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第二話

サリ様リターンズ

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「あれぇ……何処に行ったんだぁ?」

 サリは一人乗りのUFOで飛んでいた。

 物資の配給が絶たれて既に3ヶ月。
 その間大首領様との連絡はかなわず、サリの幹部候補に入ることも保留のままになっていた。

 最初の一月が経つ頃に幹部連中が慌てだし結社そのものが終わりかけた。
 だが、ある幹部候補の一人が結社内でクーデターを起こしたのだった。

 彼はずっとその機会を伺っていたようで今回こそが好機とみなし動いた。
 そしてクーデターそのものはあっさりと成就してしまった。

 元々、主体性も自主性もない烏合の集まりであったことから名目上のトップであるローブ姿の老人を幽閉することで残りは彼に付いていくことをあっさりと選んだ。
 なんか色々と改革案をうたっていたがサリにはあまり意味が分からなかった。

「まあ、そのおかげで一応役職は付いたけど……」

 一応新たなトップは出来る人らしく幹部から下級隊員まで全ての人材を使って色々と運営を行っている。
 今は商人やある国の貴族等とも繋がっていっているとかなんとか。

「はっはっはぁ! サリ様には何をしているのかさっぱりだけどな!」

 とりあえずのサリの役目は、結社の根城があまりにも人里から遠いため高速で移動出来るものを集めること。
 このUFOは彼女にしか扱えないためこの役目を与えられたのだ。

 まず手始めに翼竜を捕まえることになった。
 ある国ではドラゴンライダーという馬のように翼竜を使う職業があるので人を運ぶのに最も良いだろうと選ばれた。

「おっかしいなぁ……」

 魔獣を手なずける光線銃のカートリッジというのがあったので、これを使って光線銃で撃った対象を支配下に入れることが出来る。
 だがカートリッジの端に小さく書いてある注釈にサリは気づいていなかった。

 ※効果には個体差があり、効果効能を示すものではありません。

 途中まではちゃんと言うことを聞いていたが、腹を空かしたのか勝手に何処かに飛んで行ってしまったのだった。

「困ったことになったぞ……」

 あまり失態が続くとせっかくの役職から降格させられて無役になってしまう。

「やだぁ、黒ずくめにお面を被る没個性には戻りたくないぃ……」

 しかも最悪の場合あの老人と同じ牢に入れられてしまう。

「もー、どこ!? 何処に行ったのぉ!?」
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