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第五話
取り囲む兵士達<Ⅰ>
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「この様なところ何をしている!」
「はは! 院を取り囲むように命令を受けております!」
「馬鹿者が! 相手は中にいるのだ。これだけの人数がいて何をしている。さっさと中に入って取り押さえろ!」
「しかし我らは取り囲むだけで動くなと厳命をされておりまして」
「うるさい! 兵士如きが私の命令が聞けないというのか!」
「そういうわけではありませんが……」
「ああもう情けない。これはロンロールの将来の話なのだぞ! それに聖女や魔術師といえど所詮はガキ、この人数で押せばなんとでもなろうが!」
「相手は聖女様が含まれていると聞いております。もし下手なことをして何かあればアデル教徒全体を敵にまわすかもしれません」
「ええい、黙れ黙れ! ならばお前はここで壁のヒビの数でも数えていろ! 他の者共は我に続け! うおー!」
「うおー!」
雇い主に命令されてしまっては従うしかない兵士達は合議院の中へとなだれ込むように入っていった。
「金額が金額ですし……無碍にしてしまうのも」
既にほぼ落ちかけている聖職者のセレーネさんだった。
ばたんっ!
「進めー! 相手は四人だ。必ず取り押さえろ! 抵抗してきたら多少の荒事になっても構わん!」
と、本気で悩んでいるところに兵士達がなだれ込んできた。
「いたぞ! あの者達を捕らえよ! よし、まずはあの盗賊の娘を優先して捕らえよ!」
「盗賊の娘?」
「デルのことじゃね」
「え、僕なの!?」
確かに見た目で考えると俺が魔術師でデルが盗賊に見えないこともない。
ふむ、これは今後使えるかもしれないな。じゃなくてだ。
「結局そういうことですか」
「ち、違いまする! お前達止めよ! 止めるのだ!」
「勇者様方、これは何かの手違いでございます!」
必死さから嘘は言っていない感じではあるがしかし。
「はぁ……つまり、あなた方の間でも話がまとまっていないってことで、そうなると信用は致しかねます。ここで了承しても後になって手の平を返されたらたまらないですから」
「いえ、この件はしっかりと対処させていただきますので、どうかどうか今一度の猶予を!」
「一体どのような理由で我々に執着するのかは分かりませんが、やはりお暇させていただきます」
くるりときびすを返して兵士の方を見る俺達。
どうやら色々と情報がもたらされているのか。かなり警戒して距離を取られている。
「ぐぬっ、か、かくなる上は全員を引っ捕らえよ!」
交渉決裂と判断した二人の商人も結局悪代官よろしく俺達を捕らえる方に回るのであった。
「はは! 院を取り囲むように命令を受けております!」
「馬鹿者が! 相手は中にいるのだ。これだけの人数がいて何をしている。さっさと中に入って取り押さえろ!」
「しかし我らは取り囲むだけで動くなと厳命をされておりまして」
「うるさい! 兵士如きが私の命令が聞けないというのか!」
「そういうわけではありませんが……」
「ああもう情けない。これはロンロールの将来の話なのだぞ! それに聖女や魔術師といえど所詮はガキ、この人数で押せばなんとでもなろうが!」
「相手は聖女様が含まれていると聞いております。もし下手なことをして何かあればアデル教徒全体を敵にまわすかもしれません」
「ええい、黙れ黙れ! ならばお前はここで壁のヒビの数でも数えていろ! 他の者共は我に続け! うおー!」
「うおー!」
雇い主に命令されてしまっては従うしかない兵士達は合議院の中へとなだれ込むように入っていった。
「金額が金額ですし……無碍にしてしまうのも」
既にほぼ落ちかけている聖職者のセレーネさんだった。
ばたんっ!
「進めー! 相手は四人だ。必ず取り押さえろ! 抵抗してきたら多少の荒事になっても構わん!」
と、本気で悩んでいるところに兵士達がなだれ込んできた。
「いたぞ! あの者達を捕らえよ! よし、まずはあの盗賊の娘を優先して捕らえよ!」
「盗賊の娘?」
「デルのことじゃね」
「え、僕なの!?」
確かに見た目で考えると俺が魔術師でデルが盗賊に見えないこともない。
ふむ、これは今後使えるかもしれないな。じゃなくてだ。
「結局そういうことですか」
「ち、違いまする! お前達止めよ! 止めるのだ!」
「勇者様方、これは何かの手違いでございます!」
必死さから嘘は言っていない感じではあるがしかし。
「はぁ……つまり、あなた方の間でも話がまとまっていないってことで、そうなると信用は致しかねます。ここで了承しても後になって手の平を返されたらたまらないですから」
「いえ、この件はしっかりと対処させていただきますので、どうかどうか今一度の猶予を!」
「一体どのような理由で我々に執着するのかは分かりませんが、やはりお暇させていただきます」
くるりときびすを返して兵士の方を見る俺達。
どうやら色々と情報がもたらされているのか。かなり警戒して距離を取られている。
「ぐぬっ、か、かくなる上は全員を引っ捕らえよ!」
交渉決裂と判断した二人の商人も結局悪代官よろしく俺達を捕らえる方に回るのであった。
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