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第9章 聖女のお披露目
聖女公表
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「皆、良く集まってくれた。実は、本日集まってもらったのには理由がある。
落ち着いて聞いて欲しい。
我が国に、伝説の聖獣様が顕現なされた」
貴族たちの間に動揺が走った。
「まさか!」
「実在したのか?!」
「本当に聖獣なのか?」
など反応は様々だ。
ざわつく貴族をハルトが一括する。
「静まるがよい!
信じられぬ気持ちはわかる。我もそうだったからのう。
しかし、これは紛れもない現実の話なのだ。聖獣様が顕現なされたのには理由がある。
実は……聖女自身に聖女であると自覚させ、さらにはその存在を知らしめるため、聖獣様は顕現なされたのだ」
「自覚させ」か。うん。いいえて妙だ。
正確には「魔王の負の澱を浄化するために舞おうと交われ!」って言いに来たんだけどな……。
思い出して思わず遠い目をしてしまう。
これ、相手がフィオだから良かったが他の奴だったら全力で逃げてたぞ。
「なんと!聖女!」
「信じられない!しかもすでに我が国にいたということなのか?」
さすがにここまでくると頭が付いてこないようだ。
まあ、聖獣、聖女なんて物語でしか聞かねえもん。
そらすぐに信じろって無理な話だ。
だが、こっちには信じさせる秘策がある。
「ルー!姿を見せてやれ」
俺は控えていたカーテンの奥からルーを顕現させた。
「はーい!」
ボガン!
突然空中に現れた50センチほどの犬みたいな猫みたいな生き物に、皆あんぐりと口を開ける。
「聖獣フェンリルさまだ。代々この国を守護してくださっている」
紹介を聞いてもみなまだぽっかーん。
そらそうだ。ちっこい姿からは伝説のフェンリルの威厳なんて皆無だもんな。俺もそうだった。わかるわかる。
俺は小さな声でルーに言った。
「本来の姿に戻ってくれ」
「いいよー」
ボッカーン!
そこに現れたのは体長8メートルはあろうかという巨大なオオカミ。
純白にきらめく毛皮に、真っ赤な瞳はまさに伝説の神獣そのもの。
ざわついていた広間が一気に鎮まり返り、貴族たちの表情も驚きから一気に虚無になった。
人間って驚きすぎると無になるんだな。
「我は聖獣フェンリル。此度は聖女のために顕現したものである。今代の聖女の力は史上まれにみる強力なものである。その力をもってすれば、世に広がる負の澱を総て浄化することが可能なのだ。
我は聖女に覚醒を促すことに成功した。
聖女が安寧な限り、この国の平和は約束されよう」
ちっこいときにはキャンキャンとうるさいだけなのに、大きなルーになるとなぜか発言が賢く聞こえる。
ここでハルトが言葉を引き継いだ。
「実はこの場には聖女もその伴侶を伴ってきておる。
聖獣様がおっしゃるには、聖女とその伴侶は、運命によって結び付けられているのだそうだ。
したがって、私はこの場で皆に聖女の公表と共に、聖女と伴侶の婚姻を承認しようと思う」
ここで、2代公爵家のひとつであるフィラー公爵が発言した。
「王よ。その聖女様というのは、この国のものなのでしょうか?」
「そうだ。この国の高位貴族である」
「もしや……この場にいらっしゃらない宰相様とかかわりが?」
「それはこれからその目で見るがよい。聖女よ、姿を見せてもらえるかな?」
よし、行くぞ。
俺とフィオ、クリスは大舞台へ足を踏み出した。
胸を張って堂々と。口元にはいつもの笑みを浮かべ。
「改めて自己紹介しよう。聖女のゲルリアス・グリフィスだ」
ガクリとフィラー公爵の顎が落ちる。
「ゲ・ゲイル!男ではないか!」
するとセルゲイが声をあげた。
おお。やはり来ていたか。
「しかし、ゲイルならば納得できます。その美しさ、強さ、慈悲深さ。全て聖女そのものではありませんか!
性別など関係ありません!」
「確かにそうだな。なんとも神々しい姿ではないか!それにゲイルの力はまさに神の力。聖女と言われれば納得だ」
「うぬ。この美しさで只人というほうがおかしいかもしれぬな」
「うむ。その美貌、魔力。そこにいるだけですさまじい存在感がある。さすがは聖女様だ!」
え?いや、納得しちまう感じか?
