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第五章 ゲイルは聖女
親友に結婚報告
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セルゲイが俺のとこに通ってたのは、7年前、まだ俺が独り立ちしたばかりの頃の話だ。
ちょうどそれと入れ替わるようにして、フィオを拾った。
だからフィオはセルゲイのことは知らないだろう。
言うべきか。言わざるべきか。
もう7年もたってるんだし、セルゲイももう俺のことは忘れている可能性もある。見目だって悪くないんだし、地位もあるんだから、誰か相手がいる可能性も高い。
うん。保留だな!
とりあえず兄貴に探りを入れて貰おう。
ということで、俺は仕事をしながら式の準備に奔走した。
衣装は注文をすませたから、後は料理、花、土産の手配だ。
料理は、侯爵家の料理人を出してもらえるそうだ。
俺んちは俺が留守にすることが多いから、最低限の人数しか雇ってないからな。
フィオんちの料理人と共同作業するんだと張り切って行ったり来たりしている。
サフィールの料理は、屋敷で採りたての素材の味を活かしたもの。とにかく最高の素材を使ってるもんだから何を食っても美味い。わざわざ料理目当てに来る客もいるほどだ。
フィオんちに行ったときに出される料理は格式が高い料理で、繊細な味付け。うちとは違った方向で美味い。昔のフィオが味覚障害だったことを知っていて、俺が行くと「恩人が来た」とばかりにこれでもかってほど料理を並べてくれる。
この2家がコラボすれば、とびきりの料理になるだろう。
面倒をかけて申し訳ないと思ったが、どっちもすげえノリノリだから問題なさそうだ。
花はフィオが手配してくれるそうだ。最近外交を結んだ国の特産が花だそうで、王国では見かけない花を取り寄せるのだと張り切っている。
さて、そんな中、俺はフィオに内緒でギルドに来ている。
どうしてもフィオに渡したいものがあり、ギルドに依頼を出していたのだ。
「クリス! アレ入ったか?」
開口一番の俺の言葉に、クリスは苦笑い。
「おい。もっと他に言うことはねえのか?あの後どうなったんだよ?」
「ああ、俺、フィオと結婚することにしたから」
「…………はぁ?!」
言ったとたん「俺んちで話すぞ!」とクリスんちに引っ張って行かれた。
クリスの家はギルドから5分ほどのところにある。こいつ、部屋じゃなくて、自分で一軒家を買っちまってるんだ。
キッチン兼食堂に、居間と寝室、客間が2つ。風呂とトイレも付いている。一人暮らしの男の家としちゃあ立派なもんだ。
ちなみにしょっちゅう俺が入り浸ってるもんだから、客間のひとつは俺の部屋みたくなっている。
病院から家に帰るのが面倒くさいときなんかは勝手に来て泊まっていたりする、いわば俺の別宅だ。
とりあえず、酒でも飲まなきゃやってらんねー、と居間に簡単なつまみと酒を用意された。タダ酒をもらう分には大歓迎だ。
「で、どういうことなんだ?」
「皆にはまだ言うなよ?王の許可をもらって、正式に一年後に俺とフィオの婚姻を認めて貰うことになった」
「いや、お前ら男同士だろうが。しかも嫡男だよな?正式にって…無理だろ」
「そこは、ほら。俺だし」
「意味が分からん!どっちも後継どうすんだ?養子でも貰うのか?」
「それは俺が産む」
クリスの目が真ん丸になった。おい。目玉が落ちるぞ?
ジャバっと酒を注いで一気飲み。ドン、とグラスを置き、座った眼をしてこうのたまった。
「……………………お前、実は女だったのか」
そうきたか!
