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第4章
人の噂も七十五日㉓ ~忍の失態と黒いパンツ~
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抵抗むなしく忍の母親と姉二人に強引に家に引き込まれた二郎は出されたお茶を静かに飲みつつも居心地が悪そうにリビングのテーブルの前で正座をして3人の忍の顔に似た女性に囲まれていた。
「ねぇ君名前はなんて言うのかな」
「はぁ山田二郎と言います」
「いつから忍と付き合っているのよ、二郎君」
「ですから何度も言うように俺らは付き合っていませんので誤解しないでください」
「そんなこと言って、部活を1度休んだくらいで家に見舞いに来る事なんて普通しないでしょ。もしかして二郎君が片思いしているのかな、ふふふ」
「ですからお姉さん、俺は部活の先生に頼まれた届け物を持ってきただけですから」
二郎は忍母である梓に再度自己紹介をし、明らかにからかいの表情で迫る奏には強めに否定を入れ、椿には冷静に訪問目的を説明した。
「あらあら、本当にそのためだけにわざわざ来てくれたの。それなら明日学校で渡せば良かったんじゃないの」
梓は正論を言うように疑問を二郎にぶつけた。
「正直自分もそう思ったのですが、女子バスケ部の副部長の奴にどうしても今日渡してきて欲しいと言われまして、それで家の方面が近い自分が来たと言うことなんです」
「そうだったの、家はどちらなの、稲城市内のなのかしら。それでもわざわざ持ってきてくれてありがとうね」
梓は状況を理解したように二郎に感謝を伝えた。
「いえいえ、そんな気にしないでください。同じ部活のよしみですから、それではこれを忍さんに渡してください。あとこれ、たいしたものじゃないですが体調悪くてまともに食事も出来ないでしょうから、良かったらこれでもアイツに飲ましてください」
そういって二郎は歩から渡された便箋の入った封筒と春樹からもらった蜂蜜と二つのレモンが入った袋を梓に手渡した。
「あれ、わざわざお見舞いの差し入れなんて持って来てくれたの。本当にありがとうね。まったく忍もこんなに二郎君に心配させて。椿、せっかくだから二郎君を車で送ってあげなさいな。わざわざ来てもらってこのまま何もせずに返すなんて失礼だし、帰りに何か持たせなきゃイケないわ」
「いえいえ、そこまでしてもらう理由がありませんし、そもそも家が西多摩の青梅市なので、電車で帰った方が早いので大丈夫です。まぁ忍も今日ばかりはゆっくり休ませてあげてください。部活の疲れもあるでしょうし、男と違って女性が定期的に体調崩すのは本人の責任ではないですから」
そんな梓と二郎の会話を聞いていた奏が不思議そうに言った。
「ねぁ姉貴、忍の奴食事もまともに出来ないくらい体調が悪かったっけ。私朝ご飯に納豆と目玉焼きにしっかりご飯と味噌汁をおいしそうに食べていた忍を見たんだけど」
「え?」
「あぁ私も見たわ。昼ご飯にカップ麺とおにぎりを食べて、それでも足りないからって駅前のコンビニでファミチキ買って食べていたわね、あの子」
「ふぁ!」
二郎が二人の姉の忍の目撃情報を聞き驚いた声を上げていると、忍母の梓が二郎の持参した差し入れの中身を確認して何かに気付いたように言った。
「もしかして二郎君、あの子が今日休んだのって、その、生理痛のせいだと思っていたのかしら」
梓の言葉に二郎はしどろもどろになりながらも、恥ずかしそうに頷いた。
「いえ、あの、その、つまり、・・・はい。そうですが、何かマズかったですか。話しに聞くところ体調崩して相当具合も悪いと女バスの奴に聞いて、それでやはり忍も当然女の子なので、普段はガミガミうるさい奴ですけど、こういう時くらいは心配と言いますか、いや、でも俺はこんな時に同級生の男子に家に来られても迷惑だろうと言ったんですが、その忍の友人の女が行け行け言うモノですから・・・」