俺男だぜ?そこに突っ込んだの、フィラーのおっさんだけかよ……
セルゲイ以下、納得組は、まるで俺に心酔しちまったような表情。
あちこちからうっとりとした視線が俺に集中している。
そこまで俺に入れ込んでくれなくていいんだが……。逆にちと複雑な気持ちだ。
ハルトもこれには苦笑。
「いや、皆、納得してくれたようだな。ゲイルの人望であろうか」
いや、俺の顔の力技だろ?
だがまあ、うまいこと言ってくれてありがとよ!
「続いてゲイルの伴侶、そして聖女の護衛となるものを紹介しよう。
フィオネル・グランディール公爵と、冒険者ギルドのギルド長、クリスだ」
二人が登場し、俺の左右に立った。
これでようやく3人そろった。
俺は気付かず少し緊張していたみたいだ。
人が横に並んだとたん、どこかほっとしてしまった。
クリスはともかくフィオの登場に貴族たちは今度こそ大騒ぎ。
「伴侶といったか?男同士ではないか!」
「運命の相手と言っていたぞ」
「間違いではないのか?」
「陛下!どういうことでしょうか?聖女と伴侶の婚姻を承認と仰っておりましたが……まさか、聖女とはいえ男同士の婚姻を承認するということですか?!」
「同性では事実婚が当たり前なのに……。まさか、正式な婚姻を許可するというのか?」
「いや、それは言葉のあやだろう」
俺は声を張り上げた。
「言葉のあやじゃない。フィオネル・グランディールを俺の伴侶とする!
これは聖獣の希望でもあるが、俺自身の希望でもある。
フィオネルは俺の運命であり、俺の命。
俺は生涯フィオネルと共にあることをここに誓う」
フィオも堂々たる口上を述べる。
「私、フィオネル・グランディールは生涯ゲルリアス・グリフィスを愛すると誓おう。
私のすべてはゲイルのもの。ゲイルに仇名すものは私の敵である。
ここに宣言する!私は彼を脅かすもの全てから彼を守る。
異論のあるものはここで名乗るがよい!」
すると手をあげたものがいた。
昔俺のとこにせっせと通ってきていたセルゲイだ。
セルゲイは叫んだ。
「何故です?!ゲイル!何故グランディールなのですか?
ゲイルは男は論外だと言っていました。だから私もひいたのです。
ずっとあなたの幸せを願っておりました。
同性でもよいというのであれば……私でも良いではありませんか!
私のほうがゲイルを愛しております!!
後ろ盾もあります!
全てあなたの望むように致します!
私ではダメなのですか!」
血を吐くような声だった。
お前…………もうあれから何年もたってんだぞ?
そこまで俺に本気だったのか。
俺は正直こいつの気持ちを見くびっていた。
単に顔が好みだからとか、振ったのが俺だけだったからだとか、それで付き纏ってるもんだと思ってた。
こんなに真摯に思ってくれてたとは思わなかった。
なんで俺が良かったんだ?俺のどこがそんなに……。
「……セルゲイ。俺がお前に言ったことは本当だ。
俺は恋だの愛だのにかかわるつもりはなかったんだ。
でも、こいつに出会っちまった。
同性でもいいんじゃない。こいつならなんだっていいんだよ。
ルーが言ってたろ?運命なんだ。
俺は運命を避けようと尽力してきた。それでも俺たちは出会い、恋に落ちた。
誰でもいいわけじゃない。こいつだから、伴侶にしたんだ」
すっとフィオが俺の腰に手を回した。
「私もゲイルだから。彼だから愛したのです。
ゲイルがただ生きていただけの私に命を吹き込んでくれました。
私の命は彼のもの。彼が私の世界のすべてなのです。
貴方には渡せません。諦めてください」
「……すまん。セルゲイ。お前の気持ちを見損なっていた。
俺を想ってくれてありがとう。
しかし、俺はその気持ちには応えらえない。
俺にもフィオネルだけなんだ」
セルゲイが肩を落とし、力の無い声を漏らす。
「……あなたは……誰のものにもならぬ人なのだと……そう思っていました。
唯一を見つけたのですね……。
………………どうかお幸せに」
落ち着いて聞いて欲しい。
我が国に、伝説の聖獣様が顕現なされた」
貴族たちの間に動揺が走った。
「まさか!」
「実在したのか?!」
「本当に聖獣なのか?」
など反応は様々だ。
ざわつく貴族をハルトが一括する。
「静まるがよい!
