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第五話
ロンロール合議院
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メチャクチャ大変な一日を過ごした次の日の商業都市ロンロール。
議院からの使いが合議員の一人の元に来ていた。
「なんだと!? 勇者達が戻ってきただと、馬鹿な……」
合議院が依頼をしてから、まだ二日しか経っていないのに勇者パーティが戻ってきたという。
「……いやそうか。やはり失敗したということか。ほうら見てみろ、だから買い被りすぎだと言ったのだ」
「それがその……ちゃんとそれらしき遺体を持って来ておりまして」
「な、なんだと!? 一体どうやったら二日足らずで、見つけて戻ってこられるんだ?」
彼らの予想では早くても2週間、遅ければ一月は掛かると予想し、それも結局見つけられなかったと失敗するだろうとも考えていた。
「これはどうやら、彼らへの考えを改めねばならんようだな」
元々勇者の噂には懐疑的であった彼だがそこは商人。目の前で起きた現実はしっかりと受け止めた。
「合議員は全員集めているのだろう?」
「はい。ただいま招集中です」
「分かった。では直ぐに私も行こう」
「お願いします」
「そうだ。婦人も呼んでおけ、一応見分もしておくべきだからな」
「分かりました」
「それと兵団も展開させておけ」
「ふわぁぁ……眠い」
ロンロールの合議院で待たされること2時間が過ぎていた。
運んできた遺体を誰かが確認してもらえばそれで終わりだと思っていたが合議の義員達が集まるまで待たされることなってしまった。
待たされた部屋は豪華な造りをしていて、ふかふかのソファに座ってのんびりしていたらウトウトと眠くなってくる。
デルはずっと本を読み続けており、アティウラは拾ったポールウェポンが思ったよりも出来がよかったらしく嬉しそうに手入れを続けている。
そしてセレーネはお金が入ったらどうするかという話をしていたが、今は俺の肩に頭を預けてすやすやと寝ていた。
遺体となってしまったとはいえ報酬はかなりのものであり4人で山分けしてもかなりの間なにもしなくて生きていけるレベル。
そうなると何処かに家でも買ってしばらくのんびりするのもありかもしれない。
「主様」
何かに気づいたアティウラが手を止めて、窓から外を伺いだした。
「どうしたの?」
「外が騒がしい」
「外って……」
その言葉にデルも窓から外を覗き見る。
「……なんか兵士っぽい人達がいっぱいいるみたいだけど」
「なんだそれ」
セレーネを起こさないようにそっと動いて、俺も外を見てみるがそんなにいる様に見えない。
「げっ……」
念のためサーチで調べてみると、合議院を取り囲むように100人単位の兵隊が展開しているのが分かった。
普通の兵士以外にも魔術師と思われる人物もちらほら見受けられ、続々と後続がこちらに向かってきている。
「これって、どういうこと?」
デルが不思議そうに聞いてくる。
「多分訓練の類ではないと思うけど」
普通に考えれば俺達に関わることだろうけど。
「それでも一体何が目的なんだ?」
やはり俺達が目標なんだよね? 四人を100人単位の兵士で取り囲むとか一体どうするつもりなんだ。
もしかして口封じをしようとしているとか? いや下手に聖女を殺そうものならアデル教徒全体を敵に回すことになり王国相手の戦争よりも恐ろしいことになりかねない。
だとすると……拘束するとか?
