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第1章
二郎の寄り道
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中間テスト一週間前の最終日の部活帰りに、二郎はバッシュの靴紐を買いに駅近くのスポーツ用品店へ行った。
二郎達が通う都立琴吹高校は最寄り駅からメイン通りをまっすぐ歩いて一本道で約10分程度の場所にあるが、このスポーツ用品店はそのメイン通りから駅近くの角を一つ入って数分歩いたところにあった。この道は普段高校へ通学する学生達はほぼ通らない地元住民が使う生活道路であり、コンビニや居酒屋、古びたラーメン屋に歯医者などいくつかの店が並ぶそんな通りに面していた。
部活終わりで夕方6時半を過ぎて、すっかり暗くなったその通りを少し歩いたところで、二郎はぼんやりと明かりを灯す店を見つけ迷うことなく入っていった。
「いらっしゃい」
店に入ると初老の白髭を生やした店主がレジ前の椅子に座り新聞を読んでいた。
「おじさん、こんばんわ。この前に注文しておいたバッシュの靴紐は入荷していますか」
二郎は4月の中頃に注文しておいた靴紐の注文書を見せながら店主に尋ねた。
「ちょっと待ってね・・・。うん、大分前に入荷していたみたいだよ」
店主はレジの読み取り機で二郎から渡された注文書のバーコードから入荷日の確認を行い、二郎に手で待ったをかけ商品を取りに店内奥に入っていった。
1分もしないうちに店主が戻り、手に持った袋を二郎に見せた。
「これで間違いなかったかの」
「はい、これで大丈夫です。いくらになりますか」
「えーっと、税込みで630円だね」
「じゃ、これでお願いします」
「はい、おつりの370円ね。毎度どうもありがとうね」
「いえ、ありがとうございます」
「今度は友達でも連れてきな。バッシュの注文くれたら、靴紐でもサービスするからよろしくお願いね」
店主は去年から何度か店を訪れている二郎の顔を覚えているのか、常連客に話すように二郎を見送った。
目的を早々に果たした二郎は店を出ると、小麦の焼ける香ばしい匂いに誘われて、斜向かいにある店に目向けた。
レンガ調の壁に木枠の四角い窓が二つと木目調の開き扉、屋根際に暖かい雰囲気を醸し出すスポットライトで装飾された店構えをしたこの店の看板には【焼きたてパン工房 佐藤さん】と書かれていた。なんと読めば良いのか分からないフランス語やイタリア語の店名が増えるこのご時世に、非常に覚えやすく潔い店だと二郎は思った。
この店は4月中頃に靴紐の注文に来た際に見つけた店であり、それから部活帰りに夕食を買うため何度か訪れている店だった。というのも、2年に上がった今年の春から兄の一也が大学入学のために一人暮らしを始めており、また母が夜に社交ダンスの習い事を始めた結果、夕食を作るのが手間で効率が悪いと言うことになり、週に何度かは夕食を外で済ますようになっていた。二郎は当初、ラーメンや牛丼、ファストフードなどを食べていたが、それもすぐに飽きて他の食べ物を探しているときに偶然入ったのがこの店だった。
この店のパンは若干値段が張るが、味は間違いなく、何より種類が多いため二郎を飽きさせなかった。
二郎が店に入るとドアの上の左角についた小さなベルが「チャリン」となったのに気づき、元気な女性の声が聞こえてきた。
「いらっしゃいませ」
その声がするレジの方へ目を向けると、ショートボブの綺麗な黒髪で、接客を意識したのか顔がよく見えるデコ出しハーフアップの笑顔が素敵な一人の女性店員が二郎を出迎えた。制服なのか、店の名のロゴが大きく入ったエプロンを身につけており、それが髪型と妙に似合っており、その働く女性といった装いが二郎は好きだった。
「どうも、また来ちゃいました」
「・・・いつもありがとうございます」
女性店員は一瞬、目を点にしながらも、すぐにいつも通りの挨拶を交わした。
「焼きたてのパンは何かありますか」