信じられぬ気持ちはわかる。我もそうだったからのう。
しかし、これは紛れもない現実の話なのだ。聖獣様が顕現なされたのには理由がある。
実は……聖女自身に聖女であると自覚させ、さらにはその存在を知らしめるため、聖獣様は顕現なされたのだ」
「自覚させ」か。うん。いいえて妙だ。
正確には「魔王の負の澱を浄化するために舞おうと交われ!」って言いに来たんだけどな……。
思い出して思わず遠い目をしてしまう。
これ、相手がフィオだから良かったが他の奴だったら全力で逃げてたぞ。
「なんと!聖女!」
「信じられない!しかもすでに我が国にいたということなのか?」
さすがにここまでくると頭が付いてこないようだ。
まあ、聖獣、聖女なんて物語でしか聞かねえもん。
そらすぐに信じろって無理な話だ。
だが、こっちには信じさせる秘策がある。
「ルー!姿を見せてやれ」
俺は控えていたカーテンの奥からルーを顕現させた。
「はーい!」
ボガン!
突然空中に現れた50センチほどの犬みたいな猫みたいな生き物に、皆あんぐりと口を開ける。
「聖獣フェンリルさまだ。代々この国を守護してくださっている」
紹介を聞いてもみなまだぽっかーん。
そらそうだ。ちっこい姿からは伝説のフェンリルの威厳なんて皆無だもんな。俺もそうだった。わかるわかる。
俺は小さな声でルーに言った。
「本来の姿に戻ってくれ」
「いいよー」
ボッカーン!
そこに現れたのは体長8メートルはあろうかという巨大なオオカミ。
純白にきらめく毛皮に、真っ赤な瞳はまさに伝説の神獣そのもの。
ざわついていた広間が一気に鎮まり返り、貴族たちの表情も驚きから一気に虚無になった。
人間って驚きすぎると無になるんだな。
「我は聖獣フェンリル。此度は聖女のために顕現したものである。今代の聖女の力は史上まれにみる強力なものである。その力をもってすれば、世に広がる負の澱を総て浄化することが可能なのだ。
我は聖女に覚醒を促すことに成功した。
聖女が安寧な限り、この国の平和は約束されよう」
ちっこいときにはキャンキャンとうるさいだけなのに、大きなルーになるとなぜか発言が賢く聞こえる。
ここでハルトが言葉を引き継いだ。
「実はこの場には聖女もその伴侶を伴ってきておる。
聖獣様がおっしゃるには、聖女とその伴侶は、運命によって結び付けられているのだそうだ。
したがって、私はこの場で皆に聖女の公表と共に、聖女と伴侶の婚姻を承認しようと思う」
ここで、2代公爵家のひとつであるフィラー公爵が発言した。
「王よ。その聖女様というのは、この国のものなのでしょうか?」
「そうだ。この国の高位貴族である」
「もしや……この場にいらっしゃらない宰相様とかかわりが?」
「それはこれからその目で見るがよい。聖女よ、姿を見せてもらえるかな?」
よし、行くぞ。
俺とフィオ、クリスは大舞台へ足を踏み出した。
胸を張って堂々と。口元にはいつもの笑みを浮かべ。
「改めて自己紹介しよう。聖女のゲルリアス・グリフィスだ」
ガクリとフィラー公爵の顎が落ちる。
「ゲ・ゲイル!男ではないか!」
するとセルゲイが声をあげた。
おお。やはり来ていたか。
「しかし、ゲイルならば納得できます。その美しさ、強さ、慈悲深さ。全て聖女そのものではありませんか!
性別など関係ありません!」
「確かにそうだな。なんとも神々しい姿ではないか!それにゲイルの力はまさに神の力。聖女と言われれば納得だ」
「うぬ。この美しさで只人というほうがおかしいかもしれぬな」
「うむ。その美貌、魔力。そこにいるだけですさまじい存在感がある。さすがは聖女様だ!」
え?いや、納得しちまう感じか?