それを聞いた忍の母と姉たちはあたふためく純粋そうな男子高校生を見て、ほっこりとした表情で椿が代表して言った。
「そう、ありがとう二郎君。あなた本当に優しい子みたいね。でも、残念。きっとその忍の友達にはめられたわよ。だって忍の奴、普通に元気だし、多分少し気分が悪かっただけで、生理とかそう言うことでは全くないからね」
椿は前半二郎を褒めるように、そして後半はまんまと騙された二郎を可愛く思うように笑いながら言った。
その言葉に奏は耐えきれないと言った様子で大笑いし、それを見て梓も手を口で押さえながらクスクスを笑うのであった。
二郎は顔を赤面させながら、しばらく三人からあれこれと質問攻めに遭っていたところ、その騒がしい声に気付いた忍がリビングに入ってきた。
「もう、姉貴達うるさいよ!人がせっかく珍しく日曜日に家でゆっくりしているのだから、ちょっとは静かにしてよ」
そう怒鳴り込んで来た忍はリビングのテーブルの周りに予想していた頭数が一つ多いことに疑問に思い、そこに座る4人の顔を確認した。
「ん?お母さんに椿姉に奏姉、それに・・・・二郎?え・・・・」
「おう、忍、お邪魔しているぞ。と言うか、お前普通に元気そうじゃねーか、よ・・・・」
忍が二郎の顔を確認して固まっていると、二郎が少し申し訳なさそうに言つつ、最後の言葉を言い終わったとき、二度見をしながら目を大きく見開きながら固まった。
「って、何であんたがウチにいて、のんきにお母さん達とお茶飲んでいるのよ!」
そんな二郎の様子など目にも留まらないと言った忍が驚き半分怒り半分で二郎に文句を言うと梓が叱るように言った。
「これ、忍、二郎君はわざわざ部活の先生に言われて書類をあなたに届けに来てくれたのよ。それに差し入れまで持ってきてくれた相手になんて事言うのよ。ちょっと、それよりあなたこそなんて格好して立っているの。嫁入り前の女の子がはしたない!」
「なんで私が怒られなきゃイケないのよ。それに二郎がどうして・・・」
忍が二郎を見て言い返そうとしたところ、二郎が明後日の方向を見て忍から顔背けて言った。
「お前、話しは後で聞くからとりあえず何か着ろ、バカ」
二郎の言葉を聞いた忍はようやく自分の今の格好に気づき叫びを上げた。
「きゃー、あんたどこ見てんのよ」
忍の格好は寝るときに着る薄着でネイビーのナイトブラと下着の黒いショーツのみを身に纏っており、鍛えられてキュッ締まったウエストラインがモロ見え状態のお腹に、女性なら誰もが憧れるほどの細く長い十代のみずみずしい張りとつやのある足がつま先から骨盤近くまで完全に見えるサービスショット状態の姿だった。
その場にしゃがみ込みながら、二郎を睨み付ける忍に二郎は慌てるように言った。
「バカ、そんなところにしゃがみ込んでないで、早く部屋に戻って服を着て来いって、アホが」
「うー、あんた見たの。見たんでしょ。見たって言いなさいよ!」
しゃがみ込んだままなかなか動かない忍に二郎がヤケクソになって言った。
「見たんじゃないぞ。少し見えただけだ。でも、不可抗力だ。俺だってまさかお前がそんな格好をしているなんて思わないし。でも大丈夫だ、突然の事でもう何も覚えてないから」
「嘘だ、あんた結構な時間あたしの事見ながら話していたじゃない。下着だって見たでしょ」
「安心しろ、俺も初めて生で黒いパンツなんて見たからびっくりして忘れちまったよ」
「バカ!しっかり覚えているじゃない、バカ、バカ、二郎のバカー!」
忍は半泣き状態でリビングから飛び出していくと、ぐったりした二郎に梓が申し訳なさそうに、奏が楽しそうに言った。
「本当にバカな娘でごめんなさいね」
「二郎君、これが役得、ラッキースケベって奴だね、ふふ」
