なんだ・・・はっきり言え。」
「・・・わかりました。彼らの転校した後に噂が流れたらしいんです。蛯澤が妊娠した、と。」
「妊娠?」
「えぇ、あくまで噂ですが。こちらもその辺を調べて見ました。確かに彼女は産婦人科に通った形跡がありました。それから形成外科、神経科にも。」
「そんなに?」
「はい。しかも全て彼女が不登校になった同時期です。」
瞬間、頭が何か固い物で殴られたような感覚に陥った。
何があったというんだ?
いや、すでに大方の予想はついている。
しかしその予想を口に出したくなかった。
いや出せなかった。
彼女を傷つけた奴がいる。
豊田か・・・後は、考え難いが別の人物。
しかし、豊田が直後に学校を辞めたということは・・・そうなのだろう。
胸の奥にどす黒い感情が広がっていく。
これ以上、聞きたくなかった。
しかし、聞かなければならない。
調査するよう指示したのは、俺だ。
彼女の過去を興味本位で探ろうとした俺への戒め。
ならば最後まで聞くことが俺の義務であり、責務だ。
視線は書類にあるが、意識はそこになかった。
ただ刑を待つ囚人のように、日向の次の言葉を待っていた。
「ただ彼女が妊娠したことを実証できるものはありません。あくまで産婦人科に通院したというだけです。これ以上は個人情報となるので病院側も情報提供はしてくれませんでした。」
「そうか・・・。」
それ以上、言葉が浮かばなかった。
いや言葉だけでなく、何も考えられなかった。
「以上が、今回の調査でわかったことです。」
日向はそこで話を一旦、終えた。
そのタイミングを見計り、宗人が口を挟んだ。
「日向さん、あなたの経験上、どう思われますか?」
「宗人っ!」
宗人を睨み、彼の口を閉ざそうとしたが彼は怯まず、日向を促した。
「私の観点からいけば・・・やはり蛯澤は豊田に襲われたと考えるのが妥当でしょう。そして豊田は罪に苛まれて、学校を辞めた。一方、蛯澤は傷を負い、その治療の為学校を休み、そして精神的なストレスを考えて転校する事を決めた。というころでしょうか。」
淡々と語る日向を疎ましく思いながらも、それを受け入れなければならないと自分に言い聞かせていた。
日向の存在も忘れ、頭を抱え黙り込んだ。
それを横目に宗人は日向に話し掛けた。
「今でも彼女は通院をしているのですか?」
その問いに俺ははっと顔を上げた。
宗人の意味するものがなんなのか、すぐに理解でしたからだ。
「いいえ。彼女が通院したのは、1年程だけです。それ以降は全く。」
「そうですか。わかりました。」
宗人は日向を立たせ、一緒に専務室を後にした。
しかし俺は、そこから動く事が出来なかった。
そう言って入ってきた男は、相変わらず仮面を被った従兄弟の宗人だ。
ドアを一旦閉め、その場に佇んだまま近付いてこない。
顔を上げるとそれを待っていたかのように彼が話し出す。
「専務、例の件で調査会社の者が参りました。」
以前に調べるよう頼んでおいたの事か・・・。
机の上にあるいくつもの書類をファイルに戻し、部外者に見られない様隠す。
「通せ。」
そう宗人に告げ、パソコンの画面を切る。
宗人に連れられやってきた人物はいかにも胡散臭そうな風体で一礼をする。
軽く挨拶を交わした後、早速、本題に入った。
「蛯澤 琴未の件ですが、一応まとめてお持ちしました。」
そう言って目の前の人物、日向 哲夫は前回よりもやや薄めの書類をテーブルに置いた。
それを手に取ると、日向が話し始めた。
「要点を申し上げます。彼女の過去には、不審な点がいくつかありました。高校2年の10月、彼女はそれまで通っていた高校から数駅離れた高校へ転校しています。その転校は突然の事で、当時仲の良かった友人さえも知らなかったそうです。さらに彼女は転校する数週間前から学校へ来ていませんでした。」
そこで日向は一旦、話を止め、俺の様子を窺っている。
「・・・続けてくれ。」
彼には目も向けず、書類の内容に目を通しながら促す。
「はい。当時の知人にその時の様子などを聞いてみたんですが、不登校になる前の日までは普通に過ごしていて、いじめ等の問題もなく、家庭も円満だったというのです。学校に来なくなった蛯澤を心配して友人が何度か実家に訪れたそうなんですが、いずれも本人には会えなかったというのです。」
「家には居たのか?」
「それもわかりません。玄関先で彼女の叔父が門前払いをしたらしいのです。」
沖田か・・・。
アイツが何か知っている。
だが、アイツは口を割らないだろうな。
「ただ転校して数ヵ月後、友人の何人かに元気にやっているから、とメールで送ってきたそうです。しかし、それ以降、メールを送ってもアドレスを変えたらしく、届かないまま戻ってきた。」
目の前で倒れる瞬間の琴未の顔が浮かんだ。
あの時の彼女の表情は、ひどく恐怖に怯えていた。
全身で何かを拒否するような雰囲気を纏い、そのまま気を失った。
あれは過去が原因だろう。
「転校した先の高校では、至って普通に見えたということです。ただ、誰とも交わらず一人静かに過ごすことが多かったようで、特定の友人はいませんでした。ですから普通に見えたというのはあくまで遠巻きに見た様子なんですが。」
確かに彼女は賑やかというイメージはない。
かと言って、静かというわけでもない。
社会人になって変わったという事か?