二郎は最近来るたびにこの質問をして、彼女におすすめを聞くことが一つの楽しみになっていた。
「そうですね、今ちょうどクロワッサンとシナモンロールが焼きたてですよ。ちょっとすいません」
女性店員は笑顔で二郎の問いに返事をしながら、急いで店の中へ入っていった。
「そうですか、ありがとう・・ございます。」
二郎は会話の途中で奥に入っていった彼女を見て、少しがっかりしながらトングとプレートを手に取った。普段はこの会話の後でもう少しだけ世間話をするところだが、今日は何かあったのかと少し疑問に思いながらパン棚の方に移動した。
店内には二人の老夫婦が先にいたようで、楽しそうに話をしていた。
「お父さん、今日は何にしますか」
「わしゃ、コロッケパンと決まっておる。小さい頃からそればかり食べて来たのだから、今更変えられんわ」
二郎には到底推し量れないコロッケパンへのこだわりを語るおじいさんに、おばあさんがあきれたように言葉を返す。
「毎回毎回、コロッケパン、コロッケパンばかり言って、そりゃ好きなのは分かりますけど、これだけ種類があるのですから、たまには他のパンも試してみれば良いのに。それで私に味見させてくださいな」
あまり量が食べられないおばあさんであったが、この店のパンのメニューの完全制覇を目指しているのか、自分とおじいさんで別々のパンを買って多くの種類のパンを食べたいと思わせるようなそんな口ぶりだった。
「ここはコロッケパンが一番うまいとわしが決めたんだから、それを黙って食べれば良いのじゃよ」
レジの後ろの壁のあいた小窓から奥で作業をする店長さんらしき男の人が今の話しが聞こえたのか、一瞬笑みを浮かべていたのを二郎は見逃さなかった。
「全く40年経ってもその頑固さは変りませんね。それでは、私はミラノ風ミートパイと宇治金時生クリームサンドにしますよ」
おばあさんはおじいさんの戯言を受け流し、ほしかったおもちゃを見つけた時のような満面の笑みを浮かべながら、コロッケパン2つと新作のパンをプレートにのせた。
二郎はそのほほえましい様子を脇目で見ながら、なかなかパンチの効いたチョイスをするなと思いつつ、おばあさんのこの店のメニューの完全制覇までの道のりはまだまだかかりそうだと思うのであった。
そんなことを思いながら二郎もパン選びを始める。
確かにこの店のメニューは豊富だ。改めてパン棚を見ても、定番のあんパン、クリームパン、カレーパンにメロンパン。それに何種類もの食パンやフランスパン、塩バターロールにチーズパン。それにカツサンドやメンチカツパンなどの揚げ物パンやベーコンやハムに野菜がトッピングされたおかずパン、フルーツやチョコ、クリームなどを使ったスイーツパン。他にもピザやホカッチェ、ベーグルにドーナツなど挙げたら切りがない程である。それに加え週替わりの変わり種パンや新作メニューも多く、常時60~70種類並ぶため選ぶのも悩ましいほどのラインナップだった。
その中で二郎は焼きたてだと言うクロワッサンとシナモンロールを選び、残り二つは毎回食べるチョコベーグルと明太フランスをプレートに乗せようとして手を止めた。そのときあのおじいさんの言葉が頭をよぎった。
『この店はコロッケパンが一番うまい!』
二郎はそこまで言われて食べないのは男が廃ると勝手に思いコロッケパンをつかみ取り、その勢いでおばあさんがチョイスしたミラノ風ミートパイも選ぶことにした。
3分程で二郎はパン選びを終えて、再びレジに向かった。
彼女は奥からレジ前に戻っており、変わらぬ様子で対応した。
「4点で合計945円になります」
「千円でお願いします」
「はい、55円のお返しになります。こちらどうぞ。ありがとうございます」
テキパキとパンを袋に詰めて、支払いを済ませた彼女は二郎に袋を手渡し、お礼を一言添えてそれ以上は何も言わなかった。
二郎は彼女の手先に一瞬目を奪われながら商品を受け取り、軽く会釈をして店を出た。
(何かいつもより今日は店員のお姉さんがよそよそしい気がしたな。何かマズいことでもしたかなぁ。それにしても可愛い絆創膏だったな。ウサギの絵柄なんて大人っぽい彼女には随分可愛らしい趣味だな。大学生のアルバイトさんなのかなぁ)