「んなわけあるか!湖で水浴びしたとき俺のムスコ見ただろうが!」
「付いてたよなあ……。じゃあ、穴もついてたのか?」
「尻にしか付いてねえわ!」
クリスと話すとどうしてこうもギャグになってしまうのか。
まあ、クリスなら話しても問題ねえだろう。俺は自分が聖女であること、聖獣の守護があることなどこれまでの経緯を全部ぶちまけてやった。
話を聞いたクリスは、呆れたように首を振る。
「お前が聖女か……。言動は『聖』とは程遠いが、確かに言われてみればお前のやってることってのは聖女なんだよなー。無償で人を救ってるし、意外と情に厚いし、基本的に誰かを手助けしてるしな。でも、聖女ってのは……なんてーか……似合わねえな?」
「自分でもそう思うわ。聖女って柄じゃねえんだよなあ。だけど、聖獣がそういうんだからそうなんだろ」
「聖獣が言うんならそうだな」
二人してゲラゲラと笑う。
「てか普通に受け入れすぎだろ。もっとこう……ねえのかよ!」
「フィオと付き合うとか、男同士で結婚するとか、お前が子供産むって以上に驚くことあんのかよ!その後じゃあ聖女ってことくらいどうでもねえわ!お前さあ、付き合うってのから一気に結婚かあ?!いきなりすぎんだろうが」
「俺だって不思議なんだけどさ。フィオだけは別なんだよ。フィオ、可愛いだろ?」
「それがわかんねえっつってんだ!言っとくが、ボルゾイを可愛いなんてぬかすのはお前だけだぜ?」
「いや。兄貴んとこもみんなフィオのこと可愛いっつってんぞ?」
「サフィール家、おかしいんじゃねえか?てか、お前を育てた家だ、普通なわけねえか。博愛のサフィールだしな」
「なんだよそれ?」
「知らねえのか?サフィール家っていやあ、犬や猫、なんでも拾っちまう。人まで拾って、屋敷の使用人も大半は当主が保護したヤツだっていうじゃねえか。博愛のサフィールって言われてんの」
「それは初耳だわ」
「お前もだぞ」
「は?」
「貴族なのにわざわざ下街まで来て、金のない奴らをせっせと治療する博愛のゲイル。聖女にふさわしい行いだろ?似合わねえけどな」
「こっぱずかしい!やめてくれ!好きなことしてるだけだっての!」
「ははは。俺も救われたしな」
「おう。救ってやったんだからせいぜい俺の役に立てよ!」
ふ、とクリスがマジな顔になった。
「俺はお前のためならなんだってしてやる。覚えとけ」
その真摯な瞳の色に言葉を失っていると、すっと手が伸びてきて俺の頭をクシャクシャと撫でた。
「お、おい!」
「ははは!……まあ、そんくらいにはお前を大事に思ってるっつーことだ!」
知ってる。俺の親友だって言えるのはクリスとハルトだけだからな。お前だけは信頼できる。
家族以外で俺が安心して酔いつぶれられんの、お前らくらいなんだぜ?言わねえけどな。
俺も手を伸ばしてクリスの頭をぐしゃぐしゃにしてやった。
「こ、こら!くすぐってえだろうが!」
「くそう!髪が短すぎんだよ!俺の頭はボサボサなのに、お前にはダメージねえじゃねえか!」
二人で馬鹿みたいに取っ組み合って大笑いした。
「…………なあ、ゲイル」
「なんだよ」
「幸せになれよ」
「当たり前だっての!」
結局、依頼品が届いたか確認に来たはずが、朝まで飲んだくれてしまった。
二人分ヒールはしたんだが、なにしろ酒くせえ!
