32 / 110
アイデンティティ
新生フィオ
しおりを挟む
ご拝読いただきありがとうございます♡
ようやくボルゾイさんも本懐を遂げたところで、こちらを1日2回から1回の更新とさせていただきまするー。
本業が年末で忙しくなりますのです。もうわけございません💦
※※※※※※
なんてーか。
フィオが変わった。
いつも張り詰めた空気を持っていたのが、ポワポワと幸せそうにしている。
生まれたてのヒヨコのように俺の後をついて歩く(これは今までと一緒か)
「なぜだか身体が軽いんです。いつもしていた頭痛も無くなりました。愛の力でしょうか?世界が明るく見えます」
真面目な顔で言うのでコーヒーを噴いた。
「愛の力」だと!凄えパワーワードじゃねえか!
まあ実際に浄化で身体の不調が取れたんだろうが、まさか冷血公がにこにこと「愛の力です!」と口にするとは誰も思うまい。
あまりの可愛さに胸がぎゅっとした。このかわいいのは俺の!
俺の大切な尻とプライドとアイデンティティを犠牲にしたんだ。もう絶対に他のヤツには渡さねえぞ!
特にこいつと恋人になったとわざわざ公表して回るつもりは無かった。
だが、いつも通りギルドに行って速攻バレた。
冒険者たちがフィオを見るなりニヤニヤしながら肩を叩いて行く。
「おう!良かったなボルゾイ!」
「ゲイルも年貢の納め時か!」
「もう俺たちに嫉妬すんなよボルゾイ!」
な、なんで分かるんだ⁈
「ゲイル…マジで言ってんのか?こいつの顔見てみろよ。幸せそうな顔しちまってさあ!」
振り返れば確かに。いつもは無表情なのに今日は明らかにご機嫌だ。口元に笑みをたたえ、目元も緩んでいる。
クソかわいいじゃねえかよ、おい!
ここはもうさっさと認めて牽制しておくか!
「オマエらこいつに手を出すなよ!この可愛いのは俺のだからな!」
しーん。
何故か皆から信じられないものを見るような目をされた。
「いや、かわいいって誰が⁈」
「んな怖いのいらねーって!」
「ゲイル、目は大丈夫か?」
ムカ!
「なんだよ、ちゃんと見たのか?
かわいいだろうがよ!」
グイッとフィオの顔を掴み皆の方向に押し出してやる。
見てみろ、ほら!かわいいだろが!
「ゲ、ゲイル!やめてください!かわいいのはゲイルでしょう?」
「いや、オマエだろ?」
オマエだろと言い合ってたら、呆れたように言われた。
「イチャつくんなら帰れよ」
とりあえずフィオは一階にやって、俺は二階でいつも通りギルドに治療に来た奴らを治療してやる。
あれ?なんかいつもより人、多くないか?
首を捻れば、クリスが苦笑した。
「そらいつもは番犬が下で睨みを効かせてるからな。今日はポワポワして牽制になってねえんだよ。軽症のヤツまで上がってきてやがる」
「ポワポワ、かわいいじゃねーか。俺のわんこだぞ。やらねーからな」
「いらねえよ全く!ゲイルがこんなんなっちまうとはなあ!メロメロじゃねえか」
「……お前も見たら分かるだろ?アイツ、くそかわいいんだって!」
「だから、そう見えてんのはお前だけだっての!色ボケんなよ!」
「え?俺、色ボケしてんのか?まさか!
いや……してるな。フィオがすんげえ可愛く見える。
抱かれたのは俺のほうなのに!逆じゃねーか!」
よし!次は俺が抱く!
もう浄化もできたし、チェンジでいいだろう!
今の俺ならいける!押し倒される前に押し倒してみせる!
そう決意していると、クリスが苦虫を噛み潰したような表情をしていた。
「どうした?変な顔して」
「いや……俺の想像と逆だったからビックリしただけだ。まさかお前がそっち側だったのかよ!そんなら俺だって……」
「ああん?そっち側ってどういう意味だよ。
しゃーねえだろ。俺にも色々な事情があるんだよ!」
「……俺が押し倒してたらどうした?」
「問答無用で関節を攻めるな。どこ外したい?」
「いや、冗談だ!マジで勘弁しろ!……ボルゾイは特別なんだな?」
「まあな。俺の運命らしいしなw」
でなきゃ俺が下やらねーっての!
ようやくボルゾイさんも本懐を遂げたところで、こちらを1日2回から1回の更新とさせていただきまするー。
本業が年末で忙しくなりますのです。もうわけございません💦
※※※※※※
なんてーか。
フィオが変わった。
いつも張り詰めた空気を持っていたのが、ポワポワと幸せそうにしている。
生まれたてのヒヨコのように俺の後をついて歩く(これは今までと一緒か)
「なぜだか身体が軽いんです。いつもしていた頭痛も無くなりました。愛の力でしょうか?世界が明るく見えます」
真面目な顔で言うのでコーヒーを噴いた。
「愛の力」だと!凄えパワーワードじゃねえか!
まあ実際に浄化で身体の不調が取れたんだろうが、まさか冷血公がにこにこと「愛の力です!」と口にするとは誰も思うまい。
あまりの可愛さに胸がぎゅっとした。このかわいいのは俺の!