二郎はあれこれ考えがなら、袋から焼きたてのクロワッサンを取り出し早速食べ始めた。
二郎達が通う都立琴吹高校は最寄り駅からメイン通りをまっすぐ歩いて一本道で約10分程度の場所にあるが、このスポーツ用品店はそのメイン通りから駅近くの角を一つ入って数分歩いたところにあった。この道は普段高校へ通学する学生達はほぼ通らない地元住民が使う生活道路であり、コンビニや居酒屋、古びたラーメン屋に歯医者などいくつかの店が並ぶそんな通りに面していた。
部活終わりで夕方6時半を過ぎて、すっかり暗くなったその通りを少し歩いたところで、二郎はぼんやりと明かりを灯す店を見つけ迷うことなく入っていった。
「いらっしゃい」
店に入ると初老の白髭を生やした店主がレジ前の椅子に座り新聞を読んでいた。
「おじさん、こんばんわ。この前に注文しておいたバッシュの靴紐は入荷していますか」
二郎は4月の中頃に注文しておいた靴紐の注文書を見せながら店主に尋ねた。
「ちょっと待ってね・・・。うん、大分前に入荷していたみたいだよ」
店主はレジの読み取り機で二郎から渡された注文書のバーコードから入荷日の確認を行い、二郎に手で待ったをかけ商品を取りに店内奥に入っていった。
1分もしないうちに店主が戻り、手に持った袋を二郎に見せた。
「これで間違いなかったかの」
「はい、これで大丈夫です。いくらになりますか」
「えーっと、税込みで630円だね」
「じゃ、これでお願いします」
「はい、おつりの370円ね。毎度どうもありがとうね」
「いえ、ありがとうございます」
「今度は友達でも連れてきな。バッシュの注文くれたら、靴紐でもサービスするからよろしくお願いね」
店主は去年から何度か店を訪れている二郎の顔を覚えているのか、常連客に話すように二郎を見送った。
目的を早々に果たした二郎は店を出ると、小麦の焼ける香ばしい匂いに誘われて、斜向かいにある店に目向けた。
レンガ調の壁に木枠の四角い窓が二つと木目調の開き扉、屋根際に暖かい雰囲気を醸し出すスポットライトで装飾された店構えをしたこの店の看板には【焼きたてパン工房 佐藤さん】と書かれていた。なんと読めば良いのか分からないフランス語やイタリア語の店名が増えるこのご時世に、非常に覚えやすく潔い店だと二郎は思った。
この店は4月中頃に靴紐の注文に来た際に見つけた店であり、それから部活帰りに夕食を買うため何度か訪れている店だった。というのも、2年に上がった今年の春から兄の一也が大学入学のために一人暮らしを始めており、また母が夜に社交ダンスの習い事を始めた結果、夕食を作るのが手間で効率が悪いと言うことになり、週に何度かは夕食を外で済ますようになっていた。二郎は当初、ラーメンや牛丼、ファストフードなどを食べていたが、それもすぐに飽きて他の食べ物を探しているときに偶然入ったのがこの店だった。
この店のパンは若干値段が張るが、味は間違いなく、何より種類が多いため二郎を飽きさせなかった。
二郎が店に入るとドアの上の左角についた小さなベルが「チャリン」となったのに気づき、元気な女性の声が聞こえてきた。
「いらっしゃいませ」
その声がするレジの方へ目を向けると、ショートボブの綺麗な黒髪で、接客を意識したのか顔がよく見えるデコ出しハーフアップの笑顔が素敵な一人の女性店員が二郎を出迎えた。制服なのか、店の名のロゴが大きく入ったエプロンを身につけており、それが髪型と妙に似合っており、その働く女性といった装いが二郎は好きだった。
「どうも、また来ちゃいました」
「・・・いつもありがとうございます」
女性店員は一瞬、目を点にしながらも、すぐにいつも通りの挨拶を交わした。
「焼きたてのパンは何かありますか」
二郎は最近来るたびにこの質問をして、彼女におすすめを聞くことが一つの楽しみになっていた。
「そうですね、今ちょうどクロワッサンとシナモンロールが焼きたてですよ。ちょっとすいません」
女性店員は笑顔で二郎の問いに返事をしながら、急いで店の中へ入っていった。