「あー……フィオがうるせえなこりゃ」
「あ、そういや、お前なんか俺に用があったんじゃねえのか?」
「ああ。依頼してあったもん、そろそろ入ったかと思ってさ」
「あれな。今うちの高ランク、外に出ちまってんだよ。もう少し待てるか?戻ったら頼んでみっから。そもそも、アイスドラゴンのうろこなんてめったに入らない貴重品なんだぞ。あんな高いもんどうすんだよ?しかも二つも!」
「アイスドラゴンのうろこってさ、フィオの髪の色なんだよ」
「お、お前まさか…………」
「お揃いでイヤーカフスを作ろうと思ってな」
「…………あれ、普通のドラゴンのうろこの値段の何倍すると思ってんだ?それを加工?本気か?」
「貴重だからこその贈り物なんだろうが。アレつけたらフィオの魔法の強化にもなるだろ?なあ、S級が戻るのには時間がかかるのか?」
「そうだなあ……ひと月からふた月くらいか?」
「じゃあ、俺が狩ってくるしかねえか……。聖獣がいうにはさあ、俺には悪意があるものは近づけないらしいから。ドラゴンに近寄れねえかもしれねえんだよなあ……そうすっと遠隔魔法しかねえか……」
「おいおいおいおい!何考えてんだ?」
「あ、そういや俺のために何でもするって言ったよな?一緒にドラゴン狩ってくれ」
「それを今言うのか?!お前、俺がお前に惚れてたの知ってんだろうが!その俺にそれを頼むのか?」
「まあまあ。お前が何にも言わなかったのがいけねえんだろ?俺だってお前ならおちてたかも……いや、ねえな。フィオみたくかわいくねえし!」
ゲラゲラと笑い飛ばせば、酷え奴だと小突かれた。
酷え奴だよ、俺は。だってそれでもお前のこと離してやるつもりはねえんだからさ。だったら笑うしかねえだろ。俺たちは親友にしかなれねえ。お前だって分かってたから言わなかったんだろ?
お前が言ったのは、俺にフィオがいるからだ。だから言えたんだろ?
クリスは深く深くため息をついて、諦めたように天を仰いだ。
「こういうヤツなんだよなあ…………。なあ、俺が行かなきゃ一人で行くつもりだろ」
「そうなるな」
「んなら、行くしかねえだろうが!言っとくが、これが俺の結婚祝いだからな!」
「ははは!最高の祝いだわ!ありがとよ!親友!」
「調子がいい奴め!」
ああ。クリス。フィオは特別なんだ。ごめん。
だけど、お前くらいなんだよ、フィオ以外に俺が背を預けられるのは。
ちょうどそれと入れ替わるようにして、フィオを拾った。
だからフィオはセルゲイのことは知らないだろう。
言うべきか。言わざるべきか。
もう7年もたってるんだし、セルゲイももう俺のことは忘れている可能性もある。見目だって悪くないんだし、地位もあるんだから、誰か相手がいる可能性も高い。
うん。保留だな!
とりあえず兄貴に探りを入れて貰おう。
ということで、俺は仕事をしながら式の準備に奔走した。
衣装は注文をすませたから、後は料理、花、土産の手配だ。
料理は、侯爵家の料理人を出してもらえるそうだ。
俺んちは俺が留守にすることが多いから、最低限の人数しか雇ってないからな。
フィオんちの料理人と共同作業するんだと張り切って行ったり来たりしている。
サフィールの料理は、屋敷で採りたての素材の味を活かしたもの。とにかく最高の素材を使ってるもんだから何を食っても美味い。わざわざ料理目当てに来る客もいるほどだ。
フィオんちに行ったときに出される料理は格式が高い料理で、繊細な味付け。うちとは違った方向で美味い。昔のフィオが味覚障害だったことを知っていて、俺が行くと「恩人が来た」とばかりにこれでもかってほど料理を並べてくれる。
この2家がコラボすれば、とびきりの料理になるだろう。
面倒をかけて申し訳ないと思ったが、どっちもすげえノリノリだから問題なさそうだ。
