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第八章 これから
公表に向けクリスも
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とにかく、クリスとフィオがいうには、俺にはギルドが後ろ盾にらなるだけの十分な理由があるらしい。
「なら、クリスの衣装だな!」
「いや、突然そこか?!」
クリスはそういうが……なあ?
フィオに視線をやれば、フィオも苦笑しつつ同意を示した。
「私たちの衣装は……エリアナさんとお義姉様に相談しながら依頼したのですが……」
「布選びからこだわっっちまってな。布と形を決めるだけで3日かかった」
「は?!」
「3日かかったんだよ」
「…………お前ら………」
「考えてもみろよ!公表と結婚発表と同時なんだぞ?フィオの一世一代の晴れ姿だろうがよ!最高にかっこよくて可愛いフィオをみんなに見てもらいたいよな?分かるだろ?」
「ゲイルを着飾ることができるのですよ?ただでさえ強く美しく輝かしいゲイルを、さらに輝かせることができるのですよ?!自慢したい気持ちもありますが、見せたくない気持ちもあり複雑ではありますが……。最高のゲイルを診たくないですか?分かりますよね?」
「………確かに。フィオはともかく、ゲイルはちゃんとするときはしてんのに、普段は適当だからなあ。なんでも着こなしちまってるからいいんだけどよ。……着飾らせてみてえな」
「ですよね?」
理解してくれたところで、クリスに厳しい現実をつきつけてやる。
「で、そんな最高のフィオと並ぶんだぞ?」
「最高に輝くゲイルと並ぶんですよ?」
「…………俺の衣装もたのむ」
「理解したか」
うん。クリスだってフィオには劣るが立派に美形の部類に入るんだよ。身長だってあるし、鍛えられた肉体はまだまだ現役。顔だって、いつもゴリラとかグリズリーだとかからかってはいるが、実際のところワイルドなハンサムだ。癖のある黒髪、鋭い茶色の瞳、ふざけたような笑みをうかべた唇の配置だって、まあ10人いたら10人とも……とはいわんが、7人くらいはカッコいいというだろう。
まあ、フィオには劣るけどな!
「……お前今、失礼なことを考えなかったか?」
「ん?フィオには劣るがお前だって十分美形の部類だろうって考えてただけだぞ?まあフィオに勝てるやつなんていねえからそりゃ仕方ねえわ」
「ゲイルがいるでしょう?確かにクリスも、ゲイルには負けますが悪くないですよ。しっかりとした服を着ればそれなりになるはずです」
「褒められてるんだか貶されてるんだかわかんねえわ。てか、お前らいちいちノロケるのはやめろっつってんだろうが!」
「ノロケてなどいませんが?」
「当たり前のこと言っただけだよなあ?」
「…………勘弁しろよ……無自覚かよ……」
とにかく、さっさと決めるもん決めちまおうぜ。
ただでさえ式まで間がないんだ。クリスの衣装も早いとこ頼まねえと間に合わねえ。
「てことで、サフィールに行くぞ!」
「はあ?俺が?!あのサフィール家に行くって?マジか!」
「まあまあ。どうぜ兄貴には会ったことあるんだろ?兄貴のことだから、俺がギルドに出入りしてすぐ顔をだしたはずだ。違うか?」
「……黙ってる約束なんだが……」
「兄弟なんだからわかるって。俺のことを頼むだのなんだの言われたんだろ?」
「まあな。なかなか……素晴らしい兄上だったぞ?」
「そりゃ俺の兄貴だもんよ。頭は固いが切り替えは早いんだよ。とりあえずこれからずっと付き合ってくんだ。聖女同盟なんだろ?しっかりと顔出しとけ。美味いもん食わしてくれるぞ?」
食いもんにつられたんだか、クリスもしぶしぶながら同意した。
クリスの衣装は女性陣に任せるつもりだ。俺とフィオに断られ意気消沈していた義姉とエリアナのタッグにひどい目にあわされるだろうが……それは黙っておこう。頑張ってくれ、クリス!
