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第三話
問題だらけの魔物集団
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「え、い、いつの、まに……?」
「すいやせんちょっと目を離した隙に何処かに行ってしまったようで」
少し前にコボルドを潰したトロルが何処かに行ってしまった。
でも何故……、光線銃による支配はされているはずなのに。
※効果には個体差があり、効果効能を示すものではありません。
光線銃をよく見ると、その様な文言が書かれていた。
どうやら光線銃を使っても完全に言うことを聞くとは限らないらしいく、言うことを聞かないトロルはまだ子供らしいのでそのせいかもしれない。
常に背後にいるトロルとは身長も体格も全然違うが、彼の手勢で最も強い魔物であり子供であっても下手な魔物など全く歯が立たない。
ゴブリンやコボルドが言うこと聞くのはトロルがいるからである。ここで逃がすと後々離脱を招くかもしれない。
「……さ、探さない……と」
「いやいや、大将はここでどっしりと構えて居てくださいや」
「そうですよ。俺っち達が探しに行ってきやすから」
立ち上がって探しに行こうとすると、代わりに二匹が探しに行くと言い出して驚いてしまう。
「……い、いいの?」
地球にいた頃は要領の悪い彼は、必ず嫌なことは全て押し付けられていた。
故に今では面倒ごとが起こる度にどうせ自分に押し付けられるのだから何か言われる前に動く癖が付いていた。
それは魔物達の上に立った今でも性質がそう簡単に変わるわけもなく、二匹が言い出したことを本当に驚いていた。
「大将よりもあっしらの方が探すのは得意ですし」
「そうっすよ。俺っちならあんなデカいの直ぐに見つけられますよ」
「そ、そう……」
こんな風に言われたのは初めてであった。
どう対応したらいいのか分からず、コミュ障なキョドりとドモりが出てしまう。
「い、いや、大将自ら探しに行きたいのでしたらもちろんかまいやせんが」
彼の小さい声に、不満だと勘違いしたオークがかしこまった態度になる。
「……あ、ご、ごめん……、お、お願いします」
「え、あ、もちろんです! お任せください。必ず連れ帰ってきやすから!」
「俺っちなら直ぐに見つるんで、しばらく待っててくださいや」
二匹は直ぐさま向かって行く。彼はその背中を見て初めての感覚に不思議な気持ちになっていた。
だが、その気持ちの意味はまだ分からずにいた。
「……と、トロル、魔物達を見張って……」
『分かった主よ……』
光線銃で配下に置いた魔物とは簡単なコミュニケーションが可能となる。
配下にしている成体のトロルは比較的従順に従ってくれる。
どうして魔物は一々面倒なことを起こすんだろう……はぁ、早く可愛い女の子をゲットしたい……。
コミュ障であっても欲望には忠実な勇者であった。
「すいやせんちょっと目を離した隙に何処かに行ってしまったようで」
少し前にコボルドを潰したトロルが何処かに行ってしまった。
でも何故……、光線銃による支配はされているはずなのに。
※効果には個体差があり、効果効能を示すものではありません。
光線銃をよく見ると、その様な文言が書かれていた。
どうやら光線銃を使っても完全に言うことを聞くとは限らないらしいく、言うことを聞かないトロルはまだ子供らしいのでそのせいかもしれない。
常に背後にいるトロルとは身長も体格も全然違うが、彼の手勢で最も強い魔物であり子供であっても下手な魔物など全く歯が立たない。
ゴブリンやコボルドが言うこと聞くのはトロルがいるからである。ここで逃がすと後々離脱を招くかもしれない。
「……さ、探さない……と」
「いやいや、大将はここでどっしりと構えて居てくださいや」
「そうですよ。俺っち達が探しに行ってきやすから」
立ち上がって探しに行こうとすると、代わりに二匹が探しに行くと言い出して驚いてしまう。
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故に今では面倒ごとが起こる度にどうせ自分に押し付けられるのだから何か言われる前に動く癖が付いていた。
それは魔物達の上に立った今でも性質がそう簡単に変わるわけもなく、二匹が言い出したことを本当に驚いていた。
「大将よりもあっしらの方が探すのは得意ですし」
「そうっすよ。俺っちならあんなデカいの直ぐに見つけられますよ」
「そ、そう……」
こんな風に言われたのは初めてであった。
どう対応したらいいのか分からず、コミュ障なキョドりとドモりが出てしまう。
「い、いや、大将自ら探しに行きたいのでしたらもちろんかまいやせんが」
彼の小さい声に、不満だと勘違いしたオークがかしこまった態度になる。
「……あ、ご、ごめん……、お、お願いします」
「え、あ、もちろんです! お任せください。必ず連れ帰ってきやすから!」
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配下にしている成体のトロルは比較的従順に従ってくれる。
どうして魔物は一々面倒なことを起こすんだろう……はぁ、早く可愛い女の子をゲットしたい……。
コミュ障であっても欲望には忠実な勇者であった。
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