花はフィオが手配してくれるそうだ。最近外交を結んだ国の特産が花だそうで、王国では見かけない花を取り寄せるのだと張り切っている。
さて、そんな中、俺はフィオに内緒でギルドに来ている。
どうしてもフィオに渡したいものがあり、ギルドに依頼を出していたのだ。
「クリス! アレ入ったか?」
開口一番の俺の言葉に、クリスは苦笑い。
「おい。もっと他に言うことはねえのか?あの後どうなったんだよ?」
「ああ、俺、フィオと結婚することにしたから」
「…………はぁ?!」
言ったとたん「俺んちで話すぞ!」とクリスんちに引っ張って行かれた。
クリスの家はギルドから5分ほどのところにある。こいつ、部屋じゃなくて、自分で一軒家を買っちまってるんだ。
キッチン兼食堂に、居間と寝室、客間が2つ。風呂とトイレも付いている。一人暮らしの男の家としちゃあ立派なもんだ。
ちなみにしょっちゅう俺が入り浸ってるもんだから、客間のひとつは俺の部屋みたくなっている。
病院から家に帰るのが面倒くさいときなんかは勝手に来て泊まっていたりする、いわば俺の別宅だ。
とりあえず、酒でも飲まなきゃやってらんねー、と居間に簡単なつまみと酒を用意された。タダ酒をもらう分には大歓迎だ。
「で、どういうことなんだ?」
「皆にはまだ言うなよ?王の許可をもらって、正式に一年後に俺とフィオの婚姻を認めて貰うことになった」
「いや、お前ら男同士だろうが。しかも嫡男だよな?正式にって…無理だろ」
「そこは、ほら。俺だし」
「意味が分からん!どっちも後継どうすんだ?養子でも貰うのか?」
「それは俺が産む」
クリスの目が真ん丸になった。おい。目玉が落ちるぞ?
ジャバっと酒を注いで一気飲み。ドン、とグラスを置き、座った眼をしてこうのたまった。
「……………………お前、実は女だったのか」
そうきたか!
「んなわけあるか!湖で水浴びしたとき俺のムスコ見ただろうが!」
「付いてたよなあ……。じゃあ、穴もついてたのか?」
「尻にしか付いてねえわ!」
クリスと話すとどうしてこうもギャグになってしまうのか。
まあ、クリスなら話しても問題ねえだろう。俺は自分が聖女であること、聖獣の守護があることなどこれまでの経緯を全部ぶちまけてやった。
話を聞いたクリスは、呆れたように首を振る。
「お前が聖女か……。言動は『聖』とは程遠いが、確かに言われてみればお前のやってることってのは聖女なんだよなー。無償で人を救ってるし、意外と情に厚いし、基本的に誰かを手助けしてるしな。でも、聖女ってのは……なんてーか……似合わねえな?」
「自分でもそう思うわ。聖女って柄じゃねえんだよなあ。だけど、聖獣がそういうんだからそうなんだろ」
「聖獣が言うんならそうだな」
二人してゲラゲラと笑う。
「てか普通に受け入れすぎだろ。もっとこう……ねえのかよ!」
「フィオと付き合うとか、男同士で結婚するとか、お前が子供産むって以上に驚くことあんのかよ!その後じゃあ聖女ってことくらいどうでもねえわ!お前さあ、付き合うってのから一気に結婚かあ?!いきなりすぎんだろうが」
「俺だって不思議なんだけどさ。フィオだけは別なんだよ。フィオ、可愛いだろ?」
「それがわかんねえっつってんだ!言っとくが、ボルゾイを可愛いなんてぬかすのはお前だけだぜ?」
「いや。兄貴んとこもみんなフィオのこと可愛いっつってんぞ?」
「サフィール家、おかしいんじゃねえか?てか、お前を育てた家だ、普通なわけねえか。博愛のサフィールだしな」
「なんだよそれ?」
「知らねえのか?サフィール家っていやあ、犬や猫、なんでも拾っちまう。人まで拾って、屋敷の使用人も大半は当主が保護したヤツだっていうじゃねえか。博愛のサフィールって言われてんの」
「それは初耳だわ」
「お前もだぞ」
「は?」