俺男だぜ?そこに突っ込んだの、フィラーのおっさんだけかよ……
セルゲイ以下、納得組は、まるで俺に心酔しちまったような表情。
あちこちからうっとりとした視線が俺に集中している。
そこまで俺に入れ込んでくれなくていいんだが……。逆にちと複雑な気持ちだ。
ハルトもこれには苦笑。
「いや、皆、納得してくれたようだな。ゲイルの人望であろうか」
いや、俺の顔の力技だろ?
だがまあ、うまいこと言ってくれてありがとよ!
「続いてゲイルの伴侶、そして聖女の護衛となるものを紹介しよう。
フィオネル・グランディール公爵と、冒険者ギルドのギルド長、クリスだ」
二人が登場し、俺の左右に立った。
これでようやく3人そろった。
俺は気付かず少し緊張していたみたいだ。
人が横に並んだとたん、どこかほっとしてしまった。
クリスはともかくフィオの登場に貴族たちは今度こそ大騒ぎ。
「伴侶といったか?男同士ではないか!」
「運命の相手と言っていたぞ」
「間違いではないのか?」
「陛下!どういうことでしょうか?聖女と伴侶の婚姻を承認と仰っておりましたが……まさか、聖女とはいえ男同士の婚姻を承認するということですか?!」
「同性では事実婚が当たり前なのに……。まさか、正式な婚姻を許可するというのか?」
「いや、それは言葉のあやだろう」
俺は声を張り上げた。
「言葉のあやじゃない。フィオネル・グランディールを俺の伴侶とする!
これは聖獣の希望でもあるが、俺自身の希望でもある。
フィオネルは俺の運命であり、俺の命。
俺は生涯フィオネルと共にあることをここに誓う」
フィオも堂々たる口上を述べる。
「私、フィオネル・グランディールは生涯ゲルリアス・グリフィスを愛すると誓おう。
私のすべてはゲイルのもの。ゲイルに仇名すものは私の敵である。
ここに宣言する!私は彼を脅かすもの全てから彼を守る。
異論のあるものはここで名乗るがよい!」
すると手をあげたものがいた。
昔俺のとこにせっせと通ってきていたセルゲイだ。
セルゲイは叫んだ。
「何故です?!ゲイル!何故グランディールなのですか?
ゲイルは男は論外だと言っていました。だから私もひいたのです。
ずっとあなたの幸せを願っておりました。
同性でもよいというのであれば……私でも良いではありませんか!
私のほうがゲイルを愛しております!!
後ろ盾もあります!
全てあなたの望むように致します!
私ではダメなのですか!」
血を吐くような声だった。
お前…………もうあれから何年もたってんだぞ?
そこまで俺に本気だったのか。
俺は正直こいつの気持ちを見くびっていた。
単に顔が好みだからとか、振ったのが俺だけだったからだとか、それで付き纏ってるもんだと思ってた。
こんなに真摯に思ってくれてたとは思わなかった。
なんで俺が良かったんだ?俺のどこがそんなに……。
「……セルゲイ。俺がお前に言ったことは本当だ。
俺は恋だの愛だのにかかわるつもりはなかったんだ。
でも、こいつに出会っちまった。
同性でもいいんじゃない。こいつならなんだっていいんだよ。
ルーが言ってたろ?運命なんだ。
俺は運命を避けようと尽力してきた。それでも俺たちは出会い、恋に落ちた。
誰でもいいわけじゃない。こいつだから、伴侶にしたんだ」
すっとフィオが俺の腰に手を回した。
「私もゲイルだから。彼だから愛したのです。
ゲイルがただ生きていただけの私に命を吹き込んでくれました。
私の命は彼のもの。彼が私の世界のすべてなのです。
貴方には渡せません。諦めてください」
「……すまん。セルゲイ。お前の気持ちを見損なっていた。
俺を想ってくれてありがとう。
しかし、俺はその気持ちには応えらえない。
俺にもフィオネルだけなんだ」
セルゲイが肩を落とし、力の無い声を漏らす。
「……あなたは……誰のものにもならぬ人なのだと……そう思っていました。
唯一を見つけたのですね……。
………………どうかお幸せに」
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