そんな俺の考えを読んだのか、日向は続けた。
「念の為に元の高校でも彼女の様子を聞いてみました。当時の友人が言うには、明るく誰とでも打ち解けるタイプで、男女問わず、友人が多かったと。」
彼女が変わったのは転校した時期。
今の彼女は、少しずつ元に戻っているというところか。
おそらく不登校になった時に何かあったことは間違いない。
ふと書類のある部分に目が止まった。
「この、豊田 清史に関する調査とは?」
「それは、蛯澤 琴未が当時つきあっていた恋人です。藤堂専務のご指示でありました、別れた原因を知る上で彼についても調べて見たんです。すると面白い事がわかりました。元々、豊田と蛯澤は同じ高校に通っていました。しかし彼は蛯澤が不登校になって、すぐに学校を辞めてます。その後、彼は遠く離れた高校へと編入していました。」
彼女は不登校でその彼氏は学校を辞めた。
どうなってるんだ?
二人の間に何があったんだ?
「その豊田本人とは連絡が取れたのか?」
「はい。直接会って本人に聞いてみたんですが、本人が話さないんです。頑なに拒み口を割りませんでした。」
「話したくない過去、という事か。」
「そうですね。それと・・・。」
日向は言うのを躊躇っていた。
「なんだ・・・はっきり言え。」
「・・・わかりました。彼らの転校した後に噂が流れたらしいんです。蛯澤が妊娠した、と。」
「妊娠?」
「えぇ、あくまで噂ですが。こちらもその辺を調べて見ました。確かに彼女は産婦人科に通った形跡がありました。それから形成外科、神経科にも。」
「そんなに?」
「はい。しかも全て彼女が不登校になった同時期です。」
瞬間、頭が何か固い物で殴られたような感覚に陥った。
何があったというんだ?
いや、すでに大方の予想はついている。
しかしその予想を口に出したくなかった。
いや出せなかった。
彼女を傷つけた奴がいる。
豊田か・・・後は、考え難いが別の人物。
しかし、豊田が直後に学校を辞めたということは・・・そうなのだろう。
胸の奥にどす黒い感情が広がっていく。
これ以上、聞きたくなかった。
しかし、聞かなければならない。
調査するよう指示したのは、俺だ。
彼女の過去を興味本位で探ろうとした俺への戒め。
ならば最後まで聞くことが俺の義務であり、責務だ。
視線は書類にあるが、意識はそこになかった。
ただ刑を待つ囚人のように、日向の次の言葉を待っていた。
「ただ彼女が妊娠したことを実証できるものはありません。あくまで産婦人科に通院したというだけです。これ以上は個人情報となるので病院側も情報提供はしてくれませんでした。」
「そうか・・・。」
それ以上、言葉が浮かばなかった。
いや言葉だけでなく、何も考えられなかった。
「以上が、今回の調査でわかったことです。」
日向はそこで話を一旦、終えた。
そのタイミングを見計り、宗人が口を挟んだ。
「日向さん、あなたの経験上、どう思われますか?」
「宗人っ!」
宗人を睨み、彼の口を閉ざそうとしたが彼は怯まず、日向を促した。
「私の観点からいけば・・・やはり蛯澤は豊田に襲われたと考えるのが妥当でしょう。そして豊田は罪に苛まれて、学校を辞めた。一方、蛯澤は傷を負い、その治療の為学校を休み、そして精神的なストレスを考えて転校する事を決めた。というころでしょうか。」
淡々と語る日向を疎ましく思いながらも、それを受け入れなければならないと自分に言い聞かせていた。
日向の存在も忘れ、頭を抱え黙り込んだ。
それを横目に宗人は日向に話し掛けた。
「今でも彼女は通院をしているのですか?」
その問いに俺ははっと顔を上げた。
宗人の意味するものがなんなのか、すぐに理解でしたからだ。
「いいえ。彼女が通院したのは、1年程だけです。それ以降は全く。」
「そうですか。わかりました。」
宗人は日向を立たせ、一緒に専務室を後にした。
しかし俺は、そこから動く事が出来なかった。
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