「何を言っているんですか。はぁようやく昨日機嫌が直ったと思ったのに、これじゃまたしばらくガチギレ状態ですよ、もう」
二郎は大きなため息をつきながら、さすがにもうここには居られないとそそくさと成田家をあとにするのであった。
「ねぇ君名前はなんて言うのかな」
「はぁ山田二郎と言います」
「いつから忍と付き合っているのよ、二郎君」
「ですから何度も言うように俺らは付き合っていませんので誤解しないでください」
「そんなこと言って、部活を1度休んだくらいで家に見舞いに来る事なんて普通しないでしょ。もしかして二郎君が片思いしているのかな、ふふふ」
「ですからお姉さん、俺は部活の先生に頼まれた届け物を持ってきただけですから」
二郎は忍母である梓に再度自己紹介をし、明らかにからかいの表情で迫る奏には強めに否定を入れ、椿には冷静に訪問目的を説明した。
「あらあら、本当にそのためだけにわざわざ来てくれたの。それなら明日学校で渡せば良かったんじゃないの」
梓は正論を言うように疑問を二郎にぶつけた。
「正直自分もそう思ったのですが、女子バスケ部の副部長の奴にどうしても今日渡してきて欲しいと言われまして、それで家の方面が近い自分が来たと言うことなんです」
「そうだったの、家はどちらなの、稲城市内のなのかしら。それでもわざわざ持ってきてくれてありがとうね」
梓は状況を理解したように二郎に感謝を伝えた。
「いえいえ、そんな気にしないでください。同じ部活のよしみですから、それではこれを忍さんに渡してください。あとこれ、たいしたものじゃないですが体調悪くてまともに食事も出来ないでしょうから、良かったらこれでもアイツに飲ましてください」
そういって二郎は歩から渡された便箋の入った封筒と春樹からもらった蜂蜜と二つのレモンが入った袋を梓に手渡した。
「あれ、わざわざお見舞いの差し入れなんて持って来てくれたの。本当にありがとうね。まったく忍もこんなに二郎君に心配させて。椿、せっかくだから二郎君を車で送ってあげなさいな。わざわざ来てもらってこのまま何もせずに返すなんて失礼だし、帰りに何か持たせなきゃイケないわ」
「いえいえ、そこまでしてもらう理由がありませんし、そもそも家が西多摩の青梅市なので、電車で帰った方が早いので大丈夫です。まぁ忍も今日ばかりはゆっくり休ませてあげてください。部活の疲れもあるでしょうし、男と違って女性が定期的に体調崩すのは本人の責任ではないですから」
そんな梓と二郎の会話を聞いていた奏が不思議そうに言った。
「ねぁ姉貴、忍の奴食事もまともに出来ないくらい体調が悪かったっけ。私朝ご飯に納豆と目玉焼きにしっかりご飯と味噌汁をおいしそうに食べていた忍を見たんだけど」
「え?」
「あぁ私も見たわ。昼ご飯にカップ麺とおにぎりを食べて、それでも足りないからって駅前のコンビニでファミチキ買って食べていたわね、あの子」
「ふぁ!」
二郎が二人の姉の忍の目撃情報を聞き驚いた声を上げていると、忍母の梓が二郎の持参した差し入れの中身を確認して何かに気付いたように言った。
「もしかして二郎君、あの子が今日休んだのって、その、生理痛のせいだと思っていたのかしら」
梓の言葉に二郎はしどろもどろになりながらも、恥ずかしそうに頷いた。
「いえ、あの、その、つまり、・・・はい。そうですが、何かマズかったですか。話しに聞くところ体調崩して相当具合も悪いと女バスの奴に聞いて、それでやはり忍も当然女の子なので、普段はガミガミうるさい奴ですけど、こういう時くらいは心配と言いますか、いや、でも俺はこんな時に同級生の男子に家に来られても迷惑だろうと言ったんですが、その忍の友人の女が行け行け言うモノですから・・・」
それを聞いた忍の母と姉たちはあたふためく純粋そうな男子高校生を見て、ほっこりとした表情で椿が代表して言った。