まあ大人しくしていたら……4日くらいで決まるんじゃないか?
「なら、クリスの衣装だな!」
「いや、突然そこか?!」
クリスはそういうが……なあ?
フィオに視線をやれば、フィオも苦笑しつつ同意を示した。
「私たちの衣装は……エリアナさんとお義姉様に相談しながら依頼したのですが……」
「布選びからこだわっっちまってな。布と形を決めるだけで3日かかった」
「は?!」
「3日かかったんだよ」
「…………お前ら………」
「考えてもみろよ!公表と結婚発表と同時なんだぞ?フィオの一世一代の晴れ姿だろうがよ!最高にかっこよくて可愛いフィオをみんなに見てもらいたいよな?分かるだろ?」
「ゲイルを着飾ることができるのですよ?ただでさえ強く美しく輝かしいゲイルを、さらに輝かせることができるのですよ?!自慢したい気持ちもありますが、見せたくない気持ちもあり複雑ではありますが……。最高のゲイルを診たくないですか?分かりますよね?」
「………確かに。フィオはともかく、ゲイルはちゃんとするときはしてんのに、普段は適当だからなあ。なんでも着こなしちまってるからいいんだけどよ。……着飾らせてみてえな」
「ですよね?」
理解してくれたところで、クリスに厳しい現実をつきつけてやる。
「で、そんな最高のフィオと並ぶんだぞ?」
「最高に輝くゲイルと並ぶんですよ?」
「…………俺の衣装もたのむ」
「理解したか」
うん。クリスだってフィオには劣るが立派に美形の部類に入るんだよ。身長だってあるし、鍛えられた肉体はまだまだ現役。顔だって、いつもゴリラとかグリズリーだとかからかってはいるが、実際のところワイルドなハンサムだ。癖のある黒髪、鋭い茶色の瞳、ふざけたような笑みをうかべた唇の配置だって、まあ10人いたら10人とも……とはいわんが、7人くらいはカッコいいというだろう。
まあ、フィオには劣るけどな!
「……お前今、失礼なことを考えなかったか?」
「ん?フィオには劣るがお前だって十分美形の部類だろうって考えてただけだぞ?まあフィオに勝てるやつなんていねえからそりゃ仕方ねえわ」
「ゲイルがいるでしょう?確かにクリスも、ゲイルには負けますが悪くないですよ。しっかりとした服を着ればそれなりになるはずです」
「褒められてるんだか貶されてるんだかわかんねえわ。てか、お前らいちいちノロケるのはやめろっつってんだろうが!」
「ノロケてなどいませんが?」
「当たり前のこと言っただけだよなあ?」
「…………勘弁しろよ……無自覚かよ……」
とにかく、さっさと決めるもん決めちまおうぜ。
ただでさえ式まで間がないんだ。クリスの衣装も早いとこ頼まねえと間に合わねえ。
「てことで、サフィールに行くぞ!」
「はあ?俺が?!あのサフィール家に行くって?マジか!」
「まあまあ。どうぜ兄貴には会ったことあるんだろ?兄貴のことだから、俺がギルドに出入りしてすぐ顔をだしたはずだ。違うか?」
「……黙ってる約束なんだが……」
「兄弟なんだからわかるって。俺のことを頼むだのなんだの言われたんだろ?」
「まあな。なかなか……素晴らしい兄上だったぞ?」
「そりゃ俺の兄貴だもんよ。頭は固いが切り替えは早いんだよ。とりあえずこれからずっと付き合ってくんだ。聖女同盟なんだろ?しっかりと顔出しとけ。美味いもん食わしてくれるぞ?」
食いもんにつられたんだか、クリスもしぶしぶながら同意した。
クリスの衣装は女性陣に任せるつもりだ。俺とフィオに断られ意気消沈していた義姉とエリアナのタッグにひどい目にあわされるだろうが……それは黙っておこう。頑張ってくれ、クリス!
まあ大人しくしていたら……4日くらいで決まるんじゃないか?
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