「いや今は話なんてどうでもいいか。俺達が窮地であることに代わりはないし、とにかく今すぐここに脱出しよう。ほらセレーネ起きて」
「報酬ですね!?」
「えっと残念ながら……」
「奴等はまだ揃わんのか?」
「それが……皆仕事が忙しいと」
「馬鹿者が! 今は仕事どころではないのだぞ。これはロンロールの明日がかかっている問題になのだ!」
合議院は大店の商人達の寄り合いであり、元より全員が自分の店の切り盛りで忙しい身でもある。
招集をかけて既に2時間以上が経過しているが、院に集まったのはたったの二人しかいなかった。
いっそのことその二人で問題を解決すればいいのだが、そこが合議制の面倒なところである程度人間が揃って多数決で可決しないと問題解決に進めないのである。
「大変です!」
「なんだ?」
「勇者様方が部屋を出て行ってしまいました!」
「どういうことだ。まさか、こちらの動きがバレたのか!?」
議院からの使いが合議員の一人の元に来ていた。
「なんだと!? 勇者達が戻ってきただと、馬鹿な……」
合議院が依頼をしてから、まだ二日しか経っていないのに勇者パーティが戻ってきたという。
「……いやそうか。やはり失敗したということか。ほうら見てみろ、だから買い被りすぎだと言ったのだ」
「それがその……ちゃんとそれらしき遺体を持って来ておりまして」
「な、なんだと!? 一体どうやったら二日足らずで、見つけて戻ってこられるんだ?」
彼らの予想では早くても2週間、遅ければ一月は掛かると予想し、それも結局見つけられなかったと失敗するだろうとも考えていた。
「これはどうやら、彼らへの考えを改めねばならんようだな」
元々勇者の噂には懐疑的であった彼だがそこは商人。目の前で起きた現実はしっかりと受け止めた。
「合議員は全員集めているのだろう?」
「はい。ただいま招集中です」
「分かった。では直ぐに私も行こう」
「お願いします」
「そうだ。婦人も呼んでおけ、一応見分もしておくべきだからな」
「分かりました」
「それと兵団も展開させておけ」
「ふわぁぁ……眠い」
ロンロールの合議院で待たされること2時間が過ぎていた。
運んできた遺体を誰かが確認してもらえばそれで終わりだと思っていたが合議の義員達が集まるまで待たされることなってしまった。
待たされた部屋は豪華な造りをしていて、ふかふかのソファに座ってのんびりしていたらウトウトと眠くなってくる。
デルはずっと本を読み続けており、アティウラは拾ったポールウェポンが思ったよりも出来がよかったらしく嬉しそうに手入れを続けている。
そしてセレーネはお金が入ったらどうするかという話をしていたが、今は俺の肩に頭を預けてすやすやと寝ていた。
遺体となってしまったとはいえ報酬はかなりのものであり4人で山分けしてもかなりの間なにもしなくて生きていけるレベル。
そうなると何処かに家でも買ってしばらくのんびりするのもありかもしれない。
「主様」
何かに気づいたアティウラが手を止めて、窓から外を伺いだした。
「どうしたの?」
「外が騒がしい」
「外って……」
その言葉にデルも窓から外を覗き見る。
「……なんか兵士っぽい人達がいっぱいいるみたいだけど」
「なんだそれ」
セレーネを起こさないようにそっと動いて、俺も外を見てみるがそんなにいる様に見えない。
「げっ……」
念のためサーチで調べてみると、合議院を取り囲むように100人単位の兵隊が展開しているのが分かった。
普通の兵士以外にも魔術師と思われる人物もちらほら見受けられ、続々と後続がこちらに向かってきている。
「これって、どういうこと?」
デルが不思議そうに聞いてくる。
「多分訓練の類ではないと思うけど」
普通に考えれば俺達に関わることだろうけど。
「それでも一体何が目的なんだ?」
やはり俺達が目標なんだよね? 四人を100人単位の兵士で取り囲むとか一体どうするつもりなんだ。
もしかして口封じをしようとしているとか? いや下手に聖女を殺そうものならアデル教徒全体を敵に回すことになり王国相手の戦争よりも恐ろしいことになりかねない。
だとすると……拘束するとか?
「いや今は話なんてどうでもいいか。俺達が窮地であることに代わりはないし、とにかく今すぐここに脱出しよう。ほらセレーネ起きて」
「報酬ですね!?」
「えっと残念ながら……」
「奴等はまだ揃わんのか?」
「それが……皆仕事が忙しいと」
「馬鹿者が! 今は仕事どころではないのだぞ。これはロンロールの明日がかかっている問題になのだ!」
合議院は大店の商人達の寄り合いであり、元より全員が自分の店の切り盛りで忙しい身でもある。
招集をかけて既に2時間以上が経過しているが、院に集まったのはたったの二人しかいなかった。
いっそのことその二人で問題を解決すればいいのだが、そこが合議制の面倒なところである程度人間が揃って多数決で可決しないと問題解決に進めないのである。
「大変です!」
「なんだ?」
「勇者様方が部屋を出て行ってしまいました!」
「どういうことだ。まさか、こちらの動きがバレたのか!?」
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