「そうですか、ありがとう・・ございます。」
二郎は会話の途中で奥に入っていった彼女を見て、少しがっかりしながらトングとプレートを手に取った。普段はこの会話の後でもう少しだけ世間話をするところだが、今日は何かあったのかと少し疑問に思いながらパン棚の方に移動した。
店内には二人の老夫婦が先にいたようで、楽しそうに話をしていた。
「お父さん、今日は何にしますか」
「わしゃ、コロッケパンと決まっておる。小さい頃からそればかり食べて来たのだから、今更変えられんわ」
二郎には到底推し量れないコロッケパンへのこだわりを語るおじいさんに、おばあさんがあきれたように言葉を返す。
「毎回毎回、コロッケパン、コロッケパンばかり言って、そりゃ好きなのは分かりますけど、これだけ種類があるのですから、たまには他のパンも試してみれば良いのに。それで私に味見させてくださいな」
あまり量が食べられないおばあさんであったが、この店のパンのメニューの完全制覇を目指しているのか、自分とおじいさんで別々のパンを買って多くの種類のパンを食べたいと思わせるようなそんな口ぶりだった。
「ここはコロッケパンが一番うまいとわしが決めたんだから、それを黙って食べれば良いのじゃよ」
レジの後ろの壁のあいた小窓から奥で作業をする店長さんらしき男の人が今の話しが聞こえたのか、一瞬笑みを浮かべていたのを二郎は見逃さなかった。
「全く40年経ってもその頑固さは変りませんね。それでは、私はミラノ風ミートパイと宇治金時生クリームサンドにしますよ」
おばあさんはおじいさんの戯言を受け流し、ほしかったおもちゃを見つけた時のような満面の笑みを浮かべながら、コロッケパン2つと新作のパンをプレートにのせた。
二郎はそのほほえましい様子を脇目で見ながら、なかなかパンチの効いたチョイスをするなと思いつつ、おばあさんのこの店のメニューの完全制覇までの道のりはまだまだかかりそうだと思うのであった。
そんなことを思いながら二郎もパン選びを始める。
確かにこの店のメニューは豊富だ。改めてパン棚を見ても、定番のあんパン、クリームパン、カレーパンにメロンパン。それに何種類もの食パンやフランスパン、塩バターロールにチーズパン。それにカツサンドやメンチカツパンなどの揚げ物パンやベーコンやハムに野菜がトッピングされたおかずパン、フルーツやチョコ、クリームなどを使ったスイーツパン。他にもピザやホカッチェ、ベーグルにドーナツなど挙げたら切りがない程である。それに加え週替わりの変わり種パンや新作メニューも多く、常時60~70種類並ぶため選ぶのも悩ましいほどのラインナップだった。
その中で二郎は焼きたてだと言うクロワッサンとシナモンロールを選び、残り二つは毎回食べるチョコベーグルと明太フランスをプレートに乗せようとして手を止めた。そのときあのおじいさんの言葉が頭をよぎった。
『この店はコロッケパンが一番うまい!』
二郎はそこまで言われて食べないのは男が廃ると勝手に思いコロッケパンをつかみ取り、その勢いでおばあさんがチョイスしたミラノ風ミートパイも選ぶことにした。
3分程で二郎はパン選びを終えて、再びレジに向かった。
彼女は奥からレジ前に戻っており、変わらぬ様子で対応した。
「4点で合計945円になります」
「千円でお願いします」
「はい、55円のお返しになります。こちらどうぞ。ありがとうございます」
テキパキとパンを袋に詰めて、支払いを済ませた彼女は二郎に袋を手渡し、お礼を一言添えてそれ以上は何も言わなかった。
二郎は彼女の手先に一瞬目を奪われながら商品を受け取り、軽く会釈をして店を出た。
(何かいつもより今日は店員のお姉さんがよそよそしい気がしたな。何かマズいことでもしたかなぁ。それにしても可愛い絆創膏だったな。ウサギの絵柄なんて大人っぽい彼女には随分可愛らしい趣味だな。大学生のアルバイトさんなのかなぁ)
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