「貴族なのにわざわざ下街まで来て、金のない奴らをせっせと治療する博愛のゲイル。聖女にふさわしい行いだろ?似合わねえけどな」
「こっぱずかしい!やめてくれ!好きなことしてるだけだっての!」
「ははは。俺も救われたしな」
「おう。救ってやったんだからせいぜい俺の役に立てよ!」
ふ、とクリスがマジな顔になった。
「俺はお前のためならなんだってしてやる。覚えとけ」
その真摯な瞳の色に言葉を失っていると、すっと手が伸びてきて俺の頭をクシャクシャと撫でた。
「お、おい!」
「ははは!……まあ、そんくらいにはお前を大事に思ってるっつーことだ!」
知ってる。俺の親友だって言えるのはクリスとハルトだけだからな。お前だけは信頼できる。
家族以外で俺が安心して酔いつぶれられんの、お前らくらいなんだぜ?言わねえけどな。
俺も手を伸ばしてクリスの頭をぐしゃぐしゃにしてやった。
「こ、こら!くすぐってえだろうが!」
「くそう!髪が短すぎんだよ!俺の頭はボサボサなのに、お前にはダメージねえじゃねえか!」
二人で馬鹿みたいに取っ組み合って大笑いした。
「…………なあ、ゲイル」
「なんだよ」
「幸せになれよ」
「当たり前だっての!」
結局、依頼品が届いたか確認に来たはずが、朝まで飲んだくれてしまった。
二人分ヒールはしたんだが、なにしろ酒くせえ!
「あー……フィオがうるせえなこりゃ」
「あ、そういや、お前なんか俺に用があったんじゃねえのか?」
「ああ。依頼してあったもん、そろそろ入ったかと思ってさ」
「あれな。今うちの高ランク、外に出ちまってんだよ。もう少し待てるか?戻ったら頼んでみっから。そもそも、アイスドラゴンのうろこなんてめったに入らない貴重品なんだぞ。あんな高いもんどうすんだよ?しかも二つも!」
「アイスドラゴンのうろこってさ、フィオの髪の色なんだよ」
「お、お前まさか…………」
「お揃いでイヤーカフスを作ろうと思ってな」
「…………あれ、普通のドラゴンのうろこの値段の何倍すると思ってんだ?それを加工?本気か?」
「貴重だからこその贈り物なんだろうが。アレつけたらフィオの魔法の強化にもなるだろ?なあ、S級が戻るのには時間がかかるのか?」
「そうだなあ……ひと月からふた月くらいか?」
「じゃあ、俺が狩ってくるしかねえか……。聖獣がいうにはさあ、俺には悪意があるものは近づけないらしいから。ドラゴンに近寄れねえかもしれねえんだよなあ……そうすっと遠隔魔法しかねえか……」
「おいおいおいおい!何考えてんだ?」
「あ、そういや俺のために何でもするって言ったよな?一緒にドラゴン狩ってくれ」
「それを今言うのか?!お前、俺がお前に惚れてたの知ってんだろうが!その俺にそれを頼むのか?」
「まあまあ。お前が何にも言わなかったのがいけねえんだろ?俺だってお前ならおちてたかも……いや、ねえな。フィオみたくかわいくねえし!」
ゲラゲラと笑い飛ばせば、酷え奴だと小突かれた。
酷え奴だよ、俺は。だってそれでもお前のこと離してやるつもりはねえんだからさ。だったら笑うしかねえだろ。俺たちは親友にしかなれねえ。お前だって分かってたから言わなかったんだろ?
お前が言ったのは、俺にフィオがいるからだ。だから言えたんだろ?
クリスは深く深くため息をついて、諦めたように天を仰いだ。
「こういうヤツなんだよなあ…………。なあ、俺が行かなきゃ一人で行くつもりだろ」
「そうなるな」
「んなら、行くしかねえだろうが!言っとくが、これが俺の結婚祝いだからな!」
「ははは!最高の祝いだわ!ありがとよ!親友!」
「調子がいい奴め!」
ああ。クリス。フィオは特別なんだ。ごめん。
だけど、お前くらいなんだよ、フィオ以外に俺が背を預けられるのは。
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