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第五話
一応拘束してみた<Ⅷ>
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やべえ、やっぱりメチャクチャ強えな魔王。
強者の余裕というのだろうか魔王は無表情でこちらを見ているだけで動こうとはしない。
「大人しく着いてくれば手荒に扱うつもりはない」
そう言う魔王だが、さすがに聖女であるセレーネを魔王軍に奪われるわけにはいかない。
「あの、ここは俺だけじゃダメですかね?」
「む……」
俺の提案に魔王が少し考える。
「いやダメだな。お前達全員に興味がある」
ぐぬっ、ですよねー……やはりダメか。
ダメ元で俺とデルの魔法で撹乱して、その間に逃げてみるか。
【!!!警告!!!】
「って、いきなりなに!?」
いきなりのアラートにビクンと身体が動いてしまう。
それにしてもこのタイミングだと凄く身体に悪いんだけど。魔王の配下でも増えたのか?
どすんっ!
『ぐおー!』
何か重たい足音を響かせながら、興奮して吠える声がする。それは直ぐ近くにまで迫ってきていた。
『ぶふー……』
傭兵達が騎乗していたもう1体の土竜だった。
『イたぁ……』
そいつは直ぐ近くで寝ているのとは違い、人間に対して未だ怒りが鎮まらないらしくわざわざ探して回っていた。
俺達を見つけると嬉しそうに突っ込んできた。
どす、どす、どす、どすんっ!
「ちょ、そこでこっちに来るのかよ!?」
ここは魔王様に突っ込んでいくのが物語のセオリーでしょうが!
「アティウラ無茶しないで!」
まだ治療中のアティウラが立ち上がった。
「私は丈夫、土竜なんて魔王に比べたら問題ない」
「ちょ、アティウラ!」
そう言ってアティウラはまたも剣技を使って前に出ると、土竜は単独で出て来た彼女に狙いを定めて向かっていく。
「“パーフェクトディフェンス”!」
だがスキルは発動しない。
「って、アティウラまだクールタイムが終わってない!」
「あ……」
どどどどっ! どーんっ!
「うわっ!?」
「アティウラァー!?」
スキルも無しに正面から突進を受けたアティウラは、土竜が角を突き上げられそのまま思い切り空高く飛ばされた。
「ああ、なんて綺麗なフラグ回収」
剣技にはMPや体力と関係なく一度使うと必ず使用出来ない時間のクールタイムというものが存在する。攻撃や移動スキルに比べて防御スキルはクールタイムが長いため連続の使用は出来ない。
「なんて冷静に説明している場合じゃない!」
軽く10m以上は上空に飛ばされたアティウラを受け止めるのはさすがに厳しそうだが……だが、このまま落ちたら無事で済まない。
「よ、よしっ!」
アティウラは最初自分の状況がまるで分からなかった。だが飛ばされて頂点に達したときにやっと理解出来た。だがここまでの高さから落ちたら無事では済まないだろう。そのまま目を瞑って落下の衝撃を待った。
どんっ!
「え?」
だがその衝撃は来ず、誰かに受け止められた。
「大丈夫か、アティウラ!?」
「主……様?」
もしかしてと、そっと目を開けるとそこには愛しい彼女の主……。
強者の余裕というのだろうか魔王は無表情でこちらを見ているだけで動こうとはしない。
「大人しく着いてくれば手荒に扱うつもりはない」
そう言う魔王だが、さすがに聖女であるセレーネを魔王軍に奪われるわけにはいかない。
「あの、ここは俺だけじゃダメですかね?」
「む……」
俺の提案に魔王が少し考える。
「いやダメだな。お前達全員に興味がある」
ぐぬっ、ですよねー……やはりダメか。
ダメ元で俺とデルの魔法で撹乱して、その間に逃げてみるか。
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どすんっ!
『ぐおー!』
何か重たい足音を響かせながら、興奮して吠える声がする。それは直ぐ近くにまで迫ってきていた。
『ぶふー……』
傭兵達が騎乗していたもう1体の土竜だった。
『イたぁ……』
そいつは直ぐ近くで寝ているのとは違い、人間に対して未だ怒りが鎮まらないらしくわざわざ探して回っていた。
俺達を見つけると嬉しそうに突っ込んできた。
どす、どす、どす、どすんっ!
「ちょ、そこでこっちに来るのかよ!?」
ここは魔王様に突っ込んでいくのが物語のセオリーでしょうが!
「アティウラ無茶しないで!」
まだ治療中のアティウラが立ち上がった。
「私は丈夫、土竜なんて魔王に比べたら問題ない」
「ちょ、アティウラ!」
そう言ってアティウラはまたも剣技を使って前に出ると、土竜は単独で出て来た彼女に狙いを定めて向かっていく。
「“パーフェクトディフェンス”!」
だがスキルは発動しない。
「って、アティウラまだクールタイムが終わってない!」
「あ……」
どどどどっ! どーんっ!
「うわっ!?」
「アティウラァー!?」
スキルも無しに正面から突進を受けたアティウラは、土竜が角を突き上げられそのまま思い切り空高く飛ばされた。
「ああ、なんて綺麗なフラグ回収」
剣技にはMPや体力と関係なく一度使うと必ず使用出来ない時間のクールタイムというものが存在する。攻撃や移動スキルに比べて防御スキルはクールタイムが長いため連続の使用は出来ない。
「なんて冷静に説明している場合じゃない!」
軽く10m以上は上空に飛ばされたアティウラを受け止めるのはさすがに厳しそうだが……だが、このまま落ちたら無事で済まない。
「よ、よしっ!」
アティウラは最初自分の状況がまるで分からなかった。だが飛ばされて頂点に達したときにやっと理解出来た。だがここまでの高さから落ちたら無事では済まないだろう。そのまま目を瞑って落下の衝撃を待った。
どんっ!
「え?」
だがその衝撃は来ず、誰かに受け止められた。
「大丈夫か、アティウラ!?」
「主……様?」
もしかしてと、そっと目を開けるとそこには愛しい彼女の主……。
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