「そう、ありがとう二郎君。あなた本当に優しい子みたいね。でも、残念。きっとその忍の友達にはめられたわよ。だって忍の奴、普通に元気だし、多分少し気分が悪かっただけで、生理とかそう言うことでは全くないからね」
椿は前半二郎を褒めるように、そして後半はまんまと騙された二郎を可愛く思うように笑いながら言った。
その言葉に奏は耐えきれないと言った様子で大笑いし、それを見て梓も手を口で押さえながらクスクスを笑うのであった。
二郎は顔を赤面させながら、しばらく三人からあれこれと質問攻めに遭っていたところ、その騒がしい声に気付いた忍がリビングに入ってきた。
「もう、姉貴達うるさいよ!人がせっかく珍しく日曜日に家でゆっくりしているのだから、ちょっとは静かにしてよ」
そう怒鳴り込んで来た忍はリビングのテーブルの周りに予想していた頭数が一つ多いことに疑問に思い、そこに座る4人の顔を確認した。
「ん?お母さんに椿姉に奏姉、それに・・・・二郎?え・・・・」
「おう、忍、お邪魔しているぞ。と言うか、お前普通に元気そうじゃねーか、よ・・・・」
忍が二郎の顔を確認して固まっていると、二郎が少し申し訳なさそうに言つつ、最後の言葉を言い終わったとき、二度見をしながら目を大きく見開きながら固まった。
「って、何であんたがウチにいて、のんきにお母さん達とお茶飲んでいるのよ!」
そんな二郎の様子など目にも留まらないと言った忍が驚き半分怒り半分で二郎に文句を言うと梓が叱るように言った。
「これ、忍、二郎君はわざわざ部活の先生に言われて書類をあなたに届けに来てくれたのよ。それに差し入れまで持ってきてくれた相手になんて事言うのよ。ちょっと、それよりあなたこそなんて格好して立っているの。嫁入り前の女の子がはしたない!」
「なんで私が怒られなきゃイケないのよ。それに二郎がどうして・・・」
忍が二郎を見て言い返そうとしたところ、二郎が明後日の方向を見て忍から顔背けて言った。
「お前、話しは後で聞くからとりあえず何か着ろ、バカ」
二郎の言葉を聞いた忍はようやく自分の今の格好に気づき叫びを上げた。
「きゃー、あんたどこ見てんのよ」
忍の格好は寝るときに着る薄着でネイビーのナイトブラと下着の黒いショーツのみを身に纏っており、鍛えられてキュッ締まったウエストラインがモロ見え状態のお腹に、女性なら誰もが憧れるほどの細く長い十代のみずみずしい張りとつやのある足がつま先から骨盤近くまで完全に見えるサービスショット状態の姿だった。
その場にしゃがみ込みながら、二郎を睨み付ける忍に二郎は慌てるように言った。
「バカ、そんなところにしゃがみ込んでないで、早く部屋に戻って服を着て来いって、アホが」
「うー、あんた見たの。見たんでしょ。見たって言いなさいよ!」
しゃがみ込んだままなかなか動かない忍に二郎がヤケクソになって言った。
「見たんじゃないぞ。少し見えただけだ。でも、不可抗力だ。俺だってまさかお前がそんな格好をしているなんて思わないし。でも大丈夫だ、突然の事でもう何も覚えてないから」
「嘘だ、あんた結構な時間あたしの事見ながら話していたじゃない。下着だって見たでしょ」
「安心しろ、俺も初めて生で黒いパンツなんて見たからびっくりして忘れちまったよ」
「バカ!しっかり覚えているじゃない、バカ、バカ、二郎のバカー!」
忍は半泣き状態でリビングから飛び出していくと、ぐったりした二郎に梓が申し訳なさそうに、奏が楽しそうに言った。
「本当にバカな娘でごめんなさいね」
「二郎君、これが役得、ラッキースケベって奴だね、ふふ」
「何を言っているんですか。はぁようやく昨日機嫌が直ったと思ったのに、これじゃまたしばらくガチギレ状態ですよ、もう」
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