俺の大切な尻とプライドとアイデンティティを犠牲にしたんだ。もう絶対に他のヤツには渡さねえぞ!
特にこいつと恋人になったとわざわざ公表して回るつもりは無かった。
だが、いつも通りギルドに行って速攻バレた。
冒険者たちがフィオを見るなりニヤニヤしながら肩を叩いて行く。
「おう!良かったなボルゾイ!」
「ゲイルも年貢の納め時か!」
「もう俺たちに嫉妬すんなよボルゾイ!」
な、なんで分かるんだ⁈
「ゲイル…マジで言ってんのか?こいつの顔見てみろよ。幸せそうな顔しちまってさあ!」
振り返れば確かに。いつもは無表情なのに今日は明らかにご機嫌だ。口元に笑みをたたえ、目元も緩んでいる。
クソかわいいじゃねえかよ、おい!
ここはもうさっさと認めて牽制しておくか!
「オマエらこいつに手を出すなよ!この可愛いのは俺のだからな!」
しーん。
何故か皆から信じられないものを見るような目をされた。
「いや、かわいいって誰が⁈」
「んな怖いのいらねーって!」
「ゲイル、目は大丈夫か?」
ムカ!
「なんだよ、ちゃんと見たのか?
かわいいだろうがよ!」
グイッとフィオの顔を掴み皆の方向に押し出してやる。
見てみろ、ほら!かわいいだろが!
「ゲ、ゲイル!やめてください!かわいいのはゲイルでしょう?」
「いや、オマエだろ?」
オマエだろと言い合ってたら、呆れたように言われた。
「イチャつくんなら帰れよ」
とりあえずフィオは一階にやって、俺は二階でいつも通りギルドに治療に来た奴らを治療してやる。
あれ?なんかいつもより人、多くないか?
首を捻れば、クリスが苦笑した。
「そらいつもは番犬が下で睨みを効かせてるからな。今日はポワポワして牽制になってねえんだよ。軽症のヤツまで上がってきてやがる」
「ポワポワ、かわいいじゃねーか。俺のわんこだぞ。やらねーからな」
「いらねえよ全く!ゲイルがこんなんなっちまうとはなあ!メロメロじゃねえか」
「……お前も見たら分かるだろ?アイツ、くそかわいいんだって!」
「だから、そう見えてんのはお前だけだっての!色ボケんなよ!」
「え?俺、色ボケしてんのか?まさか!
いや……してるな。フィオがすんげえ可愛く見える。
抱かれたのは俺のほうなのに!逆じゃねーか!」
よし!次は俺が抱く!
もう浄化もできたし、チェンジでいいだろう!
今の俺ならいける!押し倒される前に押し倒してみせる!
そう決意していると、クリスが苦虫を噛み潰したような表情をしていた。
「どうした?変な顔して」
「いや……俺の想像と逆だったからビックリしただけだ。まさかお前がそっち側だったのかよ!そんなら俺だって……」
「ああん?そっち側ってどういう意味だよ。
しゃーねえだろ。俺にも色々な事情があるんだよ!」
「……俺が押し倒してたらどうした?」
「問答無用で関節を攻めるな。どこ外したい?」
「いや、冗談だ!マジで勘弁しろ!……ボルゾイは特別なんだな?」
「まあな。俺の運命らしいしなw」
でなきゃ俺が下やらねーっての!
422
お気に入りに追加
798
あなたにおすすめの小説
私が出て行った後、旦那様から後悔の手紙がもたらされました
新野乃花(大舟)
恋愛
ルナとルーク伯爵は婚約関係にあったが、その関係は伯爵の妹であるリリアによって壊される。伯爵はルナの事よりもリリアの事ばかりを優先するためだ。そんな日々が繰り返される中で、ルナは伯爵の元から姿を消す。最初こそ何とも思っていなかった伯爵であったが、その後あるきっかけをもとに、ルナの元に後悔の手紙を送ることとなるのだった…。
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
君のことなんてもう知らない
ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。
告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。
だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶のみ失ってしまう。
今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、他の人と恋を始めようとするが…
「お前なんて知らないから」
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
傷付いた騎士なんて要らないと妹は言った~残念ながら、変わってしまった関係は元には戻りません~
キョウキョウ
恋愛
ディアヌ・モリエールの妹であるエレーヌ・モリエールは、とてもワガママな性格だった。
両親もエレーヌの意見や行動を第一に優先して、姉であるディアヌのことは雑に扱った。
ある日、エレーヌの婚約者だったジョセフ・ラングロワという騎士が仕事中に大怪我を負った。
全身を包帯で巻き、1人では歩けないほどの重症だという。
エレーヌは婚約者であるジョセフのことを少しも心配せず、要らなくなったと姉のディアヌに看病を押し付けた。
ついでに、婚約関係まで押し付けようと両親に頼み込む。
こうして、出会うことになったディアヌとジョセフの物語。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
お決まりの悪役令息は物語から消えることにします?
麻山おもと
BL
愛読していたblファンタジーものの漫画に転生した主人公は、最推しの悪役令息に転生する。今までとは打って変わって、誰にも興味を示さない主人公に周りが関心を向け始め、執着していく話を書くつもりです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる